タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(14)
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寒さにかじかむ手に息を吐きながら、
大量の本を別教室へと運ぶ作業。
何故か私1人だけで作業を進めていて、
いよいよ愚痴がこぼれそうだったそんな時。
図書室のドアがゆっくりと開いた。
先生が来てくれたのかと、ぱっと振り返ると
そこにいたのは蓮くんだった。
視線がばちっと合い、
刹那ののち気が付いたよう...good-bye diary Page:4
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それまで同じクラスになったこともなく、
一学年当たりの人数が多かった私の学校では
同学年にどんな子がいるのか
全てを把握することは難しかった。
だからこそ、彼と出逢えたのは、
彼と親しくなることが出来たのは
とても素敵なことだった。
鏡 蓮(かがみ れん)。
それが彼の名前だった。
同じクラスである...good-bye diary Page:3
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あの時の私は幼すぎた。
自分のことばかりで、周りなどちっとも見えていなくて
君のこともきっと、よく見えていなかったのだろう。
だからこそ、今になって分かる。
私は君に恋をしていた。
それはどこにでもあるような、きっと普通の恋。
恋愛小説に出来るようなドラマチックなものでも、
歌に出来るような素敵なも...good-bye diary Page:2
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今でも思い出せる。
あの桜の匂いと、温かく肌に触れる日差し。
そして、叶うことのなかった初恋。
これは私の過去のお話。
ふと、街中に懐かしい音楽が流れる。
何の曲だっただろうか?
CMソング?ドラマの主題歌?
それとも……。
そんなことを考えていたら、携帯が震えた。
画面を確認すると中学からの友人で...good-bye diary
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放課後のチャイムが鳴り響く
校庭駆けてくキミ
「バイバイ」の一言が言えず 飲み込んでしまう
友達とかわす笑顔眩しくて
それはまるで太陽みたい
遠くから見てるだけのあたしは 負けたような気分よ
こんなにもどかしい気持ちなんて
あたしの心を惑わせるだけ
だからだからだからダーリン!
はやく抱きしめに来て...relation cannon(リレイションカノン)
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「私は……間違って生まれてきたんじゃないって……
言ってくれる……?」
リンは、泣いていた。
それは、両親が死んだとき以来見たことのない、
姉の泣き顔だった。
リンはこれまで、自分に辛い部分を見せないようにと
無理して笑って過ごしてきたんじゃないか。
そう思ったら、リンの弱い部分を受け入れるこ...炉心融解 ~melt down~ 12
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長い長い螺旋階段の終わりにあるのは、
どこにでもある普通のドア。
でも、この先にいるのは、どこにでもいる訳じゃない、
僕のたった1人の家族だ。
レンは、走ってきた勢いでドアを開けた。
「リン!!!!」
そこには……誰もいなかった。
「何で……、リン!?」
レンは慌ててあたりを探す。...炉心融解 ~melt down~ 11
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「リン、待ってて。今行くから」
レンは、目の前に聳(そび)え立つ螺旋階段を見上げてつぶやいた。
リンは、ガラス越しに青く輝く光を見つめていた。
私は、何のためにここまでやってきたんだろう。
大事な弟を傷付けるため?
ううん、違う……。
私は、守りたかった。
レンと過ごした時間や、思い出や、すべて...炉心融解 ~melt down~ 10
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あの恨みも、核融合炉ごと吹っ飛ばそうというのか。
鏡音リン、私はどうやらお前を見くびっていたようだ。
所長は、携帯電話を取り出した。
発信先は……鏡音リンであった。
コール音が何度も鳴る。
次のコールで諦めようと思った、その時だった。
「……はい、こちら鏡音です。
何の御用でしょうか?所長」
リン...炉心融解 ~melt down~ 9
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青白い光がいっぱいに広がる。
融合反応が始まったみたい。
それでいい。
私は、ライトテーブルに向かい、再び操作する。
打ち終えた瞬間、天井にあるハザードランプが赤く光り回転し始めた。
「核融合炉、臨界点に達します。
研究員はただちに待避してください。
繰り返します……」
機械的な声が、何度も危険...炉心融解 ~melt down~ 8
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僕は、こんなお金なんか要らない。
リンといたいんだ。
リン、どうして?
リンは僕が嫌いになったの?
僕は、もう一度リンに逢いたいよ……。
僕はひたすら勉強した。
リンに逢いたくて。
もう一度、あの生活をリンと送りたくて。
2年の月日を要して、僕はようやくこの研究所に入所することが出来た。
リンが勤め...炉心融解 ~melt down~ 7
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リン、お願いだよ。
戻ってきてくれよ。
僕は、君を失いたくない。
僕ら、2人きりの家族だろ?
君だけが、君を守ることだけが僕の生きる理由だというのに。
……君が、核融合炉に飛び込むというのなら僕もそうする。
僕らは、運命共同体だ。
そうだろ、リン。
「レン、レン」
「何?ねーちゃん」...炉心融解 ~melt down~ 6
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そう、これでいいの。
何もかもが許される。
私がしてしまったこと。
今、私の目の前にあるこの融合炉は私が生み出したもの。
「地上の太陽」なんて呼ばれた「これ」はそれこそ大きなエネルギーを生み出した。
無限に近い、巨大なエネルギーを。
しかし、代償は大きかった。
初めの頃は、事故が多発して消えていった...炉心融解 ~melt down~ 5
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急がなきゃ……。
早く、飛び込まなきゃ……。
「室長!起動室のキーが……」
「分かっている。鏡音リンだろう」
「飛び込んでしまうんですかね」
「知ったことか。どちらにしても……起動だけは避けなくてはならん。急いでやつを見つけるんだ!」
苦しくて、息が出来なくて、もうどうしたらいいかなんて分かるはずが...炉心融解 ~melt down~ 2