いちはるの投稿作品一覧
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a1
いろいろとあった
街から
引っ越した
5月の風
適当な支度で
置いてきた
あいつのいる街
a2
折れたサボテンに...シエスタ
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近道しない
つれづれ歩く
恋をやめたら
いずれ分かる?
汗ばむ匂い
もやもや残る
酸素、呼吸で
いずれなおる
適当に寝てると
きみの猫が...いつかの春に
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だいたいの優しさ
許したことだけ数える
考えごとはまた
バラバラにしまわれる
街を流れるたましいは
いつもひとり それは誰でも
片付けのことを心配する
明日も
だいたいの気持ちは
読まれないまま忘れる...so it goes
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よく似た生活
コーヒーを淹れる
よく似た本の
言うとおりすすむ
実のない生活
そこに水を注ぐ
よく似た音楽
うたうようにすすむ
怪我しない温度でも
となりにいると...よく似た生活
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ひとりポツンと私
流れない恋をしていた
水温38℃
飽きるほどよくある話
あの日ポツンとふたり
流せない恋をしていた
体温36℃
悪いけどよくある話
泳ぐのは 得意でも
できないの 月が見ていて... -
ぬるい汗 ぬるい反響
ぬるいバスタブ
胸まで浸かって
30文字を数えて消してく
最寄りまで ひと駅の
しょうもない距離
TAXI を待った
最低気温つま先が痛む
君がさわったところ
昨日の夢と半分こ...scoop
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危ないよ 水を泳ぐ cicada
冒険家 所在を探して
冷たいよ 濡れて見える cicada
死んだのかい? 誰か呼ぶまえに
とおりすぎた ジャンクション
そこでも無いのか
暗い海 漕ぎにでるのか
翅に潮の血をかよわせて
どこに行くの? ちょっと遠くへ
cicada まだ夏は続いてる...cicada
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はだいろの日差しが
とどまる 2Fの喫茶店
おしゃべりの代わりに
氷の残りをまぜる音
手をまねかなくても
わかるよ 奇妙なともだち
サンダルの指をむすんで
たぶん同じこと気にしてる
ぎこちない息のあいだに
平行線 いつも久しぶり...サンダルに傷
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季節のまじわる音に
まいごの指をたわめて
夜な夜な もぐり込む影
誰しもなまえをためらう
磨り硝子のむこうで
ひかりも闇もみている
ここでも呼ばれている
くり返されている
ああ その唄は
なぐさめに錨を下ろして...よなぎ
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燃えるような指が
いき肌の その枠に触れて
たちどまっていた
ふたり 場違いに出逢う
あやうい嘘の内部で
あかく くろく 息衝く
真実が きらめくのを
打ち明けず いられるよう
こんな夜 ぼくたちは夢
信仰だけが ほんとうと...タイトル未定
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西日 容赦なく
団地ゆきのバスは
冷房もきかない
きみの日傘の
手摺に揺れるのを
遠くから見ている
3度目の夏
媚びるゆめのように
笑いかける きみは
生活の顔...団地
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[イントロ]
[A]
薄目を瞑(つむ)って 微睡み(まどろみ)にまかせて
おもかげ誘った 夏風邪とモノローグ
[B]
《そこにいる気がしたんだ》
夏のにおいと
《手を触れた気がしたんだ》
熱に浮かされ
[C]...夏風邪とモノローグ
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はためく帆の色さえ
気にも留めないのです
沖ではなにもかも見える
あなたの卑しさまで
波にさからえず
還っていく
貝色のまなざし
正直 あなたを刺す
妄想をしていました
砂の肌 ひかっていました...海ばら
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つめたく甘いフォルム
芙蓉のつゆ ふくまず
いられないわたしは
手の内も知らず知らず
虹彩の綺麗なそれ
こちらにもわかるように
見せておくれ
妖しいかげが
その指に触れても
なんともないんでしょう...うつくしいひと
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つめたい洗濯物には
晩の寂しさが忍んでいる
さすった肌の折り目では
砂糖の溶けきった香りがする
冬の朝 曇り窓
たしかに あなたの
やさしい呻めきが
耳を撫でたんだ
花の季節はおわり
まぼろしが僕を見た...ロマンス・スポット
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青く香る ひとひらの色
騒ぐ街の 風 翻(ひるがえ)り
回る回る 明々(あかあか)と夢
肩に揺れた 憧れは覚めて
5月の君は鮮やかな
長い髪にロベリアの青
高架線に影を落とし
白む街の息を奪う
春風のような不幸せは
雨となり頰を流す...5月のブルー
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国道ぬけ出して走る
電灯がちらちら
秘密基地みたいねって
目配せして笑った
ブラウスの匂い
はなれないように
可愛いたくらみに
膝をついて祈って
ゆっくり膨らむのは
息があたたかいから...赤い風船
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ポストのなか増えた手紙に
ひとつ ひとつ マルして
口移しぬるさみたいね
こんなの 好き 嫌い
夢のなか みたいな 閃光
ほとばしる 空中 サイリウム
かきまぜる手とめないで?
