【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#15】

投稿日:2009/10/02 22:24:28 | 文字数:3,444文字 | 閲覧数:277 | カテゴリ:小説

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ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、書こうとおもったら、
なんとコラボで書けることになった。コラボ相手の大物っぷりにぷるぷるしてます。

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めいこさん、かいとくんと再会するの巻。

かいとくん到着! これを心待ちにしてたのは作者たちだけじゃないと思いたい。
ぷけさんが前半のがっくんのターンにめちゃくちゃ反応してくれたんですが、
個人的にはかいとくんに力を入れたと思っています。これがカイメイ厨の本気!
「かいめい」って打ったら「改名」より先に「カイメイ」が出てくるよ!(笑

このあたりは、メールの件名ににゃーとかつけるようなことばっかりしてましたね。
ぷけさんてば可愛いんだから(*´・ω・`*)ポ

青犬編では、……もういわなくてもわかるよね!(笑) こちらも是非!
とりあえず、カイメイはジャスティース!

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かいと視点の【青犬編】はぷけさんこと+KKさんが担当してらっしゃいます!
+KKさんのページはこちら⇒http://piapro.jp/slow_story

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つづくよ!

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ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、
なんとコラボで書けることになった。「野良犬疾走日和」をモチーフにしていますが、
ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてP本人とはまったく関係ございません。
パラレル設定・カイメイ風味です、苦手な方は注意!

コラボ相手はかの心情描写の魔術師、+KKさんです!

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【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#15】



 車が動き出すと、向かいに座った男は、時計店から持ってきた紙袋をがさごそとやりだし、その中から小さな小箱を取り出した。手のひらよりすこし大きい桐の箱から、いやでもその箱の中に入っているものが高価なものだと伺い知ることができた。
 す、と、桐の箱の開くときの独特な摩擦音がして、その箱の書かから取り出されたのは、男の手には小ぶりな懐中時計だった。
「この意匠をどう思う?」
 そう言って私に手渡そうとするその行動にしたがって手を伸ばすと、円い時計がぽとんと手のひらに落とされた。重さも大きさも、私の手に馴染む。時計というのはおおむね男性が持つものだと相場が決まっているから、このように小ぶりにつくってあるものは珍しいように思った。
「ふつうのものより、小さい気がするわ」
「うん」
「でも、女性の手にはちょうどいい気がする」
「それはよかった」
 これはね、女性向けの懐中時計なんだよ。その説明を聞いてなるほど納得した。よく見れば、鎖も細くできていて、男性が持つにはすこし迫力がたりないが、女性が持つにはじゅうぶんな上品さがある。外装のメッキの色も、ぎらぎらした金色のものを多く見かけるのに対し、これは落ち着いた銀色で、小さく彫られている模様は可愛らしい花のようだが――。
「この花、何の花かしら」
「ああ、金龍花という」
 きんりゅうか。きいたことのない花の名前だが、いかにも金持ち好きしそうな名前だ。もっとも、この時計を見れば、そんな名前だけで彫られたわけではないと容易にわかるわけだけれど。
「開けてもいいかしら」
「どうぞ」
 ふたを開けると、可愛らしく凝った形の時計の針が目をひいた。ふたの裏面にも手織りレースのような彫刻が施してある。要素で見れば可愛らしいものばかりなのだが、全体的な雰囲気としては上品で繊細な大人の女性をおもわせるつくりだ。
「すてきな時計ね」
「売れると思うかい」
「そうね……この意匠なら、女性にも受けがいいと思うわ。でも」
「でも?」
「鎖が長すぎる。もうすこし短くしないと、かんたんに切れそうで怖いわね。あと、ふたが固すぎる。男の人にはこれでちょうどよい力加減かもしれないけれど、もうすこし緩くならないかしら」
 男は、ふんふんとまじめな顔で聴いていた。時計を返すと、ていねいな動作で箱にしまい、最初と同じように紙袋に収めた。
「いや、やはり女性に訊いてみないとわからないね。貴重な意見だ。ありがとう」
「思ったことを言ったまでよ」
「やはり、私はしあわせ者だな」
 どうしてそう話が飛ぶ。私の訝しげな雰囲気を感じ取ったのか、男は「もちろんめいこが一緒にいてくれてしあわせだということだよ」と言った(そんなことを聞きたいのではない)。
 この時計をつくった男は長年のつきあいなのだけれど、と、前置きして、男は話をはじめた。
「この男というのは、昔から機械いじりが好きな男でね。女遊びなんてしないようなやつだったんだが、どういうわけか遊女に手を出してしまって」
 紙袋を抱え直す、がざりとした音が車内に響いた。
「その遊女ともなかなかうまくいっていたようなんだが――まあ、最終的にこっぴどくふられてしまったみたいでね。それ以来、その遊女が忘れられなくて、いい歳して未だに独り身なのさ。そろそろ諦めて妻を娶るそうだが」
 だから、今の私のように、こうして気兼ねなく話のできる女性がいるというのは、しあわせなことだと思ったのだよ、と、男は言った。
「じゃあ、その時計はその女性への贈り物のようなものなのね、きっと」
 男の友人だという男(おそらく先ほど寄った時計店の主か、職人のだれかだろう)も、きっとかなわぬ恋に身を焦がしたのだろう。そしておそらく、私があの街に行ったように、なにかしたくて仕方がない衝動が、この時計をつくらせたのだとしたら――なんて、想像でしかないけれど。もしそうなら、この時計は、なんと愛にあふれた品物だろうと思うのだ。
 言った言葉はなんの気もない言葉だったが、男はおいに驚いたようで、それから、苦い笑いをにじませながら、
「そうかもしれないね」
 と、言った。

