【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#22】

投稿日:2009/11/29 20:51:52 | 文字数:5,687文字 | 閲覧数:273 | カテゴリ:小説

ライセンス:

ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、書こうとおもったら、
なんとコラボで書けることになった。コラボ相手の大物っぷりにぷるぷるしてます。

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めいこさん、セクハラされるの巻。
……そっちがメインじゃないのに!(笑

でも、めーちゃんのおっぱいはふかふかのふわふわのむにゅむにゅだと思うのです。
ルカのはちょっと中身が詰まりすぎて固そうな感じの方が好k……おや誰か来たようだ。

ということで、がっくんとかいとくんの一騎打ちです。このへんはもうずっと
ぷけさんのターンです。私はめいこ視点にしただけ、っていう(笑
かみあってないがっくんとかいとくんの攻防ですが、ふたりともかっけえなあ。

青犬編では、かいとくんがセクハラについて弁明しているようなので、こちらも是非!
あ、本文でセクハラには触れてません、あしからず^p^

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かいと視点の【青犬編】はぷけさんこと+KKさんが担当してらっしゃいます!
+KKさんのページはこちら⇒http://piapro.jp/slow_story

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つづくよ!

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ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、
なんとコラボで書けることになった。「野良犬疾走日和」をモチーフにしていますが、
ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてP本人とはまったく関係ございません。
パラレル設定・カイメイ風味です、苦手な方は注意!

コラボ相手はかの心情描写の魔術師、+KKさんです!

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【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#22】



「どうしよう、ばれた……!」
 しまった見つかったどうしよう絶対追ってくるわあいつ、かいとはどうするつもりなのかしら。
「ばれたって、なにが?」
 しかし、頼りのかいとはまったく事態を把握していない様子だ。すこしだけいらだつ。が、よく考えたら、かいとが知る由もないのよね。すこしだけ冷静になって、説明を試みるが、うまくいかないので、考えずにしゃべることにする。
「さっきの車、あれ、私の婚約者だったのよ!」
「ああ、あれが……」
「見なくていいわよ、目が腐る!」
 わざわざ振り向こうとしたかいとを半ば怒鳴るように叱りつけて、私は走る速度を上げる。かいとも慌ててついてくるが、すぐに追い抜いて私を先導する。
「ほんとあの男、うっとうしいのなんのって……」
「……この前はあのひとのこと『優しくていいひとだ』って言ってなかったっけ?」
 苦笑したまま、それでも不思議そうな声で言うかいとの様子に、すこしだけ苛つきが募る。このひと、ほんとうにわかっていないのかしら。だとしたら、鈍感もいいところだわ!
「あんなのウソにきまってるでしょ! 頼みもしないのに式衣装の直しはさせるわ、行きたくもない芝居に連れ出すわ、なにかと気どったいけすかない奴よ!」
 久しぶりの疾走で疲れた喉にはそぐわないような大きな声でまくしたてると、かいとはぷっと吹き出して、そのまま大笑いし始めた。
「笑いごとじゃないわよ!」
「だって、めいこにそこまで言わせるって……! あはは、お腹痛い」
 むう。それにしたって、そんなに笑わなくてもいいじゃない。というか、ここまで笑っておいて、走る速度が殆ど変わっていないかいとの体力が恨めしい。ああ、なんだか余計に腹の虫がおさまらないわ。一発何か殴ってやろうかしら。
 しかし、実際にそんなことをしている余裕――体力的にも、状況的にも――は、なさそうだ。
 後方、やや遠くから車の音が近づいてきている。かいともそれに気付いたのか、苦虫をかみつぶしたような顔をして、道の先を見据えている。……隠したつもりだろうけれど、舌打ちまでこちらに聞こえているわよ、かいと。でも、舌打ちしたい気持ちもわかるわ。私も同じように思っているもの。
「めいこ、もう少しだけ速度上げれる?」
 声の中に、緊張の色が強くなった。
「っ……大丈夫よ」
 すこしだけ息が詰まりながら、すこしだけ虚勢を張って答えた。宣言通りかいとの進む速度が速くなる。
 ――まずい、置いて行かれる。
 幼いころは、単純に足を速く動かせば追いつけたものだが、今では歩幅が全く違う。かいとは気にしていないだろうけれど(たぶんそんなことまで考える余裕なんかない)、初見の時に頼もしいと思った体格差が、ここにきて仇となった。着物の裾が翻るのもかまわずに走っているが、やはり遅れは遅れだ。どんなに悔しく思っても覆らない距離。それならば、たとえどんなにもどかしくても、足を動かし続けることが一番なのだ。
 改めて手を取られる。ともすればついていけなくなりそうな私を引っ張ってくれる大きな手。あたたかくて、やさしくて、心だけはずいぶんと軽くなった。
 車の入れない幅の、細い路地に入ったところで、かいとはやっと歩幅を戻した。気遣ってくれているのだろうか。気遣いなら無用よ、早く行きましょう――と、言えたら、どんなにいいことか、とは、思うだけにとどめた。すっかり息が上がってしまっている私は、そんな軽口すらも叩くことができないほど疲弊してしまっていたので、正直、歩を緩めてくれるのはありがたかったのだ。……やっぱり、いくら外に出たくなくても、運動だけはしておくべきだったわね。
 そんな風に気を張っていても、荒い息を吐いているのが、かいとに伝わらないわけはなかったようで。申し訳なさそうな表情で、口を開いたかいとは、