無限のやましさを食べて
きみの証になるよ
わたし誰かより"ずっと"な...ゆめをみせるよ
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1a
君のうす暗い部屋の
夜はずっとそのまま
褪せた仄白いブルー
遠いエンジンの音
1b
このつよい香りは
硬い素肌に触れて
四月のけはいを知る
1s...さよなら、三月
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1a
暗いピンクの盲点
パラソルを突き立てた
やわらかな大地の穴
汗のかわいたブラウス
やすらぎの胸のなか
夕立を誘っておいで
1b
三回逢えたら 夢を育てて
教えてもいいよ 愛するならば...淡いうねり
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1a
さあ夜が壊れたら
一緒に隠れよう
あの子はこっそり
泪のつぶに潜る
1b
8mg(ミリ)ほどの
甘やかな栄養
あなたの内の
たったそれだけ...リリー
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a
いつか愛したあの子と
よく似た顔でわらった
きみのナイフ数寸に
きっとたくさんの祈りが
ほんとのことは無視して
テトラポットを数える
僕の腕(かいな)に隠れた
その首筋の白さよ
b...冬
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1a
ローテーブルに散らばる
食べ物とその他のレシート
ヘッドボードに並んだ
紙屑は昨夜の亡骸
本当ならば知らない
顔してるつもりだったけれど
インスタントな言葉は
あまりにも愛しい我楽多
1b...ラビッシュ
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1a
刺さらない左手の甘さ
いっそう危険なサイレン
くだらない話の後でも
泣くことは退屈だった
1b
ぴりぴりする舌先が
ちょっと悔しいな
リバーサイド ミッドナイト ラララ
1s...リバーサイド
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1a
フェーダーの街へんなの
手懐けた賢い生きもの
パチンコの玉あつめて
手作りの賢い生きもの
1b
わからないままでいいから
ただ見ていてあげるから
お酒も車も
1s...モルモット
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1A
騒がしい街がうそぶく灯(あか)りは
私を明日(あす)へと誘(さそ)う
虚(うつ)ろな視線と閉じ行く瞼の
その隙間で手を伸ばす
1B
汚れた蜜の毒は息を奪い
喉を刺せば壊れていく
潜(ひそ)ませたパラノイア
1サビ...オーバードーズに沈む夜
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画面で潰れてる虫の死骸が
彼の名前と重なっている
惰性でつづけてる約束に
真実が覗いてても
I see 賢い彼女は
煙の匂いのする爪で
唇を拭ったまま
静かにないている
まるごと頬張っても
芯は棄てちゃっていいよ...フルーツ
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a
あの子の秘密に近づけない
土曜日は新宿で忙しい
何をしているのかしら
何をしているのかしらね
かわいい服も靴も髪も
彼女はどこで創り出したの
手指それともその口?
言葉それとも××××
b...ポップ
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1a
えっと、二年前にもらった
ピアスがちょっとだけ可愛い
きっとわかり易い阿呆で
フェミニストの方が愛しい
1b
携帯は壊れてるし
満たされない自分は
自分じゃ食べられないし
犬にでもあげようかな...ラブミーテンダー
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1a
べっ甲のピアスの反照
邪魔そうに揺らしてる
彼女は 栗色の髪で
白い羽を隠してた
1b
仄暗い6月の街
舞台だっだバルコニー
今でも探しているよ
1s...エンジェルブルー