 私を家の門のところにおろすと、いつもなら家までずかずかと上がりこんでくる男は、もういちど時計店に行くとかで、急いだ風に車を出した(もちろん、お父様とお母様によろしく、のひとことは忘れなかったが)。見送るつもりはなかったのだが、車の出発するのが思いのほか早くて、結局見送る形になってしまった。
 見送る義理なんてないのに――いや、おもしろい芝居を見せてもらったのだ、これくらいはしてやってもいいか、と、自分を納得させて、家の門をくぐる。
「ただいま帰りました」
「お帰りなさいませ、お嬢様っ!」
 出迎えてくれたのは、巾着の彼女だった。この子はいつもなにか慌てているなあ、と思いながら、靴を脱ぐ。と、玄関に、女もののきれいな草履と、男もののあまりきれいとは言い難い靴がそろえて置いてあった。
「お客様かしら?」
「ええ、めいこお嬢様をお待ちです!」
「私?」
「巡音家のるか様……です」
「あら、るかさん帰ってきたのね」
 それなら急がなければね、と、女中の女の子への挨拶も早々に、私はいったん部屋に戻った。わざわざ家にまで来てもらわなくても、私が行くのに、と思いながら、荷物を置いて客間へと急ぐ。

 自分の家だが、客間に誰か来ているというなら、ノックは必要だろう。るかさんの家のように、和室の客間なら声をかけるだけでいいのだろうが、あいにくとこの木の扉は声よりもノック音の方がよく通る。扉を二度叩いて、ノブを回す。
「失礼します、めいこです」
「久しぶりね、めいこ」
 椅子から立ちあがって会釈するるかさんに会釈を返す。
「いつ帰ってらしたんですか?」
「さっきよ、ここについたのもついさっき」
「呼んでくれたら、私がるかさんのお家まで伺ったのに……」
 いいのよ、お土産も渡したかったし、というるかさんを椅子に促しながら、こちらも椅子につく――と、るかさんの後ろに、見慣れない男性が控えているのに気付いた。すらりとした長身に、野暮ったくないていどの短髪。身なりはいささかみすぼらしい気がするが、背かっこうはしっかりとしている。……俯いているようで、うまく表情はうかがえないけれど。
「あの、そちらの方は……」
「わたくしの家の、新しい使用人ですわ」
 ご挨拶なさい、というるかさんの声に、男の人は、びくっと肩を震わせ、もじもじとし始めた。……照れ屋さんなのだろうか。それなら、先にこちらが自己紹介して、とっかかりをつくるべきだろう。
「はじめまして、咲音めいこです。あなたのお名前は?」
 男の人は、意を決したように顔を上げた。
 顔を上げたそのひとを見て、硬直したのはこちらの方だった。

