ねこみ(cat nap)の投稿作品一覧
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しなない程度に
さえずるように
待たせるよりは
待つくらいで
朝うまれた熱も
夜には去ってゆくよ
せまい部屋で
柔らかな部屋で
ないてもわらっても
しんと音はたしか...夕暮れマンション
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落ちてきました
秘密たちは
だいじにしまって
またゆっくりと
わからないことと
かわってしまうことを
はきちがえないように
白くても青くても
咲き誇る雨の花
創り出したのはわたしたち...花を飾る
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ばかみたいに晴れた日
滑空する言葉
生まれたての思考は
なにもしらないでいる
むずかしいすべて
咀嚼しては
雲にかえってしまう
編みあげてゆく
露と露のあいだ
ほつれた回路の先...フイユ
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びしょびしょのそとがわ
浴槽に置いてきた
覆るカラカラ
イオンで乾杯
タクシーの運転手さん
前世はさかなだってさ
どおりで海に入っても
くるしくないとおもった
おろしたてのスポンジの肌
くつがえす、くつがえらない...ふくすいぼん
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さみしいとき
水の表面を掬って
円の中に還れば
とおのく暗示
お皿の上で
横たわるだけの
料理にはなりたくないや
馴染みの像(かたち)
蕩けたアイ・オー
脱皮しても...iO
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うごけなくなって
すこし早く帰る
つまらなそうな口元に
さびしさ落ちる
茜が映るギプス
すべてまもれるのに
わたしがカメならば
竜宮城までのせてくよ
息も楽にできるよ
着いたら踊ろうね...ギプスにもなれない
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響く夜
白い線だけが
点滅だけが
潜め見守る
橙のみち
かんがえごとはよそうと
かんがえてしまっている
制限速度内で
心拍を上げること
充分可能だ...km/h
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どうしてもあふれる
たぶんほんとうのこと
言い切るのはすきじゃない
あこがれて、またねむって
ひとつおりてきた
ただの透明だ
だから映るものは
笑えるほどうつくしい
何色に光った?
いまだけのものだよ...覚醒
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ご存知の擬音
つるしたまま
もたもたしている
夜はすぐそこ
待ち合わせに
どうしても
遅れてしまうのは
びょうきなのかな
たのまれたこと
うまくのみこんで...でんじは
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カナルディア、
待合室は
微熱のまぼろし
幼い陽炎
羽化するあいだ
ゆたかな血潮はどこへとむかうの?
肌に残る
抗生の芽
夢遊する指
上擦る痛み...きかないくすり
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出発時刻まで
ゆらめく思考
回線が途切れたら
だれでもないなにか
物理で近づいても
かわらない距離よ
ガラスの靴はスニーカー
摩天楼のふもと
落っことしてきちゃった
気がつくときまで...夏の王国
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うまれるまえのかっこうで
閉じてしまうからだ
吸収したひかりを
めぐらせて
せいいっぱい
反芻する
おめでとうとさようなら
いくつものわたし
てっぺん来ぬうちに
帰されたあした...ゆうわく
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おおげさな飾りは
なにもいらない
なつかしい甘さとふしぎ
わがままなこころ少々
それだけ
むかしばなしのお姫様も
こんなにいいものしらぬだろ
シンプルな変拍子
他(た)にない愛甘い
あとは舟を出すだけ...purin
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賞味期限が100年すぎたグラニュ糖
すこしほぐれた粒
いまはない海を漂ってる
水かきの名残の手で
コーヒー飲むぼくら
ほんとうを見据えるには
ただただ若い
たのしいことで誤魔化して
うれしいまま眠るんだ
島が見える...木蓮
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しっているようで
なんにもしらない
それでいいよ
このうえないもの
ぼくらきづいてる
軽いカウント
一瞬の息
火照るこえ
latencyは待ってくれない
先読みしないで...latency
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きみが夕方くれた水
ソーダだった
ぱちぱちするからわたし
どうにも目が冴えちゃって
水滴に映る
テレビをみてるけど
きっとここからはでられない
いつかとんでけたら
ぜんぶしってたよって
笑ってあげるね...懐柔
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白い天に
影が遊んだら
ひとつ、ふたつ
花が落ちる
ねえやっぱりね
泳ぐのがすきとおもってた
たおやかなかたち
このまま待とう
目を閉じれば
あえるひと...おかしなほんと
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ぼくの窓から
きみの星が
きみの波から
ぼくの愛が
つながって
ひとつになって
またはなれてゆく
ああぼくらにてるね
ぼくらにすぎて
ぜんぜんちがうんだ...さざ波
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どうしてわからなかったの
夢見にあなたはいたのに
はじめて逢ったその羽根は
するりと透けて溶けてった
水面の足跡
無音にざわめく
マイクの奥
やわらかな擬態
みつけてくれてありがとう
青いせかいは夜のもの...スペース・キー
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あられって漢字で書ける?
