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神様なんていない僕らの
もう十数年会っていない昔の友人の訃報を耳にして、俺は久しぶりに地元へと帰ってきた。
都会から新幹線とローカル線を乗り継いで、待ち時間を含めるとだいたい四時間といったところか。地元の景色は、こうして見てみると思っていた以上に懐かしく、郷愁を誘う。
地元の最寄り駅に降り立...神様なんていない僕らの 上 ※2次創作
周雷文吾
THE HEREAFTER R-Mix “RESURGENCE” SIDE:δ
あれから。
あの、まるで時が止まってしまったかのようだった“その”瞬間からどれくらい経ったのだろう。
あの頃は年の暮れだっただろうか。だとすれば、もう三ヶ月か。
(そっか。まだ、それだけしか経ってないんだ……)
...ReAct 14 ※2次創作
周雷文吾
THE PRESENT PART3 M-Mix SIDE:γ
そこに居たのは、自分だった。
目の前に立つその姿は、確かに違う。
ショートカットで、黒いワンピースで、つり目がちで。
何もかもが違う。なのに、それは確かに、自分だった。
国際病院の屋上で、レンと会うとは思っていなかった。ミク自身...ReAct 13 ※2次創作
周雷文吾
THE PRESENT PART2 R-Mix SIDE:γ
病室にやって来たものの、レンはどこかへ散歩にでも行ってしまったのか、彼の姿は見当たらなかった。
嫌な予感を振り払い、リンは先に用事を済ませてしまおうと意を決して向かいの病室にも入ってみたのだが、そこも空だった。
本来は内向的なリンが...ReAct 12 ※2次創作
周雷文吾
THE PRESENT PART1 L-Mix SIDE:γ
その屋上へと続くガラス扉を開くと、キィィ、ときしんだ音を上げた。
病院の屋上は、実際には意外に広い。だが、頭上に広がる夕焼け空のせいか、それとも屋上を取り囲むフェンスのせいか、いまいちその広さが感じられなかった。むしろ、なぜか逆に狭く...ReAct 11 ※2次創作
周雷文吾
INTERMISSION3 R-Mix
逃げ出して来てしまった。
嫉妬の炎に焼け焦げそうになっていながらも、そう考えて後ろめたい気持ちになるだけの理性はかろうじて残っていた。
だが、今のままレンと顔を合わせてしまえば、彼にもつらくあたってしまう事は彼女自身分かっていたので、少しだけ時間をあける...ReAct 10 ※2次創作
周雷文吾
INTERMISSION2 L-Mix
翌日、レンが病室で目を覚ました時には、リンは既に居なくなってしまっていた。
普通に考えれば、単に大学に行ってしまっただけなのだろう。だが、レンにはどこか腑に落ちなかった。
リンは、基本的に学校の成績は良い方だ。だが、授業や講義への出席率はあまりかんばしく...ReAct 9 ※2次創作
周雷文吾
INTERMISSION1 R-M:ReMix
深夜の国際病院の五階。そこにある一本の廊下を挟んで、二つの部屋で二人の思いが交錯する。
どうすれば良かったのだろう、と彼女は頬の痛みを堪えながら自問する。
相手を心配するという事。それは、相手を傷付けない上で何よりも重要な事では無いのだろうか。
...ReAct 8 ※2次創作
周雷文吾
FLASHBACK6 R-mix side:β
はっと目を覚ます。
目元が、涙で濡れていた。
懐かしいと、彼女はただそう思った。
夢に見たのは、あれはいつの頃の事だっただろうか。
(小学校の頃、じゃなかったかな……)
二人で一緒に見た夜空。まばゆく輝く満月。
けれど結局、あのすぐ後に母親...ReAct 7 ※2次創作
周雷文吾
FLASHBACK5 L-mix side:β
「リン! 外!」
「なぁに? あたし、眠いよ……」
「いいからいいから。外、すっげー明るいんだぜ!」
そう言って、まぶたを擦りながらぐずるリンを、レンは引っ張っていく。
「ほら、こっちこっち!」
「そこは危ないから、ママがダメって……」
「バレやしな...ReAct 6 ※2次創作
