慣れていると思っていた。
彼が他の女の子を目で追うことも、ノロケを聞かされることも、告白すると盛り上がっているのを応援することも、フラれたと言っては私の部屋に転がり込んでめそめそと愚痴を聞かされることも。
いい加減心の痛みを感じる感覚は麻痺していたし、一喜一憂しても私が疲弊していくだけ。それならいっそこんな不毛な想いは墓場まで隠し通して、報われない恋心と心中してやろうとすら思っていた。
けれど。
熱視線を送る彼の横顔は、大切に隠してあった私の想いを明るみに引きずり出しただけでなく、見事に木っ端微塵に粉砕してくれた。
――彼の31回目の恋の相手は、私の親友だった。
気持ちの良い小春日和。さんさんと日差しが差し込む教室。
窓際一番後ろの席でぼんやりと外を眺めていると、ふわりと鼻先に花の香りがしたような気がした。のっそりと振り返ると、妖艶な笑みを浮かべたルカがいつのまにかそこにいた。思い浮かべていた本人が真後ろに立っていて、うっかり心臓が口から飛び出しそうになった。
「…びっくりした、声くらい掛けてよ」
「驚いた顔が見たくて」
「…悪趣味ね」
ふふ、と鈴が鳴るように笑って、ルカは私の前の席に腰を降ろす。
この間の席替えで私たちは運良く前後の席に座ることが出来たので、手紙だってお喋りだってし放題。この間までは、それがすごく嬉しかったのに。
「どうしたの?なんだか元気ない?」
「…んー、そういうわけじゃないんだけどね」
「でもその割に、目の下にクマ」
ルカの掌が私の頬に触れ、親指が目の下をついとなぞった。反論の余地もないのでただ肩を竦めておく。
「…夜遅くまで勉強してただけよ。気にしないで」
「そう?あんまり根詰ちゃダメよ、可愛い顔が台無し」
「ご心配ありがと」
「どういたしまして」
可愛い顔、だなんて思ったことは一度もない。
だって、物心ついた時から好きな人には一度もそんなことを言われたことがないのだから。
可愛いとか綺麗とか、そういう言葉が似合うのはルカとか彼が好きになる女の子たちだ。根が素直で隠し事なんて出来ないカイトの口からは女の子たちへの賛辞は常に駄々漏れで、よくもまぁここまでと思うほど様々なパターンの誉め言葉を聞かされている。ルカで言うなら「白い肌につんと上を向いたピンクの唇と通った鼻筋の造形美、そしてそこはかとない目元の色気」…だそうだ。一言一句覚えてるのは、昨日聞いたばかりだから。
「…ねぇルカ、今日、暇?」
鞄から教科書やノートを取り出すルカの背中に声をかける。揺れる薄桃色の髪は毛先までツヤツヤで、相変わらず綺麗な髪だな、なんて思って更に自分を痛めつけてしまう。
「今日はお母さんと買い物に行く約束があって」
「そっか」
「ごめんね、なんか用事だった?」
「えーと…」
ルカに会いたがってる奴がいて、紹介してってうるさくて、でも実はそれが私の好きな人で、さっさと付き合うなりフるなりしてくれるといいなって思って。
…なんて、言える訳ないじゃない。
「ううん、なんでもない。大したことじゃないから」
「そう?」
ルカが首を傾げたところで始業のチャイムが鳴った。それと同時に担任が教室に入ってきて、結局お喋りは終了。
ああ、今日もまた。
情けない恋心に決別出来やしなかった。
【カイ←メイ】アンバランス×エンドレス
「恋愛勇者」(http://piapro.jp/t/h3zC)の続編です!
!ご注意!
・現パロ、二人は隣家の幼なじみ
・カイメイと書いておきながらカイトが違う女の子に恋をしまくるお話
・めーちゃんは幼い頃からずっとカイトが好きですが、決して表には出しません
前作も殴りたいなこいつって思いながら書いてましたが今回はけり飛ばしてやりたいと思いながら書いていました☆
書いているうちになんだかがっくんが出張っちゃってどうしようかなって思っています
※余談ですがルカが一番好きな人はめーちゃんです。
前のバージョンで進みます
コメント3
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ご意見・ご感想
くらびー
ご意見・ご感想
今回も素晴らしい小説をありがとうございます!
キョン子さんのがっくんイケメンすぎて惚れちゃいそうでした~
めーちゃんがんばれ!
2012/03/13 19:18:03
キョン子
>目白皐月様
メッセージありがとうございます!!
