タグ「鏡音レン」のついた投稿作品一覧(53)
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「――――――ロ、シアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!!!!」
ルカの悲痛な叫びが、一気に全員の意識を呼び戻した。
同時に、その絶望感が伝播する。
「ロシアン……あんた……!!」
「嘘だろう……!?」
「ロシアン……ちゃん……そんなぁっ……!!?」
「ねこ……助...SOUND WARS!! XVII ~審判~
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《ビビーッ!ビビーッ!ビビーッ!ビビーッ!ビビーッ!》
鳴り響くアラーム。警告灯で赤く染まる操舵室内。
それはどう解釈しても―――――退艦警告。今すぐの退艦を命じる警告音だった。
「な……何なの……!?これはいったい……!?」
困惑するルカ。完全に油断していたことが、その焦燥に拍車をかけていく。
周...SOUND WARS!! XVI~神獣、絶望と共に征く~
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「くそっ……遅かったか……っ!!」
悔しげに、レンが破壊された町の門を叩く。
リン、レン、鳴虎がその町の入り口に到着した時には、既にそこは惨状と化していた。
破壊され、鉄屑と化した戦車や戦闘機。
零れた燃料が独特のオイル臭を撒き散らし、そこかしこで引火し燃え広がっている。
そしてその合間に、目を...【※流血表現強め】四獣物語~魔蟲暴走編③~
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『ぐ……ああああ……っ!!』
膝をつき、呻き声を上げるハク。地面に描かれた電子魔法陣は今にも消えてしまいそうなほど明滅を繰り返していた。
突然の不調を目にして、グミの表情が困惑に包まれる。
「え!?ええ!?メ、メイコさん!?ハクさん、どうしちゃったの!?」
「…………あの子の能力、『ボカロマスター』...SOUND WARS!! XIV~ハクの本気③受け入れられた力~
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「……状況は概ね理解できました。3分……は厳しいか。5分で引きずり下ろします」
腰まである白髪を束ねたリボンをほどきながら、あっさりと爆弾発言を放つハク。
あの巨大戦艦をたったの5分で墜落させる―――――普段の彼女であればあり得ない、大きく出た言動に、グミは目を丸くした。
メイコは動揺こそしなかった...SOUND WARS!! Ⅻ~ハクの本気①She's VOCALOID's master!!
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「……ミキさん。聞こえるか?」
――――――――――ミキの正面に立ったレンの第一声が響いた。
その『音』を認識し、言葉を返すミキ。
《……ニンシキ。カガミネレン》
やはりその無感情な口から放たれたのは、プログラムに沿った定型文。感情も意思も奪われたミキは、完全にコンピュータ同然の反応しかしない。
本...SOUND WARS!! Ⅺ~迸る感情の奔流~
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―――――時間がないことが分かっていても、完全に硬直してしまうほどの衝撃。
その部屋の真ん中に座した可愛らしいバイオメカは、それほどの存在であった。
「……ね、ねぇルカ姉、あの子ってもしかして……」
「……もしかしなくても……あんな特徴的な姿したVOCALOIDはそうそういないわ」
ミクの震える声に...SOUND WARS!! Ⅹ~無感情の動力炉~
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『……え?』
唖然とした表情でルカが辺りを見回す。そして耳を澄ませる。僅かに『心透視』も発動しながら。
しかし―――――船が落下していることを示す音は何も聞こえなかった。船底が空気を割り裂く轟音も、激しいGに引っ張られた積載物が天井を叩く音も。
空中戦艦『破壊者』は――――――――――墜ちていなかっ...SOUND WARS!! Ⅸ~動力炉捜索作戦~
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「……あ、ルカ姉!こっちこっち!!」
ミクが扉の前で手を振っている。ちょっぴりうなだれたリンとレンを引き連れたルカがそこに駆け寄っていった。
