第六十一話 謎

 「全ては―――レン―――あなたの為よ。……わかるわね……?」

 「はい」

 私は全てを飲み込んで、そう答えた。

 
 あとは全て私に託されたんだ。
私がこれからする選択で、全てが決まる。


 「すみません、ちょっといいですか?」

 
 ずっと大人しく聞いていたぐみが話に割って入った。

 「あの、おりんのことなんですけど……なんであんな、おとてを攻撃したんですか?」

 咲屋さんは「そうね……」と少し考えてから答えた。

 「多分あれもルカの仕業ね……。おりんの『レンを守りたい』って気持ちが大きすぎて……かしら……? あの子も親だから……娘も娘の大事な人も、守りたかったんでしょう……」

 

 きっとおりんさんも、みんな、今少し感情が麻痺しているのだ。
だってこの状況で、そうして平常心を保っていられる?

 何もかもがおかしい。

 そしてその原因は――私だ。



 「……魔界へ還せば、ルカは生き返るんだよなあ?」

 かいとが訊いた。

 「そうね。きっと回復するわよ。……それも時間の問題だけれどね」

 「あたしたちは、帰るよ。もともと、ここの研修じゃないし……。レンを、連れ戻しに来たんだし」

 ぐみは、ぶっきら棒に言い放った。

 「私は……ここに残るわ……。今更戻っても、きっと……無理だろうから……」

 おとては悲しそうに言った。

 

 「れんは……?」




 おりんさんが私をみる。
みんなが私を、私に、全てを委ねている。



 「おりんさん……」





 大事な人は、もうわかっている。


 でもここで帰れば、おりんさんの私たちの一切の記憶はなくなる。
それをおりんさんはしらない。

 自分の母親は、本当はルカさんではないことも、お依亜さんであることも。

 それを私は伝えていない。




 忘れられると、わかっていながら……自分の本当の居場所に戻るのか……。
 




 ここに、とどまるのか……。













 「私は―――――」

ライセンス

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ノンブラッディ

あ、終われます!

あと……5・6話くらいで!
いや、またアドリブ入って長くなるかもww

閲覧数:156

投稿日:2013/04/18 21:04:03

文字数:870文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    ほんとだ、おわっちゃいそうな雰囲気!w

    個人的に不器用なグミちゃんに日の目を……

    2013/04/19 00:15:13

    • イズミ草

      イズミ草

      そうなんです!
      もう、キャラたちが好き勝手に動き過ぎなかったら終われますw

      グミちゃんねえ……。
      けなげないい子ですが、どうなるかは……

      2013/04/19 20:45:39

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