【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#24】

投稿日:2009/12/13 20:44:47 | 文字数:3,977文字 | 閲覧数:254 | カテゴリ:小説

ライセンス:

ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、書こうとおもったら、
なんとコラボで書けることになった。コラボ相手の大物っぷりにぷるぷるしてます。

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めいこさん、かいとくんといちゃこらするの巻。
リア充爆発しろ!(違

最近いろんな雑事に追われてあたふたしてるうpぬしです、忙しいのは相方も一緒!
しかしながら、ここまできちんと書くことができたのはホントに相方のおかげだと
思ってるよ! ぷけさんじゃなかったらここまで書けなかったよ……!
しかしこんなに長くなったのはあれだ。私の遅筆と動画作りと卒論に時間を食われて
いるからだよ。ほんとこちらこそごめんよと言いたい。

そんなこんなで、野良犬もあと1話になりました!
もうすこしだけ、かいとくんとめいこさんのお話にお付き合いください。

青犬編では、ぷけさんいわく「素」のかいとくんがいるようなので、こちらも是非!
これはこれでいいものだと思うんだが、私の見る目は腐っているんだろうか^p^

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かいと視点の【青犬編】はぷけさんこと+KKさんが担当してらっしゃいます!
+KKさんのページはこちら⇒http://piapro.jp/slow_story

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つづくよ!

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ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、
なんとコラボで書けることになった。「野良犬疾走日和」をモチーフにしていますが、
ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてP本人とはまったく関係ございません。
パラレル設定・カイメイ風味です、苦手な方は注意!

コラボ相手はかの心情描写の魔術師、+KKさんです!

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【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#24】



 いい歳して、おててつないで――なんて、ちょっぴり恥ずかしいけれど、今更そんなことも気にならない。
 足の動きは緩めずに、しかし、かいとはすこしだけむずかしい顔をしている。なにやら眉根を寄せて、口をとがらせて……機嫌が悪いわけではないみたいだけど、さっきまであんなにおしゃべりだったのに、きゅうに黙りこくられると、すこしだけ不安になる。
 ああ、もう、と、かいとがしばらくぶりに声を出したのを好機だと思って、私から質問してみた。
「何か気になることでもあるの?」
「んー、それが何なのかわからなくて考えてるんだけど……」
 要領を得ているような得ていないような、なんとも歯切れの悪いかいとだ。気になることはあるけれど、何が問題なのかわからない、か。
 なんだろう。忘れ物とか? ……いや、そんな悠長なことを言っていられる場合でもないのだし、万が一忘れ物があったとしたって、今、それをどうしようとか考えているなんて、いくらのんびり屋のかいとでもありえないだろう。
「気持ち悪いわねえ、早く思い出しなさいよ」
「気持ち悪いって……」
 むぅと唸られて、思わず吹き出す。
「まあ、なんにしても、別にいいじゃないの。きっと何とかなるでしょう?」
 思わず機嫌のよい声が出て、自分で自分がおかしくなって笑う。すると、かいとはそんな私が怪訝に見えたのか、すこしだけ目を見開いてから苦笑した。
「ちょっと前のめいこの口からは出なかった言葉だろうね、それ」
「そうかもね」
 まるで地獄のようだったもの。
 それでも、家にいたときのことを思うと、今はちくりと胸が痛む。指に刺さってなかなか抜けない棘のように、ふとした瞬間に痛むのだ。たしかにあの家での出来事は、苦痛なことも多かったけれど、いざ『もう戻らない』ときめると、後ろ髪を引かれるようなきぶんになってしまう。
 せめて、きちんと挨拶くらいはしたかった。
 るかさんが言っていたように、落ち着いたら手紙を送ろう。果たしてきちんと読まれるだろうか……それだけが不安だけれど、一度両親にはきちんと謝らなければならないし、なにより、影ながら味方でいてくれたという使用人たちに、不義理になってはいけないと思う。それと……不本意だが、あの紫の男の家にも、なにかしら送った方がいいだろう。不義理、という意味では、彼の家の方にも迷惑をかけただろうから。
「それにしても」
 思考に没頭しかけていた私を、かいとの声が現実に引き戻す。
「さすがにちょっと恥ずかしいな……」
「今更気付いたの?」
「いや、だって今まで考える暇なかったから……」
 こころなしかもじもじしながら、かいとは道の脇に視線を走らせている。
 そういえば、さっきから大通りに出て走っているけれど、私はそれほど視線を気にしていなかった(というか、こんな姿の男女ふたりが疾走する様を見て驚く人なんて、これまでもたくさんいたのだし)。
 しかし、恥ずかしいと言いながら、その瞳が、秘密基地を作り上げたあとの少年よろしく輝いているというのはどういうことなのだろう。……まさか……あまり考えたくないけれど……恥ずかしい格好を見られて嬉しいとか、そういう趣味じゃないわよね……?
「ねえ、確か――めいこは歌上手だったよね」
「え?」
 いきなり話題を変えられて、思わず険のある声が出る。
「これから二人でさ、興業団みたいにやっていけたらいいのになぁって」
 ちょっと思ったんだ、と、かいとは恥ずかしそうに頬を掻いた。
 ああ、なるほど。興業団のひとたちに触発されて、芸事――というか、芸を客に見せること――に目覚めたのか(なるほど、さっきからそわそわしているのはそのせいなのね)。しかし、本当にそれだけの理由で興業をやろうなんて言っているなら、なんとも単純なひとだなあと笑うところね。まあ、琴や舞踊なんかもやっている身としては、なんとなくそのきもちもわからなくないようなところもあるので、一概に否定はしないけど。
「それ、今言うこと?」
「……ですよねー」
 あはは、と乾いたように笑うかいとの様子を見るに、どうも本気で言ったわけではないような雰囲気がうかがえた(本気で言われても困るところだけど)。
「全部逃げ切ってからの話でしょう。でも、それも悪くないかもしれないわね」
「だよねー……え?」
 あらためて冗談として言い添えてみたけれど、今度はかいとの方が驚いた顔をしている。
 ……え?
「やだ、冗談にきまってるでしょ。……え、冗談、よね?」
 ひかえめに訊いてみると、慌てた様子でじょうだんだよ、と返ってきた。……よかった。ここで本気だなんて言われたら、いくらかいとでもついていくのに不安が出てくるところだわ(かいとの素直で一直線なところは美点だと思っていたけれど、それは考えなしと紙一重だと思う)。

