harumiの投稿作品一覧
-
夢だと知りつつ見続けた夢
ほら、崩れてゆく未来の街
あなたがいない うそだよ
放たれたことばが蝶になる夜だ
ぼくらは何もかも標本にしようよね
夢からさめたらきっと忘れてしまう
ああ けだるい陽だまり
またあなたはどこへ向かうの
離れてくトロイカ
もう一度 どうか...標本
-
とおく凪ぐ海 あれはホログラムの空
届かない夢が朽ちるように
もうすこしだけ 声をきかせてよ
ほら、マイナス2月の夜の底で
そこにいるのがきっと たとえ、ふたりではないとしても
物語は1ミリさえも揺らぎはしないのでしょう
何度だって繰り返したおとぎ話を いま抜け出して
「これが嘘でもいい?」「それ...言葉足らずだ。
-
引き出しに閉じ込めた暗闇を
きみが「夜」と名付けたそのときに
星が生まれたの
*
朔の夜に星はあかるく
きみがともす星座をなぞる
はるか遠く向こう岸まで
届くほどの光が欲しい
誰を待ちて咲くのか
夜の端に揺れる白...火と花
-
未明 色のない雨が降る
奇跡の起こらない街に
きみが与えた答えだって
いつかは忘れるだろう
嘘つき同士の旅が終わり
時間は戻らないのだから
雨の降り続く街で
ぼくたちは最強だったよね
ふたり見た白黒の映画では
なにもかもが永遠だったのに...★夜いつまでも
-
始めた物語を終わらせるためには
どれくらいの言葉が必要なのでしょう
水底の生活にいつかは慣れて
星を忘れてゆく
だけど 夏 過ぎた日々
彼方の青に 瞳を閉じたのなら
「確かめてみたいことがあるんだ」
あなたに手を振った
そのとき光った空のことを
ひとりで振り返る...★サイレント
-
ねえ、どこまで行けば星になるかな
その白い頬は
あなたの物語が
いつかは終わること
わかってる
鼓動の果てにある しずかな闇
コーラを飲み干して
どんな嘘でもいい
もう他には何も要らないから
千年の夜を駆けてく 現れた無機の獣たち...★走れゾンビガール
-
羽ばたき方など教わらずにいた
泥まみれの夢 ひとりで踊っていた
変わりたいのかと問われたときから
ひび割れた指に痛みを感じる
ねえ どれだけの怒りを飲み込んで
ぼくたちは白い月を見てたの
鳥籠の街では何もかもが空虚で
凍りついた反照 誰もが無感情
仄暗い舞台に立たされていたのは……
ああ、ほら...革命ストラテジー
-
それじゃあ目を閉じて おもいえがいて
これから手に触れる そこに星
きみは夜に溶けて 光の粒になる
あたしはなでる 星たちを
♪
いつかは終わる物語
だからきれいだ なんてことは
あたし 少しもわからない
きみはどうですか
いつかまじわる光線に...★星と100年
-
終わる夏の窓辺で
走らせてゆくペン先
あなたがこの手紙を読むことはなく
だけど 書くことでしかつぎの季節を迎えられない
そう思う僕は祈るように
ゆっくりと便箋をただ埋めるのです
陽射しはこのごろ淡くなりました
まだ暑さは残るけど
ひぐらしの声が熱を奪うように
寂しくこだまする夕べ...★半身
-
知らないふり出来ずいた
きみはすこしだけ不思議
手を取って非常階段 駆けおりてみたかった
(その手を取って駆けたなら
校舎をそっと抜け出して
教科書も投げ捨てて
No limitでいたかな……)
拍手をしたんだ
バカみたいだけど
魔法なんて知らなかったの...★さよなら・フィクション
-
カーテンは 春の風にそっと はためいている
サイレンがまだ 遠く町へと ひびけば
映画なら エンドロールが 始まるころ
手を伸ばした 花びらを追うように
・
嘘を言(ゆ)うこと 許されるなら
あなたしかいない あたしには
海が 狂おしいほど 夜を映して
ふたりきり 波音をきいた あの日
あの日だった...★運命ごっこ
-
バイパス道路を走ってふたり見上げた雨の終わりを
ほどかれるのを待つあいだ咲いたcolor
「最終回? まだ先!」ってきみは睨んだ8月の空
誤読を笑うために来たはずだった
続きがあるならどんなに陳腐な恋だとか
つぶやくそのたび 言葉は崩れたんだ
反証・疾駆・ナウ
感情・シグナル
感じてほしくなる
「...ロードムービー