ろろあ製菓堂の投稿作品一覧
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赤い信号がキラキラ輝いて消えて
すぐに動かなければいけない理由
そこにあるのは色が違うという事実
私の意思に介入するわけでも無いのに
立ち止まっていてもそうしたいだけで
進まないことにイラつくのも自由だけど
目的とする場所もなければ将来もない
そして誰にだって等しく時間は流れてる
いっせーので足並み...Anonymous Signal
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問われることは嫌いじゃないけど
問われ続けるのは好きじゃなくって
答えることは嫌いじゃないけど
答え続けるのは好きじゃなくって
イチゴパフェを食べたときの成分をコピーして
何も食べなくても食べたように思わせるとか
楽しいことも嬉しいことも化学成分まかせにして
私の脳がビーカーに浮かんでれば楽ちんだよ...First Question. Final Relation.
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目の前にある道をひたすら歩き続けて
暗くなって足元が見えないからって
息を吐いて空を見上げたら満天の星空
私の足跡よりは多いかなとか思ったり
すぐに掻き消される事ばかり有るけど
一歩目を讃えられる誰かもいるけど
私は足跡のために歩いてるんじゃない
目的地だけが理由なわけでもない
等高線に沿って右往左...DRIP DRAPE DROPS
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縫い目が痛いのヒリヒリチクチク
黙っていれば良かっただけなのに
つまらないことを呟いては縫合
喋らせないための物理的制裁
鼻歌なら歌えるからってフンフン
楽しそうにステップ踏めば腹いせ
口なんかただの空気穴でしかない
私はそこに縛られたりはしない
人の口に戸は立てられないなんて
大工さんもきっと困っ...ぬいぐるみ生命
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布団の中から出られないのは
私も季節も同じみたいだなって
雪の下で寒さしのいで春を待つ
寝ているように見えて準備中
次の瞬間春ですよなんて言えない
暖かさが積もって解かし芽吹く
こっそり忍び寄って白から緑へ
つぼみの膨らみが分かるならきっと
頂きを覆ってる白さがなくなる
景色が霞んで見透かせなくなる...ポストに届いた薫りが春を報せるまで
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「ずっと輝いてるから」
「いつだって見つけられる」
そんな歌の台詞みたいに
信じていたかったのに
どこにだってあるありきたりな思い出を
絶対に私のものって言い張れないような
あの時くすねた誰かの嘘がまだ残ってて
私の首輪になってるんじゃないかなって
言い切ってしまえばそれは「真実」と名が付き
大手を...自虐マジックショウ
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体中に張り巡らされた神経を繋げていって
月まで届いてもキレイですねとは言えない
世界中に張り巡らされた回線を繋げていって
太陽に届いても暑いですねとは言えない
私の磁場は君を引き寄せたいのに極は同じ
反発し合うように見えて磁力は流れ続ける
届いてるのに遮ってるように見えて嘘つき
知らないフリして突き...Antennae the Moon
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色素の薄い私のことを「消えそう」って
いつでもしっかりと手を握ってくれた
消えないよって何度言っても聞かずに
何も言わずにただずっとそばにいてくれた
きっともうそんな事分かってるはずなのに
今でも君の手は私を離してくれなくて
君の不安を私はずっと利用し続けてる
ずるいよね卑怯だね離したくないのは私
...キエソナ
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小さな頃に歌ったひとフレーズがいつの間に
振り返るとそばで笑って並んで歩いてたんだ
ずっと見てたって嬉しいときも寂しいときも
届かなくてもそこにいて微笑んでは慰めて
だから気付いてくれて嬉しかったって
謝らなくて良いからそう思うなら歌ってって
遠い街に投げた紙飛行機の返事がくるように
遠い海に預けた...小節記念日
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朧気な夢の中で見た知らない景色に
どこかで拾った言葉を隠していった
光っているようでくすんでいるようで
きっと明日には消えてしまう拙さで
誰も踏み入らない草むらの端っこに
どこにも通じてないトンネルの片隅に
空っぽのポッケに手を入れると出てくる
薄汚れて錆び付いた温かな欠片たち
気怠げな空想の街に来...密かな呪文
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知らない街に辿り着いて 暮れかけた空に星灯り
窓に灯っていく星々も 私のじゃないけれど
それでもずっとずっと 抱きしめていたくなる
声に出したら消えそう だから微笑んでいよう
嗅いだことのない匂い 聞き慣れない言葉たち
目まぐるしい初めての まるでオーケストラだね
旅の話は聞くのが好き 記憶と言葉が...素敵な旅の原生林
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目の奥がジリジリ痛むのは
昨日あの人を見つめすぎたから?
