ブックマークした作品
-
「あら、おやつの時間だわ」
最後に『悪ノ娘』が口にした言葉。
その言葉は、午後三時になると、彼女がいつも言っていた口癖でもある。
『彼』が死んでしまったのは、たくさんの人の首を跳ね続けてきた自分の責任。
私が彼を殺したのと一緒だ。それを私が信じたくなくても。
この青い海を眺めて思い浮かぶのは、幸せだ...【七つの大罪】悪ノ王女と無限戦術【二次創作】
ゆるりー
-
「だけど仕事は頑張らなきゃ」
私の相方である裁縫鋏を片手に、一生懸命仕事に励む。
今日の依頼は七件。ちょっと多いけど、今日中に終わらせることはできる。
だって、私は仕立屋だから。
そういえば、最近困ったことがあったの。
私には夫がいるの。
イケメンで優しくて歌って踊れて誇れる夫よ。羨ましいでしょ。
...【七つの大罪】仕立屋娘と勝手な来訪者【二次創作】
ゆるりー
-
花が散っていく森。
私はただ、道なき道を駆け抜けた。
木にぶつかりそうになった。
カラスにつつかれそうになった。
石につまずきそうになった。
それでも、私は走り続ける。
はやく、はやく、逃げないと。
これさえ持って帰れば、私と赤い二つの果実は、きっと幸せになれる。
この果実も、きっとそのほうがいいで...魔女ザルムホーファーの逃亡【自己解釈】
ゆるりー
-
「食らい尽くせ、この世の全て」
食べることは私の全て。
全てを失くした私に残された、唯一の希望。
この世の全ての生き物は、必ず何かを犠牲にして生きていく。
私たち人間もその一つ。私たち人間は食べることで栄養を得る。
残してしまっては、私たちの力になってくれる食物たちに申し訳ない。
だから私は父の教え...【七つの大罪】バニカさんと本日の宴【二次創作】
ゆるりー
-
「踊ろうよ、このハーレムで」
屋敷に訪れた女性に手を差し伸べ、決まり文句のように告げる。
そんなことを言っていた時期が、俺にもありました。
幼い頃の俺を、周りの奴らはあざ笑った。
俺は何もしていないのに、奴らは暴行を加える。
奴らの口から出るのは暴言の嵐。
誰も、俺を助けてくれなかった。
そう、俺が...【七つの大罪】ヴェノさんと悪戯の内容【二次創作】
ゆるりー
-
「何があっても、僕は君を守る」
その誓いを立てたのはいつだろう。
君を守るためなら、僕は悪にだってなる。
それくらいの覚悟が、僕にはできていた。
かつて、僕と彼女は引き離された。
自分の出世のためだけに、大人たちは僕らを利用した。
自分たちさえよければ、僕らの幸せなんかどうでもいい。
それがきっと、...【七つの大罪】アレンといつもの忘年会【二次創作】
ゆるりー
-
「さよなら、愛しい人」
そう呟いて、リボルバーを目の前にいる人に向ける。
この行為を、何回繰り返しただろう?
もう、当たり前のように、私は引き金を引いた。
私は「悪」の人間だった。
組織に属している限り、私は「悪」であり続ける。
組織をやめることは、彼らを裏切ること。
組織をやめたくても、心のどこか...【七つの大罪】グミさんと白熱討論会【二次創作】
ゆるりー
-
「世界の間違いを、レミーが正すのよ」
数年前、サンタさんに言われたこと。
僕は、世界を正す救世主。今日も、世界のために、サンタさんのために、一生懸命がんばるんだ。
僕は、ずっとひとりだった。
こじいんっていうところに閉じ込められて、ずっとかなしかった。
サンタさんは、ぼくをたすけてくれた。
ぼくは、...【五番目のピエロ】忠実少年と賑やかサーカス【二次創作】
ゆるりー
-
「救いが欲しけりゃ、金を出せよ」
私はかつて、沢山の被告人にそう言った。
哀れだったのだ、私も、犯罪を犯す者も…世間も。
いくら金を積んでも罪は消えないというのに。
お前の人生は、法廷の主である私の気分次第。
もっと金を出すというのなら、どんな極悪人でも無罪にしてやる。
金こそ全て、そういうふうに考...【七つの大罪】悪徳裁判官と自由法廷【二次創作】
ゆるりー
-
「私からの贈り物よ」
薬が入った小瓶を差し出し、私は微笑む。
何も悪いことなんかない。
すべて、この薬で忘れてしまえばいい。
せっかくなので、軽ーく説明とかしちゃいましょうか。
あらすじにまとめるとね、私は医者の娘なのよ。
