FOX2の投稿作品一覧
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「ええ・・・・・・驚くほどの学習が早く、既に基本的な動作は完璧にこなしております。ご覧になれば、きっと驚かれるはずです。」
暖かい間接照明が照らし甘い香料が香る廊下を、僕は如何にもお偉方と言った風貌の背広の男達と歩きながら、些細な質問に対して大げさに、そして誇らしく語っていた。
二人が目覚めて...Eye with you第十五話「赤と黒の子」
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黄金色の朝日に、何もかもが染まっていた。
そう。ちょうど数ヶ月前の今、同じように黄金色の朝日の照らされる中、僕達は「目覚め」を見届けた。まさにデジャヴだ。
そしてまた、僕達は黄金色の朝日に照らされ、またもや、その「目覚め」とやらを見届けようとしている。
通称VOCALOID-00。機械のアダ...Eye with you第十四話「第二の目覚め」
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ようやく体調が回復し仕事に復帰した僕を社長が待ち構えていた。
何の御用かは分かる。この前鈴木君が知らせた、とある大規模な計画のことに違いない。
社長は僕と鈴木君を社長室に通し、鍵をかけた。
「掛けなさい。」
社長は社員である僕に応接用の椅子に腰を降ろすことを許し、雰囲気が静まり返ったとこ...Eye with you第十三話「計画」
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三十センチ踏み出しただけで、まだ夏も遠い午後十時の冷たい気温が体を包み込み、震わせた。それは人の肌を持つミクも同じだった。
「ミク。寒くない?」
「うん。」
ミクは僕に身を寄せ小さく返事をしたが、そのか細い声すらも、微かに震えているような気がした。
寒気ではなく、それは恐らく、緊張と、...Eye with you第十ニ話「月に夢見る」
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ミクが自力での自立を果たしてから、僕達は時間を忘れて歩く練習に没頭していた。
人間より数倍の学習機能を持つミクの足取りは次第に安定し、僕に任せる体重は見る見るうちに軽くなっていく。自室からリビングへ。リビングから自室へ。段差はまだ難しいが、約五十メートルの距離を踏破したのは、立ち上がったばかりの...Eye with you第十一話「ソファー」
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ふと意識が戻ると、どうしたものか、一瞬で眠気が消え去っていった。
外界とカーテンで遮断された、この薄暗い場所に視線を巡らすと、私の脳裏に、昨日眠りに付く前の記憶が鮮明に蘇った。
クリプトンでの仕事も遂に佳境へと突入し、押し寄せる仕事のおかげで長らく帰宅できない状態となってしまった私に、クリプト...Eye with you第十話「自立」
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「もう大変でしたよ先輩。警察が会社や開発関係者の家宅捜査の話まで持ちだしますし、みんなショックで落ち込んだり怒り狂ったり・・・・・・まったく、先輩って人はホント物事顧みませんね。まぁ今回はこうでもしないとミクを助けられなかったでしょうし、この子を助けるという意味では懸命だったかもしれませんが。とも...
