コンコン。
?「テトさん居ますか?」
テト「開いてるよ」
テトの返事を聞くとドアがゆっくりと開き、双子と一人の女性が入ってきた。
?「ヤッホー。テトちん。元気ぃ?」
テト「ミキか?久しぶりだな。調子はどうだ?」
ミキ「絶好調!と言いたいんだけど、ちょっと微妙かなぁ」
テト「神威やグミ博士の事か?」
二人の会話を中断するように、カイトがテトに向かって話し掛ける。
カイト「なぁ?テト?こいつら誰だ?」
テト「あぁ、自己紹介がまだだったね。こちらはさっき話した『シルバーウイング』のミキ、僕の小さい頃からの友人だ」
ネル「そしてこちらが『ミラーズゲート』の鏡音レン君と鏡音リンちゃんよ」
リン「鏡音リンよ。そしてこちらは弟のレン」
レン「よろしく」
ミキ「貴方がカイト君?テトちんからだいたいの話しは聞いてるわ。すっごーい本当にラグナシアじゃないの?本物だったんだぁ」
ミキはカイトをジロジロ下から上へと撫でるように見た。
テト「こら、ミキ。よさないか。カイト、すまないね。こいつは昔から礼儀知らずの馬鹿だから…音は良い奴なんだよ」
ミキ「馬鹿っていうなぁ!馬鹿って言った方が馬鹿なんだぞ?」
リン「ねぇ?二人の会話を邪魔して悪いんだけどさ今日は会議じゃないの?」
カイト「そうだったな。自己紹介は後にしてまずは会議だ。皆席に着いてくれ」
カイトが手を叩きながら黒板に向かって歩いて言った。
皆は言われるがままに席に着く。
カイト「皆席に着いたな?今回の作戦の指揮を取らせてもらう党首のカイトだ。よろしく」
ミキ「よろしくね~」
カイト「じゃあ、まずは敵の配置についてだが…ネル。状況を」
ネル「はい。敵の数は約100万ぐらいで、敵は主にメイコ、デル、キヨテルをリーダーとした3分隊を中心とした編成です。また、敵の兵器については現在私の部下が調査中との事で、詳細が解り次第追って連絡します」
カイト「ということだ。テト、レン、ミキ。お前らの部隊を出せるだけ出したとしても数はどれだけになる?」
テト「私達のギルド、街の有志や自警団、その他諸々合わせても40万は限界だと思います」
レン「待て、さっきの戦闘で疲弊してる奴らもいる。そいつらを無理に戦わす訳にはいかない」
リン「負傷者の数が凄いので、計算し直すと、30万ぐらいじゃないかな?」
ルカ「戦闘?さっきどこかで戦闘があったの?」
リン「サイハテ村付近で蛇のような巨大なモンスターが発見されたのが、迎撃しに行ったんだけど…」
レン「戦力が違いすぎて撤退してきたんだよ。あれはいったい何だ?」
ミキ「話しから推測するとヒュドラじゃないかなぁ?ほぼ、神威が放ったと考えても良いと思うよ」
リツ「私もそう思いますわ。神威の能力は良く解らないけど、何が起こってもおかしくない今の状況ならそう考えるのは妥当じゃないかしら?」
ミキ「じゃあ、神威と戦うのは圧倒的にこちらが不利じゃないの!?」
カイト「ミク、落ち着け。俺達は戦争をするわけじゃないんだ。神威を止めるだけ。少ない戦力でも何とかなるさ」
ハク「しかし、アタシ達に勝算はあるんですか?」
カイト「無いと言うわけじゃない、ただ俺はグミ博士とやらが創る兵器を止めれば勝算はあると思う。それに兵器が出来るまで奴は動かないなら俺達から仕掛ける!つまり奇襲作戦だ」
ルコ「奇襲は良い案だと思います、ですがあのメンバー相手にどう戦うのですか?」
ルカ「そうだわ。あの歴戦の勇者に私達がかなうはずがありませんわ」
カイト「まずは皆の武器を強化したいと思う。ミキ!出来るか?」
ミキ「材料さえあれば可能です」
テト「ちょっと待て。僕達が武器を強化したところであの人達には到底及ばないぞ?」
カイト「リツ、ちなみにアポロンとあいつらとの差はどれぐらいだ?」
リツ「ネルからの資料によるとメイコがアポロンと同等かそれより微かに上で、残りの二人はアポロンと大差ありませんわ」
カイト「テト、忘れたか?俺達はあのアポロンを倒したんだぜ?あの伝説のドラゴンを…。もちろん俺達の力は弱い、だが皆で協力して勝てたんだ、今回も皆と協力すれば勝てるさ」
テト「確かにそうですが、僕達が分隊を攻撃すればこちらががら空きになります。どうするんですか?」
カイト「俺達が全員で分隊一つを攻撃するわけないだろ?2~3人の少人数で各分隊を叩く!そうすれば敵の力を分散させる事が出来る。一つに集中攻撃するとすぐに援軍が来て不利になっちまうだろ?」
レン「その意見には賛成だが、メンバーはどうするんですか?」
ハク「アタシは兄さんを止めたいです!」
ルカ「私もキヨテルを止めたいです!」
テト「僕も師匠を…メイコを止めたいです!」
カイト「解った、じゃあハクはデルをルカはキヨテルをテトはメイコを攻略のリーダーにする!各メンバーはお前らが連れていきたい奴を連れていけば良い。メンバーの選出は任せた」
ハク、テト、ルカ「了解!」
カイト「問題は神威を止める本体だ、分隊攻略メンバーに選ばれなかった者は自動的にこちらになる。皆、よろしく頼む!」
カイトの激励が終わり、皆の私語が続く中、ネルの携帯が鳴った。
ピリリリリリ!!

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【第3章~命の重さ(3)~】失われし世界と運命の歌姫~Diva of Destiny and The Lost World~

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投稿日:2010/05/26 01:03:02

文字数:2,137文字

カテゴリ:小説

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