タグ「自己解釈」のついた投稿作品一覧(49)
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砂の中から突き出す手。その手には見事な装飾の施された指輪がはまっていた。
本当に死ななかった。
元、城だった砂の中から這い出した俺は目をぱちぱちとさせて、自分の身体を見る。傷一つない。
『任務を遂行するまで、死ぬことは許さぬ。』
こういうことか…
俺は神が去り際に言ったことを思い出しながら、妙に納得...孤高の騎士―Lost Destination③―
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「…王様。」
静かに呟く俺の声に王はゆっくりとこちらを振り向いた。しかしすぐに背を向け、再びステンドグラスを眺めだす。
「レンか…」
ポツリと言った俺の名だけが、ここに俺がいると彼が認識したことを示していた。
「王様、私の姉は…死にました。」
「そうか…それで、お前はどうするというのじゃ?」
しばし...孤高の騎士―Lost Destination②―
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「貰った!この、裏切り者が!!」
ザッ!
俺は俺の左胸に剣を突き刺した男の首をなぎ払い、剣を引き抜いた。己の剣先にツタウ滴を拭い、鞘へとおさめる。
「俺は死なない。」
俺はそう呟くと、首なしの男に背を向けて歩き出した。赤く染まった白い軍服は徐々に元の色へと戻っていった。
これで何度目だ?俺は自問する...孤高の騎士―Lost Destination①―
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「ただいま~」
僕は裏口から家の中へと入った。
抜き足、差し足、忍び足…
僕はサンタさんに見つからないようにこそこそと歩く。そんなことをしても、一日遊び呆けていたのは事実なのだから怒られるのは変わらないのだけど、本能がそうさせているのだ。
そうして玄関まで歩いていって、靴とボールを片付ける。でもおか...母の温もり―五番目のピエロ(Ⅴ)―
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「サンタさん!おはようございます。」
手品師とお茶をしてから丸一日が経った。サンタさんはその晩に僕に仕事を任せず、自らお仕置きに言ったのだ。久しぶりに夜に眠れた僕は、なんだか落ち着けず早めに目覚めてしまった。そして今は、仮眠を終えて起きてきたサンタさんのために朝食を作っていた。
「飯はまだ?」
「も...母の温もり―五番目のピエロ(Ⅳ)―
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「ただいまー。」
「お帰りなさい。ピエロさん。」
「あれ?サンタさんは?」
この日、僕は久々に夜のうちに仕事を終わらせることが出来た。まだ日の昇らないうちに家へと帰ると出迎えてくれたのは、サンタさんではなかった。
「あら?そういえばはじめましてだったかしら?私は『七番目の手品師』よ。」
ナイフを構え...母の温もり―五番目のピエロ(Ⅲ)―
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「レミー!レミー!!」
「はーい!」
夕暮れ時、僕はボールを置いて家の中に入る。昨日のお仕置きの仕事が朝方までかかってしまっていた僕は、昼過ぎに起きてそれからほぼ一日中外でサッカーボールと遊んでいた。
「レミー!あなた今日の勉強サボったでしょ!」
僕が食卓に着くとサンタさんが怒った顔をして、僕に言っ...母の温もり―五番目のピエロ(Ⅱ)―
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シャン、シャン…
レンガ作りの道路、ゴミ箱の置かれた狭い路地…
閑静な住宅街に似合わぬ鈴の音が響く。
タン、タン…
辺りが暗いせいではっきりとは分からないが、踊るようにうごめく影が1つ確かにそこにあった。
タン、タン…シャン!
ひと際大きく鳴り響いた鈴の音を最後にその影は動くのを止める。今夜は月がと...母の温もり―五番目のピエロ(Ⅰ)―
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私は腕を伸ばす。視界は暗闇で何も見えない。
娘は…私の愛しい娘はどこだ?
