auroraの投稿作品一覧
-
「というかこの実験って高校1年がやるには難しすぎだろ……」
「はいそこ文句言わなーい」
リリー先生の言葉は神威に冷たく刺さる。だけど、神威はそれをあまりわるくは思わなかったのだった。
リリー先生は難しいことだらけを言うがそれでも神威が解らない範疇ではない。だが、神威以外の人間にはそんなことなど把...月と幻妖のフェアリーテール
-
月夜(instrumental)
-
僕はあれから考えていた。
なんども、何度も考えていた。
あれは想像だったのか? 偽りだったのか? 現実じゃなかったのか?
彼女――初音とは会えないのか?
そんなことを――今日も思っていた。
***
僕はあれから少しして退院、何年ぶりかの学校は僕を優しく受け止めた。クラスメイトも僕に優しく...僕と彼女の不思議な日常 エピローグ
-
「……ふわあ……よく寝た……」
村娘は目を覚ますと同時に頭を抱えた。
「いてて……ほんと二日酔いって怖いね……」
そんなことを呟いて、ふと思った。
――朝が来ない。
≪Bad ∞ End ∞ NightⅣ 【自己解釈】≫
「な、なんで……? どうしてなの……?」
村娘はそれに恐れ、急いで隣の部...Bad ∞ End ∞ Night No.04【自己解釈】
-
【A】
何気ない始まりに簡単笑って呟いた。
「そういう言葉も言えないね」
ああ君はそこまでも口噤む
笑うことだって出来るのに
どうしてこうして無理なのか
小さな壁を無視したら
なんとも成長しちゃってさ
【B】
八時半のチャイムを待ってよ...スクール戦争
-
「どうだ……。生き返った気持ちは?」
気づくと少年は謎の液体の中で目を覚ました。正直、夢だと思っていた。
「おい、どうだと聞いているんだ。
君は人類の歴史に残るんだぞ?」
白衣の着た人間に言われ、自分の存在をおもいだす。
彼の名前は――コノハという。
どうやら、彼は終わった命を蒸し返す機械...カゲロウプロジェクト 07話【自己解釈?】
-
ズボンの裾が伸びきってiPodのコードが揺れている。イヤホンを充てがってフードを被っておけばひとまず問題はないだろう。ヒビヤは走りながら独り事のように、呟く。
「……目隠し完了」
ヒビヤの目にはいつもどおりの見えない現状が広がる。非常灯が通路の両側から赤く光り、それはまたシュールな景色へとな...カゲロウプロジェクト 06話【自己解釈?】
-
ヒビヤがやってきて、もう一週間がたとうとしていた。
ここは、メカクシ団のアジトらしい。だが、ここまでは目隠しされて連れてこられたのであまりよく覚えていない。
ヒビヤが思い出すのは――あの繰り返しの八月十五日のみ。
「やあ、ヒビヤくん。調子はどうだい?」
ノックをして入ってきたのはキド...カゲロウプロジェクト 05話【自己解釈?】
-
「ほんとにこんな山奥にいるのか? キド」
『そんなめんどくさいことでいちいち通信するな。“ヤツラ”にバレてしまうだろう』
「そんなこと言っても、バレないさ。きっと、ところで本当にこんな山奥に家なんてあるんだろうな?」
『なかったときは私が責任をとろう』
「……体で?」
『〇すぞてめえ』
「すいま...カゲロウプロジェクト 04話【自己解釈】
-
とある森の中にある、とある小さな家。
そこにはひとりの少女が住んでいた。
名前はマリーという。
少女が本を読んでいると、夏の爽やかな風が、窓をノックした。
「なんだろう?」
そう思ってマリーは窓を開けると、部屋に鳥の声が響いた。何羽もやってきて、まるでマリーと話をしたがっているみた...カゲロウプロジェクト 03話【自己解釈】
-
「あのさ、ヒビヤは夏は好き?」
「夏?」
「そう、夏」
「僕は別に……。でもまあ、アイスとか食べられるし、特にいいと思うけどね」
「そっか……」
「君は?」
「私もアイスが食べれるからいいけど……」
「けど?」
「でもまぁ、夏は嫌いかな」
彼女は猫を撫でながらふてぶてしくつぶやいた。ちなみに撫でて...カゲロウプロジェクト 02話【自己解釈】
-
そこにいたのは、人間ではなかった。人間のようではあったんだろうが、所々が人間とは思えなかった。マスクに機械じみた洋服などがその凡例だろう。
「……なんで、ここにいる?」
「なんで、って。私がいたいからここにいるんじゃん」
少女は答える。だが、その“ニンゲン”はそんなことも気にしない様子で。
「だ...マダラカルト 第弍話【自己解釈】
-
――街は楽園を見せる
「――ここは、どこ――?」
――望んだものが望むように。
――それでもまだ
――彼女は紛い物のカミサマだった。
≪冒険少女と箱庭遊戯【自己解釈】≫
はろー。私の名前はミク。
そんな通信みたいなことはおいておくけど、気づいたらサイコロと、道と……。あれ?
