タグ「弱音ハク」のついた投稿作品一覧(35)
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「喧嘩は駄目。お母さんに聞こえてしまう」
「けど……」
レン君はまだ言い足りなさそうだ。リンがまた首を横に振って、レン君の唇を指で押さえる。レン君は面白くなさそうな表情をしていたけど、それ以上何か言うのはやめたようだ。
リンはというと、姉さんの方に向き直った。
「ルカ姉さん。もう、あの時のことは...ロミオとシンデレラ 外伝その五十【一握りの勇気】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その四十八【嫉妬は愛の子供】外伝その四十九【悲しみと涙のうちに生まれ】のハク視点になります。
よって、それまでのお話を読んでから、お読みください。
【一握りの勇気】
……今更、どの面下げて、「お母さん」なんて呼んだらいいんだろ...ロミオとシンデレラ 外伝その五十【一握りの勇気】前編
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マイコ姉と話をした、次の週の土曜日。俺はハクが一人暮らしを始めたアパートの前で、ハクの帰宅を待っていた。なんでもなく聞こえるが、実をいうとかなり勇気が言った。何しろ俺は一度振られているのだ。見ようによっては「ストーカー」だな。思わず苦笑いが出る。
「……あ」
てなことを考えていると、ハクが帰って...ロミオとシンデレラ 外伝その四十六【人間は不完全なもの】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
アカイ視点で、外伝その四十五【正しい選択】から続いています。
よって、それまでの話を読んでから、お読みください。
【人間は不完全なもの】
ハクから大事な話があると呼び出された時、実を言うと俺はかなり期待していた。ハクが俺を信頼して...ロミオとシンデレラ 外伝その四十六【人間は不完全なもの】前編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
ハク視点で、外伝その四十一【好きという気持ち、嫌いという気持ち】から続いています。
よって、それまでの話を読んでから、お読みください。
【正しい選択】
姉さんがおかしくなって、あたしは、色々と決断を迫られた。……って書くと、少し大...ロミオとシンデレラ 外伝その四十五【正しい選択】
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「カエさん、お帰りなさい」
居間に入ってきたカエさんは、悩んでいる表情をしていた。どうやら、お姉さんとの対面は上手くいかなかったようだ。
「あたし、お茶を淹れてくるね。座ってて」
ハクちゃんはまた、台所に行ってしまった。カエさんは「ありがとう」と言うと、ミカちゃんの傍に屈みこんで、その頭を静かに...ロミオとシンデレラ 外伝その四十一【好きという気持ち、嫌いという気持ち】後編
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あたしとめーちゃんは、結局この日もハクちゃんにつきあうことにした。幸い予定は入ってないし。乗りかかった船というか、単なる好奇心の赴くままにというか。
一度めーちゃんの家に寄ってから――だって、昨日と同じ格好というわけにもいかないでしょ、お酒の匂いもするんだし――ハクちゃんの家に向かう。ちなみに家...ロミオとシンデレラ 外伝その四十一【好きという気持ち、嫌いという気持ち】中編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
マイコ先生視点で、【家族の定義】の続きになります。
したがって、それまでの話を読んでから、お読みください。
【好きという気持ち、嫌いという気持ち】
なんというか、まあ、厄介なことになってるわね。あたしはそんなことを考えながら、むく...ロミオとシンデレラ 外伝その四十一【好きという気持ち、嫌いという気持ち】前編
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義母が普段は教室に使っているという広い部屋には、テーブルが並べられ、その上に様々な料理が並んでいた。
「……これ全部、お義母さんが?」
「ハクも手伝ってくれましたよ。それに、メイコさんとマイコさんが持ってきてくれた分もあります」
ミカを椅子に座らせ、料理を取り分けながら義母が答える。ミカは美味し...ロミオとシンデレラ 外伝その三十九【家族の定義】その三
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「あれ、先輩? どうしたんですか急に」
「アカイ!?」
家の奥からでてきた相手を、俺は驚いて見つめた。大学時代の後輩のアカイだ。学部は違うがサークルが一緒で、仲も良かった。卒業してから、めっきり会ってなかったが……。
「客ってお前だったのか!?」
頷くアカイ。どうしてアカイがここにいるんだ。はっ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十九【家族の定義】その二
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これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
ハク視点で『あの子の真実』の後の話となっています。
それまでの話を読んでから、読むことを推奨します。
【ただひたすらに】
お父さんとカエさんが離婚する時、あたしはカエさんと一緒に家を出た。カエさんには血の繋がってないあたしを引き取る――しかも...ロミオとシンデレラ 外伝その三十七【ただひたすらに】
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
アカイ視点で、外伝三十二【そして終わりの幕を引こう】の後の話となっています。
したがって、それまでの話を読んでから、お読みください。
【あの子の真実】
駅での偶然の邂逅の後、弱音とはそれなりに仲良くできている。少なくとも、俺がマイ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十四【あの子の真実】
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この事件があった後、リンは部屋に閉じこもるようになってしまった。部屋といっても、今までの部屋ではない。襲われた時の恐怖から、リンは自分の部屋で過ごせなくなってしまったのだ。私はリンに向かいの部屋に移るように言い、私物も全部移させた。それから業者さんを呼んで、内鍵もつけてもらった。二度とこんなことが...
