韓紅の花 夜に舞い散って
君の話がする 八月の記憶

浴衣の擦(す)れる音 下駄が弾む音
心ときめくから あまり見れなかった

『もうすぐ夜の花が咲くよ』

ぱっと開いたら散って夏の夜に手向けていく
『あの花弁(はなびら)はみんな夜の魚として死んでいく、きっと』


君の儚い声 僕の微かな声
お似合いなんて今 思ってしまっても

『私も魚になりたいな』

『ぱっと開いたら散って夜の中を彷徨ってく
 そんな一片(ひとひら)の魚、綺麗だよね。それが夢なんだ、ずっと』


君はいつだって僕を見なくて
本当の意味で僕を見なくて
距離は近いのに遠くにいて
それでもそれでも傍に痛くて
わかっている もうだめなんだ
君はこのままいなくなるんだ
そうだとしてもいつか花火を
また一緒に見たいと思って


韓紅の花 夜に舞い散って
君の願いがする 八月が廻る(めぐる)
一片の魚が 夜に紛れてく
君の姿を見る 八月が滲む


君の夢は叶っただろうかと、感傷を握り。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

一片の魚

Xに投稿していた140字小説を元に作詞いたしました。

【140字小説】

花火の一片一片は小さな魚だと教えてくれたのは君だった。火の粉として一瞬光って夜に紛れていく魚だと。その魚たちはずっと夜を彷徨う。夜を縫うように泳ぐように。私もその魚になれるならなりたい。そう言っていた。八月、花火大会に来るといつも君を思い出す。願いは叶っただろうかと、感傷を握り。

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投稿日:2024/04/07 18:48:51

文字数:427文字

カテゴリ:歌詞

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