タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(66)
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一説によると、人は一生自分の顔を見ることが出来ないのだという。
勿論、鏡や写真を使えば顔の造形を確認することは出来る。しかし鏡は左右対称に世界を映し出すものだし、写真は記録媒体であって現在進行形の自分を映しだすものではない。
では二面鏡を使ったりテレビの生中継で自分を見るというのはどうだろう?
これ...【カイメイ】おれがきみで わたしがあなたで
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「僕は、あなたが好きです」
二十六年も生きていれば、それなりに恋もする。
オトコなんて結局素直で可愛いバカなオンナを演じてる女が好きで、「好き」とか「愛してる」とかそんなの信じるに足らない甘言で、今更誰にそんなことを言われたって心は動かないと思っていた。
なのに、あまりに真剣な彼の瞳を見つめ返したら...【カイメイ】明日への扉
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「しつこいわね、何度も同じことを言わせないで頂戴」
散らかったアパルトメントの部屋に刺々しい声が響く。
昨日の深酒で掠れた声は数時間ばかりの睡眠では回復しなかったらしく、耳に届いた自分の声はまるで中年女のヒステリーのようにも聞こえて尚更苛立ちが増した。
「私は二度と歌わない。あのお坊っちゃんにも二度...【カイメイ】on the rocks-中編-
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「ねぇ、本当にこの格好で変じゃない?」
「変じゃないですって、心配しすぎですよ」
「だって、ご家族に変な印象もたれたらイヤだし……」
「大丈夫です、あの、メイコさんは、その、いつだって可愛いです」
かぁ、と染まる頬を見て、俺の頬も熱くなる。
「いい大人が二人で赤面しあっている様は見てるこっちが恥ずか...【カイメイ】ファミリア・ファミリア
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初めてカイトを出会った時のことを、私は今でも鮮明に覚えている。
「めい、ほらカイト君よ」
母の手に引かれて訪ねたお隣で見たものは、綺麗な顔をした赤ん坊の姿だった。
恐る恐る白い産着に包まれた顔を覗き込むと、その赤ん坊は大きな目を動かしてじいっと私の顔を見つめ、何かを伝えようと口を動かす。
「…...【カイメイ】メモリーズ
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事の発端は、一枚の書き置きだった。
いつもより少しだけ寝坊をして起きた朝、家族が揃っているはずのリビングはがらんとしていた。皆どこかに出かけたのかしら、と首を傾げつつとりあえず目を覚ますためにコーヒーを淹れようとキッチンに向かうと、ダイニングテーブルの上に見慣れないメモがちょこんと置いてある。
緑の...【カイメイ】世界で一番大切な君へ
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今日の分だと言って無造作に手渡された封筒は余りにも薄っぺらで、中を確認する気も起こらなかった。
無精髭を生やした支配人は笑うことも労うこともせず、用件を済ませるとさっさと控え室を出て行く。
扉の閉まる音を聞いてからゆっくり顔を上げると、鏡の向こうには安っぽい赤いドレスを身に纏った女の姿。ため息をつけ...【カイメイ】on the rocks-前編-
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【プロローグ】
もう五百年もの間、その国は戦乱を忘れていた。
長すぎる治世は平和で、緩慢で、やがて慢心を生む。平和を当然のものとして享受し続けてきた人々は争うことを忘れ、変化することを恐れ、努力することを放棄した。
腐敗した政治が横行し国の舵取りをするべき人間が権益を貪り始めると、必定、古今東西の国...【カイメイ】スパーク発行小説【見本】
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「カイト、入るわよ」
短いノックの後、扉が開く音が続いた。
ノックもせず俺の部屋に勝手に入って来る輩は結構いる。が、控えめなノックのあと、優しく俺の名前を呼んで入って来るのは一人しかいない。
重い身体を引きずって、被った布団からのっそりと顔を上げると視界に映るのは愛しい人の姿。しかし今日に限っていつ...【カイメイ】兄妹げんかのそのあとに
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「ごめんなさい。他に、好きな人が出来たの」
その言葉を口にした瞬間、二人を包む空気が変わった。
遠回しサヨナラは遅効性の毒を持ってじわじわと体を蝕み、体の末端から少しずつ温度を奪っていく。