どうせ私は視界に入らないって
他人の隙間から投げ付ける視線
ぼーっとしているフリで捉えて
堂々と目で追えばストーカー
今日の任務はこれにて終了なり
笑ってる顔はいつも通りキラリ
鑑賞もほどほどにしないと通報
さり気ない研究も気付かれたらアウト...ガンキュウツウ
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数え切れないほどの緑色
群れの中で私だけが違う
見渡す限り他にはいない
ひとつ余分な混ざれない私
みんなと違うのに誰かが
私を見つけて幸せと言う
ごめんなさい多分違う
だってこんなに苦しいから
何事もなく皆と同じのまま
生まれて育って終わりたかった...ヨツバノキモチ
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途方に暮れながら何かを集めたり
果てしない中から何かを探したり
暇つぶしにはもってこいなんだけど
楽しいかって言われたら笑うしかない
自分で決めたわけじゃないからって
安全な退路確保しても気持ちは雨降り
動く歩道も急ぐエスカレーターもきっと
その先に何があるかは知らないのに
イチバン愚かな選択肢並べ...草原パレット
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眠りに就いた瞬間のその前に
聞こえてた誰かの泣いてる声
あてずっぽうな夢の中身より
気になってそればかり考える
その声が現実だったのかもう
知ることはできないけど今は
夢からはみ出した気持ちとか?
変な感傷に囚われたりする
例えば生まれたての夢の産声
例えば迷い込んだ夢の泣き声...夢墓地番地
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構えたら負けだって思っちゃう
何かに対して形を変えるってさ
気持ちを持って行かれたみたいで
それを表してしまう恥ずかしさ
最後に退治される悪者はいつでも
驚いて倒されてく予想外のヒーローに
だから小さい頃からずっと思ってた
見くびって余裕げにしてたら負ける
形を覚えていくといつかどこかで
「それ以外...埋葬ヒロイズム
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「好きなら」「好きなのに」って言葉に
縛られ束縛がんじがらめクサリカタビラ
あのね外から「好き」はやってこないの
それは中から「好き」って言えることだよ
順番や道具が叶えてくれる魔法じゃなくて
誰にも言わなくていい誰かに言いたくなる
何かを介さない自分と「好き」だけの合言葉
それは振りかざさない見せ...スキナラスキニシナ
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「どうしたの?」って鏡に聞いても
「あなたはだれ?」って鏡に聞いても
答えはいっつも二回しか返らない
へそ曲がりの鏡像は私をみて笑ってる
フワフワ浮いた鏡は私に付いてきて
あれこれ小言を言っては私をからかう
少し話を聞いてないとむくれて拗ねて
歳は聞いていないけどきっと子どもね
ねぇあなたは鏡の役割...合わせ鏡の中のミラ
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ソファの上伸びやかに横たわる姿
「まるで犬みたい」って呟いたら
パシリにされて語尾には「ワン」
首輪付けるか聞いたらドン引き
素直だけど頑固な君が愛らしくて
気持ちを伝えるのに言葉は不十分
告白の最後は叫び声になったけど
「いい声だった」って受け止めてた
怒りも苛立ちも隠さずに見せる
分からないこと...消えない波
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臭いに敏感になっていくのは
生きるだけに必死になるから?
見たものに惑わされないように
もう光と闇しかわからないから
狙うのも狙われるのも隠れるのも
次の瞬間消えないように儚く
朽ちた身体を生贄にするなら
最後まで抗いたいよ悪あがき
真面目不真面目じゃないそれは
選択肢の無い結末に振り回され...ケダモノプレイズ
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ここまでおいでよ見えない方へ
見飽きたいくつもの真面目な顔
通じない冗談を分からせてみて
追いかけてくれる安心感求めて
逃げ続けられるのは君のせい
なにかとネガティブな発言を笑い
いつでもポジティブな私を訝り
着いてくるようで離れないようで
いてほしいのは私も一緒なんだ
ねぇこれって「フガイナイ」関...SERIOUS TRACEABILITY
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花びらが落ちないように落ちないように
吹き飛ばして舞い上げて高く高く
落ち着きたかったらごめんなさい
ちょっとしたゲームに付き合って
花びらを地面に触れさせない遊び
何を使っても構わない触れないなら
おおざっぱに風を当てても難しい
飛んでいって見えなくなって終了
竜巻を起こしても構わないけどさ
どこ...カベンユーギ
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抑えていたものが不意に
こぼれてきて溢れてきて
挨拶くらいしてもいいのに
どうしてそんな不躾なんだ
そんなことを繰り返してると
この体は自分じゃないかもって
疑うようにすらなってくる
なんか上手く言えなくてごめん
言葉にするのは自信が無いんだ
伝えられる術は持っているのに...傘も知らない雨
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思ってるよりも天の川はぬるくて
少し泳いで上がってたら風邪を引く
