かぼちゃを下さいの投稿作品一覧
-
あの子は靴を鳴らした
春は嵐の最中
途端に退屈は失せた
泡のように失せた
神様のお気に入りは
孤独なのだと言った
盲いた眼が幾つも
幾つも影を縫い付けて
間に合わせの然様ならだと知っていました
ねえ叶うのならもう一度誰かのために歌ってよ...01.23
-
青い林檎についた君の丸い歯型
かわいいねって言うと困ったように笑った
明るい夜に吐いた丸裸の嘘は
暴かれるのを待って人知れず死んでいった
あの日失くした鍵だけど
もう気にしてくれなくていいよ
夕陽に染まるがらんどうの車両で
世界を救う夢を見た
切符を拾う夢を見た
君の腕の中で甘く微睡む夢を見た...水槽
-
疑おうか?委ねようか?決断が出来ない
あなたは私の心臓を取り出すと、新品みたいにきれいに洗ってくれる
もうそのまま
汚れを知らずにいたいのに
揺蕩うのは三月
どうでもいいと口では捨てながら
随分だね
いつか朝が来たなら話をしよう
傲慢な慈愛に甘く包まれた茹だった午後
お願い、きょうはおやすみ...いつだって一握りの幸福が世界の全てだと思い込んでいる
-
花柄の記憶が馨れば
白昼夢上ル嵐の夜更け
からからと鳴らした飴玉
噛み砕きながら夏になる
紫陽花は濡れそぼり
道すがら哲学に耽り
上手く尋ねた後悔を
螺旋の階段に喩えてみたり
あなたが似合うと云ったから
また今日もポニーテール揺らして...邂逅夢見ル小路にて
-
あなたはやさしい
僕に野の花のにおいをくれる
あなたは恐ろしい
僕の心臓を溶かしてしまう
あなたは美しい
僕は息を飲みそれを見つめる
あなたは夢でいい
それでいい
僕はあなたを忘れたい
飛んでいきそうな文字と綴じて...未完成
-
さよならメリー、夜が明ける
きみが笑えばぼくも笑う
世界の果てで日が暮れた
薄い瞼に極彩色
電車に揺られどこまでも
素敵なものを拾いに行く
パレットにはすべての絵の具
さよならメリー、夢に見るよ
沈んだ光はきれいですか?
ぼくはかわいいきみの羊...羊はメリーの夢を跳ねる
-
こんなに凝り固まった舌の根じゃ
あなたのための言葉などつくり出せないよ
問い詰めないで もうそれ以上
揺らさないで
ねえ、
そんなに冷たくなった指先で
私の薄いぬくもりを過信するなんて
莫迦なことやめて もうこれ以上
触らないで
お願い...玄関口のエンプティ
-
君は秘密を無視した
最後の光
僕は静寂を嫌った
窓を閉めた
言葉は大切なものだよ
いつかその先で腐ったとしても
音となって 君に届く
肌に沈んだ指の形を
もう忘れたんだろう
慈しんだら死んでしまうと...アダルト・アダルト
-
明確な絶望もなく
あなたの子猫に寄り添った
そう わかっている
その国には行けないと
住居のつくりも違えば
秒針の進み方も違う
私の大切なアイロンのプラグも合わない
偏屈だらけの世界観
逃げ出して飛び込んだ洋館で
いつかの不幸を見た...花冠
-
声のない宇宙であなたを探す
鍵盤を叩くエリーゼ
手招かれた先には何もない
生まれたときから知ってたけど
煤けた聖書のページを
もう誰もめくれないみたいに
灯るのが幻でも
あなたの腕を模す毛布ぐらいにはなるだろう
煌めいたモナリザの目
白磁の指先に傷を 今あげるから...画廊
-
ふたしかなふしあわせのうえを
ずっとあるいてるんだよ
くちびるのぎりぎりでいつも
なみがゆらいでるんだよ
きみはなんにもしらない
ゆらゆらゆらゆら きりがない んだ
つきうさぎ クロールして
つみのないひとがどこかで ないたりして
ぼくは
むかしむかしのいたずらが...ハッピーエンドの怪獣
-
白いガーゼ 消毒液 不格好な白衣
あなたのその狡いところ 決して嫌いじゃない
もうどうしようもない
わたしは わたしは 潔白です
分厚い窓 走るメロス 歴史の時間帯
あなたは今知っているの 青春はいかれない
最早為す術もない
記憶の向こうが 剥がれ落ちて
気持ち悪いな
不快な恋は 焼けるだけ...密告
-
悲しい話をひとつしようか
さよならを言うつもりはないけど
宇宙の四隅を繋ぎ止めたら
切り取って天井に飾る予定さ
真夜中の海に抱かれて眠る
惑星を降りて逢いにいくため
絵画にするほど遠くないから
涙さえ零せずに音を立てた
博士号なんてなくたって
あの星の名前はきみと言う...プラネタリウムと青い惑星
-
群青に瞑目の五秒間
昼下がりの少女模倣中
あの時落とした記憶の所為
染みの消えない制服
偶然に瞠目の五秒間
夜明け前の瞳擬装中
寄せては返す波のよう
夏が溶けたら行こう
水際投げたキス
御伽噺のスパイダー...ブルー・ブルー・ヘヴン
-
救いなんて要らないから
抱きしめてほしい
次はちゃんと間違えないで
痕を付けてほしい
あなたに傷を残す為 伸ばした爪も
簡単に切り落とされたよ
ほんの数秒で
スカーレットは泣いている
スカーレットは泣いている
疲れた声で歌う...スカーレット
-
煤けた約束を払う手は
きっと今でも変わりない癖に
傷んだ永遠を補うには
まだ足りないと瞑目する午後
瞼を捲れば蘇る 慈しむべき花壇をなぞって
あなたの不在を誤魔化せると思った
渇いた口実の貰い手は
ずっと全てを知っていた癖に
軋んだ静寂が疎ましくて
まだ気付かないふりをしたんだ...永遠に似た人
-
伸び過ぎた爪は時の所為にして
削りもせず歩き出した
縫い付けた声を指折り数えて
棘は抜かず嘘を吐いた
沈み出した夕日は極当たり前に美しいね
思い出したい筈のあなたの温度を今日も僕は
描けずに居る
助けてくれなくていい
その心臓は置いてって
失くしてしまってもいい...爪痕
-
夜は軋んで 回り出す
息を潜めた間に
君が霞んで 溢れ出す
花に溺れた指から
You say "It's moment." in memories.
