重倉真冬の投稿作品一覧
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夜に揺られ、ひとり 歩く
足元が見えてしまう明るさに怯えて
もう 全部終わったことさ
言葉は肺で溶けてしまった
それでも、いい?
恋は、普段使いの夢に絆されたようだ
明日の君には 上手く笑えないかも、な
また そうやって、昨日までの昨日のように
他人事のような 青さのせいにするんだ
白いシャツの裾...I'm Yesterday
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低い空に届かない手でも あなたの耳をふさげるのに
緩く繋いだ手からこぼれた甘さは 拾えないでいた
誰かから借りた言葉だけで おとぎ話を宙に描いて
狭く浅いせいだか 心はすぐに満ち足りた
どうしたいわけじゃない そんなわけもない なんて 言えなくて
どうにか擦り合わせて寄り添わせた感情と
遊ばせて休ん...Copycat Registry
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Cherish
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明滅の街灯と
高校生女子の引き摺る金属が
瞼裏、交差して
膝も笑い転げる午前零時。
軽率な噺を
上手く転がし過ぎて擦り減らすような
街の暮らしに
週末酒浸りの声を思い出しても
いっそ、あの日の脂飴の味なんか、と
やり切れなくて、「失くしたモノ入れ」の縁で生乾き...Butter Batter
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Well, yesterday midnight
a rock and roll star or rotten gangster shot his own head off
for a matter of money, slump, order, envy, or just pure heartbr...Gangster
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墜落して迷い込んだ不条理
君の真夜中を知るために 飛び込む 零時半
無理ばかりでたどり着いた無情に
君のさよならを聴く前に 泣きだす 正義感
硝煙で白む空 星を探していた
千切れそうな温度の寂寥か
雨で流れたのは どうせ俺の本当さ
君が手を振るのをただ見ていた
恋も愛も熱も魔法も 全部ウソなんだろ
...Quaero
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ああ、この恋やあなたの嘘のような
毒を飲むことに慣れてしまったの。
アルコールやロックンロールなんかでは
薄めることも壊すこともできないまま
甘さを知って、苦さに酔いたがる。
隠し持ったのは、世界の終わりの合図
そんな都合がいいわけもない。
二人を繋いで同時に遠ざけた
電気製の喧騒を呪って
ああ、こ...さよならシルヴァティカ
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恋は、普段使いの夢に絆されたようだ
明日の君には 上手く笑えないかも、な
また そうやって、昨日までの昨日のように
他人事のような 青さのせいにするんだ
もう 全部終わったことさ
言葉は肺で溶けてしまった
通り雨を分け合うように
「もう二度と」って、あふれた
問いは、不安自体の揺れに戸惑ったようだ
...I'm Yesterday (memo)
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道行く現実へ 憧憬と逃避が交差して
血の匂いのする夏を 君と踏み越えた
罪の意識は その罪とともに
埋めてしまえばいいさ
本当だろうか 分からないまま
味気ない日々を噛んで声が震える
「あなたを殺して食べてしまうかもしれない」
君のとなりで不安が生まれて
不安定に揺れながら
君が笑うから それでいい...Ogre
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冷静を装ってはいるが 頭が割れるように痛いだけ
その彼方だけを見るために 夏の風は存在しないとする
ディスコードの花、ディスコードに咲いた。
平熱でいられるのは案外 君を好きではないのかも知れない
その馬鹿さだけが 必要になる日だって来るかも知れないから
ディスコードの花、ディスコードに散った。
デ...Discord Flower
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君が如何なる理由で盗みを働くのか俺にはよう分からんが
「意味などない」と笑うことに意味があるということは分かる
俺はどうあがいても半次郎のようなサムライにはなれやせんので
今ここで君をギターでぶった斬りたい所存である
紫煙一閃 くたばる寸前 逃げんとせん カラスが飛んだ
君が如何なる方法でそれを手に...紫煙一閃
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気まぐれに君がくれた優しさで
僕の感情が自壊していくとして
半自動に灼けていく夕景を
君の脳髄に刻みつけられたら
不確かに息を止めたら 二人はじきに壊れるさ
言葉を尽くして 君を傷つけた 夜 夜
後ろ手に隠し持った方法論で
その熱の出所を暴きだすために
追いかけ続けた日々の残像は
顕微鏡で星を視るよ...Too Hot Teenage Function
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手遅れの末路 捉われたままに君を探して
焦燥感の矛盾が僕を歩かせないように
君の熱を忘れた指先に有名無実の感傷はいらない
真空の中で瞬きもできずに溺れていく答えを見つけたら
僕の心臓が君の鼓膜を傷つけてしまう前に
描いたのは理想 世界に奪われた色は幻想
収束できない感情を抱いた夕景、僕はそこに青を見...Unreleased Blue
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跳ね回る心臓を覗き込むのは期待で
記号でしか測れない遊びに紛れた感傷
ミス重ねて 見透かされていく 隠れる場所なんてない
可能性の先を追う 日々にかき消されそうになる
手を離さず どこまで走れるだろう なんて
飴玉が転がって おとぎ話を作った
矛盾だらけのそれは零時の針を曲げて
間違いなどないと言い...Prunus
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春の夕景を忘れたいと願うのは惰性さ
まるで十代の世迷言だ 昨日なんかなかった
見え隠れする夜を捻じ曲げて 増えていく疵を隠す
夢なら醒めないでいて 熱なら冷めないでいて
じわりと滲む吐息を殺した
言葉巧みな日々は おとぎ話のような
君の些細な嘘だった
街の風景を覚えたくないのは厭世だろうか
僅かに首...夜の屈折率
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冷えた藍色 集めても
戻らないんだ、今更
逃げた日々すら 捨てきれず
優しさだけを 忘れて
君が愛した 影さえも
どうせ かすれていくのに、
錆びつかないでいられる、と。
嘘だろう?