でね、小さい頃からの仲良しの、カスパルっていう人と結婚したのよ。
政略結婚だ...【七つの大罪】眠らせ姫と秘密計画【二次創作】
ゆるりー
-
イカサマライフゲイム BPM=200
『明日の午後は雨が降る』と ぽつり
耳鳴り 啓示 そんな何か『気をつけて』
過程の収束 にわか雨の 標的たちは
誰も知らない これはつまり 未来予知
『明日バスに乗るな』
『事故が起こるから』
最適な温度で
僕は生きてく
イカサマライフゲイム...イカサマライフゲイム_歌詞
kemu
-
インビジブル BPM=192
とんでもない現象 どうやら透明人間になりました
万々歳は飲み込んで
ああでもないこうでもない原因推測をぶちまけて
一つ覚えで悪かったね
まあしょうがない しょうがない 防衛本能はシタタカに
煙たい倫理は置いといて
あんなこと そんなこと煩悩妄執もハツラツと
聞きた...インビジブル_歌詞
kemu
-
人生リセットボタン BPM=200
1A)
目が覚めたら 人生リセットボタンが そこに転がってた
目眩 目眩 象る 念願の 強くてニューゲーム
1B)
ネコちゃんワンちゃん出ておいで 明日は素敵な参観日
無敵の天才神童は中二で朽ち果てた
1C)
ダメダメこんな人生 累計これまで何百年?
ネ...人生リセットボタン_歌詞
kemu
-
注意書き
この作品は、doriko様の「ロミオとシンデレラ」を題材に、黒刃愛様が作成したPVにインスピレーションを受けて書いた小説です。
さて、この小説は、以下の設定になっています。
この作品のレンとリンは血縁関係はありません。また、名字が一緒だと話をまとめづらいため(どうしても "No r...ロミオとシンデレラ 第一話【ロミオとジュリエット】
目白皐月
-
coda Grandioso
11.
「海斗くん。海斗くーん!」
俺が女将――一度でも母親と呼ぼうものなら、独りでは到底こなせるはずもない量の仕事を押しつけられた――から、この旅館にある温泉の効能を暗記させられていると、そんな声が聞こえてきた。
今日は、これでいったい何回目なんだ――?
...ロミオとシンデレラ 43 ※2次創作
周雷文吾
-
10-3.
[ごめんね。本当は、電話で話すべきじゃないってわかってるんだけど――時間がなくて]
「そんな……そんなこと」
懐かしいその人の声音に、愛が隣りにいるってわかってても泣き出しそうになった。
[俺……もう、大学にはいないんだ。退学届も出して、あのアパートも引き払った。今は大分の実家で旅...ロミオとシンデレラ 42 ※2次創作
周雷文吾
-
10-2.
「め……メグ?」
学校帰りなんだろう。神崚高校の制服に学生鞄を持ったその友人は、いつもどおりの、よく通る元気な声で私の目の前に立っている。
「そうよ。私が偽者に見える? ほらほら、あたしに会えて嬉しいでしょ?」
正直に言って、嬉しいとかよりも、なんで愛がここにいるのかわからずにポ...ロミオとシンデレラ 41 ※2次創作
周雷文吾
-
Tranquillo cantabile
10-1.
あれからどれくらい経ったのか、もう時間の感覚なんて無くなってしまっていた。
でもたぶん、一週間とか、それくらいなんじゃないかと思う。けれど……もう、そんなことどうでもいい。
だって、もう私は海斗さんに会えないもの。
海斗さんの力に...ロミオとシンデレラ 40 ※2次創作
周雷文吾
-
Presto
9.
三人組がパトカーで連行されて、私と海斗さんも別のパトカーで警察署にやってきた。
あの三人組がどうなるのか、私は何も聞かなかった。聞きたくなかった。……聞けなかった。
しばらく事情聴取を受けて、もう用事はすんでいる。なのに、私はまだ帰れなかった。
それは、私の捜索願...ロミオとシンデレラ 39 ※2次創作
周雷文吾
-
8-2.
身体をベンチに抑えつけられ、口にハンカチを押し込められた。私は、逃げ出すことも悲鳴を上げることもできなかった。
「おい、暴れてんじゃねーよ。もっと抑えろ。服が脱がせねー」
金髪の手が私の身体をはい回る気持ち悪い感触がした。
「……んんっ。んっ! んー!……」
イヤだ。
止めて。...ロミオとシンデレラ 38 ※2次創作
周雷文吾
-
Tempo primo
8-1.