私は更に前へ前へと腕を伸ばしていく。辺りは寒気がするほどに寒く先ほどまでの暑さが嘘のようだった。しかし先ほどまで腕の中に感じていた温もりまで同時に奪われてしまった。私は、必死にその温もりを求める。
どこだ、どこにいる…私の愛し...master of the court―第死話 冥界の主と最後の審判―
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「裁判長。次の裁判の資料です。」
「ああ、そこに置いておいてくれ。」
「失礼します。」
秘書官が1つにまとめられた紙の束を置いて事務所から出て行く。近衛団長の息子が起こした事件も一区切りがつき、私は次の裁判の公判前手続きに入っていた。
え~なになに、
________________________...master of the court―第三話 内戦の始まりと終わる裁判―
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ガチャ…
「る~り~ら~る~り~ら~」
「ただいま。」
「お父様!」
私が家に帰り着くと娘が笑顔で迎えてくれた。どうやら今まで歌っていたようだ。娘は椅子から立ち上がれない。黄色い鏡がかかり、赤いグラスと青いスプーンそして友人から聞いた私の御伽噺のみがあるこの部屋が、彼女にとって世界の全てなのだ。私は...master of the court―第二話 箱庭の娘と大罪の器―
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「ガレリアン=マーロンをUSE暗星庁最高裁判所裁判長に任命する。」
「被告人は前へ…」
「裁判長…奥様と娘さんが…」
「眼を開けろ…開けてくれ!」
「…お父…様?」
「っ!!」
「治療は不可能です…つまり、再起は不能かと…」
「ねぇ…ガレリアン。『大罪の器』って知ってる?」
「それさえあれば、願いは...master of the court―第一話 悪徳裁判官と汚された法廷―
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この話は僕(ライト)の完全なネタです。
いつも以上に二次創作、自己解釈要素が高いです。
公式設定ではありません。また原作者様となんら関係もないのに好き勝手書かせていただいています。
それでも大丈夫な方は、スクロールしてどうぞm(_ _)m
―眠らせ姫から眠り姫に…―
R「よし!!」
パソコンの前に座...【ネタ】 レン君と悪ノワールドに行ってみた。
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ポスンッ…
ピアノに打ち付けられた直後だからだろうか?今回はやけにやさしく本から床に打ち付けられた気がする。
「帰ったかね?」
僕が声のした方へ顔を向けながら立ち上がると、そこに立っていたのは扉から覗くように顔を出している館長の男だった。
「ええまぁ…」
日が落ち暗くなった部屋…
何故だろう?本の中...犯人の物語―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(エピローグ)―
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コッコッコッ…
「フンッ…だから私があの時殺してやるといったのに。」
僕は…いや『鏡音レン』は眼を開ける。
目の前には一人の男…
僕は彼に見覚えは無かったが、身体は…『鏡音レン』は彼を知っているようだ。怯えているのが分かる。
「海の藻屑になっていれば、彼女の死に目に会わずに済んだというのに…」
僕は...犯人の物語―episode3 ナゾカケ③―
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「あなたは私に罪を犯させたくなかったのかしらね?それで自分が罪を犯し私を守った…お陰で私は憎しみのはけ口を失った。」
「…」
黙っている僕。
「…いいわよ。そうして黙っていても。貴方がやらないなら私がしてあげましょう、この事件のナゾトキを…。貴方が私に『探偵』だと自己紹介したときに、私も言ったわよね...犯人の物語―episode3 ナゾカケ②―
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「答えがひとつとは限らない。それを確認する術ももうじき消えてなくなる。ほら君のすぐ目の前にいるその名前をさあ言ってごらん。この僕の名前を。」
今度ははっきりと意識があった。しかし、口も手も自由に動かせなかった。まるで始めからそうなることが決まっているかのように、所定の位置に腕が動き、口が言葉を紡いだ...犯人の物語―episode3 ナゾカケ①―
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バタンッ…
僕は本から放り出されるように、擦り切れたカーペットの上に吐き出された。
「ほう。関心だな。」
「なにがです?」
僕はぶつけた頭の痛みに苛苛しながら、館長の男に聞いた。館長の男は開かれたままになっていた本に手を伸ばしぺらぺらとめくる。
「ああ、なるほどそれでか。中でお馬鹿共がテキトーなこと...犯人の物語 ―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(間奏②)―
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「ひとつめのナゾは…」
僕はピアノの脇にいる君のほうを振り向きつつ左手の人差し指を立てる。
「何故彼がひとりの部屋で、毒入りのワインを飲まなければいけなかったのか?」
君は黙っている。僕はそれをいいことに話を先へと進める。
「理由は簡単。彼はあの時死ぬべき宿命と決まっていたのだから。」
僕のこのなん...犯人の物語―episode2 ナゾトキ③―