「もうっ、リンもレンも無茶しちゃダメでしょー!?ルカ姉もんの凄い形相でぶっ飛んでいったんだからね!?」
(ミク姉が言うかミク姉が……)
心の中でぼやくレンだが...SOUND WARS!! Ⅷ~動力炉爆破作戦~
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「……さて……どこだ?」
急ブレーキをかけ、廊下のど真ん中で、考え込むレン。急に前を走っていたレンが止まったおかげで、リンはブレーキをかけ損ね、躓いて顔面から地面に突っ込んでいた。
「ちょ、何すんのー!!?」
「何もしてないだろうが!? 勝手にすっ転んどいて何言ってんだ!?」
「ぐぬぬ……で、何急に...SOUND WARS!! Ⅶ~量産型爆破作戦~
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――――――――――私達は誰からも愛されなかった。
家族を失い、親戚にも疎まれた私たちは、全ての人間に忌み嫌われた。
唯一信じていた人間にも、あっさりと裏切られた。
だから……だから―――――――――――――――
救いようのないクズ野郎が、愛されている様を見るのは我慢がならなかったんだ。
~~~~~...四獣物語~魔蟲暴走編①~
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リンが恐怖のあまりミクを抱えて飛び上がった頃―――レンとルカは、ようやくお互いの攻撃のダメージから回復しつつあった。
とは言っても、勢いは若干ルカに流れていた。
その理由は二つ。一つは最後に攻撃したのがルカであること。そしてもう一つは―――――レンの戦力。
(くっそ……白鯨まで使っちまった……これで...四獣物語~獣憑戦争編⑥~
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加速。加速。―――――加速。
スピードを上げながらぐんぐん上昇していくルカ達四人。
雲を突き抜け、天空高くまで上り詰めると―――――
『……!!』
ルカの目の前には巨大な空中戦艦―――――『破壊者』。
戦艦の甲板から小さく突き出た艦橋の中。真ん中に座っている、田山と一瞬目があった。
瞬時に艦橋のガラ...SOUND WARS!! Ⅵ~戦艦内部侵入作戦!!~
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「……はぁ……はぁ……はぁ……」
大きく息をしながら、メイコが量産型の残骸を足元に叩き付けた。
そしてあまり余裕のない声で、後ろに立っているミク達に声をかける。
「ね……ねぇ、ミク、リン、レン……あんたたち、何体倒した?」
「わ……私は300体ぐらい……かな……」
「あたしとレンで……400体ぐらい...SOUND WARS!! Ⅴ~救いの焔~
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むかしむかし あるところに きんいろのかみのおんなのひととおとこのひとがいました
ふたりはであい しあわせなひびをおくり
そしてかわいらしいふたごをさずかりました
ひとりはおとこのこ ひとりはおんなのこ
かぞくよにんで へいわなひびをおくるはずでした
しかし おんなのこはむねにびょうきをもっていまし...【リンレン誕】しあわせ【四獣物語】
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――――――――――魔獣憑きが体に宿す魔獣は、大自然が作り出した『怒りの象徴』である。
自然界に存在する光・闇・雷・炎・雪・水。これら全ての怒りが、動物の形をとって人間に宿ることによって生まれた存在―――――それが魔獣憑きだ。
大自然の怒りの体現者として、人間に牙をむく少女―――――流歌。
対する空...四獣物語~獣憑戦争④~
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『あ……あ……ああああああああああああああああああああっっ……………!!』
上空では、主砲の直撃を喰らったミクが断末魔をあげていた。
主砲の炸薬を全身に浴びたミク。化学反応で体を形作るバイオメタルが融けはじめていた。
全身の皮膚は既にドロドロ。幼くも美しい顔は、崩れ頭蓋骨がむき出しになり、喉も融けて...輝く鏡、拡がる音 Ⅵ~Twin・Append①~
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ぐらりと傾ぐ身体。
ふわりと消える音波。
タイムリミットを迎えたミクの体は、もはや完全に動きが止まっていた。
(やっちゃった……まさか……もう20分経っていただなんて……!!)
