水穂-mizuho-の投稿作品一覧
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「さすがカイトさん。ご賢明な判断です」
「それで、俺はどうすればいい?」
嬉しそうなカムイに、ぶっきらぼうに話すカイト。
「私達の言う事に従っていただければいいだけです。どうぞ、こちらへ」
さして気にする様子などなく、カムイは手を差し伸べた。
ルカはカムイから離れ、暗がりから何やら取り出し、準...[二次創作小説] Lost Destination 「6.神の力」(2/2)
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ずっと、ずっと。
不安に思っていた事が現実になった。
インタレア王国とヴェスリトン王国が開戦した――。
「……」
カイトは、遠く、窓の外を眺める。ヴェスリトン王国がある方角を。
心が繋がっているはずのメイコの存在が、今は感じられないでいた。
この悲しみと恐怖と空虚感は、はたしてどちらが感...[二次創作小説] Lost Destination 「6.神の力」(1/2)
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立つ。座る。立つ。座る。立つ。歩く。窓の外を見る。戻って扉の前に立つ。そこからグルっと部屋を一周する。イスに戻る。座る。
レンは着ている新品のジャケットの袖を引っ張る。どうも着慣れていないせいか、ちょっとした窮屈さを感じる。
再び立ち上がり、クローゼットの近くにある姿見の前に立つ。
「……」
...[二次創作小説] Lost Destination 「5.新しい家族」
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僅かに流れる風が、彼女の短い赤茶色の髪を揺らし、頬をくすぐる。
大きな屋敷を囲うように、広いテラス。美しく細工された白いテーブルに揃いのイス。テーブルの上には、ティーセットと彩りよい茶菓子が並んでいる。
うららかな午後。テラスで、のんびりと紅茶を飲みながら読書。
やさしく注ぎ込む陽の光が、明...[二次創作小説] Lost Destination 「4.インタレアからの使者」
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その後、ほかの隊員達にも手伝ってもらい、リュウトは助け出され、病院へ運ばれた。
レンは救助活動をしながら、リンを探し、そしてカイトの情報も集めた。
意外にも、カイトの姿を目撃した人物は多かった。口を揃えて皆、「いつものカイト様じゃない」と言う。
なにより気になったのは『不思議な力』を使ってい...[二次創作小説] Lost Destination 「3.崩れゆく者たち」(2/2)
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それはすべてが雑音で出来ていた。
最初は小さく、耳を澄ませても聞こえていなかったものが、次第に大きくなっていく。
やがては耳をふさぎたくなるほどの爆音となり、脳をガンガンと揺さぶってくる。
眩暈と共に、瞬間的に気を失いそうになる。ふらふらとよろけり、重力に逆らう間もなくそのまま椅子へと落ちる...[二次創作小説] Lost Destination 「3.崩れゆく者たち」(1/2)
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「……ハクさんの言うとおり、君は優しい子だね」
レンの新しい表情を見て、カイトが微笑んで言う。
「孤児院の子達を、いじめっ子達から守る為に、わざと標的になっていたんだって?」
「え……どうして……」
レンは驚き、カイトを見る。
「ハクさんが言ってたんだ。レンは優しいから、きっとそうだって。自分に...[二次創作小説] Lost Destination 「2.黒髪の少年」(2/2)
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暗い闇の中に、何かの存在をずっと感じている。それは物心ついたころからで、それがいったい何なのか未だに分からない。あまり気にしないようにしていたが、最近になってそれが何かを知らなければいけない気がしてきた。
――いや、知る時が来たのかもしれない。
このまま、暗闇にまぎれて見えない存在を追いかけていっ...[二次創作小説] Lost Destination 「2.黒髪の少年」(1/2)
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弾むように軽やかに。その足取りは迷いなく目的地へと少年を導いていた。過ぎ去る風は心地のいい温度。それに揺らめく金色の髪は、やや強い日差しを浴びて輝いていた。駆けていく少年のリズムに合わせ、短く束ねた髪が小さく揺れる。規則正しく整えられている後ろ髪に反するかのように、長めに伸びた前髪はラフに散り分け...
[二次創作小説] Lost Destination 「1.築き上げる第一歩」
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そこはすでに、何もなくなっていた。
あるのは、大地と、吹きすさぶ風と、一人の少女。
髪は風に抵抗することなく暴れ、包んでいた服すら跡形もない。
発せられる不可思議な力は空間をも歪めているようだった。
本来ならば、何者も存在出来ない場所――しかし、ミンティはそこに足を踏み入れる。
(ベティ…...OUT of HARMONY (10)
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ワタシハ、ナニモノカ――。
今まで抱いたことのない疑問。
温かい風に、温かい手。
優しい笑顔、優しい言葉。
今まで感じたことのない想い。
一緒にいたい。ただ、それだけ。
ワタシハ、ナニモノカ――。
――人間じゃない――
人間じゃ、ない?
