＃１８－２「みんなに目撃されて、驚かして」




「大変お見苦しい所をお見せしました…わたくし、リリィと申します」


先ほど、メイコがリリィとグミが玄関先で騒いでいるのに気付き、【近所の人に見られて、恥ずかしいじゃない】といって、無理やりリビングに連れて来ていた


「まったく…2人で何してたのよ…あんな人目につくところで…」


メイコはやれやれといった具合に首をふった


「メイコさん！違うんです！あれはリリィが勝手に…」

「いいわけしない！！」

「…はい」


メイコは、なぜかグミに厳しい

どうやら、本質的に相性が悪いらしい






「まぁ、それはともかくとして……リリィさん、これからよろしくね。僕はカイト。はい、歓迎のアイス」


そういって、カイトはリリィにアイスを渡した


「あ、ありがとうございます」


リリィは戸惑いながらもアイスを受け取った


「あれ？そういえば、今日、ミク様達は？」

「グミ、昨日、ミク達は仕事だって言ってたでしょ？」

「そうでしたっけ？…………ほっ」


グミは、いつものごとく何も話しをきいていなかった

そして、何故か安堵の息をもらす




「ごめんね、リリィさん。リリィさんが来るって聞いたの、昨日だったから…みんな、仕事があってさ…」


カイトはそういってリリィに謝った


「あ、いえ…私が一日でも早くこちらに来たくて、無理言って早めてもらいましたので……私の方こそ、いきなりですみません」


リリィは深々と頭を下げた

メイコは【グミと幼馴染みというけれど、グミと違って、礼儀はちゃんとしてるわね】と心の中で思っていた




「あ、じゃぁ、今日はメイコさんとカイトさんと私しかいないんですか？」

「ううん、レンとリンもいるだけど、さっき、お使い頼んだのよ」


メイコがそういって時計を見る


「そろそろ、帰ってくるかもしれないわね」

「え？！それは駄目です！！」


グミがガタッと音を立てて勢いよく立ちあがる




「え？どうして？」


カイトがそう聞いた時、玄関の方から「ただいま～」という声が聞こえた






「リンちゃん！こっちきちゃだめ～！！」


グミが突然、叫ぶ

そして、リビングのドアが開いて、レンとリンが顔を出す


「え、なんか言った？」


次の瞬間だった…


「わぁぁぁぁぁ！！！かわいい！！」


リリィが突然、目をキラキラさせて声質が変化した


「あ～、スイッチ入っちゃった……」


グミはやれやれといった様子



「わぁぁぁ！2人ともかわいいね！そっくりだね！双子かな？いくつ？どっちがレン君で、どっちがリンちゃん？あ、やっぱり、リボン付けている方がリンちゃんかな？そうだよね、女の子だもんね！」


リリィがマシンガントークを発する


「え？あ！……はい、私がリンですけど…14歳です…」


リンもリリィの勢いに圧倒され、答える


「わぁぁぁ！やっぱり！かわいい！はぁ…何、このかわいさ…すべすべの肌…サラサラの髪…あぁ、もう食べちゃいたい！！」

ゴスッ！！


鈍い音と共にリリィが倒れる


「この変態！！やっぱり、まだ治ってなかったわね！！」


それでなぐったのだろう…椅子をもってグミがリリィに向かって言い放った



「え？グミさん、どういうこと？」


カイトがグミにわけをきいた


「リリィは…未成年のかわいい女の子を見ると、興奮して暴走するの！」

「ええええ！！」


そこにいた全員が驚いた


そして、メイコは【ああ、やっぱり、グミの知り合いだったな】と思った