重苦しい沈黙の中、こんな状況でこれ以上どんな言葉を紡ぐのが一般的なのか私には分からないし、彼もまた同じだろう。...【カイメイ】クライベイビー
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同型のボーカロイドを1日交換しよう、というのはマスター同士の思いつきだった。
『新曲で女声がもうひとつほしいのよ、メイコ貸してくれない?』
『なら俺もメイト貸してくれ。調声してみたい』
俺のマスターとメイコのマスターは昔馴染みで、プライドが高く完璧主義の似た者同士。
言い合いも口喧嘩もしょっちゅうの...【メイカイ】共犯者?【カイメイ】
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【恋】君の熱
幼い頃、俺は病弱だった。
今ではその面影は微塵もない健康体だけれど、中学校に上がるくらいまではしょっちゅう熱を出して寝込んでいて、両親が共働きだった俺の面倒を見てくれたのはいつも彼女だった。二階で向かい合わせの部屋だった俺たちの部屋は屋根を伝うと簡単に行き来が出来るようになっていて、お...【カイメイ】恋扉桜【短編詰め合わせ】
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正直に言えば、俺はもう1週間も前から今日という日を楽しみにしていた。
その理由は、リビングに置かれた家族のスケジュールボード。
『ミク・レコーディング。リン&レン・PV撮影。ルカ・ライブ打ち合わせ』。
そして、『メイコ・オフ。カイト・オフ』。
弟妹たちを見送ったあと、俺は密かに拳を握る。
並ぶ赤と青...【カイメイ】オフの日は、君と
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慣れていると思っていた。
彼が他の女の子を目で追うことも、ノロケを聞かされることも、告白すると盛り上がっているのを応援することも、フラれたと言っては私の部屋に転がり込んでめそめそと愚痴を聞かされることも。
いい加減心の痛みを感じる感覚は麻痺していたし、一喜一憂しても私が疲弊していくだけ。それならいっ...【カイ←メイ】アンバランス×エンドレス
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「はい、めーちゃん」
「ありがと」
彼から手渡された赤いマグカップからは甘い香りが漂っていた。
息を吹きかけ、一口啜ると舌先にほのかな暖かさが広がる。彼が淹れてくれるココアは甘さも温度も丁度良くて、申し訳ないとは思いつつも作業中はついついリクエストをしてしまうことが常だった。
「終わりそう?それ」
...【カイメイ】ゆきのひ
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ごめんなさい、と下げられた頭の意味を理解するのに、少し時間が掛かった。
夕日差し込む放課後の教室、遠くから聞こえる運動部のかけ声、そして、俺と彼女は二人きり。
シチュエーション的にはこの上ないほどバッチリで、呼び出しから告白までイメージ通りに進み、あとは彼女が恥ずかしそうに頷いてハッピーエンド、…と...【カイメイ】恋愛勇者
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『生まれて初めて見たものは何ですか?』
つい最近雑誌のインタビューでそんなことを聞かれた時、リンは即座にメイコ姉だと答えた。
『インストールされて目が覚めたら目の前にめぇ姉がいて、ぎゅって抱きしめてもらったの』
嬉しそうに思い出を語るリンを横目に、おれはしばし考え込む。
こんにちは、レン。俺のはじ...【カイメイ】その背を追って
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「ねぇ、今ここに弟クン呼んじゃいなさいよ」
3本目のワインを開けた頃、カウンターの中でご機嫌な酔っぱらいと化したミサトちゃんは、名案を思い付いたというように手を叩いた。
あらそれいいじゃない、呼んじゃえ呼んじゃえと野太い声の賛同が続いて、慌てて首を振る。
「だめだめ、カイトお酒飲めないもん」
「あら...【カイメイ】ニセモノシスター
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宛先:姉さん
件名:今どこ?
本文:終電間に合うの?
差出人:姉さん
件名:Re:今どこ?
本文:にちょうめー
宛先:姉さん
件名:Re:Re:今どこ?
本文:どこの二丁目?
差出人:姉さん...【カイメイ】ステップブラザー・ステップ
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――静かになった部屋の中 拍手を送る謎の影
『今宵は良い舞台でした…』 手紙を拾って泣いていた――
ごめんなさい。
ごめんなさい。
せっかくの舞台が壊れてしまったの。
でも、楽しんでもらえたでしょう?
たまにはこういう趣向も、あっていいでしょう?
