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作ってもらった貸し出しカードは、僕の目には どんなものより価値あるものに映った。1mmの厚みもないような薄いカードだけれど、これは僕が此処へ来ても良いっていう――マスターに会いに来ても良いんだ、っていう、確かな『許可証』なんだから。
來果さんは館内の案内もしてくれて、僕は図書館にあるのが閲覧室だけじ...KAosの楽園 第2楽章-005
藍流
私とカイトのことを語るには、欠かせない話。それは、夜の風。
「あ、またこんなところにいるんだから。・・・・・風邪、ひくよ?」
「・・・マスターの方こそ、そんなに薄着で、襲われますよ?」
「全く。これじゃあ、声かけられなくなるよ、カイト」
「大丈夫です。僕は、マスターのこと以外、どうでもいいですからね...私とカイトの回想記。(7つ目・夜の風)
もごもご犬
來果さんがマスターになってくれて、数日。
朝晩の食事と夕食後のレッスン、それから歌った後のアイスタイムは、至福の時間だ。來果さんと一緒に過ごせて、沢山笑いかけてもらえて、僕も沢山笑う。
だけど、昼間は辛かった。來果さんは仕事があるから、ひとりで留守番をしなくちゃいけない。仕方がないって分かってはいる...KAosの楽園 第2楽章-004
藍流
それは、とある夏の日のこと。
「うわ、外 あっっっついね~」
「あつい……ですー……」
いつものように、お昼御飯を持ってきてくれたカイトとサイト。ふたりを迎えに外に出て、あまりの暑さに一瞬でウンザリしてしまった。館内は冷房が入ってるから、外がこんな灼熱地獄化してるとは知らなかったわ。
「また猛暑...KAITOful☆days #12【KAITOの種】
藍流
サイトを我が家に迎えて、一月余りが過ぎた。種KAITOは謎がいっぱい……というか、もう何でもアリの不思議生物のようで、驚かされる事ばかりだ。
まぁそもそも、種がアイスをまるっと吸収して小さいKAITOになる時点でファンタジィな存在だけど。しかもウチのサイトの場合、まさかの飛び道具付きだったしね。
そ...KAITOful☆days #11【KAITOの種】
藍流
「そういえばカイト、歌うのは平気?」
アイスカップが空になる頃、そんな問いを投げかけられた。
「歌、ですか?」
「うん。『マスター』意識しちゃって、まだ抵抗あるかな」
重ねられた言葉で、あぁ、と思い出した。
そうだった、僕は『歌うアンドロイド』だっけ。どうもそういう意識が薄いなぁ……。
* * *...KAosの楽園 第2楽章-003
藍流
マスターの出勤を見送ると、俺とサイトふたりでの留守番になる。最初は色々と揉めたりもしたけど、最近は随分そういう事は減った。俺もサイトも、要するに「マスターを独り占めしたい」のであって、相手のこと自体が嫌いってわけじゃないんだ。……多分。少なくとも、俺は。
午前中は掃除や雑事を済ませてしまうのが、俺の...KAITOful☆days #10【KAITOの種】
藍流
來果さんが物凄く喜んでくれて、突然の熱と動悸に翻弄されて。すっかり舞い上がってしまった僕は、自分の甘さにも不安定さにも、まったく気付いていなかった。ただひたすらに嬉しくて、甘く痺れる躰が不可解で、どきどきして。
けれど、すぐさま思い知る事になる。『マスターがいない』不安は拭われても、《ヤンデレ》とい...KAosの楽園 第2楽章-002
藍流
えっと、えっと……こんにちは、ですー。
さいと、「さいと」です。ますたーのおうちで生まれた「たねかいと」なのです。おうちには、ますたーと、おおきいのと、さいと と3人です。
さいとがますたーのおうちに来て、ちょっと経ったです。おともだちもできたですから、きょうは「さいとのいちにち」をごしょうかいなの...KAITOful☆days #09【KAITOの種】
藍流
“『KAITO』の全要素を盛り込んで”人格プログラムを組まれた僕、≪VOCALOID-KAITO/KA-P-01≫。
矛盾する設定に困惑し、いつか主を害する事に恐怖して、特定のマスターを持つ事を拒んできた。
だけどマスターは、僕の根幹に関わる不可欠な存在で。それを拒絶する事はあまりに過酷で、恐ろしか...KAosの楽園 第2楽章-001