――レイス、死んだ、娘――...OUT of HARMONY (9)
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「ベティ!!」
その姿を見て、ミンティは悲鳴に近い声で少女の名を呼んだ。
昼間買ったばかりのワンピースがボロボロになっている。そんなになるまで、一体何をされたのか……
ミンティはブライムを睨みつけた。
「あなたベティに、何したの!? イルザくんは…?」
「……貴様が、ミンティという女か……」
...OUT of HARMONY (8)
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ミンティは、木の根元に座り込み、月を見上げていた。
頭の中は、ベティのこと、イルザのこと、隊長のこと、村のことがぐるぐると回る。
本当なら、じっとできる状況ではない。でも、ここで待っているしか、彼女にできることはなかった。
(なんで、こんなことに――)
平和な日常。優しい村人たち。明るいレス...OUT of HARMONY (7)
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ゆっくりと。確実に近づいている。
何故だか分かる。そして、それに近づいてはいけないことも。
でも、だめ。行かなければいけないのだ。
そこに答えがあるはずだから。
気がつくと、村の畑が広がる一角にいた。
その先には、人影。背が高く、がっしりとした体形。甲冑の隙間から見える肌色黒く、筋肉質だ...OUT of HARMONY (6)
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パキッ
その瞬間。
(――しまった!)
思うと同時に、心臓が早鐘を打つ。足の下には折れた小さな小枝。
こうなったらコソコソしている場合ではない。
「誰だ!?」
部屋の中から声が掛かる。しかしその時はすでに走り出していた。
隊長のことだ、きっと感づいただろう。そして、次にどうするのか――
...OUT of HARMONY (5)
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カツン、カツン、カツン……
足元の石を拾っては、岩に描かれた的に向かって投げる。
何度繰り返しただろうか。イルザはイライラしながら再び石を投げる。
カツン!
乾いた音を立てて、的の中心に命中した。
「……あの、悪魔めっ……」
村から少し離れた、森の中。ここは彼のいつもの居場所だった。
...OUT of HARMONY (4)
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コンコン、ドアをたたく。きっとびっくりするだろうな。
少しの間の後、やさしくドアが開いた。
「いよう。元気か?」
すかさず声をかけた。
ここは、ミンティの家。そして突然訪ねてきた彼は、彼女の働くレストランの常連客で、村の警護隊の隊長でもある。
「隊長さん、どうして…?」
ミンティは動揺を隠...OUT of HARMONY (3)
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少女はゆっくりと目を覚ました。
――また、か――
そんな思いが頭をめぐる。こうやって目覚めるのは何度目だろうか。次に起こる出来事が分かる。いつものことだ。一体、何度繰り返せば終わるのだろう。さすがに、飽きてきた。
「おはよう。気分はどう?」
幻聴? こんな明るい声が聞こえてくるとは、相当……...OUT of HARMONY (2)
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乾燥した空気。すべての水分を奪おうとするかのように吹き荒れる、乾いた風。
荒野にせんとばかりに、木々が枯れていく。空はどんよりと暗く、淀んでいた。
そんな日が何日続いたのだろう。もう忘れてしまった。
今まで、こんな不安定な状況は経験したことがない。まるで生気を無くしていくかのように、村の人々...OUT of HARMONY (1)
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夢のしずく
求め歩いた
まぶしい目覚め
届かぬ先
見えぬあたし
雑踏共にし
隠れ彷徨う
気づかぬ何か
分からぬココロ
全て醒めては...~無色の哀悼~
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きっとあなたには 何でもないこと
でもあたしには とても大きなこと
他がうらやましいと 何度思っただろう
あたしは情けないと 何度泣いただろう
どんな小さなことも 気になって仕方がないの
それは わがままなこと?
いつも夢見てた
あなたといること
でもそれは夢でしかない
あたしには 自信ない...I Wish...
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いつも気ままな散歩 少しだけ寒い
体に当たる風 強くない
わずかな差だけれど 感じる
知らないうちに 染まるココロ
誰にも見られず 流るるままに・・・
僕はきっと
ちっぽけで
強がりで
負けず嫌い
口が悪くて...僕の空