仰って頂いたことが的を射すぎていてもうそのまま続きを書きたい気持ちになりましたww
そうなんです、この話のカイトはおそらくまだ幸せな少年期の中に居て、本当に辛い事とか信じられない事っていうのにまだ出会っていない…という設定で書いています。今まで傍にいためーちゃんやがっくんの変化によって少しずつ変わってく…様子が書けたらいいなと思っていますv
とりあえず誰にひっぱたいてもらおうか絶賛考え中です←
>caeru様
メッセージありがとうございます!!
作品を全部読んで下さっているとのことで、非常に光栄に思います…!///私よりも素敵なカイメイを書かれる作者様は星の数ほどいらっしゃるとは思いますが、そう言って頂けると舞い上がってしまいますね…うふふふ///
続編も構想中です、気長にどうぞお待ちくださいv
>鎖骨☆様
お越し下さりありがとうございます!
こちらこそいつも読んで下さっている事が励みになっております…!///
オリジナルだと結構天然気味なんですが、どうして現パロになるとイケメンになってしまうのか…不思議。これからカイトの落ちっぷりにご期待くださいw
2012/03/19 01:58:21
caeru
ご意見・ご感想
どうもです!コメントはあまりしませんが、キョン子さんの全部読んでます(>_<)むしろキョン子さんしか読めない体に(笑)ぜひ続編お願いします…!もちろん最後は…最後は…!
2012/03/13 02:47:57
キョン子
>目白皐月様
メッセージありがとうございます!!
仰って頂いたことが的を射すぎていてもうそのまま続きを書きたい気持ちになりましたww
そうなんです、この話のカイトはおそらくまだ幸せな少年期の中に居て、本当に辛い事とか信じられない事っていうのにまだ出会っていない…という設定で書いています。今まで傍にいためーちゃんやがっくんの変化によって少しずつ変わってく…様子が書けたらいいなと思っていますv
とりあえず誰にひっぱたいてもらおうか絶賛考え中です←
>caeru様
メッセージありがとうございます!!
作品を全部読んで下さっているとのことで、非常に光栄に思います…!///私よりも素敵なカイメイを書かれる作者様は星の数ほどいらっしゃるとは思いますが、そう言って頂けると舞い上がってしまいますね…うふふふ///
続編も構想中です、気長にどうぞお待ちくださいv
>鎖骨☆様
お越し下さりありがとうございます!
こちらこそいつも読んで下さっている事が励みになっております…!///
オリジナルだと結構天然気味なんですが、どうして現パロになるとイケメンになってしまうのか…不思議。これからカイトの落ちっぷりにご期待くださいw
2012/03/19 01:58:21
目白皐月
ご意見・ご感想
こんにちは、目白皐月です。
……カイトを正座させて説教してやりたいと思ったのは私だけでしょうか。
幼馴染という関係故に、異性として見れないってのは仕方ないと思うんです。でもこの作品のカイトの場合、めーちゃんをいざという時の逃げ場にして甘えまくっているのに、本人自覚ゼロなので、どうにも読んでてひっぱたいてやりたいとしか思えないんですよ。
というか、カイトの今までのあれこれって「恋」なんでしょうか? 相手の女の子のこと、本気で好きだったというより「恋に恋している」だけだったのではないかと……。そういう風にも思えます。
なんかもうルカさんに「それなら太陽を愛したらいいわ」って言われて、振られてしまえばいいのに、という気もしてきました。大体いつもカイトをヘタレに書いてる奴が言うのもなんですが。
2012/03/12 20:01:14
キョン子
>目白皐月様
メッセージありがとうございます!!
仰って頂いたことが的を射すぎていてもうそのまま続きを書きたい気持ちになりましたww
そうなんです、この話のカイトはおそらくまだ幸せな少年期の中に居て、本当に辛い事とか信じられない事っていうのにまだ出会っていない…という設定で書いています。今まで傍にいためーちゃんやがっくんの変化によって少しずつ変わってく…様子が書けたらいいなと思っていますv
とりあえず誰にひっぱたいてもらおうか絶賛考え中です←
>caeru様
メッセージありがとうございます!!
作品を全部読んで下さっているとのことで、非常に光栄に思います…!///私よりも素敵なカイメイを書かれる作者様は星の数ほどいらっしゃるとは思いますが、そう言って頂けると舞い上がってしまいますね…うふふふ///
続編も構想中です、気長にどうぞお待ちくださいv
>鎖骨☆様
お越し下さりありがとうございます!
こちらこそいつも読んで下さっている事が励みになっております…!///
オリジナルだと結構天然気味なんですが、どうして現パロになるとイケメンになってしまうのか…不思議。これからカイトの落ちっぷりにご期待くださいw
2012/03/19 01:58:21