タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(236)
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わたしは現在、クオと喫茶店で作戦会議の真っ最中。作戦というのは当然、リンちゃんと鏡音君の仲を親密なものにするためのものだ。
同じクラスとはいえ、基本的に二人は全くといっていいほど話す機会がない。というより、リンちゃんはわたし以外と喋ることがほとんどないのよね。だから何としてでも、二人っきりにして...アナザー:ロミオとシンデレラ 第七話【作戦会議中のミク】
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俺は、喫茶店でミクと向かい合っていた。言わずもがな、ミクに「作戦会議よ!」と引っ張り出されたわけなんだが。というか、何で喫茶店なんだ?
ちなみに、作戦というのは言わずもがな、この前失敗した「レンと巡音さんをくっつけよう作戦」のことである。理由はさっぱりわからないが、ミクは未だに燃えているのだ。
...ロミオとシンデレラ 第八話【作戦会議中のクオ】
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クオの家で映画を見てから、数日が経過したある日。俺は学校の図書室で『RENT』のサントラを聞きながら、歌詞をチェックしていた。この前見た舞台は字幕がいいかげんで、話の意味を取りづらかったんだよな。そんなわけでネット通販でサントラを購入したんだが、歌詞カードがついていなかった。幸い、歌詞を全部載せて...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第六話【檻の虎に太陽を見せて】
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登校して、ミクちゃんとお喋りして、授業を受ける。授業が終わったら、部活のある日は部活動。それが無い場合、大抵は真っ直ぐ家に帰る。帰宅後は家庭教師の先生について勉強。それが、わたしの日常。何事もなく、日は過ぎていく。
そんな、ある日の放課後。授業が終わって帰り支度をしていると、携帯にメールが届いた...ロミオとシンデレラ 第七話【わたしが街を歩くと】
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その日の夜、俺は晩飯の後で、姉貴に訊いてみた。
「今日、クオから映画のDVD借りてきたんだけど、姉貴も見る?」
「何借りたの?」
「『ブレインデッド』ゾンビ映画。ピーター・ジャクソン監督」
ちなみに、姉貴は変な映画が結構好きだったりする。弟の俺でも、姉貴の映画の趣味をはっきりとは把握していない。...アナザー:ロミオとシンデレラ 第五話【ブレインデッド】
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わたしが立てた作戦は完璧だった。まず、わたしがリンちゃんを「映画でも見ない?」と言って家に呼ぶ。そして同じ日に、クオがやっぱり映画を口実にして、鏡音君を連れてくる。後はわたしとクオが喧嘩をする振りをして、二人だけ部屋に残して出て行ってしまうのだ。これで、リンちゃんと鏡音君が部屋の中で二人っきり、と...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第四話【ミクの不満】
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「いやああああっ!」
びっくりしてそっちを見る。初音さんが悲鳴をあげていた。あれれ。巡音さんも画面を見るどころじゃなく、初音さんを見ている。
こんな反応するってことは、初音さんってホラーが全くダメなタイプ? クオ、お前、何考えてんだ。俺と巡音さんはどっちも唖然として、悲鳴をあげる初音さんを見てい...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三話【何故ならそれこそが恐怖だから】後編
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土曜日の夕方。俺が自分の部屋で課題を片付けていると、携帯が鳴った。かけてきたのは……クオか。
「もしもし」
「よう」
「どうした?」
「ああ……えっと、お前、明日暇か?」
なんか歯切れ悪いな。いつもならもっと立て板に水みたいに話すのに。
「暇だよ。晩飯作らないといけないから、それまでだけど」
...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三話【何故ならそれこそが恐怖だから】前編
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その日の朝、登校したわたしの目に入ったのは、信じられないような光景だった。何かって? リンちゃんが、同じクラスの鏡音君と話をしていたのっ! これが驚かずにいられますか!
……と言うと、大抵の人は「それのどこが信じられないわけ? 同じクラスなんだから話ぐらいするでしょ?」って思うかもしれない。けれ...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二話【ミクの興奮】
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注意書き
この作品は、doriko様の「ロミオとシンデレラ」を題材に、黒刃愛様が作成したPVにインスピレーションを受けて、私が書いた小説『ロミオとシンデレラ』の、レン視点バージョンです。レン以外に、ミクなどの視点が入ります。
もともとは頭の中を整理するために書いていたのですが、割とまとまって一...アナザー:ロミオとシンデレラ 第一話【大丈夫?】
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あれこれあった上映会から帰ると、玄関の前に見覚えのある高級車が止まっていた。……神威さんが来てるのね。
家の中に入ると、応接室の方からお父さんの機嫌の良さそうな声と、それに相槌を打っている神威さんの声が聞こえてきた。神威さんは、ルカ姉さんの婚約者。お見合いをしたのは二年前。話はあっという間にまと...ロミオとシンデレラ 第六話【ガラスの覆い】
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ミクが立てた「レンと巡音さんをくっつけよう大作戦」というのは、二人を同時にミクの家に呼び出して、話す機会を作ってあげよう、というものだった。
「そんなんでうまく行くのか?」
「絶対うまくいくわよ!」
俺にはちっともうまくいくとは思えないんだが、協力を約束した手前、仕方が無い。
というわけで、俺...ロミオとシンデレラ 第五話【クオの受難】