ポップコーンつくりたいよね
セーターの毛玉とってあげようか
ぽつぽつ加湿器のつゆ
さいしょでさいごなら
湯気のもくもくにも手を振って
こんなことで
なみだがでちゃいそうだよ
さむいからかな
はやくこないかな...春はいつ?
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モーニン・モーニン
どっかいくんでしょ?
ならわたしの声もつれてって
青だったポンコツ
歌いなれたカーペンターズ
なんかいいにおい
洗剤変えたの?
あたらしいことに
すこしずつ体を染める
いいかんじ...あさのひかり
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へたくそなはなうた
近くからきこえる
なにもないところから
さかなをとりだすみたいに
塗られていく
その色なんかどきどき
ずっとまえからこの色だった
ちいさなあくび
だれかにもらった
足りないところがないよう...あかとあお
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ああ引力で傾いて
あたまのなかの宇宙が出てゆく
さよなら、気が向いたらまた
ちへいせんずっとみつめて
そのまま一周したら
どこかの骨につながるね
電車で寝過ごして
知らないところにいってみたいような
そこで知らないじぶんに会って
もとのじぶんは流れてゆくのだ...ネス湖の宇宙にて愛を
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意気揚々で入店
耳にタコなチャイム
けいふぁ・甜麺・XO
だれといたいんだろう
メニューなぞるひとさしゆび
そのままワープしないかな
ドア開けたら
土砂降りかもしれないから
さいごのひとくちのまえに
こっそり瞬きをおくれ...レンゲと救世主
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宇宙からのひかりで
ぼくらは生活をする
あの星から見れば…って
おかしいね
行ったこともないのに
ちっぽけかどうかは
じぶんにきけばわかる
なまえをつけないでよ
宇宙は宇宙のもの
星になんかならないし...なまえなんていらない
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粒らでゆるやか
それさえあれば
柔くてなめらか
なかなかどうして
手をつないだって
だきしめたって
あのあまいのには
勝てやしないよ
静電気が微かに嗤う
つかれた吐息は...ふつうだ
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ここは安心
でも目をつむってはだめ
化学のにおいのしない水
火にかけて みつめておく
並んだ白いまる
たべてもいいのか
ぼくは決められない
火を止めて
割ってやろう
冷めてしまえば...ovo
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曖昧な回路の先 こたえは何処だ
好奇心の波のなか まちがいやしない
音を泳げ 流星群と駆け抜けるのだ
毛布の匂いと夢の温度 迷わないの ふしぎね
夏の風みたい きみは変幻自在
涙、みずいろのうた あまいほどせつない
その声は きみの夜を守る
泣いてもこわれても きみを想う
薔薇を一輪 抱いて眠ろう
...i
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ストーブでぬるくなった部屋
思った色じゃなかった
へたくそなマニキュア
シンナーとほこりの匂い
またふやしてしまった
たすかりたいから
楽になりたいから
ぼくたちは瞳を夜にして
灯りをさがす
それでもいいさ...さんらいず
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ああわたしかわっちゃったの
安い缶詰めみたい
アポロの記憶もあいまいで
どっちがピンクだっけかな
いちいち報せないよ
かってに気づいて
チカチカ!ライトが呼んでる
山手線とちゅうで切れちゃって
きみの街までつづけばいいけど
まぶしくて開けてらんないや...unknown train
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風呂敷に星くず詰めて
適当に巻いて夜を駆ける
ああ あの黄色い屋根に
きみは住んでる
足音で気づいて
小石投げたりできない
ハート盗みに来た
泥棒のつづき
庭先に賢いしばいぬ
口裏合わせ 骨じゃ泣かない...はあと泥棒
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天国は
いい匂いがするのかな
嗅いでみたいけど
しんでみなきゃ行けないから
むずかしいよね
想像してみる
三途の川は
あったかいといいな
いつかはおわるの
甦るのはたいへんそう...お邪魔します天国
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な みだ
星のスープ掬って
甘い味した
さみしい
うれしい
わからない なにも
な みだ
夢みる夢子なの わたし
ごめんね
たのしい...error_73
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時計の針が零時を指したら
銀河のふもとにて落ち合うのさ
待つのがすきなくせして
待ちきれないそぶり隠せない!
落ちつかない背中とコートの裾の花
かわいいひとよ
ばかなひとね
黄昏香る結露ひとしずく
舐めとったならやがてわかるかな
むかしの国のランプと...slow snow dance
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あったかくてほっとしたら
なみだでてきちゃった
冬の日曜日
あしたから雨みたい
外に出てびゅっと風吹いて
アクビ止まらないや
ゆるやかな坂
スケート靴履いてみたい
髪切ったから
首元たよりない...寒暖差マーチ