これって、...冒険少女と箱庭遊戯【自己解釈】
-
解説2つめです。
今回はサラっと『僕と彼女の不思議な校内探検』と『僕と彼女の不思議な世界』についてです。
ほんとうはこれは僕だけで書こうと思いましたが、もともと考えていたプロットから鑑みるに絶対に完結させられないと思いリレー小説にしました。
これは第二部でもあり、“if”ストーリーでもありま...僕と彼女の不思議な日常 解説2
-
――ある戦争の末の某国での、最早窮屈な常套句ともいえる胡散臭さ極まりない舞台での出来事。
飢餓や流行病に蹂躙された国民たちは数ある物語のお約束のように生存欲に支配され怠い本能に従順な下部となった。
人口に対して作物・水分が不足した状況下に於いてこの国は、何処の漫画にもアニメにもみられる頭の悪そ...マダラカルト 第壱話【自己解釈】
-
雨だ。
こんな日は外に出ることなんてしたくないのに、なぜか授業が休講である。
だが、そのあとに時間がつっかえている。暇である。
「神威ー。大富豪やろー」
「また懐かしいのをやるねえ」
「いいじゃん。リンちゃんのクラス花札やってるんだってよ。ああリンちゃんどうしてあなたはそんなにリンちゃんなの…...雨と大富豪と階段革命
-
ゴールデンウィークってのはあっという間に明けてしまうもので。それはどの学生もあと数日欲しいとか思ってしまう時期なのだろう。五月病ってやつだ。
神威がくぽという少年はそんなこともなく、今日もまた文庫本を読み耽っていた。
そういえば。
神威はふと思い出したように呟いた。
「転校生がくるんだったな...夢と実験とラプソディー
-
ゴールデンウィークってのは始まってしまえばあっというまに休日はすぎていってしまい、気付けば残り2日とかになってしまっているものだ。
神威がくぽという少年はリリー先生から出された『体内の電子数を試算する』宿題をあっという間に終わらせていて、毎日本を読み耽っていた。
そんな、優雅な一日をつぶしにか...鯉と連休とアイロニー
-
これはそんなとある日のことで。
「――君は?」
目を覚ますと、僕は真っ暗な空間にいた。
そして、ひとりの人間がいた。
「僕かい? 僕の名前は…キドだ」
「キド? どういう意味だ? なんで君はここにいる?」
「おっと、少なくとも僕は君に敵意なんて持っちゃいないよ。それだけは言っておこうじゃないか...カゲロウプロジェクト 01話【自己解釈】
-
【A】
研究が始まってからは吐いてた
ホルマリンの薫りにも少しは慣れたな
人類の飛躍のためには
尊い犠牲がつきものです。
【A】
大好きなあの人を失ってから私は
「人が変わった」なんて言われるけど
私はただ彼が成し遂げたかった
ことだけをしているんです。...電子遊病
-
――それがきっと遠くない理想なら。
≪チェックメイト【自己解釈】≫
チェスとは、西洋の将棋と呼ばれているくらい頭を使うボードゲームだ。
二人で行うもので、先手・後手それぞれ6種類16個の駒を使って、敵のキングを追いつめるゲームである。その文化的背景などから、チェスプレイヤーの間では、チェスはゲー...チェックメイト【自己解釈】
-
傷つくことを恐れて
嘘つくことを恐れて
僕は泣くことしかできなくて
そんな僕に何ができる?