昨夜(ゆうべ)誓った 約束
街は目覚めて 動き出す
もう直ぐ。
Sherry,Sherry,Sherry.
ただ なくなって消える...the room in end.
-
36.3℃ アイロニックな午後
この残部も砕いてよ
足りない数字から 抽出された
「僕」を象り 仮面にする
アンダーワールド、どうして? また君の所為で
僕は今日も ろくに眠れやしない
アンダーワールド 甘美なそれは張りぼての
偶像だって わからないのかい
五臓六腑 浸すのは怠惰
レゾンデートル量り...アンダーテンダーワールド
-
落下するわたし
この手引いたあなた
加速する話
此処に咲いた数多
眠る声、密やか
見えない夕日 焼き付けて
可笑しくなる前に あなたを噛んだ
緑の眼差しは わたしを食んだ
ただ、それだけの 事
溶け始める手首...ストックホルムの恋人
-
君の瞼にキスをして 煌めき出した御伽
傷口は浅い筈
たった一度で焼けそうに 脈打った心臓が
鳴いてる感覚 まだ軽傷
君を連れて何處に行こう
奪われたなら戻らない帰路
正確に辿れるように
理想郷など無いとしても
悲しみだけを残して
終わりなんてやめて...コールドステイション・トーキョー
-
彼女の爪には艶が無いのです
なのでいつも酔えず仕舞い
彼女の衿には情が無いのです
故に本日、店仕舞。
一生浮世に片思い
多分それも悪くない
少女が破棄するphotographic.
時に青春nostalgic.
思い出したの似非tic.
大体知ってるHigh-Color-Girl....High-Color-Girl
-
きっと笑えないな
もし世界が綺麗なものになったとして
君が此処に居ないのなら こんながらくた
慈しんだ夕日
数えるほど何故だかとても悲しくなる
永遠などは欲しくないと嘘まで吐いた
その長い指に捲られた本はさ
215頁で止まっていて
ラストシーンは多分一生やって来ないよ
なぞる文字が揺れてる...リフレインループ
-
eyes
-
唇に声
-
滲む群青、どうか此の儘溶けないで
もう一生何處にも行かない傷ばかり
私は逡巡して
白む梔子、どうぞ其の儘咲ってて
より一層可愛く映った嘘ばかり
零れたひと、散り時
貴方以外の救いなど要りません
長い睫毛がまた明日も濡れたならいいですね
揺蕩う声は恐らく今日限りで
二十五時には別の人に成っている、成っ...云わないで
-
君はまた効かない薬を塗って
痛くなんかないと笑う
僕はどうにか救ってあげたくて
その感覚を言葉に換えた
君が駄目になってしまった
君が駄目になってしまった
君が駄目になってしまったよ どうして?
君に笑ってほしいだけだ
君に笑ってほしいだけだ
君に笑ってほしいだけだよ わかって...依存症
-
浴槽の底
爪先の青
散るよに泳ぐ
魚みたいだね
ばれないようカーテンを引こう
わたしが傍にいてあげるから
きっと二度とは来ない逢瀬だ
そんな二人だ
呼びかけた名前、蕩けたの
もう帰りなどしないんだって...ペディキュア
-
夕暮れ時のアンダーガール
君、探すのだ コールドフィンガー
のばらのアパートメントで落ち合って
何処か消えた人、雨に好かれてた
サヨナラ サヨナラ ロンリーラビット
あーあ、レインマン
その愛ひと齧り 甘いばかり
さあ、アンブレラ
あのまま捕まえて 離さなけりゃ
よかったんだろーか。...レインマン
-
もうなんにも聞こえない、ね。
どうしてだか君を待ってる
そして声を失くすから
ささくれだった雨の夜を
すくって、すくって
突き刺すような馨りはあの日の群青
戻れないの?ああそうさ、戻らないよ
嘗て憶えた名前を繰り返し た
「早くふやけてしまえよ。」
嘘まで吐いて。...花底に水の束