周雷文吾
FLASHBACK4 before-side:β
あれから。
あの、想像すらしていなかった絶望的な光景を見てしまってからどれくらい経ったのだろう。
あの頃はまだ寒くなり始めたばかりの頃だっただろうか。今はもう雪のちらつく年末だ。大学はもうすぐ冬休みになるし、あと数日で聖夜もやって来る。
(そっ...ReAct 5 ※2次創作
周雷文吾
FLASHBACK3 after-side:α
部屋を出る。
だが、特段ミクには行き先が決まっている訳では無かった。何も考えていなければ、いつものようにまた病院の屋上に行ってしまうのだろう。
彼女自身は、それでも別に構わなかった。ただ、ずっとあの部屋に一人ぼっちでいるのは気が滅入ってしまう。誰...ReAct 4 ※2次創作
周雷文吾
FLASHBACK2 L-mix side:α
少年はベッド脇のキャビネットの上に置いてあった注射器――と言うにはいささかカジュアルな物ではあったが――を手に取り、カートリッジを取り付けると、ためらいがちに自らの左腕に刺した。
注射器から体内へとカートリッジ内のインスリンが注入され、血液内を巡る...ReAct 3 ※2次創作
周雷文吾
FLASHBACK1 M-mix side:α
あれから。
あの、まるで時が止まってしまったかのようだった“その”瞬間からどれくらい経ったのだろう。
あの頃は初夏だっただろうか。だとすれば、もう五ヶ月か。
(そっか。もう、半年近く経ってるんだ……)
白い部屋の白いベッドに横たわっていた少女は...ReAct 2 ※2次創作
周雷文吾
THE PRESENT ≒ SIDE:γ
今、温もりが消えさってしまったその場所で、三人の男女が立ちすくんでいた。
それは宵闇、ちょうど日の沈んだ時刻だった。その瞬間、まるで時が止まってしまったかのように三人も動きを止める。ビルの屋上。つい先程まで、外周をぐるりと取り囲んでいるぶしつけなフェンス...ReAct 1 ※2次創作
周雷文吾
THE PRESENT the second half of side:C
マンションの一室の扉の前で、ミクは深く深呼吸をする。
(ルカ。分かってる……よね)
ルカに全部、余す所なく説明させなければならない。最悪は、このナイフで脅してでもだ。どんな結果になろうとも、自分を騙したその報いを彼女に受...ACUTE 11 ※2次創作
周雷文吾
coda Grandioso
11.
「海斗くん。海斗くーん!」
俺が女将――一度でも母親と呼ぼうものなら、独りでは到底こなせるはずもない量の仕事を押しつけられた――から、この旅館にある温泉の効能を暗記させられていると、そんな声が聞こえてきた。
今日は、これでいったい何回目なんだ――?
...ロミオとシンデレラ 43 ※2次創作
周雷文吾
26.
ええと、なんというか、その。
あえて結論を省くが、その後、二週間ほど寝込んだ。というか、まだ復帰してはいないのだけれど。
……。
……。
……。
……つまり、そういうことだ。
なんとなく察して欲しい。なぜ詳細を書きたくなかったのか、ということも含めて。
私の心はもう、完全に...Japanese Ninja No.1 第26話 ※2次創作
周雷文吾
25.
そして私は、瞳を開いた。
いろいろと覚悟を決めて、私はすっと見上げる。目の前の階段を下りてくる裸マフラーの、その背後に君臨する女帝を。
だが、女帝は私の視線を受けても悠然としており、少しも揺るがなかった。それどころか私を見下ろしたまま、恐ろしい笑みを浮かべる。
「あらぁ、ルカちゃん。...Japanese Ninja No.1 第25話 ※2次創作
周雷文吾
24.
「そこの変態に、辱めてもらいましょうかねぇ」
想定以上の、もはや鬼畜でしかないその内容に、私の思考は停止した。
その踊り場にいた奴ら……激闘を繰り広げていたにもかかわらず、存在を忘れられていたにままの忍者るかと裸マフラーが、咲音先輩の言葉に再度ピタリと動きを止める。
二人は、細切れに...Japanese Ninja No.1 第24話 ※2次創作
周雷文吾
23.