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劇場で足をくじいてから一週間が過ぎて、また日曜日がやってきた。もともと予定の入っていなかった日だし、足もまだ痛むので、当初は自宅で大人しくしている予定だった。けれど、ミクちゃんから「うちに遊びに来ない? 一緒にホームシアターで映画でも見ましょう」とお誘いが来たので、出かけることにした。
「リン、出...ロミオとシンデレラ 第四話【まるでもの凄い鍛冶屋の中に】
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その日の昼、ミクからメールが入った。「放課後ちょっと相談したいことがあるから、いつもの喫茶店に来てね」と書いてある。一緒に住んでいるんだから、わざわざ俺を呼び出さなくてもいいと思うんだが。
ミクは俺の従姉だ。俺の両親は現在仕事で海外赴任中で、俺は父親の兄である、ミクの父のところに中三の時から預け...ロミオとシンデレラ 第三話【クオの困惑】
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次の日、普段どおりに登校したわたしは――車で送り迎えしてもらっているので、遅刻することはまずない。たとえ足を痛めていても――教室に入ると、自分の席についた。始業まではまだ時間がある。時間を潰そうと、わたしは持ってきた文庫本を広げた。
そんなとき、後ろから声をかけてきた相手がいた。
「おはよう、巡...ロミオとシンデレラ 第二話【その安らぎは薄暗く】
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注意書き
この作品は、doriko様の「ロミオとシンデレラ」を題材に、黒刃愛様が作成したPVにインスピレーションを受けて書いた小説です。
さて、この小説は、以下の設定になっています。
この作品のレンとリンは血縁関係はありません。また、名字が一緒だと話をまとめづらいため(どうしても "No r...ロミオとシンデレラ 第一話【ロミオとジュリエット】
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そんなわけで、盛大な式をあげてもらい、レンはリンと結婚しました。ですが結婚して半年ほど経過した頃でしょうか。レンは次第に、自分の実家のことが気になってきました。
「……俺、一度実家の様子を見て来たいと思ってるんだけど」
「あたしは賛成できないなあ」
結婚後に、レンから実家を出てきた理由を聞かされ...昔話リトールド【レンと不思議な馬】その六
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その次の日、カイトとメイコは屋敷中の男の使用人を呼び集めて、ミクから聞かされた話をしたところ、大騒ぎになってしまいました。
その騒ぎの中を、レンはそっと抜け出して、また林に向かうと、馬を呼び出しました。
「こんな朝っぱらからどうしたんです」
レンはカイトとメイコが話したことを、ざっと馬に説明し...昔話リトールド【レンと不思議な馬】その五
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レンは少し早めに屋敷に戻ることにしました。カイトたちがいつ、戻ってくるのかわからなかったからです。リンは「いつも遅くまで祭りを見てるから大丈夫よ」と言いましたが、後を追って来ない娘のことを心配して探しに戻るかもしれません。「うちの両親はのんびりしてるから心配しなくても平気」とリンは言っていましたが...
昔話リトールド【レンと不思議な馬】その四
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芝居を見に行ってから、またしばらく時が過ぎました。そして今度はその時の町で、お祭りが開かれることになりました。例によって屋敷の人たちは全員で出かけて行きましたが、レンはまた口実をつけて誘いを断ってしまいました。
「で、今回もその格好で出かけるんですか。レン、あなた性格悪くなってきてませんか」
「一...昔話リトールド【レンと不思議な馬】その三
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この不思議な馬に慣れたこともあり、レンの旅は順調に進みました。そうして川を越え野を駆け山を越えていくうちに、人里の近くに出ました。
「うーん……」
人里を目前にした林の中で、レンは考え込みました。
「どうしました?」
「いやさ。お前とこうやって旅をするのは楽しかったけど、さすがにちょっと山や野原...昔話リトールド【レンと不思議な馬】その二
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この作品は、ある昔話をレンリンでリトールドしたものです。思い切り平たく言いますと、「もともとの昔話の主役をレンリンに変えて、自己流でアレンジを加えて語り直したもの」です。ギャグにしたつもりはないので、パロディと呼ぶよりリトールドの方が妥当というか。昔話を誰かに話してみたことがある人ならわかると思い...
昔話リトールド【レンと不思議な馬】その一
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「さてと、グレーテルを料理するために、オーブンの準備をしなくちゃね。オーブンやーい!」
がくぽさんが呼ぶと、大きなオーブン(というよりパン焼き窯)が舞台袖からすーっと滑ってきた。準備万全みたいで、既に煙が出ている。がくぽさんは杖をオーブンの横に置いた。
「あの女の子はあのままで充分美味しそうだから...ボーカロイドでオペラ【ヘンゼルとグレーテル】舞台編 第三幕(後編)
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第三幕
幕が開いた。背中に妖精の羽根がついた淡い緑のひらひらドレスのミク姉が、お花の形のカップを片手にやってきて、「私は朝を告げる朝露の精。さあさあみんな、起きなさい。冷たい露の雫をかけて、あなたの目を覚ましてあげましょう」と、目覚めの歌を歌っている。ミク姉も端役なんだけど、衣装が可愛いだけグミ...ボーカロイドでオペラ【ヘンゼルとグレーテル】舞台編 第三幕(前編)
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第二幕
第二幕は森の中で、ヘンゼルとグレーテルはイチゴを摘んでいる……はずなんだけど、摘んでいるのは俺だけで、リンは座り込んで花冠を編んでいる。……サボるなよ。いや、リンが自分の意思でサボってんじゃなくて、台本にそう書いてあるからなんだけどさ。
「よっし、これで籠いっぱいだ! 帰れるぞ!」
「う...ボーカロイドでオペラ【ヘンゼルとグレーテル】舞台編 第二幕
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『ヘンゼルとグレーテル』舞台編です。キャストは以下のとおり。
配役
ヘンゼル:鏡音レン
グレーテル:鏡音リン
ゲルトルート(母親):メイコ
ペーター(父親):カイト
眠りの精:グミ
朝露の精:初音ミク
ロジーナ(魔女):神威がくぽ
話の中身はオペラ『ヘンゼルとグレーテル』どおりに進...ボーカロイドでオペラ【ヘンゼルとグレーテル】舞台編 第一幕