sunny_mの投稿作品一覧
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その瞬間、君と一緒に昨日見た夢を僕は忘れてしまっていた。
興奮が熾火のように胸の内側でくすぶり続けていた。
収まらない興奮を持て余した僕は、地元の駅前ロータリーのベンチに腰かけたまましばらく過ごしていた。春の夕暮れ。オレンジ色の空の向こうから透明な風が吹いて、僕の短い髪を、首に巻いた薄手のマフラ...夕暮れの空は夢の終わり 【KAITO】昨日見た夢【オリジナル】
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無秩序に増殖する建物の群れの底、空気は澱み、ひどく雑多で汚い、底辺の町。ひしめく建物の隙間に渡された物干し竿にはためく色の褪せた洗濯物。建物の側壁に貼り付いた室外機の群れ。露店が連なる路地の奥で怪しくうごめく気配。澱んだ水から立ち上がる生臭い臭気。
ふてぶてしさを感じさせる女たちの喧しい声。肩...乞福症に処方【ドクター=ファンクビート/nyanyannya feat.KAITO】
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見下ろした窓の下、赤い髪飾りが通り過ぎて行った。
それは十代半ばくらいの浴衣姿の少女だった。路地裏の小道を一人、からころと下駄の足音を立てながら進んでいく。近所で行われる夏祭りに向かうのだろう。下駄履きに慣れていないのか、そのおぼつかない音色がなんだか可愛らしい。
恋人との待ち合わせだろう。浴衣の...偽恋歌
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!!注意!!
題名にもあるとおり、刀剣乱舞の世界観でのお話です。
がっつりがっつり出張ってます。
興味が無かったり世界観が混ざってしまうのが好きでない方。
申し訳ありません。お目汚しの前にお戻りください。
それでも大丈夫!という方。
前のバージョンでお進みください。
【ボカロ】あかいみちしるべ【刀剣乱舞】
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カイトが神様になったらしい。
ソファの上でスマホをいじりながら私がそう言うと、洗濯物を畳んでいたカイトは、はぁ、と何とも間抜けな返事をした。
「それは、ええと、KAITO全体のことですか? それともどこかのカイトさんが神的地位まで上り詰めたってことですか?」
「いや、KAITO全般の意味合いっぽ...あおいかみさま【AO0?】
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そして一時間後。
少し帯の形がおかしいが何とか形になっている着物姿のミクと、同じくぎこちない着こなしながらも羽織袴姿のカイトと、一人普段着のままのメイコが、それぞれ沈痛な表情で録音室に現れたのだった。それこそ大喜びで姿を見せてくれるものだと思っていたマスターは、テンションの低い三人の姿に驚き、目...着物くるくる 2
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今でこそ小岩井家のボーカロイドたちといえば大人数の大家族といった体だが、最初からそうだったわけではない。
ミク一人きりだったところにメイコが来て二人きりで秋をすごし、冬の気配がカイトを連れてきた。春の風と共にリンとレンが来て、生い茂る葉が蒼い影を落とす頃がくぽが迎えられ、梅雨の雲間から青空が見え...Master番外 着物くるくる・1
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H25年の6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
まだ続いていたおやつに詰めた妄想たち。笑
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
H26.9/4ごにんめ投稿。
もー、マスター、こんな...おやつに詰めた妄想たち・5
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こちらは“BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」” を原曲として書いた二次創作です。
そして後編部分です。
ミクもミクのマスターもバンドのメンバーも、原曲を奏でる彼らをモチーフにはしていますが、すべて私の妄想です。正しくは、ミクさんもバンプも好きすぎてこ...未来飛行・後編
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こちらは“BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」” を原曲として書いた二次創作です。
ミクもミクのマスターもバンドのメンバーも、原曲を奏でる彼らをモチーフにはしていますが、すべて私の妄想です。正しくは、ミクさんもバンプも好きすぎてこの楽曲にかなり興奮して勝...未来飛行・前編
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H25年の6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容と加筆したものです。
もう今年の某イベントも終っちゃったよ。あはは……。
前のバージョンで読んで下さい~。
H26.7/1 よにんめ投稿。
『どうしました?また甘えんぼモードですか?まったく...おやつに詰めた妄想たち・4
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2014年6月某日の某お祭りに名刺裏SSとしてくっつけたものたちです。
千年の独奏歌についての解釈(というか妄想?)がTL上で流れまくった某4月の出来事に触発されて、文字書きお仲間の藍流さんと千年祭と称して6月の某イベント時に配る名刺の裏側に独奏歌のSSをつけよう!!という企みをしまして。
……とい...V3のお姉ちゃんがやってきた日 ―名刺裏SS・はずれくじ―
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2014年6月某日の某お祭りに名刺裏SSとしてくっつけたものたちです。
千年の独奏歌についての解釈(というか妄想?)がTL上で流れまくった某4月の出来事に触発されて、文字書きお仲間の藍流さんと千年祭と称して6月の某イベント時に配る名刺の裏側に独奏歌のSSをつけよう!!という企みをしまして。
結果、名...―千年祭― ~千年の独奏歌名刺裏SS~
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H25年の6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
H26.6/8さんにんめ投稿。
あの、マスター、そのスカート。ホントに着るんですか?や、そんな訳...おやつに詰めた妄想たち・3
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「まあいいわ。それよりもがくぽ、お腹がすいた」
そう言って、ルカはがくぽの来ているシャツの裾を引いた。はたと我に返り、がくぽはそうだったと大きく頷いた。
