金木犀が香る　秋の夕暮れ　
「淋しい？」と　呟いたのはあなた
何も言えなくて　ただ首を振り　
痩せた白い手を　そっと握った

「ずっと傍にいるから」遠い日の約束　
あなたがくれた　水晶のお守り
櫻舞う春の日に　出逢ってから　
二人で過ごした日々　幸せな想い出
今も僕の胸に　刻まれているのに　
その瞳に僕が　映ることはない

出来ることなら　僕のこの生命　差し出して
あなたの代わりに　なりたいけれど
造り物の僕には　あなた救えない　
僕に出来るのは　願うことだけ
どうか　このまま　消えないでください　
僕を　独りに　しないでください

櫻の花が咲いた　満月の夜　
「ごめんね」と　残して昏睡(ねむ)るあなた
何も出来なくて　溢れる涙　
愛しい温もり　消えてしまう

「僕を置いてかないで」どうかお願いです　
こんな世界に　独りで居たくない
今も僕の心に　残っている　
優しい笑顔と声　暖かな想い出
神様がいるなら　どうかお願いです　
僕からあの人を　消さないで欲しい

出来ることなら　僕のこの生命　消し去って
あなたの元へと　逝きたいけれど
造り物の僕には　自分を消せない　
僕に出来るのは　願うことだけ
誰か　この僕　壊してください　
僕を　此処から　消してください・・・

ライセンス

願い　　（先に説明文をお読み下さい）

紫藤悠

読んだ感想を頂けると、嬉しいです。

20XX年.
人と変わらない機能を持つ人工生命体【Vocaloid】は、それぞれの主の元、
幸せに暮らしていた。

「彼」もまた、優しい主と共に幸せな毎日を過ごしていた。
そんなある日、「彼」の主は病に倒れ、治療と看病を続けたが
櫻の花が咲いた春の夜に、還らぬ人となってしまった。
自己保存Programを組み込まれた【Vocaloid】は、他者による破壊以外、
自ら死ぬ事が出来ない。
それはかつて、主の後を追うように自らを破壊した【Vocaloid】が
いたため、政府が各メーカーに命じて組み込ませたからだ。
人よりも遥かに長い時間を生きる「彼ら」は、主を失うと回収され、
全ての記憶をＲｅｓｅｔされて、新しい主の元に送られる。
だからこそ「彼」は願う。誰かに破壊される事を・・・

10/30.追記
歌詞の一部を変更しました。

投稿日：2011/10/30 01:29:27

文字数：545文字

カテゴリ：歌詞

コメント4
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ご意見・ご感想

お名前

紫藤悠
コメントのお返し
こんばんわ(^O^)

歌詞の一部を変更してみました。如何でしょうか？

現在他の歌詞も見直して、いろいろ弄ってます。
宜しければ、感想など頂けると有難いです。
2011/10/30 01:38:29
kazeko
ご意見・ご感想
今晩は、kazekoでございます（＾＾

書き加えて頂けたのですね！(＠＠)！しかも早い
こちらの反応が鈍くてすみません。

ロマンツァじゃなかったのですね！私も始めはどちらか迷って、でも「痩せた白い手」と「ごめんね」で勝手に女性だと思って、それならロマンツァだろ！！と。
発想が安直ですみません（ＴＴ）
でもどちらにも意味を取れるので、それはそれで素敵だと思います（爆

また書き足し部分ですが、「彼」の悲痛さや静かだけど重い訴えが感じられて、私は好きです（爆
2011/10/28 19:40:23
- 紫藤悠
  こんばんわ(^O^)
  
  マスターの性別は読んだ方の解釈にお任せしてますので、kazekoさんがこのマスターを女性と思われたならそのまま受け取って下さい。
  
  書き足したことで、「彼」のより深い哀しみ・絶望を表現出来ましたでしょうか？
  
  ガッツリ設定を創り込んでしまうので、内容を変えずに歌詞を弄るのはそう難しくは無いのですが、逆に解りづらくなってしまわないかと心配になるのですよ。
  
  周りから、「おかたまの詞は、曲を付けるのが難しい」と言われてますので。
  
  2011/10/28 21:03:57
ロミピ
ご意見・ご感想
こんばんわ(´∀｀)
詞ももちろんですが、説明文にある短い【お話】を読むのが毎回楽しみです♪

私はボカロマスターなので、常に【ボカロと自分】な目線で詞を読むので（ちょっとイタイ子）
自分が居なくなった後、【記憶を消されるくらいなら、いっそ自分を消してくれ】と願うボカロが
とても切なかったですねー。

あ、私からも１つ！曲募集な詞には【曲募集】タグを付けるといいですよ♪
私は【曲募集タグ】付いてるのから物色する事が多いです。逆に付いてないと、曲を付けても良いのか悩みます。
2011/10/26 01:56:50
- 紫藤悠
  こんばんわ(^O^)
  読んで頂き有難うございます。
  この詞、書いてる時は何も感じなかったのに、確認するために読み返したら、自分の詞なのに
  泣きそうになりました。涙腺が弱いのかな？
  
  説明文て、何書いたらいいのか判らなくて毎回悩みます。
  で、設定とゆーかあらすじみたいなモノを書いてるのですが、楽しみにして下さるなら
  もうこの路線で行かせて頂きますね。
  
  タグですか(・o・)
  情報有難うございます。
  上げる時にタグの記入例を見て入れてるのですが、知りませんでした。
  では早速、入れてきます。
  
  2011/10/26 02:50:30
kazeko
ご意見・ご感想
今晩は、そして度々失礼致します、kazekoでございます（＾＾
毎作、色んな方向に感動しながら読ませて頂いてます！

詩全体を通して感じられる透明な哀しさに、金木犀の甘い香りと桜の儚い可憐さが寄り添っていて、綺麗な印象の詩ですね。
「彼」の主は、そんな花々のように美しい女性なのではと妄想しながら読ませて頂きました（´▽`＊
シンプルな言葉選びで詩が頭に馴染みやすく、また背景も凄くしっかりしていて、物語としても楽しめました。

ただ、「彼」がどのような存在なのか説明文を読まなければ解らないので（私の理解力が足らないのやもしれません爆）、そこが“歌詞”としては勿体ないのでは、と。
恋人を亡くした男性の唄として読んでしまい、“造り物の僕”で「？？」って（私は）なるので、二人の出会いや幸せな時間にも触れていた方が良いのでは、と。
その方が詩の哀しみも深まるのでは、と。

すみません、自分はド素人のくせに調子に乗りました。
居た堪れなくなったので退散致します。
あくまで私個人の意見ですので、参考にはなさらないで下さい（泣
2011/10/25 00:54:21
- 紫藤悠
  こんばんわ(^O^)
  感想＆メッセ有難うございます。
  
  恋人...そーゆー見方もあるのですね。気づきませんでした。
  この詞は、最初から「ボカロと主」とゆー設定で一年位前に書いたものを、うpするときに文字数合わせただけで、そのまま上げてました。
  初めは説明文も書いて無かったんですが、「分からんやん」と、急いで書きました。
  
  ご指摘有難うございます。
  一応、歌詞を足してみたのですが、如何でしょうか？
  取り敢えず、文字数のみ合わせてみました。
  2011/10/25 02:38:02