taku_k0910の投稿作品一覧
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灰の雪、降り止まない。
瓦礫の都市で立ち尽くす少女
裂かれたフリル 血に染まる襟
魔杖から滴る黒い液
平等に息絶えた。
侵略者も、人も、何もかも
屍の山と鼻を突く死臭
耳鳴りに閉じ込められている。
「嗚呼、私の魂を
どうか、どうか許さないで」と...アポカリプスに咲う魔女
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溢れ返るバラツク聚落を朽ちた雪洞が鈍く照らす
唸る蒸氣、喧しく響き、最中に廓聳へる
紛ひ物の愛を身錢で乞ふ 今宵も軋めくは坐敷の間
光輝燦然と咲く卑し處 鳴り止まむ新内流しの音
縁側に腰掛けて差し仰ぐ
摩天の樓閣よ、御前さんは何思ふ
無間地獄の駕籠の中を
羽根捥がれ、其處に墮つ、忌みじく映ゆし私を
...花は微睡み、夢と消ユ
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朝の靄が蒸気の世界に立ち込め、
都市の隅まで溶けて、染めて
窓の隙間、気怠き朝日が不躾に滑り込む
歯車、軋む音が響く 贅を凝らした鐘の音に揺れる
閉じた一室 乱るシーツ 長い髪から汗、滴る
深い眠り、夢の底で澱む景色
暗い帳、開く先の世界
燃えて、堕ちていく飛行船
崩れ、果てていく時計の塔
毀れてい...蒸気塔のナイトメアリィ
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赤い花咲いた、実はデザイア 華美な見栄え 瞞しの腫れ
幕開けの様に上がる狂気 錆びた答え、過ちの果て
廻った観覧者 欠落は段々と満ち足りた
終い成る正気 委細承知 恥は枝垂れ、そのザマは誰?
支配は幸福かい?
伺い、誘い、首吊り台
さぁ、正しさにサヨナラしなさい
崇め讃え、甘い、淡い世界に酔う
寒さ...クロユリのイノリ_歌詞
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一粒を飲み干して、
ひととき極彩色の夢に溺れ
二粒を噛み砕き、
微睡む耽美な沼で虹を眺む
十の悦、舐め回す
奪われた熱の跡を残さぬように
百の楽、貪れば、
砕けど晴れぬ憎しみも楽になる?
閉じ込めた匣を開けぬように
只、蛆や愚者となりて身を零す...妄執のゲルニカ
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街路灯に灯りが点く
グレイの空、溶けてゆく
外れの公園で冷めた瞳の君と出逢う
降り積もる雪のように出逢いの刻は重なる
その瞳が熱を帯びた気がした
手と手を重ね合わせて、
営みを交わして、
口付けして、何処か血の味がして
たとえば、あの日に見た一幕が
幻ではなかったとして...溶けない109号室
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チャプター1
ありふれた卓で談笑が続いている
母がそっと笑いかけている、穏やかな日
チャプター2
差し伸べたこの手が小さな命に
救いと安寧をもたらし、今も此処に
それはそれはとても素晴らしい、
どれもこれも愛おしい
この手からすり抜けた結末だ
爛々と光って、瞬いた夜景を見下ろして...あふたぁわーど_歌詞
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紅い雲 煙る蒸気と揺らぐ鉄の塔
飛行船 積み重ねたビル間を巡る
霧雨が降る、日々さえ隠す
煩く鳴り止まない革命の音
わたしは値札もない身売りでした
この手を貴方は手繰り寄せました
価値が生まれた、そんな気がしました
その手の赤色が綺麗でした
何度も季節が巡って、
何度も手を引かれて、...針降る都市のモノクロ少女
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安寧の日々は滑稽なヒビへ形を変える
エス・カーストの最下層
トロイメライ覚め、カオスな今へと
終演間近の演目で足掻く有様、無様!
