初めまして
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昔から、「今ここで何々をしたらどうなるだろう」と考えることが多かった。
目の前の人を突然殴ったら?大切なお皿を叩き割ってみたら?ナイフを突きつけたら?
実際にしてみたことこそ無いものの、高校を出たばかりの私の頭の中は、そんな「if」の思考で満ち満ちていた。
虫も殺せないくせをして、一丁前に人を傷つけ...加害
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「年をとりすぎるとね、星が迎えに来るの。だから私たちは、星が来る前に自ら命を絶つのよ」
おとぎ話を語るかのように話す姉さんの言葉のひとつひとつを、妙齢の僕はそれとなく聞いたようなフリをしていた。
どうにもこの手の話は苦手だ。
「人は死んだら骨になるんじゃないの?それに、お星様ってあの空に浮かんでるや...星の迎え
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「今日も頑張ってね」
しいちゃんに言葉をかけるのは、植木鉢に植えられたどこにでもある一輪のお花。初めて話しかけてきた日から幾日、お花は毎日しいちゃんにねぎらいの言葉をかけてくれます。
「しいちゃん大好きよ。今日も頑張ってね...」
初めのころは、花が喋るなんて...と不思議に思い病院に行ってみたりも...病気のしいちゃん
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鼻の凍えた遮断機に
待たされ耽る少年は
きっとどこへも行かれない
空を仰いでいた
色を失くした少年に
差し延べられた小さな手
手を取ることも躊躇って
膝を見つめていた
いつだって少年は悪戯に
自分を傷付け追い込んで...しゃがむ
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厚手のマフラーで口元を隠す
閉じれば見えると思い込んでいる
足元にかしぐ狭隘の灯り
踏み降ろせば抜ける底
右の耳から豊饒の鐘
左の耳から怨嗟の炎
入りび抜けては背筋を正した
響もす鎚音の届く限り
駅のホームで出逢った子ども
線路の隙間 敷板の上...印を戴く者
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ある春の日の出来事だった。
太陽は既に落ち、紫色の帳が西の空低く垂れ下がっている。
このくらいの時間の電車は、とても快適だ。
帰宅ラッシュで見知らぬ他人と肩が触れることも無ければ、酒の入ったやたら陽気な人間もいない。
乗り合う者すべてがある程度の距離を置いて静かに座席に座する光景は、修行僧のそれのよ...西行き電気鉄道車八両目
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小さな声で あたしは叫んだ
夢見心地な天使たちの群れ
神様を崇めて空を見る
お腹を空かせたカナリアが指先へ
夕暮れのペルシャは膝の下
ここは安穏よ そう言って微笑んだ
閉じた目にはそれしか無く
小さなリンゴは音もなく舞い落ちた
瞼を開けば、大嫌いな銀の蛇
どうしてしまったの...惰天使
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小さな声で あたしは叫んだ
夢見心地な天使たちの群れ
神様を崇めて空を見る
お腹を空かせたカナリアが指先へ
夕暮れのペルシャは膝の下
ここは安穏よ そう言って微笑んだ
閉じた目にはそれしか無く
小さなリンゴが音もなく舞い落ちた
瞼を開けば大嫌いな銀の蛇
どうしてしまったの...無題
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あるところに、狼の住まう山がありました。
その山には数多くの狼が暮らし、
日々あらゆる動物たちを見定め捕獲しては
それらを食糧にして生きていました。
狼のセイムも、そんな群れの中の1人です。
セイムはちょっとだけ内向的な性格で、
他人と積極的に触れ合うことが苦手な狼でした。
ですが、群れのリーダーの...草食狼セイム(落書き)
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落陽七時半 煮え切らない街が
ベンチの足を揉む ひどく緩やかに
凝り固まったあたしの足腰
早く来ないかな
引き合い寄せ合い 離れ泣く道化達
街は皮肉り顔で囁く
こんなあたしはベンチで一人ね
まだかな 早く来ないかな
足元舞い降りた 白鳩の紳士が
声柔らかに話し掛ける...Whited crowman
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出会った人達は もうどこにもいないの
追いかけた背中も 淡く夕闇に溶けて
湖の辺で 私はひとりで
丘は潰れ 谷は膨れた
まっさら平らな世界
歩いた山野道
括れ落ちる下り坂
手懐けた白猫は
歯を悔い縛り溶けた
手から零れたものたちは...声無し娘と夢の園
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羽を伸ばした 歯抜け蝙蝠
夢を馳せる 空ははにかみ松脂の巣
この洞窟の蝦蟇口を
どうしたら抜けようか
頭を捻り常識面(づら)
孕んだ子も息絶え絶えに
飛び出した音速の刃
あなたは細切れ
粉々になった両手を集めて
「さぁ、どうぞ、あなたもいかが」...引き蝙蝠
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雪の降る町 陽射しは湿り
陽気なからくり 羽を伸ばす
鐘が鳴りました 陽気な愚鈍兵
せっせと働け 未来のために
夢を追いかけた 足は縺れ井戸の底
「此処はどこですか」
「いやいや、あなたこそ誰ですか」
予言はびこる螺子町は 色無し爛れて煤まみれ
空がひび割れ 神様は零れ流れだす
舵をとるのは 誰にも...五月雨故郷は予言と共に
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私のまわりは泣き虫ばかりだ
みんなそれぞれ
色々な理由で涙を流している
人は私のところに来ると
思い思いの悩みを話しはじめる
せきを切ったように
どろどろと流れ出す言葉
彼らはそれを私へ吐き出すと
とても満足した顔をして
当たり前のようにどこかへと歩いていく...泣き虫