わかっていたはずだった。自分の体は20分しか動かせないことを。それ以上闘おうとしてもただの的にしかならないことを。
そのこ...輝く鏡、拡がる音 Ⅴ~鏡の音、覚醒~
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機械。
それはまさしく、人間の技術の結晶であり、人間が極めた科学のある種の形態だ。
油や電気を喰らうことで、知能の代わりに力を捨てた非力な人間に不可能なことを可能にしてきた。
発達した機械は武器としてある種の変貌を遂げる。―――――そう、普通の動物にはまず不可能な、『鋼鉄の超遠距離攻撃』―――――銃...四獣物語~獣憑戦争編③~
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「……ん~……よし、おっちゃん! これとこれ2つずつ、あとこいつ3つにこれ4つね!」
「おうよ! ところであんちゃん、一人旅かなんかかい? このへんじゃ見ない顔だなぁ」
「へへ、一人旅ではないんだけどね。双子の妹と一緒にちょっと冒険ってところかな」
「そいつぁ豪気だねえ! 気に入った、こいつも持って...四獣物語~獣憑戦争編②~
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レンが町を出てから数日後。
「うーん……」
悩んでいた。
幻獣少年は悩んでいた。
(しまったなぁ……もうちょっと金持ってくりゃよかったか……)
単身で荷物もあまり持たずに飛び出してきてしまったために、大した金を持ってきていなかったのだ。
案の定―――――現在レンの所持金:0円。もはや食べ物すら手に入...四獣物語~幻獣少年レン⑦~
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もそ、もそ、もそ。
ほかほかのご飯を噛み締める音だけが、ジムの中に響いていた。
律も、煉も、俺も。誰一人として言葉を発することなく。
昨夜の大騒動の後、俺に潰されたと勘違いして気絶していた豚饅頭の役人は警察に連れていかれた。
どうも俺たちへの脅迫以外にもいろいろと裏で悪事をやっていたらしく、タイミン...四獣物語~幻獣少年レン⑥~
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『…………!』
律と煉の耳が同時に動く。
聴覚の敏感な二人にとっては―――――あまりにも耳障りな音。
「……聞こえるね」
「ええ……大勢でここに迫ってる」
その数秒後の事だ。
《―――――ガシャンっ!!》
入口の扉が壊され、入ってきたのは―――――大勢の獣憑きを連れた、役人だった。
「……町の皆まで...四獣物語~幻獣少年レン⑤~
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《……やれやれ、こいつは少々厄介な獣憑きが流れついちゃったもんだ……》
意識の端で、何やら声が聞こえる。
目を開けてみると、そこには赤い髪の少女が座っていた。
俺が目覚めたことに気付いた少女は、俺の顔を覗き込んで小さな笑みを浮かべた。
《やぁ、レン・ミラウンド。目が覚めたようだね》
『……あんたは?...四獣物語~幻獣少年レン④~
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翌日の夜。
俺は一人で散歩に出ていた。
ふと、ジムのことを考える。
俺を生んだ直後に肺塞栓で母親は死に、父親は夜逃げし、妹とも病気により離れ離れになって、一人残された俺を拾ってくれたのがジムの創設者であり、天才ボクサーと言われた狐の獣憑き・波音妖狐―――――律の母親だった。
妖狐は得体のしれない獣憑...四獣物語~幻獣少年レン③~
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《ビィィィィィィィ―――――――――――――――ッ!!!》
部屋の中で、激しいブザーが鳴り響く。
真ん中には正方形のリング。そこで俺と対峙しているのは―――――赤い髪の『少女』。
どっしりと構えて、拳を握りしめ俺を鋭く睨みつけてくる。
相手は自分から動くことのないカウンター型だ―――――仕掛ける...四獣物語~幻獣少年レン②~
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――――――――――みんなは、空想上の動物、というものを信じるだろうか。
そう、例えばペガサスとか、グリフォンとか、フェニックスとか。
そんなもの存在するわけがない―――――そう笑うだろう。もちろん俺もそうだ。
では――――――――――奇跡は信じられるか?
それは存在するさ、だけど自分で起こすものだ...四獣物語~幻獣少年レン①~
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「うにゅにゅにゅにゅにゅにゅにゅ…………………………」
ミクが頭を抱えて悩んでいる。
『TA&KU』との戦闘でもなければ悩むこと自体が殆どないあの子が唸りながら悩むとすれば。
まぁ、『あの子たち』についての問題かなんかあるんだろうな。
そう思いながら、久々の休暇をとった私は紅茶を静かにすすっていた。...【リンレン誕】愛する双子に追憶の音を
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『ヴォカロ町の迫撃砲』。
あたしが町の皆にそう呼ばれ始めたのはいつ頃だったか、ふと考えた。
大分昔のような気もするし、つい最近のような気もする。
いつの間にか広まっていたから、いつから呼ばれ始めたか、なんてことは覚えていない。
……でも、たった二つだけ覚えていることがある。
一つは、初めてそう呼んで...【めー誕】ヴォカロ町の迫撃砲【邂逅】
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あたしの名前は亞北ネル。『改造専門店 ネルネル・ネルネ』の店長だ。
と言っても、他に従業員なんかいないんだけどね。あたし一人で何とかなっちゃうから。
ヴォカロ町の町民やボーカロイド達の、家具の修理も承ってるけど。
正直単なる修理なんて面白くない。すっごい機能を追加してこそ、機械いじりは楽しいんだ。
...【亞北ネル】ネルネル・ネルネの一日【改造専門店へようこそ!】
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