「めいこっ!」

 何を言う間もなく、その声に次の言葉を譲ってしまった。
「げ……!」
 車で入って来ることができないからと言って、あの男を撒けると思ったのがそもそも間違いだったのか。少しでも安心した自分の甘さを呪う。ぐい、と、今までよりもずいぶん容赦のない力具合で腕を引っ張られて、思わず悲鳴のような声が出る。
「ちょ、なにっ!?」
「いいから曲がって!」
 かいとの向かう方に、ふたり一緒に足を速める。私の知らないような道ばかりを走るので、この街に住んで長い(すくなくとも、かいとよりこの街を知っているはずの)私ですら、自分がいまどこにいるのかわからなくなる。民家と民家の間をすり抜け、別の通りに出たかと思ったら、すぐに脇道に逸れる。どんなに入り組んだ道でも、かいとは迷いなくこの街の道を走っていく。わざわざこの街の地理を勉強したのかしら。このためだけに。
 しかし、それを訊こうと思っても、そんな暇はないうえに、こちらの息が上がってうまくしゃべれる気がしない。後ろから私たちを追う足音は、遠ざかっているようにも聞こえるが、その実、近づいていないだけで、こちらがすこしでも速度を落とせばすぐに追いつかれそうな距離を保っている。
 かいとも油断はしていないようで、少しでも遠くに、少しでも早く走って行こうとするきもちが、つないだ手から伝わってくる。かいとが後ろを振り返ることはなくても、その顔が緊迫に引き締まっているのだろうというのは容易に想像できた。
 もう何度目かわからない曲がり角を曲がったとき、おもむろにかいとが立ち止まった。慌ててこちらも停まろうとするが、惰性で動こうとする足がもつれる。
「めいこ、静かにしててね」
「な、なにっ……!?」
 私の身体をひょいと抱えてから、助走をつけて木箱を踏み台に、かいとは跳躍した。思わず目が丸くなる。ひとひとり担いでここまで跳べるなんて、ほんとうに曲芸師にでもなれるんじゃ――じゃなくて! 怖い! 浮いた! 身体浮いた!
 悲鳴をあげそうになった私の口を抑えるのも忘れずに、かいとは私を抱えたまま屋根の上に立った。
「小さくなって」
 言いながら、かいとも身を小さくして、その手を私の方に伸ばし――

 むにゅ。

「ひゃっ……!」
「め、めーちゃんっ!」
「めいこ!」
 びっくりしたようなかいとの声と、私たちを追っていた男の声が耳に入った。
「……まずい!」
 かいとはすぐに私を抱え直して屋根から飛び降り、すぐにその手を離してまた走り始めた。
 ちょっと、なによ! びっくりしたのはこっちの方よ!
 恥ずかしさに、怒っている場合じゃないなんて思考は既に吹っ飛んでいる。これ以上かいととの距離が開かないうちに、と、その脇腹に渾身の右腕をたたきこんでやる。
 ぐ、と、息の詰まったような声がした。けれど、それくらいの報いを受けて当然よ!
「なに……」
「かいとのばかっ! どこ触ってんのよ!」
「そ、そんなこと気にしてる場合じゃ……」
「そんなこと!?」
 曲がりなりにも女性の……その……胸、を、鷲掴みにしておいて、『そんなこと』って言った!? そういえば、大道芸の会場から連れ出された時も、思いっきりお尻触られたわね……たしかに、色々切羽詰まっている状況だったとはいえ、今日これで二度目じゃないの! 気にならないのか、この男! いや、少しは気にすべきでしょうが!
「二度もへんなとこ触っておいてっ……!」
 もう一度腕を振りかぶるが、その肩に振りおろしたはずの腕は、あっさりかいとの手のひらに受け止められ、そのままぐいと引かれた。
 そうだ、こんなことでけんかしている場合じゃない、逃げないと――

「めいこ、逃げられると本気で思っているのかい?」

 ぞわ、と、背中を這うような声が、至近距離で聞こえた。かいとと一緒に振り返ると、その男は、私のすぐ後ろに迫っていた。
 ――逃げられない。
 私がそう思ってしまうのにじゅうぶんな気迫。そして、幼いころの、幾重にも失敗を重ねた『だっそうけいかく』が脳内を過る。
 ――だめだ。逃げられない。
 そもそもほんとうに逃げられると思っていたのか、私は。
「めいこ?」
 気づいたら、その手を離していた。
 男の足音が近くなる。けれど、私は、なぜか硬直したまま動けないでいた。
「――ようやく降参かな?」
 その言葉は、誰に向けられたのだろう。ざり、と、紫の男の草履が、視界に入った。視界に入るほどの距離に来られても、いつもの虚勢は出てこない。
「どこの出かは知らないが……君がめいこを養っていけるとでも?」
「幸せにする自信はありますよ」
 かいとに向けられたつめたい言葉を、かいとは、ややこわばった声で返した。
 ――かいとは、毎日たくさんの仕事をこなしていると言っていた。それは、もしかして、それほど困窮しているということではないのか。私がかいとについていくことで、もしかしてかいとの生活を脅かしてしまうのではないか。
「自信だけでどうにかなるとでも思ってるのかな? 世の中そんなに甘いものではないよ……もう決まりきったことなんだよ」
 そう、ひとがひとり生きて行くことは、じつはほんとうにお金がかかること。
「君が入る隙などどこにもない」
 そんなことはない、と、反論したくても、できなかった。