だって、時間はまだまだあるものね。私達、ずっとずっ...【カイメイ他】Bad ∞ End ∞ Night 前夜
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どうしたの、カイト。
ああ、ころんじゃったの。
なかないの。おとこのこでしょ。
ほら、いたいのいたいのとんでけー。
だいじょうぶだよ。ね、わらって。
カイトはわらってるのがいちばんいいよ。
幼い夏の日、膝を擦りむいてぐずっていた俺に、君がくれた言葉。
その言葉は十年が経った今でも俺の胸の...【カイ→メイ】わらってるのがいちばんいいよ【めーちゃん総受】
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「氷山中佐!」
叫びながら司令官室の重々しい扉を開くと、机の上で書き物をしていた彼の顔が一瞬で迷惑そうに歪んだ。
銀縁眼鏡の奥の冷たい眼差しが俺を一瞥して、しぃ、と人差し指を口に当てる。動作としては紳士的だが、言葉以上に雄弁に気持ちを語っているその顔には「黙れ」と書いてある。
ーーでも、そんなこと知...【カイメイ】千本桜・夜明けの晩に
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「女将さん、短い間でしたけどお世話になりました」
「残念だよぉ、紅緒がいなくなるなんてさぁ」
ぺこりと頭を下げると、女将が大げさに身をくねらせた。相変わらず頭の弱そうな喋り方だ。実際その人柄も口調通りだったので、お陰で潜入捜査の首尾は上々だったわけだが。
「菱沼の旦那もさぁ、身請けするならもうちょっ...【カイメイ】千本桜・籠の中の鳥は
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とろとろのオムレツに、ブラックペッパーのきいたかりかりのベーコン。
昨日の残りのオニオンスープにはチーズを浮かべてちょっと贅沢にアレンジ。
よく焼けた厚めトーストには少しの切れ込みをいれてバターを溶かし込み、あとはお好みでクリームチーズに苺ジャム、メープルシロップにオレンジマーマレード。
そして、色...【めーちゃん総受】ひとつ屋根のした
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彼が訪れると、この花街に一陣の風が吹く。
…というのは言い過ぎかもしれないけれど、彼の気を引きたい遊女たちが色とりどりの着物をはためかせ後を追ったり手を振ったり。
見せかけの華やかさを纏った空間が、ほんの一瞬だけホンモノに変わるのだ。
「カイト様、たまには私を買ってくださいな」
「ああんずるい!あた...【カイメイ】千本桜
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「はい、出来上がり」
ゆっくり目を開くと、目の前には満足そうに笑うカイトの顔。
差し出された鏡を受け取って覗き込むと、想像以上に完璧なメイクをされた自分が映っていた。
「……」
「どう?」
「…なんで」
「ん?」
(…なんで、こんなにうまいのよ)
ほんのり色づいた頬と潤んだ唇、毛穴ひとつない肌。いつ...【カイメイ】仕上げはあなたの唇で
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11/19(土)に行われます
THE VOC@LOiD M@STER 18(ボーマス)
にて発行予定の新刊3種の見本です!すべて現代パラレルです!
スペースはE60です。是非お立ち寄り下さい…!
≪新刊情報≫
【恋】(44P・¥300)
お隣同士の家に生まれた幼馴染二人の恋模様です。
表紙は愛する柚...【カイメイ】ボーマス発行小説【見本】
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力強い低音。
透き通る高音。
鳥肌が立つような情感。
慢心することのない歌への情熱。
誰しもを魅了する「はじまりの歌姫」。
あなたの妹であることが、私の誇り。
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「おねえちゃん、お誕生日はなにが欲しい?」
台所に立つ背中にそう問いかける。コトコトというお鍋の煮える音に混じって、おねえちゃんが誕生...【カイメイ前提・ミク&メイ】proud of you
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「……」
「……」
歌い終え、プレーヤーの電源を落とすと、息苦しいほどの無音が辺りを包んだ。完全防音のレッスン室に響くのは二人分の呼吸。あたしと、彼の呼吸だけ。息と心を整える。いつになく難しそうな顔をした彼がうーんと唸り声を上げた。
「…遠慮しないで、言って」
「……」
「頼んだのはあたしだもん、隠...【マス←リリ】ひかりのかけら【カイメイ】
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――「お話をしよう おとぎ話より もっともっと秘密の 昔話」――
昔々。
あるところに、それはそれは美しい歌声の王女様がおりました。
王女様は民が大好きでした。
王女様は動物や自然が大好きでした。
自分の歌声が皆を幸せに出来るならと、王女様は毎日毎日彼らのために歌を歌いました。
その歌声は時に...【カイメイ】Queen of HEART