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「美味しいですね、このホットドッグ」
ユフさんは、にっこりとほほえむ。
りりィさんとユフさんが、たこるかちゃんの移動カフェでひと休みしていると、
むこうの方から、男の人がぶらぶらと歩いてきた。
「あ!おっさん!」
ホットドッグを作る手を止めて、たこるかちゃんが大声で言った。
「おい、おい、おっさんは...玩具屋カイくんの販売日誌(138) カフェ・つんでれ、再始動! (サンストリートの広場・Part2)
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「ふうぅん。“広場”って感じね。いい雰囲気のお店だわ」
りりィさんは、つぶやいた。
建物の屋上には「サンストリート」という、大きなパネルが見える。
ここは、東京スイカツリーのふもとに新しくオープンしたる、ショッピングセンターだ。
雑貨、Tシャツ、アクセサリー...。いろんなモノを売っている、色とりど...玩具屋カイくんの販売日誌(137) サンストリートの広場 (Part1)
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●真似っこが出たの?
「なかなか、売れ行きがいいみたいね」
美里課長の言葉に、ルカさんはニッコリとうなずいた。
「ええ、ナチュラル・ハウスでも、原宿のキディディ・ランドでも、売り上げはトップみたいです」
そう言って、手元にある“天使の柄”のパスケースをつかむ。
「そう、それはよかったわ」
美里課長は...玩具屋カイくんの販売日誌(135) 天使と悪魔と、また天使? (天使の雑貨とバッグ~Part7)
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どことなく不思議な雑貨が、いろいろ並んでいる、りりィさんのお店、「星を売る店・上海屋」。
店に来ているのは、ゆくりさんと、ゆくりさんのところでアルバイトを始めたばかりのレンくんだ。
彼女たちが、りりィさんと話しているところへ、別のお客さんが入ってきた。
デザイナーの霧雨さんと、連れの女の子の2人だ。...玩具屋カイくんの販売日誌(134) 霧雨さんと、りりィさん(天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part6)
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「よ、よろしくお願いします」
カチカチに固まった姿勢で、レンくんはあいさつした。
「よろしくねー。あら、そんなに、緊張しなくていいのよー」
やさしく微笑んで、ゆくりさんはうなずいた。
レンくんはこの度、はじめて「アルバイト」をすることにした。
彼は今年の春から、高校に通っている。
このところ、雑貨店...玩具屋カイくんの販売日誌(132) レンくん、バイトを始める(天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part4)
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「うーん、そういえば、かなり前だけど、私たちの出てたフリマに、出てたと思う。その人」
ぱみゅちゃんは言った。
「へぇ、その、霧雨さんが?」
ネルちゃんが聞いた。
「うん。確か、本業のかたわら、趣味でイラストを描いてたんだと思う」
ぱみゅちゃんは、思い出しながら言った。
「そうか...」
考えこむよう...玩具屋カイくんの販売日誌 (131) フリマ仲間の情報 (天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part2)
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「あ、スマーフだね、これ。かわいいね」
にこにこ笑って、霧雨さんは、棚に置いてある人形を指さす。
「どう?最近はー。いいお仕事、してるー?」
雑貨店「ゆっくり」に、ぶらりと現れた彼女に、店主のゆくりさんは尋ねた。
「うん、それがね!」
目を輝かせて、霧雨さんは言う。
「ちょっと、まとまったお金が入る...玩具屋カイくんの販売日誌 (130) 天使の雑貨と、天使のバッグ (Part1)
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空は、どこまでも澄んでいる。目の下に広がる、森の緑が鮮やかだ。
テトさんは、背中に生えた小さな黒い羽根を羽ばたかせながら、スイスイと飛んでいた。
「ふぅー、秋の空は気持ちいいなぁ」
そうつぶやいて、ふと、遠くの高い木に目をやると、木のてっぺんに美しい鳥がとまっている。
きれいな声で、歌を唄っているそ...玩具屋カイくんの販売日誌 (129) 小悪魔と堕天使
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「へぇ、こんな展示もやってるのね」
テトさんとデフォ子さんは、店内に入ってきて、展示を見回した。
ギャラリー「ゆうひ」では、いま、イラスト作品を展示している。
人気ブロガー「ぴこ」さんの描く犬のイラストは、ユニークで、目を引くものばかりだ。
「いらっしゃいませ。ゆっくりしていって。これ、ルコちゃんの...玩具屋カイくんの販売日誌 (128) 新ドールと、「ガリバー・コーヒー」
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「ふぅむ。テトさんが、新しいドールを?」
ちょと顔を上気させて、ルカさんがつぶやいた。
「うん。ま、うちで扱っているドールは、つづけていろいろ作る、と言ってくれたけどねぇ」
ちょっと寂しそうに、美里課長は言った。
輸入商社「ハミングス」の会議室で、
2人っきりで、ルカさんと美里課長が机に向かっている...玩具屋カイくんの販売日誌 (127) 天使対決!テトさんvsルカさん (テトさんの新ドール・part3)
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「うん、なかなか似合うよ。兄さん」
「そうか?」
背中に天使の羽根をつけた白いベストを、羽織って振り返るカイくん。
ミクちゃんが、ニコニコ笑いながら、見守っている。
天使の小道具の他に、ハロウィンの黒いコウモリの羽根の衣装や、怪しげなハットが、そばに置いてある。
キディディ・ランドの、売り場の奥のス...玩具屋カイくんの販売日誌 (126) 天使と悪魔!? (テトさんの新ドール・part2)
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「リンダ、リンダ~」
ギターを抱えた、リンちゃんが、マイクに向かってシャウトする。
横にいる、リードギターのサナギちゃんが、弦を弾いてのけぞる。
ギュウーンンン...