Eye with you第九話「夢中」
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目覚めた時から、どういうわけか胸が弾んでやまない。
罪を犯した罪悪感や、尚も体から離れてくれない微熱と眩暈があろうとも、そんなことはまるで気にならず、僕はデスクのPCに向かいインターネットにアクセスしていた。
忙しなくマウスをクリックさせ、行き着いた先は・・・・・・。
「ひろき・・・・・・?...Eye with you第八話「支度」
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「先輩。先輩。」
「・・・・・・。」
同じことを繰り返している気がする。
前にも僕は同じ風景を見たはずだ。自分のベッドに横たわり、鈴木君の呼び声で目を覚ます。
同じことが、二度繰り返されているのか。
「先輩・・・・・・!」
「ああ、鈴木君・・・・・・どうしたの。」
「どうしたのじゃ...Eye with you第七話「家族」
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光も、人も、何もなかった。仄かな暗闇が覆う、ただ無人の研究室。
ただ金属製の台の上に、ミクは、静かに目を閉じたまま、石像のように静止していた。こうして体中をケーブルに縛られ、台座の上に固定されている様を目の当たりにすると、どうしてもミクを同じ人間の意志を持っていることを忘れてしまう。
雨を吸...Eye with you第六話「雨」
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澄み切っていたはずの天候は徐々に鈍色が覆い始めていた。午後には雨が降り出すことだろう。
天候の方は不調だが、スケジュールの方は思いのほかすっきりとしており、早々と仕事を引き上げた私は、仕事仲間のランスと事務所のソファーでくつろいでいた。
その時、憤怒の形相で顔面を歪ませた白衣の人物が二名、事務...Eye with you第五話「薄暗い場所」
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また誰かが読んでいる。一度眠りに付いた僕を、呼び起こそうとする。
誰かの呼び声と共に眠りについて、誰かの呼び声に誘われ、僕は目を覚ました。
眠りの中、僕はやはり一人だった。
暗黒の世界。冷たい風も、鈍色の雨も、そんな物悲しいものの代表さえないそんな世界なのに、真っ暗闇に取り残された僕の心は、...Eye with you第四話「混濁の中」
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その話は珍しく私の興味を引いた。
そうなったからには、私は仕事の一部を削り彼に付き添うことを決めたのだ。
「あんたも付いて来るのか? 珍しいじゃないか。」
私が珍しく興味を持ったことに、彼は機嫌を良くした。
仕事の関係で顔を合わせることが多く、友人としての関係を築いた仲ではあるが、互いの趣...Eye with you第三話「闖入者」
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朝から研究室は大賑わいだった。
僕と共にミクの目覚めを待ち焦がれていた開発者の皆は、言葉賭けたり触れてみたりで、とにかくもうミクに夢中だ。
ミクもまた、あっという間に言葉を覚え、片言ではあるが僕達と会話することができるようになっていた。
物覚えが早い。これなら、1ヶ月程度で常人と同じように会...Eye with you第二話「シーチキン」
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僕はいつも一人だった。
物心付く前から、僕は孤児院で暮らしていた。
内向的すぎたせいか、友人は持てず、やはり一人だった。
一人で遊ぶ事さえ知らなかった僕は、仕方なく勉強していた。
親類がいないせいで引き取り手もなく、入学してからも僕は孤児院に住み、一人で勉強していた。
そうする内に、いつ...Eye with you第一話「目覚め」
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麻と乱れし世の民の
麻と乱れし世の民の
闇夜に穿つ日天(ひ)の光明(ひかり)
香るが如く雲染めて
黄金(こがね)の大海(うみ)になれにけり
天つ化身か魍魎か
天地継ぐ者現じ候ふ
天地継ぐ者現じ候ふ
災ひの世を導きたもう
さても継ぎし者現じ候ふ...SUCCESSOR's OF JIHAD MAIN THEME 「THE RISING SUN」
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「はい・・・・・・私です。彼らは見事に任務を成功させました。システムの復旧も順調です。まもなく、施行の準備に入ります・・・・・・はい。全て、滞りなく・・・・・・網走智貴の遺体は、軍が回収しました。よろしいのでしょうか?・・・・・・承知しました。そうそう、逃亡中のキメラですが、こちらでも調査中です。...
(non title)
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ドアを開けると、その途端に甘い香料の香りが鼻をついた。
その部屋の奥にある、優しく和やかな日差しが差し込む窓際のベッドに、彼女は寝かされていた。
「ミク・・・・・・!!」
僕はすぐにベッドに駆け寄り膝をついた。だがその彼女の姿を見て、僕は言葉を失い、一瞬、喉の奥に何かを詰まらせ、呼吸を忘れた...SUCCESSOR's OF JIHAD最終話「愛する君と共に」
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俺は、俺の意味を信じたい。
だから、俺は、この剣を振るう。
それが例え、俺をこの世に生み出した、貴方であっても。
それで、己の意味が見い出せるなら!