また、逃げ出してしまった。
しばらく無我夢中で何にも考えられずに走ってから、しばらくして落ち着いてみると、ひどい罪悪感にさいなまれた。自分が海斗さんにどれだけひどいことをしたか、思い出すのすらつらい。
だって、海斗さんのせいじゃないんだもの。海斗さんは...ロミオとシンデレラ 37 ※2次創作
周雷文吾
-
7-3.
初めてのデートは、ものすごく楽しかった。
私は乾かした制服を着て、海斗さんと駅の近くのお店を見て回った。
海斗さんに申し訳なくなってしまうくらい、何着も洋服を買ってもらった。さすがの海斗さんでも下着売場だけは「ちょっと、外で待たせて」って言ったけれど、その他はずっと海斗さんと一緒...ロミオとシンデレラ 36 ※2次創作
周雷文吾
-
7-2.
翌日。
寝たのが遅い時間だったせいか、海斗さんが目を覚ましたのはもう十時を過ぎた頃だった。
寝ぼけたままの海斗さんの腕の中から何とか抜け出して、海斗さんの要望通りにコーヒーをいれる。
実は私は一睡もできなかった。恥ずかしくて、緊張しすぎて眠れなかったっていうのもあるけど、寝てし...ロミオとシンデレラ 35 ※2次創作
周雷文吾
-
Moderato
7-1.
雨でずぶ濡れになった身体をシャワーで暖めて、私は海斗さんに貸してもらったジャージに腕を通す。
そのジャージは、海斗さんのものなんだから当たり前なんだけど、かなり大きかった。
裾と袖を何回も折り曲げて、私のサイズに合わせてみたけど、全体的にぶかぶかなのと、シャ...ロミオとシンデレラ 34 ※2次創作
周雷文吾
-
6-6.
海斗さんの家に着くころには、私は何があったのかをほとんど説明し終えていた。
私のケータイの通話記録とメールの内容を全部調べられていたこと。パパとママが「海斗さんに会うな」と言ったこと。ママが海斗さんにあの電話をしたこと。
まだしとしとと降り続く雨は、私の気持ちを抑える役にはたたな...ロミオとシンデレラ 33 ※2次創作
周雷文吾
-
6-5.
「ちぇー。未来ちゃんにカイの情けない話を教えてあげようと思ったのに」
「お前……な」
息を整えて、私を見る海斗さんの瞳は、不安で揺れていた。
怖かったのは、私だけじゃ――ないんだ。でも、私は独りじゃない。私には、海斗さんがいる。私を連れ出してくれる、ロミオがいる。
「未来ちゃん――...ロミオとシンデレラ 32 ※2次創作
周雷文吾
-
6-4.
コンコン。
山崎研究室、と書かれたその扉を恐る恐るたたいてみる。もうすぐ夜中の一時になるような時間。本当なら、ここに来ちゃいけないに決まってる。
でも……海斗さん。
ママの言ったこと、本当じゃないんですよ。
私、海斗さんが好きです。迷惑だなんて思ってないんです。だから――。
...ロミオとシンデレラ 31 ※2次創作
周雷文吾
-
「私達は、ずっと友達でいようね」
それは、昔三人で交わした約束。
絶対に破らないでと、皆で誓い合った。
しかし時が流れ、三人の関係は変わりつつある。
“約束”も、誰かが破る状況に、なってしまった。
三人の関係が壊れたのは、花火のように、何かが燃え上がった瞬間だった。
それは互いを焦がす。
それでも、...【ACUTE】二人の少女と絡まる感情【二次創作】
ゆるりー
-
6-3.
真夜中。
私は恐怖にかられて、当てもなく走った。
怖かった。
不満があったとはいえ、それでも信じていたパパとママに裏切られた。そんな思い。
一方的に、私の気持ちを聞きもしないで海斗さんを拒絶するなんて、思ってなかった。しかも、私の目の前であんなこと言うなんて。
ポツリ。
...ロミオとシンデレラ 30 ※2次創作
周雷文吾
-
6-2.
「未来、おかえり」
海斗さんと付き合い始めて一週間後の金曜日。家に帰っていつもどおりに「ただいま」ってつぶやいたら、今日は返事が返ってきた。
驚いてリビングに入ってみると、ダイニングテーブルにパパとママが座っていた。二人ともスーツを着たままで、険しい顔をしている。私が帰ってくるのを...ロミオとシンデレラ 29 ※2次創作
周雷文吾
1
- 2