そんな僕に何もできない。
手を伸ばした君にだって
ほんとは裏じゃ蔑んでるんでしょ?
「大嫌いじゃないよ」とか言いながら
裏ではいつも嗤ってる。
そんなことを僕はいつも見てたのさ...エトモアル
-
4月ももうすぐ終わりに差し掛かり、クラスはもうゴールデンウィークの熱気に包まれていた。
ただひとり、神威がくぽという人間を除いては。
「……ゴールデンウィークなんてそんないいもんじゃないだろうに……」
そう、神威は呟いてまた本を読み始めた。確か若い小説家が書いたSF小説で、小説内の登場人物が小...笹と理論とプラネタリウム
-
どうも、僕です。
本日、『僕と彼女の不思議な日常』シリーズを完結できたことをご報告させていただきます。
去年10月から多少の休載を挟みつつ、リレー小説の形式で全五十四話と相成りました(日常編十四話、校内探検編三十話、世界編十話の計算となっています)。
リレー小説の形式としては三作目となってい...僕と彼女の不思議な日常 解説1
-
少年は、目を覚ますと白い天井が目に入り込んできた。
「なんだこれは……?」
少年は、ベッドに横になっていた。点滴がされ、重いギブスがつけられ。
どうやらここは病院のようだった。
少年が起き上がろうとして横を見ると、ピンク色の何かが見えた。どうやら、それは髪の毛のようで。
「う、うーん……」
...僕と彼女の不思議な日常 最終話
-
≪第三節≫
そのころ、リン。
「人間はカミサマになるべきなのよ……。
何がカミよ。
何がカミサマよ。
ヒトの面倒を見ないで、祈ったときに救わないで、何がカミサマだっていうの?」
そんなことをつぶやきながら、真っ暗な場所をただひたすらと歩いていた。
≪ヒトはカミをどのように思うか?≫
不...【リレー】僕と彼女の不思議な世界 05 MGR団【後編】
-
――人は誰でも壁を壊せる。
≪HALO【自己解釈】≫
彼女の目の前にはいつの間にかとてもとても高い壁が建っていた。
それは誰もがいつものように造られたもので、
誰もがそれを壊して乗り越える力をもっている。
その向こうへ、消えそうな声で。
「ハロー、ハロー」と叫んだ。
人間は誰もが自分の弱さ...HALO【自己解釈】
-
――ほんとの僕を、君に見て欲しいんだ。
≪シリョクケンサ【自己解釈】≫
君は隠した方の左目にどんな僕を映しているんだろうか?
きっと、開いた方の右目だけじゃ本当の僕は見えないでしょう?
たぶんメガネを外してるから君から見ると僕は二重線に見えるんだろうね。
悪戯っぽく笑ったとしても、その本当の...シリョクケンサ【自己解釈】
-
【A】
人は祈るだけで笑える
そんな世界に今はあるのですか
カミサマなんて具現できない
存在をボクラは見て楽しめるのかな
【B】
光る空に眠る 再構築フィクション
誰が知った エーテルと歌姫
「これはどんな世界の御伽噺じゃなくて
誰もが知ってる、話なんだ」...再構築フィクション
-
――これは、名もない時代の集落の名もない幼い少年についての、誰も知らないおとぎ話である。
≪六兆年と一夜物語【自己解釈】≫
その少年は生まれついた時から牢獄にいた。母の顔、父の顔すらも覚えていないだろう。
この集落では『鬼の子』は蔑まれる。否、それ以上の罰を受けることになる。
ただ、彼が鬼の子...六兆年と一夜物語【自己解釈】