ベースとドラムがつくる低音のうねりが、ホールに渦を巻いてとどろいている。
「うわ~。あいつ、けっこう激しい曲やるんだなあ」
...玩具屋カイくんの販売日誌 (124) テトさんのドール(ゆくりさんの音楽アート・フェス Part4)
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「♪ミク・ドールをこわきに抱えて去っていく、
彼女は Devil、彼女は Devil!」
ボーカルの、サルタコヨミくんが熱唱する。
いろんなバンドや、画家、雑貨作家たちが参加する、アートのお祭り。
「イースト・トーキョー・フェス」のライブだ。
晴れた日の公園で、ちょっと不思議な演奏が、繰り広げられ...玩具屋カイくんの販売日誌 (123) 悪魔からのラブ・コール (ゆくりさんの音楽アート・フェス Part3)
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お店もハケて(終わって)、従業員がイスをかたづけ始めていた。
店のステージの片すみで、リンちゃんは機材を片づけている。
うしろで「リンちゃん」と声がした。
振り向くと、そこにいたのは神戸ミキ(こうど・みき)さんだった。
「あ、ミキさん!」
お客が、軽い食事をとりながら、ライブを見られる店「ボイス・カ...玩具屋カイくんの販売日誌 (122) ゆくりさんの、音楽アート・フェス (Part2)
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「このオモチャ、面白いですねえ!」
レンくんは、売り場の汽車の玩具を手にとって、ながめる。
「ドイツ製ですよ。ペン立てになってるんです」
トニオさんが言う。
馬喰仮面町にある、トニオ福森さんのお店「マルクト」に、レンくんは来ていた。
ここは、輸入の雑貨や文具を置いてあるお店だ。
このあいだ、りりィさ...玩具屋カイくんの販売日誌 (121) ゆくりさんの、音楽アート・フェス (Part1)
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「あいかわらず、面白いね! キモいところが、“きも”だね」
「あのねえ。そういうオヤジ・ギャグ言うと、もてないのよ」
テッドさんのしゃれに、ぱみゅちゃんは口をとがらせていう。
サンセット・ギャラリー「ゆうひ」で開かれている、クリエイターのぱみゅちゃんの個展。
いろんな作品を前に、ふらりとやってきた絵...玩具屋カイくんの販売日誌 (120) ぱみゅちゃんとテッドさんの“キモ作品”
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「それは、昨日、入荷したんですよ」
神居店長は言う。
「キャンディに、ミクちゃんの顔がついてるね~」
アル夫さんは手にとって、シゲシゲとながめる。
細長いネギのような、キャンディの先に、
ミクちゃんに似た“はっちゅーね”の顔が付いていて、かわいい。
ここは、神居ガクポ店長のお店、トーイパーク・新橋店...玩具屋カイくんの販売日誌 (119) メグさんの看板アイディア
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「じゃ、また!」
展示会の会場に飾る小物を買いに、「上海屋」にやってきた、ぱみゅちゃん。
買い物を済ませ、しばらく歩いていると、楽しそうな話し声がした。
向こうから、兄弟のような2人連れが、お店の方にやってくる。
「あ、レンくんとリンちゃんだ」
彼女は思った。
「レンくん、この前あそこで買った“ココ...玩具屋カイくんの販売日誌 (118) りりィさんのマジック (レンくんと、星を売る店Part4)
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「ねぇ、レン、なに見てんの?」
リンちゃんが、うしろから覗きこむ。
「うぇっ、いや、ちょっとね」
急に自分の部屋に入ってきた、妹をにらみながら、レンくんはあわてて答えた。
レンくんの机の上には、小さな半透明のキャンドル入れがあった。
四角いその入れ物の中に、キャンドルが灯されている。
「兄ちゃん、キ...玩具屋カイくんの販売日誌 (117) レンくんの、ココロテレビ ~星を売る店 (Part3)~
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“自分の心が映る~ココロテレビ~”。
不思議な小さな箱を持って、レンくんは立っていた。
ちょっと変わった雑貨店「星を売る店・上海屋」で。
長い金髪の、お店のマスターの女性が、彼を見て静かにほほえんでいる。
「気に入ってくれたかしら。それ」
彼女は、ゆっくり彼に話しかける。
「え?ええ、はい!」
あわ...玩具屋カイくんの販売日誌 (116) レンくんと、星を売る店 (Part2)
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※この作品は人工モノクローム(八白・でっち)様の楽曲『三日後に死ぬ僕から』をもとにした二次創作です。
原曲:『三日後に死ぬ僕から』
作詞:八白(人工モノクローム)
作曲:でっち(人工モノクローム)
編曲:でっち(人工モノクローム)
唄:初音ミク
『翻案・三日後に死ぬ僕から』日枝学
夕焼けの中...【二次創作】翻案・三日後に死ぬ僕から【短編小説】
日枝学
※これはゆうゆp様の楽曲『深海少女』(http://www.nicovideo.jp/watch/sm11956364)の二次創作です。
『翻案・深海少女』日枝学
あの事件から一ヶ月、悲しみの海から抜け出すことの出来無いまま、私は無気力な毎日を過ごしていた。
そんなある日のこと。
一日を終え、...【二次創作】翻案・深海少女【短編小説】
日枝学
ぱたぱたぱた・・・
かすかに、外から足音が聞こえた。
暗闇の中、夢現に微睡んでいた私は、目をこすりながら耳をすませる。
足音は私に近づいてくるようだった。
ふと、軽やかで、元気で、小さな足が目に浮かぶ。
きっと、足音を鳴らしているのは「彼女」なんだろう。
確信と、そうであってとどこかで願う気持ち。2...【短編小説】Call my name.
煌々
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