「っ、ところで……ちょっと、聞いていい?」
「何?」
 話しながら走っていたせいか、また息が切れてきた。すこし掠れ気味になってしまった声で紡がれた私の質問に、相変わらず涼しい顔でこたえるかいとを見ると、余計に自分の体力のなさが恨めしい。
 見慣れた道に出たところで、頭の隅に追いやっていたままだった疑問を口にする。
「今っ……どこに、向かってるの?」
 前を向いたまま訊くと、不自然な間があった。
「……俺、言わなかった?」
「聞いてないわよっ!」
 ぺしりとその高い肩をはたく。ほんとうは頭を狙いたかったのだけれど、いかんせん身長差があって思うように届く自信がない。足を止めているなら迷わず頭をはたいたところだけれど、走っている状態でそんなところを狙って、目に怪我でもされたらたいへんだ。
 案の定、はたかれたことに対してはそれほど気にした風もなく(それでもすこしだけ申し訳なさそうに)かいとは言う。
「ここにはもういられないから……とりあえず、駅に。汽車に乗ろうと思う」
「じゃあ、あの街に戻るの?」
「俺もほんとうはすぐ帰りたいんだけどね。俺の家のほうまで手が回るかもしれないから、すこし寄り道して行くよ。どこかの駅で一度降りて、おばあちゃんかりんちゃんとれんくんに手紙でも出して、様子見ながら帰ることにしよう」
 まあ、これもるかさんの入れ知恵だけどね、とかいとは笑った。
 きっとるかさんは、万が一、咲音家や神威家との交渉が失敗したときのために、あるいは交渉が長引いてしまう場合を想定して、じかにあの街に帰るようなことは避けろと言ったのだろう。ここまでお膳立てしてもらって、私たちはもうほんとうにあのひとに頭が上がらないくらいのことをしてもらっているのね。
 あらためて、感謝の念が胸にひろがる。
「行き先とか、とくに決めてないけど……ちょっと二人でゆっくりできるところに行けたらいいなあ、って。あ、温泉とかどう? 俺、一回でいいから有名なところの温泉、行ってみたいんだよね」
 ああ、うん。それもいいかもね――って、ちょっと待って!
 うきうきとしてそんなことを言うかいとを見ていると、うっかり同意しそうになるけれど、それではまるで……み、蜜月の夫婦のようじゃない! ちょっと待ってよ、いくらなんでもそれはまだ早すぎるでしょ、私だって心の準備ってものがあるし、だいたい、いきなりそんなこと……って、私はなにを考えているのよ!
「か、かいとのばか……!」
「んえ? なんで? いいじゃない、温泉。ゆっくりできるし、きっと宿にも困らないよ?」
 しかも自分がなにを言ったのか、わかっていないときたか。かいとって、無自覚でこんなことを言うやつだったかしら……うん、言うやつだったわね。
 なんだか恥ずかしいやらいたたまれないやら、とりあえず察しの悪いかいとがわるいと勝手に責任転嫁して、もう一度、さっきより力を込めてその背中をはたく。
 ううう、恥ずかしくて死にそう。顔が熱いのは、きっと走り続けていたからだけじゃないわね。
 通りを斜めに横切ると、目の前に大きく駅が見えてきた。
「あ、めいこ、駅が見えてきたよ」
「言わなくたってわかるわっ!」
「怒りんぼだなぁ、めーちゃんは」
「もうっ、ちょっと黙ってなさいよっ!」
 なんだかわけがわからなくなって、もういちど手が出そうになって――振り上げた手は、途中でかいとの手に包まれた。きゅっと掴まれた手の強さから、自分が大事に扱われているのがよくわかる。
 ふと見上げると、そこにあったのはかいとの穏やかな笑顔で。慌てて目を逸らしたけれど、きっと顔が赤いのは隠しきれていないだろう。
 でも、恥ずかしいけれど、悪い気はしない。
 たしかに、たくさんの距離を走って、喉は痛いし、横っ腹はずきずきするし、足は重いし、あんまり具合はよくないけれど。私がもうへばり気味なのに、まだまだ余裕綽々といった風のかいとがすこしだけ憎たらしく思うけれど。
 なんだか昔みたいね、と、話しかけたくなる。
 こんな風に、またふたりで笑いあえる日が来るなんて思っていなかった。でも、きっと、この先も、私たちはこうして笑いあっていくのだろう。

 ……ほんとうに、このまま無事に逃げ終えて、そうなれるといいな、と、心の中だけで祈った。

つんばるといいます。世の中のすみっこでしがないモノカキやってます。
MEIKOがすきです。KAITOがすきです。カイメイがすきです。

写真素材はサイズ・色調その他、改変自由のフリー素材です。お好きにどうぞ。
なにかが誰かの琴線に触れたらさいわいです。

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