「こ、こんにちはっ……め、めーちゃん」

 精悍な顔つきと、整った目鼻立ち。全体的にごつごつした印象を受けるのに、どこか柔らかさをにじませるその雰囲気。青みがかった瞳。誰かに似ている――私の知るそのひとは、もっと幼くて、もっと輪郭がまるくて、女の子みたいだったはずだ。ああ、でも、青みがかった瞳と、髪の色は、幼いそのひとと、寸分違いない。
 そして、めーちゃん、という、呼び方。その呼び方をしていたのは、後にも先にもひとりしかいない。
「俺、かいとですっ……!」
 幼いころの声にだぶるその声は、先ほど雑踏の中できいた、あの不思議な声と同じ声だった。
 目が、離せなかった。不躾だとか、考える余裕もなかった。

「……かい、と?」

 思わず口に出たそのひとの名前。
 こくりと頷いた彼の顔はまっかだったけれど、それは間違いなく「あの」かいとなのだと、信じるに足る表情だった。

 ――どうしよう、こんなに心臓の音がうるさくては、彼の声が聞こえなくなっちゃうじゃないの。

つんばるといいます。世の中のすみっこでしがないモノカキやってます。
MEIKOがすきです。KAITOがすきです。カイメイがすきです。

写真素材はサイズ・色調その他、改変自由のフリー素材です。お好きにどうぞ。
なにかが誰かの琴線に触れたらさいわいです。

⇒ブログ:http://phantomlake.blog58.fc2.com/
⇒メール:croak-crash【あっとまーく】hotmail.co.jp

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作品へのコメント3

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    その他

    コメントありがとうございますー!

    西の風さん>
    再会シーンはわはわはによによしながら書いてましたよ!^p^ カイメイは正義!
    がっくんは立ち位置おいしいですよ! めーちゃんとデートできるんですから!(ぇ
    おk、がっくんそこ俺と代わろうか。
    再会するまでが長いですからね、もうふたりは会えただけで胸いっぱいだと思います。
    ゆびきりげんまんしてますもんね、リアルに!(笑(未だに聞いてますよ!
    これからも応援よろしくお願いしますー!

    にゃん子さん>
    それ(カイメイ)は僕らのジャスティスうううううう! おかえりなさいにゃん子さん!
    あわわわ、な、泣かないでくださいっ……!
    がっくんはちょっと影のあるイイ男めざして書いてるんで、そう見えてたら嬉しいです(笑
    というか、まさかの巾着さん人気に全俺が困惑。ぷけさんだけのツボかと思ってたよ。
    会って終着点じゃないですからね、このかいとくんとめーちゃんは。
    頑張りますよ、かいとくんとめーちゃんが!(笑

    次回もゆっくりお待ちください~。

    2009/10/02 21:39:43 From  つんばる

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    ご意見・感想

    カイメイはじゃすてぃーす!ぱ、パソ断ちしてる間に話が再会にまで進んでいる、だと…?
    うおああ、ああ、こ、言葉にならnめええちゃあああああ(´;Д;`)ああああっ


    がっくんの背景が垣間見えたようなお話でしたね。もしかして友人というのは…やっぱりなんでもないです///
    巾着さんGJ!!しかしめーちゃんも吃驚ですよね。家に帰ったらいるとかwwうそお!?みたいなwwwるかさん美味しい立ち位置だなあ(笑)

    まだまだ乗り越えなければならないことは多いけれども、この二人ならやってくれると信じてます!がんばれめーちゃんかいと!
    次回も楽しみにしております!

    2009/10/02 19:56:06 From  望月薫

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    ご意見・感想

    すっかりご無沙汰している内に…再会してるっ?!
    お久し振りです、西の風です。会っている二人を見ているだけではわはわしてます(意味不明

    がくぽが美味しいポジションに見えてきた私は何処かねじれているかもしれません(待

    とはいえとにかく再会! 会えたからって突然全てが丸く収まるわけもないでしょうが、会えたことそのものが二人にとって活力になったら良いのに、と思わずにはいられません。
    二人でした約束だから、二人で頑張って叶えて欲しいな、と。
    ああ、もうそれしか思い浮かばない…。

    続きも楽しみにお待ちしますねーっ。

    2009/10/01 22:24:34 From  西の風

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