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僕は自分の分のグラスを空にすると無慈悲な眼を床の男に向けて立ち上がった。僕の分のグラスは持ち去った。
レオンは日記に書かれているように、相当人間不信に陥っていたようだ。その証拠に玄関から僕が今いるこの部屋まで来るのに誰も使用人に会わなかったのだ。しかし洋館の中に人の気配はある。あらかたレオンが、一人...犯人の物語―episode2 ナゾトキ②―
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10月_4日晴_のち_り
何故だろう?嫌な予感がする…俺が親父から任されたパーティーは三日後に迫っていた。俺にはどうしてもそのパーティーで何か起きそうな予感がするのだ。
備えあれば憂いなしと言うだろう。俺はこの日記にパ...犯人の物語―episodde2 ナゾトキ①―
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グイッ…
本の終わりに書かれていた「fin...」という文字を読んだ途端に僕は襟首を後ろに引っ張られるような感覚に襲われた。そして、視界は病室ではなく元の図書館に戻っていた。
タタタタタタタ、タタタタタン…タラタラララ、タンタンタタタン…
放心している僕の耳に入ってくるメロディー。僕は驚き振り向くと...犯人の物語―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(間奏①)―
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「青山!」
「伊藤!」
「鏡音!」
今日は一年生最後の日。担任の先生がぼく達に通知表を渡していく。ぼく達の学校にはクラス替えが無いし担任の先生も変わらない…でも、ぼくは君と一緒にいられない。一週間後、ぼくは父さんの仕事の都合で田舎の街に引っ越すことになっていたのだ。父さんは支部長になるのだから栄転だ...犯人の物語―episode1 ぼくにピアノを弾かせて③―
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あれから八ヶ月がたった。それでもぼくと君の距離は全く変わっていなかった。相変わらずぼくは君に話しかけることも出来ず、気づけば二学期が終わってしまっていた。それでもぼくは、ぼくが君を知っているだけで幸せだった。例え、これ以上近づけなくとも…
タッタータター、タッタータター、タッタータタータ、タタタタタ...犯人の物語―episode1 ぼくにピアノを弾かせて②―
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タッタータター、タッタータター、タッタータタータ、タタタタター…
ぼくはピアノに向かいリズムを奏でる。両手がピアノの上を滑るように走る。低い音を重ねたレクイエム…
桜の散る街。今日でぼくの母が死んでから丁度一年になる。ぼくは涙を堪えながらピアノを弾く。開けた窓から響く音は外へと広がってゆく。ぼくは目...犯人の物語―episode1 ぼくにピアノを弾かせて①―
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僕は鏡音レン。他人からは世紀の名探偵だなんて呼ばれている。今はこの街で1つの探偵事務所の所長を務めている。十代の少年にしたら出来すぎた快挙だろう。そんな所長の椅子が身体に馴染み始めた頃、一人の老婆が僕の事務所を訪ねてきた。何でも半世紀以上も前に起きたある凄惨な事件について調べて欲しいというのだ。僕も...
犯人の物語―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(プロローグ②)―
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ある街はずれの洋館。海岸の傍に立つその建物はかつて貴族の屋敷として建てられ、現在は豪勢な図書館となっている。しかし、かつてそこは…ある凄惨な事件の舞台となった場所でもある。
ギィィィィィ…
何年ぶりに扉が開かれたのだろう?一人の少年が洋館の入り口に立っていた。あの凄惨な事件のせいだろうか?いや、そう...犯人の物語―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(プロローグ①)―
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ガチャ…
オギャー…オギャー…
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あれから14年の月日が経った。僕は今この手紙を僕だけのために書いている。
結局6人のレンは僕の中でしっかり生きていた。
小さい頃は無邪気だった僕。なんにでも興味を持ち、受け入れていった。...僕―7番目の僕⑦―
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ガチャ…
「あなたは歌っていないのですね…」
僕は扉を開けて、周りを一通り見渡した。この部屋はまるで病室のように真っ白で、とても静かだった。そして、この部屋の唯一の家具であるベットに座っている僕よりかなり年上に見える青年に僕は言った。
ここに来るまで5人のレンとあってきた。部屋にいたのは1人ずつで皆...僕―7番目の僕⑥―
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ガチャ…
コンッ
…バッターン
「その辺散らかってるから気をつけたほうがいいよ。」
そんな、転んでから言われたって…
僕は部屋に入るなり転がっていた空き瓶に足を取られうつ伏せに、盛大に転んでしまっていた。そして、寝転がっている僕を見下ろすように立っている、この部屋の…たぶん主。
「そう、僕もレンだよ...僕―7番目の僕⑤―
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