「――あなたの言葉には気持ちがない」

 意志のこもったかいとの声と、ぎゅ、と、握られた手が、とてもあたたかかった。

 そのまま手を引かれる。私の代わりに盾になるように、かいとが私と紫の男の間に立った。
「あなたがめいこを幸せにするなんて、できるわけがない!」
 強く、吐き捨てるような言い方。けれど、決して自棄なんかじゃない。かいとは、心の底からものを言っている。しっかりと芯のある声に、励まされたような気もちだった。
 それでも、紫の男の追撃は手厳しかった。
「幼稚だね。わかっているんだろう、きみも。自分の思い通りにいくことばかりが人生ではない。多少自分の心にそぐわないことでも、受け入れなければならないことがある。きみの言っていることは夢幻にすぎない」
「互いの気持ちを無視した結婚なんて、何の意味も持たないっ!」
「きみは、この縁談に与えられた意味がわかっていないようだ。企業にとっては、こういった縁談が毒にも薬にもなるのだよ」
 わかっている。私は、咲音の家の都合のいい道具なのだと。私は、咲音の家に薬をもたらすために、自分から毒を呷るのだと。でも、それは、とても不自然なことなのだ。どうして人間は、心のままに生きられないのだろう。そんな風に考えることすら放棄した私に、かいとは、また希望をもたせてくれたというのに。つくづく紫の男は正論で私の神経をすり減らす。
「縁談だの金持ちだの家柄だの、俺はそんなことどうでもいい。めいこがお金持ちでも、俺みたいな家の出でも、そんなこと関係ない。俺は、めいこだから好きになったんです。誰かに言われるからとか、家にとって良い条件だからとか……そんな理由で決められた相手なんかに、渡せるわけがないんです。俺は、ずっとめいこのことだけを想って生きてきたんです。あなたにこの想いで負けるとは思えない」
 かいとの熱弁に、握った手が熱くなる。家柄なんて関係ない。『咲音のお譲さま』じゃなく、『めいこ』だから好きになった、と、言ってくれた。離れてからも、私のことを想ってくれたと言ってくれた。目頭が熱くなってくるけれど、どうにか堪える。ずっとずっと、同じ気もちでいたのだ、私たちは――それがとても、心強かった。
「所詮、『想い』だけでは届かない現実がある。幾ら想っていても、手放さねばならぬ時がある」
 冷たい声に、心が折れる音がする。いましがた、かいとの声に励まされていた私の心は、急にしぼんで小さくなった。
「きみは本当になにもわかっていないみたいだが……聡明なめいこならばわかっているだろう? 今私から逃げたとしても、咲音の家がどうなることやら」
 そうだ。逃げるにしたって、狡猾なあの男が相手。私にとっては、家が人質にとられているようなものだ。あんな家、捨ててしまいたいと思ったことは数あれど、ほんとうに私が逃げてしまえば、父母にどんな迷惑がかかるかわからない。何を考えているかわからない父、性格の合わない母。それでも、私を産み育ててくれた恩は身に余るほどなのに――!
「それでも……彼と一緒にいられると思っているのかな?」
 それに、もし、家を捨てて、家の者がどうになかってしまうような事態が発生したとして。両親は、あの家以外に行き場がない。父の親族はほとんど亡くなっている。母の実家なんて行ったことがないけれど、便りの類を見ないところから、縁はほぼないのだとわかる。そして、家で抱えていた使用人たちまで、路頭に迷うことになるだろう。きっと、あの巾着の女の子も。私が外出禁止を言い渡されたとき、不服だと言ってくれたみんなが、仕事をなくす。父も母も、住む場所を、生きるすべを失う。
 そうなったとき、恨まれるのは、きっと私ではない。かいとだ。

「め、めいこ?」
「かいと……」
 どうしたらいいかわからない。だって、どれも捨てられないもの。
「私……」
 ゆるり、かいとの手を、離した。

 かいと、ごめんなさい。
 あなたが私の肉親から、身内から、友人から、恨まれるようなことになるのが、一番耐えられない。
 そんなことになるくらいならいっそ――。

つんばるといいます。世の中のすみっこでしがないモノカキやってます。
MEIKOがすきです。KAITOがすきです。カイメイがすきです。

写真素材はサイズ・色調その他、改変自由のフリー素材です。お好きにどうぞ。
なにかが誰かの琴線に触れたらさいわいです。

⇒ブログ:http://phantomlake.blog58.fc2.com/
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