IOの投稿作品一覧
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九天を夢見る 小さな翼
青く澄んだ目は 何を映す
風を裂く羽音も海嘯に掻き消され
故郷より三万里 汝今何処や
真夏の良く晴れた ある日の出来事でした
僕は号砲と共に空へと放たれた
数百のライバルと 距離を競い 空を舞う
銀の足環に刻まれた“2590c アルノー”
昔々の英雄 その名にあやかって付けら...レース鳩アルノーの悲劇
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長い長い夢が
突然に終わったのね。
必ず来るはずだった朝(あした)は
とめどない哀しみに満ちた淡いブルーで
いつかの丘の上は
さざ波の寄せる小さな避難所(アイル)
気がつけば星を数えてばかりだった君が
飛び去ってもう何年になるのかな
ごめんね。
哀しい思いをさせて。...地球ノート
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きらめいてる 遠くに燃えるアンドロメダ 星海(うみ)の灯り
芽生えていく 星骸(レムナント)の灰から生まれ出る赤い鼓動
忘れてた夢を 思い出そう
空っぽなこの命に 意味を
渦巻く星雲(くも) 優しい風 透明なスフィア揺らす歌声(こえ)
無数の粒子が支配する魅惑の七色 その先へ
重力の銀糸が波に解け...Starburst Phoenix
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真夏の夜に カンテラ一個
花束を下げておいでんなさい
森の入口の ぬめぬめ岩場
ずっとずっと続いてるから
震える白曇りの息 雫ぽたり
葉月だというのに
迷い蛍は噤む 森は多くを隠す
鎮魂が夜の底に吹きだまる
さァさァ、心の準備をしておいでんなさい
もうじき来たる場所へ着くから...首吊りロープの森
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青嵐 カライスは幸せを奪った
花盛りの大地に僕だけが一人
何も言わぬニンフと嘆くのも飽きたから
岩の裂け目をくぐって鏡の裏の世界へ
そこは何もかもが牙を剥く穢れた悪鬼(あっき)どもの世界
C.Q. C.Q. I’m finding you, mama きっと見つける、いつか探し出す
幻覚は揺れて巧み...花のない世界
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広がる空の下 ただ一人立ちすくんだ
あの日見たあの色は もう思い出の彼方
流した涙も遠い記憶も 宝石箱の中しまっておこう
いつかみんな輝いて見える そんな時が来ると信じて
汚れた靴のひも締め直して もう一度前を見よう
青い水平線の それよりも先へ
渇いた砂の平原 荒海の向こうまでも
あなたと一緒に ...この果てしない世界で【曲着きました!】
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隣の猫に骨格標本取られた
魚病学の宿題だったのに
風に当てようとベランダに出したのがまずかった
地上二階の高さなんて奴らにとって何の障害にもならない
今が旬のアジ 特売一尾158円
合計三匹 うち二匹失敗した
二週間と十時間を費やして さああとは乾燥だけってところだったのに
骨だけの魚がそんなにおい...隣の猫に骨格標本取られた
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八月の雨が地を濡らし 熱く揺れる陽炎を連れてきた
青い空を往く鳥を眺めて
そう、僕らは遠い昔確かに空を飛んでいた
天気輪の柱に昇り そこから見える青に手を浸した
“宇宙(そら)から見るこの星も青いって”
そうしてさかさまの地球を仰ぎ見る夢を見た
駄菓子屋で買った模型飛行機 飽きもせず暮れるまで飛ばし...ロスト・エンジェル
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遥か遠い旅路を 僕ら共にずっと歩いてきた
はじまりの日も忘れ果てるような長い時の大河を渡り
草もまばらな燎原 すり減った手足を抱えて
地を行く二人をいつでも果てない空が包んでた
遠い遠い空の果て 陽炎に包まれた夢幻の国
他愛もない夢で無意味な命を彩れると信じてた
幾度往き交うオリフィス もうすぐあの...Another ∞ Heaven ‐アナザー・ヘヴン‐
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青い空を超えたら何がある?
青い空の向こうにはそのまた美しい青があるんだ
これは寒い寒い北の国に生まれて
初めて夜空を飛んだ少年の話
どこまでも続く地と空
都市光もここへは届かない
暗い空に燃える宝石を
僕はずっと飽きずに眺めていた
空を走る飛行機雲
工具片手に辿った軌跡...Boy meets the earth
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ああ 八月の空は 夜明けの青に染まり
君と僕との遠い約束 思い出させるけれど
高く飛ぶことに憧れていた 空を駆けることを夢見ていた
自らの意志と信じて 翼を手に入れた
うなる風音に身を任せ 初めて見たはるか下界の朝
いつか大空を支配すること 自由に飛ぶこと願った
青を斬れ 鋼鉄の鳥
翼には紋章を背負...Indigo Fine Sky ‐another story of “Iron Bird”‐
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長月の光は遠く沈み
宇宙(そら)は水素の果てしなく湛(たた)えらる湖面
銀の大河を木の葉の舟に乗って
今夜、星を仕留めに
のぞいたレチクルには銀の粒
風は今はまだないようだ、青い静寂
軋む櫂の音(ね)がその時までを刻む
「もうすぐだよ」誰かがそっと言った
北天の七つ星 旅鳥の道しるべ
在らざる八番目...プラネタスの舟唄 -ある銛撃ちの少年のためのバラッド‐
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Can you hear my voice?
