FOX2の投稿作品一覧
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ハンガーを出てコンピュータールームに向かう途中、無線機に通信が入った。
相手側の周波数は分らない。セリカやタイトではないだろう。
「誰だ。」
『僕です。』
無線に応答すると、ミクオの声が返ってきた。
「何の用だ?」
『僕はコンピュータールームに居ます。今、貴方がワームをインストールしや...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十九話「処刑」
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鋼鉄の装甲を纏い、背の翼で飛翔し、巨大な砲塔を片手で振りまわす。
その異様な姿の彼女、重音テトの、装甲に包まれたヘルメットのセンサーが、しかと俺を睨みつけている。
「さぁ、消えるがいい!!」
テトの叫びと共に、その手にある巨大な銃の砲身が光を放ち、モーターのような音を響かせ、光を収束し始めた...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十八話「FOR FUTURE」
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広大な鋼鉄の空間に独り取り残された俺は、一刻も早くここから抜け出そうと考えたのだが、たった今、ミクオから聞かされた重大な事実を少佐に報告しなければならないと思い、無線でセリカを呼びだした。
「セリカ。少佐と繋いでくれ。」
『はい。』
すると一度無線の反応が切れ、別の周波数に接続された。
『...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十七話「憤怒のキメラ」
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果てしなく広大で、果てしなく静寂な鋼鉄の空間、ハンガーに、彼のつぶやきが響き渡った。
ミクオが発した言葉は、間違いなく、俺のことを指していた。
意外すぎる出来事に思わず目を見開いた。
「ご覧になっていたんでしょう。大丈夫、攻撃したりはしません。」
クロークを起動し、気配すらも押し殺していた...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十六話「何が正義か」
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タイトに背を任せ飛び込んだ先は、思いのほか静寂に包まれていた。
階段から見下ろした先には、広大なハンガーが広がっている。
どうやら航空機用のカタパルトらしいが、無数あるカタパルトには四機の黒い戦闘機が設置されているだけだった。
さらに奥へスコープをズームさせると、人型の巨大なABLがある。
...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十五話「自由のために」
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自分を中心とした十字線を取り囲む、無数の光源。
ここもすぐに、大勢のアンドロイドが警戒に押し寄せてくる。
「・・・・・・クローク、起動。」
適当な壁に張り付き、スーツのモードを切り替えると、スーツのセンサーが壁の色をスキャンし、その表面を壁と同化させていく。
クロギンの話によれば、この状...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十四話「紫の包帯」
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蒼い魔女が微笑んだ。彼女の手招きを目にした瞬間、そんな風に見えた。
四肢に装着した拳銃。流れる青い髪。妖艶な微笑み。
苦音シク・・・・・・。
数百の銃口を向けられようとも、そんな威風堂々たる姿を崩さない彼女の態度に、俺は一瞬、体を縛られたような感覚に陥った。
「デル!おい!!」
背後から...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十三話「蒼い魔女」
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体は無重力に包まれ、視界に蒼き地表が広がっていた。
ここは高度五万フィートの空。地球から、宇宙へと繋がる場所。
ミサイル型カプセル、ドローンの窓から周囲を見渡すと、そこには俺と同じくドローンに搭乗した仲間、そして、役五百発の空対地ミサイルだ。
これから、この仲間とミサイルと共に、的の重要施...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十二話「ハイテンション・ダイヴ」
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ここからは大地が丸く見える。
高度五万フィート。それはもはや、地上からでは想像もできない、地球の姿を垣間見ることができる。
それは今まで目にしてきたどんなものよりも、蒼く澄んでいる。
綺麗だと、思った。
でも、こんな綺麗な星の中で、何十億という人々が、日々醜い争いでお互いを傷つけていると知...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十一話「カウントダウン」
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ロッカーの立ち並ぶ部屋で、俺はタイトと共に、あの浅黒いクリプトン社員、クロギンから渡されたコンテナの中身を確認していた。
まずは、俺が水面基地に置いて来たスニーキングスーツと特殊自動拳銃Ⅳ型、GPS端末で、タイトにも色違いのスーツが用意されていた。
そして次に目に付いたのが、異常な数の銃火器類...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十話「得体の知れない男」
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鉄の階段を、駆け上がった先に到着した俺は、まず最初に、絶句した。
眼前には、視界を覆いつくす程の巨大な何かが聳え立ち、その周りを色とりどりの作業服を着たクルーが忙しなく駆け回っている。
