投稿作品79作品
もっと見る-
――――――――――#14
――――――――――
彼女は、機械越しの白黒の世界の中で雑草をむしっていた
名のない草はない、そうは言うけれども僕に命じた人は言った
『その草の名前は、かくかくしかじかでまるまるうまうまの悪さをする』
愛された事のない雑草は、それでも名前を知られている
敵だけが...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#14
-
――――――――――#13
鏡音レンは病室のベッドの上で、たこルカと遊んでいた。
「うー……うー、……うー♪」
「ほえほえほえほえ」
「うー♪あー!wwwww」
たこルカの頭を撫でてやる。たこルカとは落書き見たいな顔を書いた丸い物体に毛の生えたようなもので、ギリギリ紅色に見える極薄い色の球...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#13
-
――――――――――#12
神威は考える。緊張の行き先がバラバラに拡散して、結果、良く分からない事になっている。
「せやな」
猫村が相槌を打ってきた。誰も何も言っていない。
「私の心を読むな」
「顔に出すからやろが。やる気あんのかこいつらって顔にでとったで」
「やる気がないなどと思ってい...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#12
-
――――――――――#11
というわけでや。
AKITANERU――――――――――逃げたぞ!ネギ畑の方に!追え!マジで追え!
YOWANEHAKU――――――――――貴方が遊んでるからでしょうが!!!
AKITANERU――――――――――ちゃいますよってやで!!!!ある意味さ!!!!!
...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#11
-
――――――――――#10
AKITANERU――――――――――うわあやられたあぁ、なんつって、ぇえ!!!
「結月、前みいや!!!さっきから!!!!!」
言われて、ハッとした。急ブレーキに急加速とドリフト、アグレッシブな運転をしていた。
「聞こえ取るか!!返事せんでええから、クラクションや...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#10
-
――――――――――#9
「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
SUKONETEI――――――――――六十四月流操剣術師の三、師屍
奇声とショートエコーに続いて、空からビッチとピンクの毛玉が落ちてきた。戦闘配備していた量産型たこルカが着地点にわらわらと押し寄せた。落下の衝...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#9
-
――――――――――#8
いざよいまちりゅうそうけんじゅつおうぎてんのだん、こうりゅうついち。
彼女の右手の長いほうの刀、左手の短いほうの刀。流れるように踊る右手の刀の裏側で、左手の短い方は水銀灯の光を照り返して、そのまま刺す様に思えた。
だから、ずっと短い方の刀を見ていた。あれが、僕を殺すこ...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#8
-
――――――――――#7
水銀灯の灯りの下、7階建てのビルの屋上で、彼はリリックを綴っていた。「VOCALOID」氷山キヨテルのグレートコード『Lust of Hermit』が効果を失った瞬間から、健音テイは彼の居場所が手に取るように分かっていた。姿形までは、今までわからなかったが――
「あの空...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#7
-
――――――――――#6
『ハッ、同じ町に住む赤の他人、それだけの存在でしかないですよ、私にとっては』
俺達が守るべき普通の人達をお前はどう思っているのか、その問いに返ってきた答えだ。他人。見下す見下さない、対等も差別も何も無い、知らない人、それだけの存在。
『殴っていいですよ?さあ?』
こ...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#6
-
――――――――――#5
廊下から玄関の扉、門は開け放たれていて、その先にサイドカー付きのバイクがあった。エアバギーでない、タイヤ付きのビンテージだ。左付きで、エンジンは既に掛かっている。
「任務ご苦労」
ネルはサイドカーの後方で偉そうに腕を組んでいる何者かに振り向き、手を振る。影の中の人物は...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#5
-
――――――――――#4
話を整理しよう、私の為に。
まず、私は猫村中将とお酒を呑む約束をした。
つぎに、私は弱音准将を誘い、エルメルトの方々もご同席頂ければ盛り上がりますと、社交辞令気味に人数集めを頼んだ。
それから、私は参加メンバーを猫村中将と弱音ハク中将から聞き、いくつかの候補の内で料...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#4
-
――――――――――#3
最初に見た時には、こいつだと思ったのだ。だから、挙動不審気味なそいつに、こう声を掛けた。
「所属は?」
「は?」
まさか私を知らない攻響兵が来るとは思わない。だから、すぐに考えを変えたんだ。こいつは『違う奴だ』と。
「ああ、なんでもない。基地にきた用件はなんだ?」...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#3
-
――――――――――#2
「結局、鏡音は何が言いたいのだ?『初音ミクのように悪の全てを滅ぼす』のが望みか?」
神威の言葉に座が沈黙する。神威は顰め面で面々を見回す。
「氷山が『鏡音レンのリリックコードは危険だ』と言っていたが、実際はどうなんだ弱音准将」
亞北ネルが嘴を挟む。
「氷山に聞けば...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#2
-
――――――――――#1
窮地の最中にある。一旦事が起きれば、すぐに死地だ。
神威がくぽだけなら、なんとでもなると、余りにも甘い考えをしていた。
奴が参加する宴会、全員が攻響兵だ。最悪だ。正攻奇攻あらゆる全てが不利。
神威がくぽ、猫村いろは、亞北ネル、弱音ハク、巡音ルカ。初音ミクと共に、メデ...機動攻響兵「VOCALOID」第6章#1
-
――――――――――#10 /第5話fin
懐石料亭『竹櫓』。地方都市エルメルト、暫定行政区分エルメルト州本庁市エルメルトの、ほぼ片端で営業している飲食店である。業態は伝統的な様式に則る飲食の接待を供する。
地方都市エルメルト。正式名称を暫定行政区分エルメルト州エルメルト本庁市と呼称する。今では...機動攻響兵「VOCALOID」第5章#10 /第5章fin
-
――――――――――#9
。
『なあ、自分が悪魔のような化け物になってしまうとしたら、その姿を選べるとしたら、どんな風になりたい?』
『そうだなあ、ああいう堂々と楽しそうに歌う化け物がいいな、なれるなら』
『言うと思ったよ』
『……どういう意味かな』
『あんなのを見上げて、歌に聞き入って...機動攻響兵「VOCALION」第5章#9