「マグロの醤油漬けは昨夜に仕込んだからすぐできる。あとは、味噌汁でもつくろうと思うが」
「じゃあ私がお味噌汁作るわ」
冷蔵庫の中を見ても良い? そ...るかとがくぽの日向ぼっこ・7
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しかしそれにしても。ついにやったか。と、がくぽはルカの話を思い返しながらしみじみと呟いた。
「ついにやった?」
「カイトのことだ。あいつがメイコ殿に好意を寄せていること、ずいぶん前から本人の口から話を聞いていたからな。いい加減にそろそろメイコ殿に想いを告げろ、と何度も叱咤していたのだが。そうか、やっ...るかとがくぽの日向ぼっこ・6
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他愛のない話は心配事を薄めてくれる。いつの間にかいつもどおりの和やかな酒宴へと空気がもどってきていた。その様子を寝転がったまま聞いていたルカは、けれど。と思った。
カイトのことを案じた瞬間。メイコの握り締めた拳は一瞬だけど震えていて。いつもみんなのことを支えてくれる姉が、時に叱って時に笑い飛ばし...るかとがくぽの日向ぼっこ・5
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彼女はマスターのことが好きで好きで好きで、彼のことを忘れることができなくなって、ただ一つきりの思いに囚われてしまって。そして機能に障害が生じて。ボーカロイドとしては存在できなくなって。
彼女は、歌姫としての矜持を捨てぬまま、彼への思いも抱きしめたまま、消えることを選んだのだ。
そのことに対して...るかとがくぽの日向ぼっこ・4
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「えぇっ、本当にカイト君に好きって言われたの?」
眠気を吹き飛ばすような勢いで結子がそう叫んだ。その大声に手放しかけていた意識がルカの元に戻ってくる。その大声に何事だろうか、と寝転がったままうっすらとまぶたを持ち上げてみれば、視界の斜め上、自分の頭上すぐ横に座るメイコが真っ赤に染まっていた。
「結子...るかとがくぽの日向ぼっこ・3
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それはちょっと前のこと。お洒落をしたミクがこの家を訪れて、一緒に買い物に行こう、とグミを誘いに来たのだ。
「あれルカちゃん。こんなところにいたんだ」
家にいないと思ったら隣家の縁側でのんびりしているルカに驚いたミクを、今日は天気が良いから気持ちいいわよ、一緒に日なたぼっこしない? と自分の隣に誘っ...るかとがくぽの日向ぼっこ・2
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こちらは一連のばあちゃんマスターシリーズの続きものとなっています。
今までの話を知らないとちょっと分からない内容となっています。
それでも良いよ! あるいは、今までのも知っているよ! という方はどうぞ
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淡い陽光が日を重ねるごとに眩くきらめくひかりになってきた、ある初夏の午前中のこと...Master・るかとがくぽの日向ぼっこ・1
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クリスマスのSSです。
・ばあちゃんマスターシリーズ
・ちびっこマスターとメイコさん
・突撃隣のインタネ家
みっつのお話の人たちの、みっつのクリスマスの過ごし方です。
それぞれのお話のキャラ達についてもっと読んでみたい!という方は、過去作品から掘り出してくれるとありがたいです(笑)
膨大すぎて、どれ...クリスマスSS
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6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
11/15ふたりめ投稿。
*アイスって神様からのプレゼントだと思うんだよね。甘くて冷たくて...おやつに詰めた妄想たち・2
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ふつり、とかそけき音を立てて、蜘蛛の糸は切れてしまった。指先にかかっていた負荷が一瞬にしてなくなってしまった。その淡い喪失に、かの人は唇をかんだ。
「救うことが、できなかった」
そう小さく呟いた声には、つぶやいた本人すら気づかぬ程度の赤い色彩が滲んでいた。
ここは、美しい衣を纏い良い匂いで満ち耳...天と地をつなぐイト~蜘蛛糸モノポリー~
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目を覚ましたとき、真っ先に目に入ったのは真っ赤な空だった。
まるで世界が終わってしまうような不安を与える赤く染まった色に目を覚ましたばかりの私は手を伸ばし、そして手を伸ばしきる前、透明樹脂の冷たい感触が指に触れた。意識がはっきりと覚醒していく。自分を囲むのは狭い空間。まるで棺桶のような冷凍睡眠装...あなたと私だけの歌【終末ボカロ企画・pixvより】
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某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
6/23ひとりめ投稿。
おやつと一緒に詰めた妄想たち。
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「メーちゃん、あのさ」
再び、カイトがメイコに呼び掛ける声が扉ごしに聞こえてきて、思わずレンは動きを止めた。
「まだ何かあるの?」
ため息混じりに言うメイコに、カイトが、うん。と何かを覚悟した声で応える。
「おれ、メーちゃんが好きだよ」
青い声が、そっとさりげない音で、言葉を紡いだ。揺らぐことなくま...おまじない・6
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「なんか、レンずるーい」
夜もふけた就寝前のベッドの上。カイトに何を『貸した』のか訊きに部屋にきたリンに、事の顛末をレンが話すと、リンがそう非難の声をあげた。
「何がずるい、だよ」
片割れの言葉に口を尖らせてレンが抱えていたクッションを投げつけると、なんかいいとこどり、って感じがする。とリンがクッシ...おまじない・5
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なくさないようにちゃんと鞄に入れておこう、と、どこか嬉しそうにしながらカイトが持っていく鞄に預かった2つの品をいそいそと仕舞う。その背中を見つめながら、レンはインタネ家もか!と、心の中で叫んだ。
まだ他にもカイトから『借りて』ない人がいると油断していたのに、隣家の兄妹は『貸して』きた。これで...おまじない・4
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―明日、カイトは人工知能の実体化を研究する研究室へ行く。必ず帰ってくると言うが、必ず帰ってこれるという確証はないのだ。
だから、きっとこれはおまじないのようなもの。
皆で示しあわせた訳ではないのだろう。それぞれに考えての事なのだろう。皆がそれぞれに、カイトは絶対に帰ってくると信じている。だけ...おまじない・3