I sing a song of life with prides.
You think how, and sympathize it or not?
Try to sing with me?
だから I never cry!
I never regre...流星ロッカー -Wings of Bravery Passion-
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皇土(おうど)を蝕みゆく暗雲 雪の色
埋(うず)められた太陽が闇に泣いている
凍風(いてかぜ)に攫われた幼い肖像は
足跡を見失って震えていた
時計塔の針は一時を指して止まる
錆びついたままの振り子が胸に痛い
棘草(いらくさ)に覆われた 悲しきフェリスホイール
それでもまた繰り返したよ、愚かな人類は
...緑陽の町のドブルイニャ -Twilight eyes-
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シンクに溜まる白い雲
そこから滝のようにangel fall
流しにドライアイス捨てたの誰だよ
いくら暑いからってアイス食ってんじゃねえよ
置きっぱなしの皿・お椀・コップ
ほったらかしもどうかと思うけど
そこにまた的確に固体CO2をぶちこむな
あれって入れすぎると周りの水が凍って煙出なくなるんだぞ、...ゼミ室の流しにドライアイス捨てたやつちょっと来い
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そんな棘のある言葉で この夜を汚さないで
風露草(ふうろそう)の涙が 静かに丘を伝う
青く広がる宙(そら)から 零れる星のため息
この地上を見つめる、焼けただれたこの地を
願っても祈っても 想いなど届くはずがない
ここへ届く流れ星は皆この惑星(ほし)が呑み込んでしまった
月明かりに目覚める、失われた...今宵哀しみと共に月へと向かう船に乗って
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爛(ただ)れた桀紂(けつちゅう)が跋扈(ばっこ)する末法
恵みの天地(あめつち)は飢凍(きとう)に閉ざされ
春を待ち詫ぶ諸国民
その上に降る氷雨(ひさめ)の針
くびきの若枝、萌ゆときは今
専守防衛 その真意は如何ぞ
臥薪嘗胆、耐え難きを
耐え忍び義和団は一騎当千
憂国の使徒今勇士となりて
汚れた祖国...繚乱桜花狂想曲
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予言者の太陽が堕ちて
終わらない夜の幕開け
止まった刻(とき)の鳥籠の中に
一人 反響する声
この背にあった両の羽は
灰になって燃え落ちた
飛ぶことも唄うことも許されぬ僕は
閉じ込められた闇に震えている
書き終えた結末(エピローグ)は 本当に正しかったのか?
涙が凍み込んでいく 冷たい裸の肌...月読と籠鳥のロンド
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昏い水の底 沈められた過去の時の骨
泥を舐める命が今 清流(せせらぎ)と触れ合った
どれほどの業と塵芥の輪廻
蕾は雫に濡れて打ち震える
月も無き夜に開くは 淡い星色の花弁
あなたのすべてが欲しい
闇を殺し光を裂いて
生まれ落ちる十二の罪
枯れ果てるその末期が 運命なら
どうかその時まで 教えて...サファイア・ロータス
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嘘つき羊は柵の前
隠した狼の心で足踏みしてる
草を食む暮らしに飽き飽きしてても
飛び越える勇気はないんだって
泣き虫猫は屋根の上
満月に向かって飛び跳ねている
ちっちゃなその身でも誰かを思いながら
取れない月のミルクに手、伸ばしてさ
みんなみんなもがいてるのさ
優しい夜に傷隠して...強がりパストラル
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僕が幼い頃の夢は“宇宙飛行士”
まだ見ぬ世界に囚われた
祖父が遺してくれた 「宇宙への道」が
あの頃の僕の宝物だった
望遠鏡をさかさに覗いて
宇宙を一点に閉じ込めた
掌の上で転がせそうなサイズに
いつかきっと自分もそこへ届くのだと信じてた
夢の終わりは唐突に 誰にでもやってくるものさ
憧れの未来に迫...サヨナラプレシャスブルー
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もしもこの先人類が馬鹿になって
世界が滅びるようなことがあれば
僕等はそれを愛の欠如故と謳い
それを繋がなかった自分達を責めるだろう
あの日奪い合った空は今日も青く
世界は思った以上に不安定で
人はこんなにも脆くて
今日永らえた命だって
明日には死ぬかもしれない
だから、...100年バラード ~これまでと、今と、これからへ~
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果てしなく広がるこの世界
空と海と大地 永遠の時の流れ
今はまだ見えなくても きっと探しに行くよ
fragments of…
気まぐれな太陽が笑いながら去って しがみつくばかりの一日が過ぎた
流されることを恐れるばかりで 何を思う暇もなくまた日を数えた
ビル風が吹き抜けるがらんどうの街を 重い身体引...fragments of...