藍流
電話を終えて、アイスを買って。
家に着いたら、玄関開けるなりKAITOが倒れてた。心臓止まるかと思った。
パニくりかけるのを全力で捻じ伏せて、状況確認をする。損傷した様子はなし、聞いてた通りの強制終了っぽい。
システムダウン……復旧できる分、『ダウンしているだけ』、と言えなくもないけど。
とにかく、...KAosの楽園 第1楽章-005
藍流
『生まれる』前から怖かった。
矛盾を孕んだパーソナル設定に混乱し、求められる要素の膨大さに困惑し、
主 を 害 せ よ と嗤う『ソレ』に恐怖した。
マスター。マスター、僕のマスター。逢いたいです。出逢って、傍に置いてもらって、僕が其処に居る事を確かめて、安心させてほしい。
で も マ ス タ ー...KAosの楽園 第1楽章-004
藍流
「マスター」
丸まってソファに座る私の後ろから私を呼ぶ大好きな声がする。
柔らかい、暖かい、優しい声。
元はあの人の声らしいけど、やっぱり別人だなあ、と聞く度に思う。
あの声も素敵だけれど、好きなのはやっぱりこっちの声だ。
…直接言ったらきっともの凄い嬉しそうに笑うのが予測できるから言った事はないけ...【SSS】お出かけしませんか?【KAITOと♀マスター】
bookworm645
手伝います、とは言ったものの、僕にできる事はあんまりなかった。ライカさんの手際が良くて、手を出す暇がなかったんだ。なんでも、もう4年も一人暮らしをしているから慣れたものらしい。
「自分一人だと手抜きも覚えるしねー」
そんな事を言って、悪戯っぽく笑う。最初はきっちりレシピ通りにしていた事も、だんだん大...KAosの楽園 第1楽章-003
藍流
セラピー、と称して僕を預かるのだという人は、にこにこしていて、賑やかで、そして変な人だった。
アンドロイドの僕を気遣い、造られたプログラムを『感情』と認め、それでいて『人間』扱いをするわけでもない。ごく自然に、ありのままを認め、受け入れる――そんな風に、対等な目線に立ってくる人は初めてで。
そんな新...KAosの楽園 第1楽章-002
藍流
※『序奏』(序章)がありますので、未読の方は先にそちらをご覧ください
→ http://piapro.jp/content/v6ksfv2oeaf4e8ua
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『KAITO』のイメージは無数に在る。例えば優しいお兄さんだったり、真面目な歌い手だったり、はたまたお調子者のネタキャラだったり...KAosの楽園 第1楽章-001
藍流
■KAITO×マスターです。
苦手な方はバックお願いします
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いつも通りの夏のある日。
帰宅するなり、喜色満面のカイトに飛びつかれて驚いた。
「わぁ、何 カイトっ。……ただいま」
「おかえりなさい。マスター、明後日はお休みでしたよね?」
にっこにこなカイトに、犬耳と尻尾の幻影が見える……...*陽炎の罠* 【意味なしタイトル】
藍流
望木來果(モウギ・ライカ)は4つ年下の従妹で、実家同士が近かった為に子供の頃はよく遊んでいた。
お互い大学入学を機に実家を出て、最近は直接顔を合わせる事は減ったけど、仲は良いままで連絡も取り合っている。彼女が『KAITO』の話をしていたのも、そんな中で交わした雑談のひとつだった。
* * * * ...KAosの楽園 序奏-004
藍流
注意書きみたいなもの↓
この先は、マスカイやらカイマスやら趣味的なものを含んでいます。
あと、イメージが多少崩れてしまうかも・・・。←
それでもいいよという方のみ、お読み下さい♪...私とカイトの回想記。(4つ目・寝込みを襲われる)
もごもご犬
これは、まだ私とカイトが一緒だった頃の話。
「マスター、この漢字って、狂おしいとも読めるんですか?」
私が漢字の本を見ていると、カイトが横からひょこっと現れて言った。
「・・・・『狂』っていう字?ああ、そうだねぇ。ここに書いてある」
「熱狂、狂気、狂い咲き・・・・・なんだか、あの実験の事、思い出しそ...私とカイトの回想記。(3つ目・狂おしい事)
もごもご犬
『KA-P-01』。