腐乱、ブラクラを踏み抜けば
破棄場が手を招く
排せよ栄光、席を崩した
廃せよ願望、縁を下した
拝せよ劣等、支配者の御前なるぞ
采地の解放、盤面乱れて...アンベシル滑落奇譚
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バイタルサイン
神様が世界から消えた日、
爆ぜて色が絶えた僕の視界
凍結、悴む手が震えていた
秤をなぞる午前三時
嗚咽の首を強く締めて、
溢れ出た憎悪が胸を灼く
焼失、こんな心が醜くて、
愚図な僕でも救えるのかな
声が、顔が、記憶を揺らす...バイタルサイン 歌詞
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大してこの世界に望みなど無くて
愛して、そんな声は裏蓋が打ち落とした
フロイデ、薄らいでく 表も裏も
そうしてこの想いは移ろぎ、昇っていく
足の裏はテーブルから離れてく
新たな世界へと
堕ちた
快楽の果て 開幕 夜明け
高まる心拍 急降下
明滅の眼で軽蔑を見つめ...ヘドニストの幸福な食卓 歌詞
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夢想が形を成し、掴めた気がした
その刹那から運命の針に
打ち付けられて時計は廻りだす
地の果て、孤独の朝
血の果て、するり落ちて
最下層まで沈んで往くのか
堕ち尽く果てに待つ 蠱毒の朝
継ぎ接ぎと虚勢の道化は
舞台で無様に舞う
嗚呼、滑稽さ...プレイアデス英雄譚
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裏切りの狭間で溺れて息が出来ない
この手は無力で掬えない
守る背に焦がれすぎて
金色の風が凪いだ
願いの種が石の海へ溶けたら
貴方の力になれた?
連れていってくれた?
孤独の針がこの胸に沈むたび
私の憂いは溢れた
偽りの繋がり それでも満たされていた...聖者の密書へ火を灯す
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色盲の街へ花束を
懺悔の都市には聖歌を
擦れた心には何を
ねぇ、捧げるの?
清廉な声で名を呼んで
無垢な瞳で燈を見つめ
時計の針を指で食み
悲笑みを溢す
プシュケに捧ぐ 哀の詩
制約を課せられた記憶...マトカリアの手帳は飴色を知らない
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湿度の高い夏の午後
青々しい木々 揺れる葉
乾いた汽笛が響いた
駅のホーム 汗が堕ちた
感傷に浸る間も無く
自動ドアは閉まりかけの様子
慌てて列車に飛び乗る
僕の凡人たる所以
壊せないリアリティと
耳をイヤホンで塞いでも...エスターテの叙情詩
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配列構造が乱れてる
遺伝子の核は潰された
「排他セヨ」と鳴り響く号令
等間隔な都市は寧ろ歪な魔境だった
血で染まった高層ビルの群像
淀んだ市街に蔓延る死骸
隔てた世界は微睡んだ
祭壇へと生贄は往く
教祖の亡骸 信者はそれに群がった
目は眩み転んだ 正しさを忘れた...モルテの嘲笑は十番街に響き渡る 歌詞
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ある国の王女は言う
「いつか海が見てみたい」と
召使いは顔を背けて
皺だらけの手を震わせる
最期の晩餐の期限は数分後
残酷な夜 月が口角を上げる
窓を隔てた世界
儚さがいつか強さに変わるなら
この身を燃やして
灰を宙に撒いて欲しい...最期の晩餐は寝室にて 歌詞
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煉瓦の市街で唄を歌った 市民はそれを鼻で笑った
絵描きの市場 奪う支配者 絵は売り切れ途方に暮れ泣いた
カリスマを淘汰 美徳は火あぶりに
ブリキの人は列を成す
凱旋 喝采 歓声 鼓膜は破れそうだ 腐乱したパレード
個性を無くしたピエロに憐れみや布施は投げられない
賛美や賞賛の賞味は過ぎて華やぎは忘...ロニーのハッピーエンド
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誰かに見られているような
箱庭の中での暮らしも
幾百年過ぎてしまえば
当たり前に変わっていく
いつから世界は二つに
隔てられ、橋を掛けられた?