雨が、風が。
花が ただ 跳べ、跳べ...Flower
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遠隔操作できないのは きっとわたしの指先が
点から点への空旅を ずっとサボってきたから
連絡網はここで止めます だってわたしの行く先は
ABCとか上の空 もっと遠くの方だからです
レコードの針と履き潰した靴と水底の指輪が君に何したって言うの!
会いたいが恋で こうしてたいが愛だって
黒板の隅の落書き...Swindle
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遠く消えた音を辿り さざめいた電流に弾かれて
明後日の方角には 昨日までのためらいがあった
飽きもせずに 何度だって同じ夢を見る
夕景を越えて踏み込んだ夜に
街色の眼差しの君が笑う
夜に浮かんだ嘘をなぞり 花束を抱いて眠るように
街明かりに急かされても 歩幅を変えずにいられたら
手放したって忘れられ...Today
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朝焼けが少し遠くなって 雀が跳ねたら
淡く色褪せたイメージの中 髪がなびいた
言葉の数だけ伝えられたらよかったのに
切って貼って剥いで塗りつぶして消したあの日の影が
夢じゃないとずっと分かっているから
降って湧いたような 繰り返しの繰り返しを見つめて
揺れる感情論でいいから 立ち止まらない
流れ星の...That Light
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昨日がまた雨を降らせては
卑怯な優しさを振り撒いていった
歪みはやがて意味を失くして
ノイズになって積もっていくだけ
それは有限で幽玄な恋だった
染めた空前の瞬間に酔う
ねえ これ以上 今以上 願えないままに
明日を待つように日々を塗りつぶしたら
いつかは忘れてしまうだけなんだろう
走り出して 着地...Daydreamer
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今を重ねて、ずっとになって
青に全てを託した
しかたないから
少しだけ、窓を開いた
時間差で刺す 窓辺の杏子に
惑っているだけだったようだ
理解されてもされなくても
僕は僕だった
抜け出そうとして
色とりどりの羽を、ほら...Lens
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寒がりな君の温もりを今も憶えてるよ
寂しがりな僕の涙を君に見せぬように
胸を締め付けてた痛みは薄れてしまったな
迷路に迷い込んだ僕を置き去りにして消えていく
「それしかない」とか言って 手に入れるために失って
拾い集めるんだ そっと 君に見つかるその前に
雨が降って隠れた空を 目を閉じて いつもの歌...Nowhere
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「またあした」と手を振って
白みだした空の向こうに 揺れる言の葉
わずかな歩幅の違いで ほどけていった
逃げよう。
見事に重なった 二つの色の濁りは
いつか、仲間ができるさ って、笑っていた
何も違わないんだ なんて、
埃をかぶったビー玉が転がり出すように
精一杯の複雑な暗号で呼ぶんだ
「逃げよう!...City Lights Stimulation
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隠れようとしたページの裏 君の指が探り始めていた
きまぐれな響きでいつも 意味を変えて漂う
花びらの想いも知らず 意地っ張りな笑顔で
窓から差したベージュの夕が 仕方ないと笑うけど
明日を睨んで零時を売った これ以上は危ないと知った
ひたすらな誓いを飲んだ 「日々を投げて」なんて無理さ
手の込んだ淀...Ghostwriter
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やがて、どこからともなく君が現れて
「全部、ウソでした!」って 言うんだ
きっと言うんだ! 違いない!
とめどなく濁るブルーに
透明度失くしていく、夕暮れ
伸ばそうとして引っ込めた腕
歩みに、スキップを 混ぜてみたりして
星明かりを待った
やがて、ここからそこまで意味が溢れて
僕ら 海を作りだすんだ...Intercalms
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頑張って忘れたってことは憶えてる
明日に回すよ 僕は眠るよ
「失くした過去を、そして光を」
確かめるまでもなかった ジョークなんてなかった
君だってそうだろう?
満ち足りてるのは、知らないからさ
やっとの思いで不時着したのに
頑張って忘れたって、思い出すらしい
明日に回すよ どうせ嘘だろう?...Next
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寝起きがあまりよろしくなくて、なので、二度寝。
近道はずっと遠いところ。
寝返りしたら、一周したら、近くなってるといい。
そんな夢みたいな夢見てたい。
見てたい?夢みたいな夢、そんな夢。ひと休憩。
聴こえないふり。ふりふり、振りまわして。あわあわ、泡だらけ。
わかりません、死ぬまでは。出稼ぎ。
愉快...Astray
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あの子が死んだ日 青空ばかりが想いを乱し 夢にまで見たし
頼りにならない か細い日差し あまりに遠い 優しい話
今日になって昨日を捨てて 魚になるように
どうしたってこのままだって 横になって
働け精一杯 食うためだけに 今だってこうやって 考えてるから
間に合えと願うのはね やっぱり 自分のためだ...Replicant
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手を叩いて パッパッパ 足鳴らして タッタッタ
迷子になったら昨日に帰って余計に迷子になっていく
見世物じゃないの とっくにわかってるくせに どうしてそこで寝てるの
期待はずれの雨降りでも嫌いになれない日曜日
枯れかけた花は戻らないのに そこから何を紐解くの
目を凝らして探す じっとしててよ そのま...Merry Wonderland
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普段見てる夢なんて「あなたと二人がいい」ほんとそれくらいで
件の話は今夜 神様の目の前で破り捨てるつもりです
油断してる暇なんて少しでも作ると下り坂転がるだけ
腐乱死体みたいな声で笑ってるのは誰 多分よく知った人
映らないテレビ 深呼吸をして ささくれ立ったエナメル線
崩れそうな俺は 貧乏性ではなく...Decay