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雨(rain)
それは天からの命の恵み
永遠(eternity)
美しき刻(とき)の円環
賢(さか)しらな知恵と力とを振り回しても
この手には何も掴めず
無力な私(i)の罪は
いつかは赦されるのでしょうか?
巡る 廻る 二つの半球(ヘミスフィア)の中で
何でもない(nothing)と否定を繰り返す...輪廻の砂時計
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小さなビリー・ウィリー
泣かないでおくれ
そんなに泣くと 涙がこぼれるよ
可愛いお目々が真っ赤に膨れるよ
目玉もまぶたもみんな溶けて流れてしまうよ
小さなビリー・ウィリー
この世にはたくさんの
どうにもできない 物事があふれてる
だから泣いても仕方ないんだよ
届かない星も摘めない花も諦めておやすみ...ビリー・ウィリーと涙の海
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研究室の試薬庫が臭い ドアを開けた瞬間はそうでもないけど
研究室の試薬庫が臭い 棚を開けたら即座にknock out
快晴でも日の当たらないおんぼろビル
うっかり実験しようと開けたら地獄を見る
液体試薬は特に強烈
廃液入れはリアルに危ないドラッグ臭
実習室に引きこもってる間に
手作り感満載の看板付い...研究室の試薬庫が臭い
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もしも明日この空が天から落ちて
世界が燃え尽きて何もない荒野になっても
僕は変わらず君の側にいるだろう
君の涙が乾くまでそこにいるだろう
ずっと
神様が僕らに終わりを望むのなら
僕はあえてそれに逆らおう
世界を焦土に化すというのなら
僕はこの手で土を打ち種を蒔こう
いつの日も希望はそこにある。...君へ
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遠慮もせずに言いたい放題で
話も聞かずに一丁前に真似して
何かあったら誰かのせいにして
道に座り込んで歩けないと喚く
まるで小さな子供だね
選手も政治家もみんな無責任
言い訳だらけのタラレバ毎日
それでも何にも悪びれることはない
叱るなんて御法度 貴重な子供さ
だけど大人は使い潰される...甘えんぼうワールド
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重みを失った孤独なヒカリは
いつしか壁にぶつかって
星空の吹き溜まりで
見えない砂粒の海に閉じ込められた
いくつもの粒が僕を取り囲んでく
慌てて浮き上がろうとする僕をとどめる
焦りが恐怖に塗り替えられてもがいてるうち
やがて背中の翼が折れた
未知の夢の在り処を求めて
その目的も忘れ何億光年...神様のグラニュール -Higgs boson and the lonely stardust-
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しみだらけの文書なんて 身勝手な理屈振り回して
今日も東の海で愉快な国盗りゲーム
見かねた審判(ジャッジ) 「出るとこ出ましょうか?」なんて言っても
口を開けば「自分のものだ」としか言わない
「まるで籠の中の九官鳥だね」
世界のため池の一つで 鳥は浮島の縄張り争い
水浴びする場所が足りないわけじ...20**年のケードル
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人類は進化しているか
賢くなっているのか
電気仕掛けの都市と近づく仮想
菲薄化する現実
糧食にもならぬ貨幣を
共食いで奪い合う
ある意味正当か?ヒトの本能への回帰
退化という進化 あるいは 乖離
何の意味があると?
この矛盾だらけの生に...たとえ3秒後に世界が壊れても
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離れ離れになってしまった
魂の欠片を探してたの
刻(とき)の止まった夜の花園に
君は一人閉じ込められていた
原罪と慈愛の物語を紡いで
辿り着いた結末は永遠の冬
地上の太陽が爆発して
時計が止まったとしても それは君のせい?
空へ逃れた私は君を呼んでいる
“ひとりきりで舞うここは冷たくて怖いよ”...天ヲ照ラス鳥のフォークロア
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天気輪の柱に昇って 星を眺めた夜
あの日の情景は今 遠く僕の心の中にある
上と下二つの星空 両手で抱き締めて
どこまでも僕らのものだと同じ夢を見ていた
突然 海が裂け 空は燃え 地は鉄条網に奪われて
宇宙船は再びくだらない戦の道具になる
どうやらこの惑星(ほし)の命は もう長くないらしい
何人(な...蒼星コスモナーフト2261
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雷鳴 宇宙に水晶の雨が降って
赤、さそりの火の冷たい揺らぎ
星空のキーボードを叩くから、
どうか答えてくれないか?
ハロー、何処ノ誰カモ分カラヌ 星ノヒト
本日ハ晴天ナリ、晴天ナリ・・・
悲嘆と静寂が軸を歪ませ
自分のため息だけブレストに届く
純銀のA弦は何を紡ぐ
爪弾いた音を波に変え 空へ送る...点燈夫の空奏宇宙理論
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どうして、行ってしまったの?
僕を置いてたった一人で。
花園に眠る君に呼びかけても、
答えてくれないんだ、もう、もう
千年前に君に恋した
蒼色の天球の下で星を見て
星はきらきら、清水に漂い
しとどに降り注ぐ流星の雨が
ねえ、忘れたりしないよね?
どんなに遠くに行っても、僕たちの重ねた刻(とき)を...Planet-allium ‐プラネットとアリウム‐