投稿作品30作品
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斑雪がきらめく畦道に
君の手を取り駆け出した
春の宵のこと
朧月にも透けそうな黒い髪は靡く
桜が舞い散る頃に 好きを隠した
夏野の裾 汗ばむ肌 清水滴る半夏生
七夕にも書けなかった 好きを飲み込む
水鏡に浮かぶ月を求めるように
袖を涙で濡らすように
恋焦がれてしまった__...四季と彩色
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目覚めは最悪だった
世界は灰色だった
どこか遠くで定刻の鐘がなる
空を見上げても
この草原の先を見つめても
君はどこにも居なくて
夢の続きを僕は思い出した
温かくて柔らかい手や黒目の大きい瞳
いつも僕を照らした淡い笑顔だって
もう思い出すだけで終わるのかな―...サヨナラtomorrow
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レンズ越しのあの夏の1ページ
眩しくて
波の音と潮の香りが体をくすぐる
砂に散らばった熱と君の欠片を探そうか
落ちる涙もすぐに乾いて見えなくなる
ー夜が来たー
群青と冷たい月に包まれたどこまでも続く水平線が
僕の景色を反射させたー
深海に沈む君の涙で出来た琥珀
サファイアよりも深い蒼...光彩
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私たちを繋いでいたのは
確かな愛情と脆い糸
すれ違いに言い訳をつけなければ
素直になれたのかな
瞬きを何回しても頬を抓っても
夢じゃないことを知るだけ それだけ
忘れられた気がした
諦められた気がした
それでも思い出してしまう
君なしで今までどうやって生きてきたか...記憶の花氷
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乾いた夏空に響いた慟哭
君の咽びは似合わない
『あの子のこと殺しちゃった』
蒼白した顔で言う君の表情はどこか安心していて
君が救われるならそれでいいと手を取り逃げ出した
誰にも見つからないところへ
死んでも見つからないところへ
持ち物は財布だけで十分さ
後を引く思い出は破り捨てよう
彷徨うまま たど...時計塔
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淡く弾けるような恋をしてみたくて
炭酸が苦手でも 夢を見ていた
僕の大好きなあの子は
サイダーが大好きで
だから僕もひとくち飲んでみた
舌先に残る
電気が走る感覚
この味には慣れないよ
似合わないのは 分かってるさ
それでも近づきたいんだー...cider
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エンドロールが流れている
客席には私だけ
この心のせいか映画のせいか感動は1ミリもしなかった
ふらついた足で家に帰ろう
君の影はどこにもない
原因なんてどうでも良くてただ
『別れた』この事実が痛い
少しの間でもいいから君を忘れたかった
新しい恋に踏み出せるほど強くなかった
それなら落ちるところまで落...フィクション
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何かになりたいと望んでいた訳じゃない
どうせ何かになるんだって思ってた
あの頃から変わったことと言えば
世界が右に倣って傍観者です
モザイク仕掛けのその手で
誰が差し出したかさえ曖昧なその手を
掴んだところで透過して排気ガスに飲まれていく
顔も見えない 所詮その程度
凡人の波にのまれ
くだらない...然れど世界は廻り続ける
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雨が降っている歩道橋
傘を投げ捨てたー
雨に濡れる制服 肩が透けて見える
頬を伝う滴は 流れ落ちて
足元に水溜まりを作る
車のヘッドライトが眩しいな
今何時だっけ?
瞬きを3回して歩き出した 学校へと
『もう嫌だ 消してやる』って
思っても 思うだけ...雨と傘 -another story-
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空のように綺麗な色をした
君の制服のスカートは
雨に濡れたせいか
青く濃く変色していた
髪はびっしょりで
頬には雨か涙か分からない跡が二つ
『君のせいだ』って響く教室はー
笑顔だけが取り柄だった
あの笑顔はもうどこにもない
『あの子』が乗ってきた僕の背中は...雨と傘
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泡沫になれたら
音も痛みもなく死ねたら
人はきっと『1人で可哀想』って言うのかな
僕は寂しくないのに
僕の存在価値なんて腕の切り傷くらいだ
弱い 弱い 脆い
いつからだっけ?
弱い 弱い 脆い
頑張れって言葉が嫌いで
鏡に映る僕の顔はあの凶悪犯そっくりで...僕は人生の被害者
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春を捨てた 微睡む列車の隅で
愛誦(アイショウ)しながら 花霞染まる空を見ながら
君と二人 世界の果てで
他愛ないことで笑い合いたかった
変えられない現実の中で
後悔と理想を並べている
窓の隙間から差し込む
春風が瞼を撫でて通り過ぎてく
幸せだったの
出会いからすれ違いさえ 一から九まで...卯の花腐し
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明確な答えはない
そんな解を解いたって自己満足でしかない
温くなったコーヒーを飲む気にはなれなかった
メロドラマに浸って 涙流したって
次に進めるほど僕は単純じゃない
君がいつまでも僕の記憶にいるせいで
嫌いなものを選択する毎日だ
あの日雨に濡れた君に
差し出せなかった傘
今では差し出す相手もい...過去に縋る
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下から見上げた水面(ミナモ)に
映った僕の涙が流れて消えた-
砂に書いた未来設計図
波に飲み込まれて消えた
僕らの未来も泡沫(ウタカタ)にしてしまったんだね
キラキラって輝く小さな幸せ
これが続かないなら今だけ幸せにして
深海で息詰まる人魚姫
泳ぎ方を知らないの
吸い込まれるトウメイ色の明日...海のストーリー
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茜色が泣いている
夕日が落ちることを嘆くように
蝉の音を焦がさないように
虚しさを埋められない
僕の心はそんな色に染まって
夕日が落ちれば辺りは暗くなり
群青の景色が視界を奪う
この色は僕の寂しさを掻き立てるから
僕は苦手だ
真っ紅に染まった夕日は黒が良く見えるから 影が綺麗に映るから...群青と茜色のノベル
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喧噪が蔓延(ハビコ)る街
僕は息をしている
誰にも気づかれない塩梅で淡々と笑っている
一体犯人は誰なんだって問い詰めても知るもんか
その手に握ってる明日に解答(コタエ)があるんじゃない?
モノクローグもドラマツルギーも
全部 全部 堕ちて 堕ちて
過去に裏切られたと叫喚する神父は箱庭の鳥ー
羽があ...堕天使