ロミオとシンデレラ 外伝その三十二【そして終わりの幕を引こう】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
リンの継母、カエさんの視点で、本編第七十七話【水晶の心が砕ける時】、及び外伝三十【一歩踏み出す時】のサイドエピソードとなります。
従って、それまでの話を読んでから、お読みください。
【そして終わりの幕を引こう】
高校生の時、リンは...ロミオとシンデレラ 外伝その三十二【そして終わりの幕を引こう】前編
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その日の夜。夕飯が終わった後も、あたしは食堂に残っていた。リンが殴られてから、引きこもるのはやめたのだ。だから、食事はリンやカエさんと一緒に、食堂でとっている。お父さんがいない時限定だけど。
「ハク、どうかしたの?」
リンはもう自分の部屋に引き上げてしまったので、食堂にいるのはあたしとカエさんだ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十【一歩踏み出す時】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
リンの姉、ハクの視点で、本編七十六話【泣かせてください】と七十七話【水晶の心が砕ける時】の間の時期までの話となります。
よって、本編をそこまでと、外伝二十九話【その心の中に】までのハク関連の外伝を読んでから、読むことを推奨します。
...ロミオとシンデレラ 外伝その三十【一歩踏み出す時】前編
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それから、どれだけが経過しただろうか。食事が終わった後も飲むのをやめる気になれず、俺たちは居酒屋に移動して飲み始めた。結果として……。
「あたしはどうしようもないダメ人間なんです……」
弱音はグラスを傾けながらぼろぼろ泣いていた。酔っ払うと涙もろくなるタイプらしい。
「だ~か~ら~、決めつけるな...ロミオとシンデレラ 外伝その二十九【その心の中に】後編
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弱音が乗り換えに使っているという大きめの駅まで一緒に行って――マイコ姉の最寄り駅の近辺、ろくな店がないんだ――手ごろなイタリアンの店に入る。ピザとパスタ、もう夜だしということでワインも頼んだ。
「弱音は飲めるの?」
「ええ、まあ。マイコ先生につきあって、飲みに行ったことありますし」
マイコ姉はか...ロミオとシンデレラ 外伝その二十九【その心の中に】中編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
カイトの従兄、アカイの視点で、外伝二十八【荒療治】の続きになります。
従って、それまでの話を読んでから、読むことを推奨します。
【その心の中に】
「で、相変わらずミス・ガーディアンは揺るがないわけ?」
俺は手にした携帯に向かってそ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十九【その心の中に】前編
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「あたしの人生は何だったんですか。あたしの時間は何だったんですか」
ホテルの部屋に戻ってからも、ハクちゃんはずっと泣いていた。……こうなることはわかっていたけど、やっぱりしんどい。いや、わかっていたっていっても、予測したパターンのうちの一つってことで、その中では比較的対処のしやすい結果になったんだ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十七【荒療治】後編
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「今日は営業は無理そうね」
ショウコさんはそう言って、店の入り口に「臨時休業」という紙を貼りに行ってしまった。ハクちゃんが、マイコ先生の方を見る。
「マイコ先生、ママがここにいるって知ってたんですか?」
「……まあね。ハクちゃんのお母さん、元モデルでしょ? 業界の知り合いに片っ端から声かけて見たの...ロミオとシンデレラ 外伝その二十七【荒療治】中編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
メイコの視点で、本編では第七十二話【滅びにいたる門は大きく】より、一ヶ月ぐらい前の時間軸となっています。