「これって・・・・・・。」
隣のワラが驚きのあまり声を漏らした。
確かに、突然こんなものが視界に迫った...SUCCESSOR's OF JIHAD第五十九話「ブリーフィング」
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ブリーフィングルームで俺達を出迎えたのは、海軍将校の制服を纏った、威厳のある顔をした初老の男性だった。
「ようこそ。我が雪峰へ。私は本艦の艦長である、壮河凪だ。諸君らとは、あの戦闘以来だな・・・・・・。」
そう言い、彼は俺達に向け敬礼した。
彼の襟を見ると、大佐の階級を示す三ツ星が輝いている...SUCCESSOR's OFJIHAD第五十八話「『す』から始まる言葉」
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第二回目の出撃。
その任務開始から既に十時間ほど経過したところだろうか。
そしてこのVTOLの操縦桿を握り締めて三時間が経つ。
自体は思わぬ方向に発展したものの、俺とタイトは任務を遂行することができた。
が、現在の状況が絶望的であることに変わりはない。
Piaシステムの作動により、日本...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十七話「着艦」
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『緊急要員は至急、Sハンガーに向かえ・・・・・・繰り返す、緊急要員はSハンガーにて待機、ハデスの着艦に備えよ。着艦完了次第、急ぎ格納せよ・・・・・・。』
鋼鉄に包まれた広大な空間では、放送の声が、耳に痛いほどよく聞こえる。
もうすぐ、あの親子が帰ってくる頃だ。
『ハデス着艦完了・・・・・・リ...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十六話「降伏勧告」
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コンソールに視線を巡らせ、ボタンやスイッチ類に指を走らせる。
問題ない・・・・・・こういった航空機の操縦は熟知しているつもりだ。
油圧正常。エンジン異常なし。
飛べる。
コックピット内に、エンジンの躍動が響き始め、メインパネルのモニター類から正常に起動したことを告げる電子音が鳴り響いた。
...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十五話「覚悟」
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「ようやくお出ましか・・・・・・。」
無意識にそんな言葉が漏れたが、それも頭上に群がる鋼鉄の巨鳥達、VTOLが轟かせるエンジンの爆音でかき消された。
無線にパイロットの通信が入る。
『遅れてすまない。そいつのほかに敵勢力は。』
そいつ。つい今まで俺と激戦を繰り広げた重音テッドは空中のVTO...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十四話「緊急離脱!」
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「さぁ、ここからが本番だ!」
その言葉と同時に突き出される、鋭利な刃。
だがそれはこの男の腕、重音テッドから繰り出されるグロテスクな触手だ。
「うおぁ!!」
その腕は思いのほか長く伸び、俺の鼻先で空を切る。
「どうした?お前からは仕掛けてこないのか?」
奴の顔に浮かぶ余裕の笑みが月明か...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十三話「ABANDON ALL HOPE」
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互いの背中が触れ合い、タイト背後を任せながら、俺は神経を知り巡らし奴の気配を探った。
重音テッドと名乗ったあの男は、俺達の前に姿を現したかと思うと異常な跳躍力で森の中に紛れ込んでしまった。
だが今のところ、奴がどのような攻撃手段を講じてくるのは不明だ。
「デル。俺はこの二人を安全な場所に退避...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十二話「キメラ」
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闇の中から響き渡った、禍々しい微笑み。
その笑い声を発した主は、まるで空気のように気配だけで木々中からこちらへ近づいてくるのが分かる。
俺とタイトは、寸分の油断なく銃口を気配の方向へ突きつけていた。
「ふふっ・・・・・・。」
木と木の合間から不気味な笑みが漏れ、そこから赤い髪をした男が、...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十一話「月夜語り」
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全てが停止した。
時間も。風も。ここにいる全ての者たちも。
キクが羅刹の如き奮迅ぶりでABLやテロリストのヘリを破壊した後、世界は、黄金色の月明かりに照らされた夜となった。
あれほど大地を焼き尽くし全てを飲み込んでいった炎は跡形もなく消え去り、ただ荒れ果てた無毛の地の上には、一人の少女が立ち...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十話「内なる何か」
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山の頂にたたずむ、炎に包まれた双角の巨人。
もともとは赤い髪をした少女。呪音キク。
炎に埋め尽くされた大地。
テロリスト。
だが、それを確認できたのもほんの一瞬だった。
「伏せろッ!!!」
不意に背後でタイトが叫んだ。
次の瞬間、巨人は炎そのものになり、俺達を取り囲む大軍団の中に突入...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十九話「悪鬼羅刹の如く」
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突如として転がり込んだその報は、この場所そのものを凍てつかせた。
ここにいると、危ない?