俺は、黒奏刀の柄を握り、天空へと振りかざした。
黒き刀身が、朝日が照らす陽光を煌めかせ、黄金の軌跡を描く。
そして、真空を切り裂いた。
...SUCCESSOR's OF JIHAD第八十話「THE RISING SUN」
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PLGは、再び俺に真実を語り始めた。否定しようのない事実を。
『そもそも、Piaシステムとは、Personal Intel Adminstration(個人情報管理)の略称ではないのだ。正しくは、Public Intention Adminstration(公共社会意思管理)。』
それはまさ...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十九話「聖戦の相続者達」 後編
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自分が見当たらない。
自分が今、どうなっているのか。何処にいて、何をしているのかが解らない。
俺はどうなったのだろうか。
そうだ。ワラ、ミクオ、そして網走智貴と共に、カタパルトから海へ放り出された。
それから・・・・・・それから、どうなったのか。
記憶がない。海面に叩きつけられた衝撃で、...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十九話「聖戦の相続者達」 前編
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共に振り上げ、渾身の力を込めて繰り出された拳は空中で衝突し、俺とメイトの体は反動で大きく仰け反った。
「ぐっ!」
次にメイトは足を鞭のようにしならせ俺を薙ぎ払うが、俺はその瞬間に跳躍し、メイトの頭上を飛び越え背後に貼りつき、首根っこを捕まえて後頭部に一発の打撃を与えた。
脳に強烈な振動が加...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十八話「soldier」
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薄暗い照明の下に、細長いコンテナを手にしたミクオの姿が照らし出された。
「この中に、あなたの装備が全て入っています。」
ミクオはコンテナを足元で開き、中から俺の着ていたス二―キングスーツを取り出した。
「さ、早く着て下さい。」
「ああ。」
振り向くと、ワラはこちらに背を向け、しゃがみこん...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十七話「皮肉」
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思い返してみると、この任務も終局に向かっていることに気がついた。
いや、向かっているというより目前なのだ。
俺が既にピアシステムを制御不能にするワームをマザーコンピューターに挿入したことで、あとどれくらいかは分らないが、時間が経てばシステムは完全に分解され、停止し、テロリストの兵器は一切使い物...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十六話「ストリーキング・ミッション」
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・・・・・・。
「ボスお目覚めのようです。」
「ふん。案外としぶといものだ。」
右も左も分らない暗闇が薄れて、それが去った時、視界が、眩い光で真っ白に塗りつぶされていた。
目が痛くなるほどの光も徐々に薄れ、俺は三人の人影が、目の前に立っていることに気がついた。
「よく眠れたか?A-D。い...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十五話「託された未来」
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鋼鉄の咆哮。深紅の雷鳴。黒き銃声。
このコロシアムに耳を劈き天地を揺るがす轟音が響き渡った。
そして、網走智樹の乗るアシュラが、一瞬で眼前に映っていた。
「ッ!!」
装甲をパージする前とは桁違いのスピードを前に、俺はただレバーのトリガーを引くことしか出来なかった。
即座に40mmバルカン...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十四話「最期の笑顔」
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ただ茫然と、俺は目の前のモニターに映し出された光景を眺めているだけだった。
そこには、レーザーの直撃を受け、黒煙を上げながら沈黙している、ソラの機体。
そして俺と同じく、茫然とこの光景を目の当たりにしながら沈黙を始めた、四機の戦闘機とそのパイロット。
誰もかもが、一言も声をあげず、ただ茫然と...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十三話「役立たず」
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鋼鉄の巨獣に乗り、一歩、また一歩と鋼鉄の大地を踏みしめる。
視線の先には、暗いトンネルから差し込む、太陽の光。
あの先へ、あの光の先へ抜ければ!
俺は端の躊躇いもなく前進し、鋼鉄の巨獣、ハデスと共に光の中へと飛び込んだ。
そして次の瞬間には、眼前には、広大なグラウンドが広がっていた。
...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十二話「THE・SORROW DUEL」
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三人で細長い通路を駆け抜けていく。
これからどうするか、そう脳内で模索を続けながら。
「ワラ、ヤミ。で、脱出の目処は立っているか。」
「ええ。ちょっと大げさな方法かもしれませんが。」
「大げさっていうか、大胆な感じ?」
足を止めず、ワラとヤミが答える。
「ほう、どうするんだ。」
「こ...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十一話「光射す先へ」
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今まで行動を共にしていたはずの二人が、突如として、俺に刃の矛先を向けていた。
「おい!どうしたんだ二人とも!」
呼びかけても二人から返事はなく、次の瞬間、俺はワラの放った大蛇の如き草日から身を翻していた。
「ミクオ!!どういうことだ!」
振り向くとミクオのいた場所に巨大な光の円が飛び去り...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十話「Indulge in TWO」