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ガタン ゴトンと電車は進む
瞬く度に移ろう景色
通り過ぎてく看板の電飾
硝子に透けた涙 一粒
到着しない駅の名を呼ぶ
雑音混じりの車内放送
揺れる体を座席に沈め
続く線路に 溜息一つ
終わらない一人旅
迷い込む白昼夢...無限ループ(仮)
ヤヅキ
「オメデトウ」 「オメデトウ」
言祝ギテ 皆踊レ
神ノ前 面付ケテ
裳裾引キ 渦ヲ巻ク
春夏秋冬の任 終えたこの身に
望まれるのは 帰らざる旅
心を隠し 集う人々
尽きぬ涙を 無きものとした
気狂い桜 降り注ぐ
赤・紅・緋に 染まる空...気狂桜奇譚
ヤヅキ
それは雨が降る日曜日
こんな日まで仕事だなんて
溜息止まらず石を蹴り
灰色の空に唾吐いた
気紛れ歩く散歩道
ビニール傘の向こう側
笑う貴方とすれ違う
私、俯き目を逸らす
独りの部屋は悲しいものね
「タダイマ」もただ虚しく響く...ヒトリ ノ ヘヤ
ヤヅキ
皆揃って 寄っといで
良い子・悪い子 構わずに
怒りん坊の 大人には
秘密秘密の 夜の国
ソコはまるで“遊園地”で
ソコはまるで“レストラン”さ!
どんな願いも叶うかも?
子供の為の国だもの
笛の音合わせて出発進行!
王様、兵隊、父さん、母さん...夜之国
ヤヅキ
茹だる暑さに 咽喉は焼かれて
呼吸も出来ずに 落ちる向日葵
眩む世界に 不実なる月
鬼が誘う 「手の鳴る方へ」
爪が辿る微笑の奥に
残る熱が暴く心
巡り変わる影の国で
籠の鳥は夜に歌う
足りない 切ない 届かない
脳内 警告 鳴り響く...あいしたがり
ヤヅキ
誰の耳にも 届きはしない
生まれて消える 秘密のメロディ
震える咽喉は 言葉を全て
喰べて飲み込み ただ吼えるだけ
縦から 横から 斜めから
格子が 遮る 中と外
廃墟に 一人 佇んで
私は 歌おう 「ナンノタメ?」
無限に広がる 闇に捕らわれて
何処へも行けない 心を暴こう...祈 歌
ヤヅキ
真冬 外套を着ても肌寒いのは
あなたが隣に いないからでしょう
冷えた指同士で つないでいれば
くしゃみ一つしただけで 笑いあえた
昔 あなたが慣れない手つきで
繕ってくれたボタン
外れかけてるのに気づき 悲しみを知った
今日で 一体 何度目の 誕生日を 迎えたでしょう
あなたを 失って 芽生えた ...哀愁の女
イクラ電線
神様にだって 知られたくない
二人だけの 愛しい世界
気付かれたなら この箱庭は
跡形も無く 壊れてしまう
共に歩く 足が無いと
どうかどうか 嘆かないで
問題ないわ 傍で私が
優しく車椅子(イス)を 押してあげる
何も迷わず 生きてゆけるなら
何も畏れず 往きてゆけるなら...Fleur Dinterdit ~フルール ダンテルディ~
paschali
途切れることなく そこにある筈の
空を幻と きみは言うけれど
ぼくにはこうして 一緒にいられる
今この瞬間こそ 儚い夢のよう
嘘と本音が 混ざり合う
雑音だらけの 日常で
二人出会った 奇跡さえ
必然だった と言うきみ
そう、かつては輝いた
金メッキの熱情...空は幻(仮)
ヤヅキ
「直ぐに帰る」と 嘯く貴女
閉じた扉に 光は差さず
温もりさえも 忘れたけれど
ワタシ只管 待ち続けるわ
我侭なんて 言わないし
言い付けだって 守ってる
とても良い子に してるででしょう?
どうかワタシを 褒めて下さい
ねえ、ママ。お願い
一人は寂しい……...ちいさなねがい
ヤヅキ
月さえ眠る この良き日
年に一度の お祭り日
五穀豊穣 願いませ
神に感謝を 捧げませ
お鈴 鳴らせや 祭りの 合図
拍子 取りませ 神への 合図
揃い 奏でて 送り火 焚いて
ヨイヤ タントト テトシャン ソイサ
彼岸の花咲く 畦道渡り
鎮守の杜へ 御神輿行脚...マツリ
ヤヅキ
私の心から 溢れた雫は
いつかあの 枯れた花を 彩るかしら
貴方と二人 頷きあって
小指に絡む 糸を千切った
愛を誓った 時間はすでに
欠片となって 砕けて消えた
真白に戻った 糸は泣いた
「次は何色に 染まればいい?」
“さようなら”と 交わしたキスを
温めたいだけ。傲慢かしら...太陽に吼えろ
ヤヅキ
黒い仔猫は厄介者
「疫病神」と罵られて
街から街へと旅烏
何時しか出来た硝子の壁
厚く巨大な
壁は冷たく
仔猫の叫び
全て遮る
心に開いた“穴”は言う
「欲シカッタノハ、唯一ツ」...く ろ ね こ
ヤヅキ
煙る桜の 海の下
紅染まる 夢を見る
あなた愛しと 呼ぶ心
氷の爪が 掻き毟る
二人の部屋で 唯、独り待つ
まるで底なし沼の闇の中
あなたはきっと、知らないでしょう
あなたが奪ったわたしの心
返して欲しいと 嗚呼...風 車
ヤヅキ
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