何故?
「キク。どういうことなんだ?何が危ない?」
決して取り乱さぬ口調で、タイトが問いかける。
『てき・・・・・・敵がきてるの。たくさん・・・・・・たくさん。囲まれてるよ。』
彼女の声には、まる...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十八話「紅き巨月」
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彼女に導かれるまま、俺は板張りの床へ踏み込んだ。
コンクリートや鉄とは違う、素足で感じるのは初めての感触に新鮮味を覚える。
俺と、そしてタイトは縁側に近い、ガラス越しに竹藪が映える客間に通された。
こんな日本家屋でも洋室ぐらいはあるのか。
「ちょっと待ってて。すぐに着替えてくるから。」
...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十七話「本拠地」
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俺の周りでは、人々が生み出す様々な音で溢れている。
雑踏・・・・・・。
話し声・・・・・・。
笛の音・・・・・・。
太鼓の音・・・・・・。
そして、俺の周り、この商店街には様々な人間で溢れている。
この町独自の祭行事か、法被や浴衣姿の人間が目立つ。
こんな場所にいることは、俺にとって...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十六話「尾行」
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いつの間にか、窓に映る景色には目が癒されんばかりの緑が覆っていた。
灰色の世界から、いつの間にか緑色の世界に放り込まれたのだろうか。
その緑さえも、時の流れによって朱に照らされそうとしていた。
「そろそろ火窪町です。降りる準備をしてください。」
ため息混じりに運転手が告げる。
そういいな...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十五話「目的の地」
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・・・・・・。
仄暗い空間の渦中より視界が蘇った。
起床時間も近く、部屋の発光壁は外と変わらぬ光を部屋に行き渡らせている。
俺はベッドから這い上がり充電器のプラグを手首から外すと、スニーキングスーツに着込み、バックパックを取り付けた。
そろそろ時間だ・・・・・・。
レーダー用の端末を見る...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十四話「今度は・・・」
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午後九時十分。
全ての装備を解きヘッドに身を深く沈めると、脱力感としか言いようのない感覚に襲われた。
今日という日に行った任務は、今まで体験したどの訓練よりも意外な出来事だった。
人質は死に、今となっては仲間であるミクやキクに襲われ、ヘリの大軍団を相手にした・・・・・・。
今までに、二十四...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十三話「眠れぬ夜」
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ノートPCを片手に自動扉を開けると、案の定、思っていた通りの光景が目に入った。
「ミクぅ~~~!今日凄かったねぇアレ!!あのビリビリッてヤツ!!」
「黒奏刀のことか?今日はちょっと本気を出してみたんだ。」
少佐の報告が終わった後、ワラは部屋に戻るなりミクに飛びつき、一人用の狭いベッドに引きず...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十二話「その笑顔だけは」
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追憶の内、今思えば、あれは一夜の夢であったような気がしてならない。
だが、実際夢ではなかった。
あの夜の出来事は、確かに起こった事態だった。
空軍配備の軍用アンドロイドとして、俺は遥か異国の地、今は無き国、興国の森林部へと、XC-2と呼ばれる空軍輸送機からパラシュート降下し、興国にある核ミサ...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十一話「月の下で」後編
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その巨大な鉄の空洞は、地下格納庫、と呼ばれている。
この水面基地に配備されている航空機は、全てここから地上の射出カタパルトまで、エレベーターで持ち上げられ、そして発進する。
この基地はかつて存在していた旧興国が繰り返す領空侵犯に対処すべく建造されたため、スクランブル発進する戦闘機を一刻も早く空...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十一話「月の下で」前編