なお、この話はメイコとハクが中心となるため、そこまでの本編を読了し、外伝二十四【母の立場】までの二人の登場する外伝を読んでから、...ロミオとシンデレラ 外伝その二十七【荒療治】前編
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母さんと私はそれから何度も打ち合わせをして、その上でレンに話をした。当然激しい反発が返ってきたけど、最終的にはなんとか、レンにこの話を納得させることができた。
ただレンの方も条件を出してきた。それは、リンちゃんに直接、この話をすること。でなければニューヨークへは行かないというのだ。私は困って、ハ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十四【母の立場】中編
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あ、そうだ。ついでだからもう一つ。
「ごめん、もう一ついいかしら? 児童虐待って、どこに通報したらいいの?」
ハクちゃんは、リンちゃんのお父さんはリンちゃんを閉じ込めてるって言った。場合によっては、虐待で通報できるかもしれない。
「え……どこって……児童相談所、じゃないかな」
「基本は児童相談所...ロミオとシンデレラ 外伝その二十三【メイコの思案】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その七【ある日のアクシデント】の直後の話で、お手伝いさんたちの会話のみで構成されています。
なお、本編第六十五話【育ちは誰よりも上】までのネタバレを含みますので、そこまで本編を読了してから読むことを推奨します。
【スケルトン・イ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十二【スケルトン・イン・ザ・クローゼット】
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
カイト視点で、外伝その十九【上手くいかない】の後の話になります。
したがって、それまでの話を読んでから、読んでください。
【アカイの想い人】
六月に入ったばかりの土曜日、僕は例によって、母さんから「これ、食べきれないからマイコのと...ロミオとシンデレラ 外伝その二十【アカイの想い人】
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次の日、あたしが起きて下の部屋に行くと、カイトはもういなかった。毛布がソファの上にちゃんと畳んで置いてあって、置手紙が添えられている。あたしはそれを読んだ。
「マイト兄さん、昨日はいきなり押しかけた上、お酒を飲んで愚痴ばっかり言っちゃってごめんなさい」か。……だからあたしはもうマイト兄さんじゃない...ロミオとシンデレラ 外伝その十六【ぼやき上戸は厄介】後編
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「せんぱーい、幾らなんでも悪ふざけが過ぎますよ! あたし、一瞬本気にしたじゃないですか!」
ラブホテルを出て目的地に向かう最中、ハクちゃんはそんな文句を私に言っていた。
「あっはっは、あの時のハクちゃんの顔、見ものだったわ」
「もう、先輩って悪趣味!」
「心配しなくても、私はストレートだってば」
...ロミオとシンデレラ 外伝その十【シンデレラごっこ】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
レンの姉、メイコの視点で、外伝その八【あの子はカモメ】外伝その九【突然の連絡】の続きです。
この作品に関しては、『アナザー:ロミオとシンデレラ』を第二十三話【真実はいつも少し苦い】まで読んでから、読むことを推奨します。
【シンデレラ...ロミオとシンデレラ 外伝その十【シンデレラごっこ】前編
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変な時間に起きたせいか、昼にまた眠りこんでしまい、目が覚めたのは午後九時だった。……寝過ごさなくてよかった。これで寝過ごさなくてってのも変だけど。あたしは、携帯を取り上げると、登録してあった先輩の携帯の番号を選んだ。コール数回。先輩が出る。
「もしもし、ハクちゃん?」
「先輩、お久しぶりです」
...ロミオとシンデレラ 外伝その九【突然の連絡】後編
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