はくちょう座の性別は雄だったっけ
みずへびは男子うみへびは女子だって
あの双子座の血液型はなんだろうね
ちょっと待ってこいぬ座メチャでかい
だったらおおいぬ座はどれくらいあるの
羅針盤も六分儀も使い方わかんない
星空を歩いていると時々...てくてくこんすたれいしょん
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「こんな翼じゃ飛べないよ」
「そんな瞳じゃ見えないよ」
「あんな言葉じゃ届かない」
「君の想いは伝わらない」
押すことのない受理印片手に
見るより見せるためのメガネ
出来ない理由を必死になって
なんだかやけに笑ってしまう
紙切れのスタンプひとつだけ
それで世界も私も変わらない...フキゲンInterviewer
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私の感情から涙を抜き取っても
そこから笑顔が芽生えないように
ピアノがバイオリンにならないように
小さな音色はどこにも響かない
どうしたって迷うことのない場所
目をつぶっても通れる馴染みの場所
忘れていくのはほんの一瞬で寂れて
正面から見つめることができない
涙でクレーター作ってよ消えない
刻み込ん...涙を抜かせて
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疲れているときに限ってさ
溶けていきそうなくらいの感傷
コトコト煮込んだシチューみたいに
僕のことをまき散らしてくんだ
何年も前の事でも子どもの頃でも
色あせた滲んだ思い出がジワジワリ
いつの間にか背中に貼り付くように
気付いたらもう遅いって逃げられず
抱きしめられた瞬間霧のように消える
タチの悪い...ソレデモオコトワリ
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優しいお願いを一つだけお願い
手を繋いで目を合わせてほらね
魔法かけたみたいに私のことを
夢中になったフリだけでもいいから!
わかってるわ魔法なんてただの嘘で
大人が言う事を聞かせるために言うだけ
わかってるのわかってるんだから!
でも生きてるうちに一回くらいってね
だって私は欲に駆られた魔女だもの...Please me Princess!
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「僕の涙さえ物語にするんだろう」
そう呟いて消えた彼の背中がざわめく
私は心に力が入らなくなって座り込む
言われるのを待っていたように貫いて
どんな言葉が似合うか探すのは悪趣味で
その瞬間の想いには見向きもしなかった
だからこのビルよりも高い楔は罰なんだ
私を動けなくするために存在する静かな
途切れ...暴虐賞与
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傘を差し出されるのが夢だった
「これ使って」なんて一言伝えて
無言で渡すだけでも良いかもね
急な雨を恨んで空見上げて
雨が降るときは大抵傘がある
傘が無くても急ぐことはなくて
近くにカフェが有ったりして
それで困ることも特にない
傘を渡す人の気持ちはどうかな
困った姿を見て気に留めるかな...アコガレノカサ
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新しい傷に慣れてきて
その存在も忘れるくらい
そしたらもう私に何が残る?
私が傷だらけに見えるのかな
傷痕を「オトモダチ」と呼べるほどに
私は進化してはいないけど
残した爪痕を「リレキ」と言うのなら
誰かの日記帳にはなれるかな
理由を教えて欲しいなんて
幼い子どもみたいな事は出来ない...Self Mind Epidemic
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瞳もクチバシも軽やかに羽ばたく翼も全て
吹き出したばかりの血の色したbloody bird
「ヤツの仲間はどこにもいない親も子もない」
「どこからともなく現れ血塗られた声で囀る」
「ヤツはそのクチバシで刺し殺し食らう」
「ヤツは死臭を嗅ぎ分けて獲物を食らう」
「ヤツは死の瞬間を予期して現れる」
「ヤ...shooting the bloody bird
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いらっしゃいおや珍しいお客さんだな
大したおもてなしもできないけれどどうぞ
久しぶりに来た感想はまぁ相変わらずか
「いつもの」で良いんだろ覚えてるさふふっ
向こうは大変だったって聞くよ大丈夫かい?
あんな場所に慣れるなんざ職人も良いとこだ
顔を見せてくれて嬉しいよあいつは今日はいない
こんな時に限っ...i'll be back BABY
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夏の夜空に打ち放つ花火
冬の闇夜に撒き散らす吹雪
今すぐ思い出せなくしてみようか
アルバムから消し去ってしまおうか
時間はいつまでも動いてはいない
止まる日まであともう少しなんだよ
針をちょっとだけ進ませてしまえばほら
残されたページはたったこれだけ
たくさん勉強をして覚えた魔法
君のために使ってみ...君の心を消す魔法
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大気中に含まれる憂鬱な成分を
まとめて除去したら残ったのは
必ずしもハッピーではないように
君の辞書に落書きは絶えない
難しい顔して問いかけにも無反応
まとまらない考えは地図を白紙に
コンパスはいつからか壊れていたのに
それに気付いたのはあの日の雨から
限りある未来を等分しても僕らは
歩幅を合わせる...桃源郷EXOSPHERE