「ルカちゃんたら、あたしに断りもなくいろんな子をたぶらかして、困った子ねぇ」
咲音先輩は視線の恐ろしさをまったくゆるめることはなかった。それどころかさらに恐ろしくなっている気がする。
「咲音様、そうではございません! ただ、わたくしは……」
「んー? グミちゃん、なにが違うのかしら?」
...Japanese Ninja No.1 第23話 ※2次創作
周雷文吾
22.
その先輩は、現役高校生にしてアイドルの頂点に君臨している。
画面の向こうにいる姿はあまりにも華々しく、手の届かない遠くにいる人だということを私たちは否応なく実感させられてしまう。
そして彼女は、我が巡音学園が誇る現役女子高生アイドルである以上に、間違いなく一流のアーティストだった。
...Japanese Ninja No.1 第22話 ※2次創作
周雷文吾
21.
私たちはようやく全身ロープマフラー男のもとに追いついた。
だが、やつの目の前には下着姿で寮内を歩き回っていたという、控えめに言って恥じらいが足りない下級生の女の子がいた。現状では未だ学園内の歌姫という立ち位置ではあるが、将来的には間違いなく世界に羽ばたくであろう技術力と才能を持ち合わせ...Japanese Ninja No.1 第21話 ※2次創作
周雷文吾
20.
なんということだ。
なんということだ。
なんということだ。
なんということだ。
なんということだなんということだなんということだなんということだなんということだなんということだなんということだ!
大事なことなので何度でも何度でも何度でも言う!
ほんっとぉーに、なんということだ...Japanese Ninja No.1 第20話 ※2次創作
周雷文吾
19.
余ったロープでこの裸マフラーを再度ぐるぐる巻きにしたものの、こんな物体を私の部屋に入れたくなかった。なので、一階の入口付近にある談話室へと連行した。
本当なら女子棟の外――例えば、男子寮生と兼用の食堂なんかだ――にしておきたかったのだが、夜の八時半を過ぎると、女子棟の入口には鍵がかけら...Japanese Ninja No.1 第19話 ※2次創作
周雷文吾
18.
それから、約一時間半後。
巡音学園椿寮女子棟風呂場から、その声は漏れ聞こえてきていた。風呂場で反響しているせいか、声は意外に大きい。外にいても、少々耳をすませていれば会話の内容を把握するのはさして難しい事ではなかった。
「お嬢様……」
「グミ……」
「本当に、よろしいのですね……?」
...Japanese Ninja No.1 第18話 ※2次創作
周雷文吾
17.
そして再び、私の自室にて。
グミと二人で変態忍者を校内から運び出したのはいいものの、行き先に困り、結局、私の部屋まで連れてくる羽目になってしまったのだった。
ああもう、どこかその辺に捨ててしまえばよかったものを……なぜ私はそれができなかったんだろう。まったく、いいかげんにできない自分...Japanese Ninja No.1 第17話 ※2次創作
周雷文吾
16.
ようやくあらわれたるかを見て、私はなによりもまず、うつむいて深く深くため息をついてしまった。
「御館様。ど、どうしたのでござるか?」
私は顔を上げて、彼女の顔をまっすぐに見つめる。一瞬前まであった彼女に対するさびしさは、あっさりと吹き飛んだ。代わりに胸中に現れたのは、もちろん怒りだ。そ...Japanese Ninja No.1 第16話 ※2次創作
周雷文吾
15.
それから、放課後になるまでるかは姿をあらわさなかった。
逃げるようにしていなくなったるかに、しばらくして我に返った初音さんは猛烈に怒っていたが、なんというか、初音さんのヒートアップがすさまじかったせいで、私は逆に冷静になっていたような気がする。
今までのパターンでいけば、怒った初音さ...Japanese Ninja No.1 第15話 ※2次創作
周雷文吾
14.
「そこの席、空いているかな?」
――卑猥な発言が一段落した頃。
一人の男子生徒が、そう私たちに声をかけてきた。
「せ、生徒会長……」
初音さんが、その人を見てびっくりしたようにそうつぶやく。
そう、それはこの学校の三年生、生徒会長のカイトさんだった。
もはやみんながきれいさっぱり...Japanese Ninja No.1 第14話 ※2次創作
周雷文吾