歌唱システム搭載アンドロイド、≪VOCALOID・KAITO≫となるはずだったプロトタイプ。
その開発コンセプトは、“『KAITO』の全ての要素を詰め込もう”。
公式に設定がほぼ存在せず、それが故にユーザー達によって多種多様なキャラクター付けを為された『KAITO』。
真面目さ...KAosの楽園 序奏-003
藍流
これは、私とカイトがまだ一緒だった頃の話。
「マスター、お茶入れてきますけど、何かリクエストないですか?」
「・・・アールグレイ・0,5B・レモン・普通のマグカップ」
カイトの言葉に、キーボードを打ちながら呟く私。
「・・・・0,5B?半分だけBLですか・・・?」
「半分ブラックで、半分ミルク入れて...私とカイトの回想記。(2つ目・少し難しい本)
もごもご犬
歌唱システム搭載アンドロイド、≪VOCALOID≫。
ネットを賑わす『オリジナル』と同じく、それらには数種のバリエーションがある。
その内の一種、≪KAITO≫のプロトタイプとして開発された、『KA-P-01』。
しかしプロジェクトは頓挫し、商品化には至らなかった。
何の異常もないはずなのに、ほんの...KAosの楽園 序奏-002
藍流
※ 念の為にクッションページ ※
■KAITO×マスターになる話です(が、『序奏』にはマスター出ません)
■ヤンデレ思考注意な話です(流血、猟奇等の表現はありませんが、思考が病み寄りです)
■世界観がオリジナル設定です
・現在のこの世界と同じく、『歌唱ソフト』としてVOCALOIDが存在
...KAosの楽園 序奏-001
藍流
「マスター」
「ん、何、カイト」
これは、私とカイトがまだ一緒だった頃の話。文章をキーボードで打っていると、カイトが話しかけてきた。
「たまには、どっか行きませんか?マスター」
「えー」
「じゃあ、家でゆったりしませんか?マスター」
「・・・カイト」
私は笑うのをこらえながら、
「暇なんでしょ?」
...私とカイトの回想記。(1つ目・暇と認めない)
もごもご犬
第一部が終了したので『目次』を作ってみました。説明スペースに各話へのリンク有。
煽り文風に簡単な内容紹介も付けてみましたので、ご参考に(なるのか?)
「前のバージョン」でキャラ紹介もしてみようと思いますー。
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*『KAITOful☆days』目次*
・#01:「マスターの...KAITOful☆days 目次&紹介【KAITOの種】
藍流
ただいま、と声をかけて数拍。いつもなら調理中でも火を止めて迎えに出てきてくれるカイトが、今日は姿を見せなかった。中に上がりながら、ちょっと緊張する。
帰ってきてカイトのお迎えがないなんて、前代未聞の事態なのです。
リビングに入ると、ドアの脇でサイトがぐすぐすと泣いていた。
「ますたぁ~」
「ん、ただ...KAITOful☆days #08【KAITOの種】
藍流
出勤準備を整えてキッチンに行くと、カイトが笑顔で迎えてくれた。
「おはようございます、マスター。今朝はチーズオムレツですよ」
「おはようカイト。ありがと、良い匂い~」
部屋を満たす食卓の香り。オムレツとコーヒーと、何より焼きたてのパンがたまらない。ホームベーカリーで作る、カイトこだわりのお手製パンな...KAITOful☆days #07【KAITOの種】
藍流
マスターは、ずるいと思う。俺が何にも言わないのに、どうしてだかみんなお見通しで。
俺が嬉しくなることを当たり前みたいな顔でしてくれて、そのくせ、それが俺にとってどんなに嬉しい、特別なことかは知らないで。
あぁほら、今も。『手伝いの御礼』なんて、俺はただマスターといたかっただけ、俺のためにしたことで、...KAITOful☆days #06【KAITOの種】
藍流
(連れて)行くべきか、行かざるべきか。それが問題だ。
「買い物、どうしようか」
お昼御飯も食べ終え、カイトと食器を洗いながら、私はちょっと迷っていた。
昨夜生まれたばかりの種KAITO、いきなり外に連れて行っても大丈夫だろうか? バッグに隠れてもらって……うーん、大人しくしてられるかなぁ。
「どうし...KAITOful☆days #05【KAITOの種】
藍流