お互い満たされないまま
時計台の鐘が響く夜
スラム街が眠る頃に
都市街は卑しく喚いた...べグラーベンは灯りを呑む
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0と1の雑踏 過去は仕分けられ
恥も馴染んできて言葉を吐く
小さな火種は瞬く間に業火
落日は迫った 受け入れたくないよ
吐き気がするよ 吐瀉物に塗れ
気づきもしないまま笑う貴方に
嘆きもするよこんな異常自体に
慣れていく自分に
賢しさを気取って 不利益は削って
媚を安く売って 買い手は消え...廃棄場のポエトリー
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列車は泡を吐き出しながら
海底の街を進んでいく
魚の群れが車体を揺らす
窓から見た憧れの世界
サイレンが海に響き渡れば
クジラが涙を流し
水かさは増していき
空に吸い込まれてく
泡沫のストーリー 沈んだ姫君
とある過去の話さ...ユーラの漂流記
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雨の気配 群青の夜 脆いアスファルト 不夜城へ沈んだ
フェンスの向こう 微笑んだ貴方 脆い感情が崩れていく
咀嚼したリアルは腐っていた 駆け出した足は崩れ落ちた
戻らない時を恨んでも欲望には抗えやしない
古びた図書館の匂いがした 懐かしい母の記憶があった
その時、蜉蝣が息絶えて
瞳が覚めてく
葛藤 ...寂寞の種
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青白い廊下 静寂に耳を塞ぐ 狂気 正気 酩酊の中
霊安室の灯り 脆弱な夢ばかり 安置され飲み込まれた
聖者の収容 狂者の脱走 中庭で踊る姉妹の様相
月の形相 注射と幻想 彷徨えど逃げ出せない
階段に染みた赤 盲目が嘲笑う 全棟 消灯 欄干と風景
配管の大迷路 惨状の廃経路 肺は焼け、喉は溶けた
感情...廃病棟は夢の亡骸と眠る
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富に溺れた貴族の没落後、容易く秩序は崩れ去りて
景色も人も朧げなまま 時と感情だけが流れた
鉄の街路樹が至る所、身の程もわきまえずに伸びる
天辺から見下す富豪はエンターキーで都市を消し去った
狼狽える民は行方を無くした 歓楽街通りにゆりかご
流浪の子が市場を欺く 奴隷の子は全てを見ていた
裏路地にて...アンソニーは三番街にて語らず
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偶像崇拝 人格無くし
誰?誰?と彷徨う亡者
荒廃 競売 奴隷の腕輪
寂れた街で唾を吐く
嘲笑戦争 悪化の一途
往け!往け!と責め立てる長
閑静消沈 灰と化す民
朝日が全て飲み込んだ
踊れ 踊れ 操られる僕ら
踊れ 踊れ 何も知らぬままで...フランクリンの手記
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兵隊がセピア色の街で花束を見つけた
名前を/無くした少女が花を一輪手にしていた
躾のなってない猿が暴れて
秩序を固めて隙間は増えた
かくれんぼをしよう この遊園地で
見つけ出せたらご褒美あげるよ
そして捕まり檻の中へ
観覧車 そこから見た街に想いないよ ないよ
名前を無くした少女の花の香りは消えてた...箱庭の遊園地
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暗転 世界が幕を閉じてしまったようだ
スポットライトは当たらない
転換 私は慌てて舞台を降りた
虚ろな目をしたままで
藻掻いて藻掻けば藻掻くほどに溺れる狼少年
誰もいない畔で
嗚呼、硝子の身体に触らないで
壊れてしまうから 知られてしまうから
空中ブランコ 鎖は千切れかけている
伝える術はどこにもな...スコンフィットの独白
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潔癖症な思想家が詭弁漏らす様は滑稽で
夢だけ見ていれば幸せになれたかもしれないのに
教会で祈るシスター願いはきっと届かないよ
もう跪くことしか君には出来ないんでしょう?
愛憎渦巻く世界じゃ 足もとの札束にも気づけない
目先しか見れなくて幸せもスルリと抜け落ちていくよ
「錠剤が足りてないの」有り余る手...レトロイメライ
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廃城と錆びた臭い スプリンクラーが水を撒き散らす
濡れた街 傘の大行列 湿る展望台
ずぶ濡れのコートの襟 正す男 冷めた瞳の奥
熱 霧 揺れ、全て喰らい尽くした
牢獄の主が言う 「とある少女をお前に預ける」と
あどけない表情の向こうを見透かしてしまった
男は生き抜く術、汚れた知恵 教えて身を消した
...雨と記憶とメメントモリ
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ワンダーランドの生活
乱立したマンションは歪な形で顔見せる
廃材と感情で積み上げられた 何棟も
明滅 街灯 蛍光灯 人工の月が微笑んだ
用水路 鉄橋の扉は鎖で閉鎖中
生活が香る 日常が過ぎる
吐き捨てられた住宅街 ささやかな暮らしがあった
隔たりの向こう ネオンが揺れる
羨望も焦燥も微かに揺れた
そ...ワンダーランドの生活