皆様、初めまして^^ ここでは、素敵な楽曲を自分なりに解釈し妄想した小説(時々自作の詩)を投稿しています。 それから【シェアワールド】響奏曲【異世界×現代】というコラボに外部参加させて頂いております。 改行やスペースも文章表現の一部と考えているので、他の方のお話と比べとても読み辛いかとは思いますが、御覧頂けたら嬉しいです! でも目がちかちかしてきたら、閲覧中止して下さいね>< 【今下書き中の小説】→現在投稿中のお話の見直しを頑張ります>< 【現在投稿中の小説】→<シェアワールド・響奏曲『夢の痕~siciliano』> 【これまで投稿した小説】→『アンチクロロベンゼン』 『闇のダンスサイト』 『おはようからおやすみまで暮らしを見つめるのは』 【シェアワールド・響奏曲】→
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投稿作品55
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そんな俺の狭い視界に、少しして「庭」で支給される質素な革靴が入り込んだ。ステッチの色は群青色――俺と同じだがサイズは一回りほど小さい。やがて頭上から聞き覚えのある大人びた声が降ってくる。忘れようもない、あの因縁浅からぬ女の声音だ。
『何してるの?』
『……別に』
『そう』
そのまま立ち去るだろう...夢の痕~siciliano 8-②
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自室のドアを開けると、ベッドに腰掛けるMEIKOが映り何だか安堵した。ようやく俺のいるべき場所へ帰ってきたという実感が湧き上がり、自然と頬が緩んでいく。
「おかえり、KAITO。何の話だったの?」
部屋にあった本を適当に読んでいたらしい彼女は、俺が近付くとそれを脇に置きこちらを見上げた。
「いつ...夢の痕~siciliano 8-①
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あれは俺が「塔」へ連れてこられまだ間もない頃の話だ。一度だけ俺は“彼女”と対面したことがある。隣に立つ幹部が宙に複雑な光陣を描き何やら唱えている様を、テレポートスポットの手前でぼんやりと見ていたのがその始まりだった。当時は魔術というものをまるで理解していなかったため、綺麗に輝く紋様を俺はただただ物...
夢の痕~siciliano 7-②
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その翌日、俺は自室がある階層の中央通路でMEIKOを待っていた。昨晩、あの予言者を自称する女と別れた後。俺たちは何とも形容し難い微妙な空気を払拭すべく殊更精力的に店を回り、無事従妹への贈り物を手に入れることが出来た。そして今日もお互い暇なため、昼からトレーニング室へ行こうと約束していたのだ。
「遅...夢の痕~siciliano 7-①
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「塔」の術士には、月初めに微々たる額だが給金が渡される。生活に必要な諸々は全て「塔」が負担してくれているため、この金は純粋に嗜好用だ。「塔」側としても、ずっと閉じ込められ鬱憤が溜まるであろう術士の管理は重大な課題であり、任務で著しい成果を挙げた者には特別ボーナスを支給したりと、意気を鼓舞させる努力...
夢の痕~siciliano 6-②
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今から数百年ほど昔――まだ魔物との共存が図れており、カオスシードも出現する以前のこと。この世界には「国」という一つの単位が存在した。「国」はそれぞれ境界という名の縄張りを持ち、そこに住む人々はその「国」の所有物として扱われたと聞いている。そしてこれらを侵害する他の「国」には、対話もしくは戦争で牽制...
夢の痕~siciliano 6-①
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そんな魔力の方向付けがまるで異なる三タイプだが、だからと言って自分の役割だけこなせばいいというものではない。チームで行動することが多い以上、他の術士及びタイプの動向も常に把握した上で己の役を全うするのは当然の責務だった。
分かりやすい所で言えば、術を発動させるまでの所要時間が挙げられる。Aタイプ...夢の痕~siciliano 5-②
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この世界には人間や一般的な動植物の他に、魔物という生き物が生息している。魔物は魔力のせいで人や動植物が突然変異した成れの果てとも、実は世界が誕生したその頃から存在しているのだとも言われる謎の多い生物だ。
そんな彼らの姿形は千差万別で、四つ足で歩き回る物もあれば、その場から一切動かず地に根を下ろし...夢の痕~siciliano 5-①
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「じゃあ、診察を始めるわね。はい、服を上げてくれる?」
何はともあれ、どうにか通常の軌道に戻ってくれたようで心底ほっとする。そうして滞りなく検診は進み、さらさらとカルテへ結果を書き込んだ彼女は再び俺に向き直った。
「後は簡単な質問をするわ。気楽に答えて頂戴ね」
「はい」
この問診を終えれば定期健...夢の痕~siciliano 4-②
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朝食を終えMEIKOと別れた俺は、九十二階にいた。この階層は医療地区となっており、テレポートスポットを円形に囲む幅十五メートルほどの通路を中心に、三つのドアが壁の内周に沿い均等な距離を空け並んでいる。
医療地区がこんな高階層にあるのは、この上階――九十三階から百階までがトレーニング地区に割り当て...夢の痕~siciliano 4-①
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「またお兄さんの夢、見ていたの?」
食堂にて食事の乗ったトレイを受け取った所で、背後から声をかけられた。疑問系ではあったが確信している様子で返事を待つ気配に、俺は答えず適当に空いた席へと腰を下ろす。そんなこちらの態度など一向に構わず向かいへ座った彼女は、自身のトレイに置いた皿から一本のペンネをフォ...夢の痕~siciliano 3
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「塔」は俺の所属する組織の名称で、文字通り象徴としての意味合いも強い円塔が拠点になっている。各地に支部となる塔はあるが、俺の暮らす此処はその総本山に当たるため、規模は他と比較にならないくらい大きかった。この中で全ての生活が賄えるよう計算し尽くされた設計は、例え大部分を魔力に頼っているにしろ舌を巻...
夢の痕~siciliano 2
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初めて自分の“力”を意識した日。
俺の“世界”から兄が消えた。
「……」
億劫に開けた目蓋の向こうは、見慣れた殺風景な部屋だった。無機質な石造りの天井に継ぎ目はなく、所々淡い光を発している。その原理は到って単純で、等間隔に埋め込まれた小さな魔石が魔力に反応し光を放っているだけだ。それはとどのつ...夢の痕~siciliano 1
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差し出された右手 交わした眼差し
取り合う微熱に酔い今夜も踊るの
伝えたい言葉は胸に詰まって出てこない
海より深い心は汲み出せないわ
だけどどうか信じていて その在り処を
盲目の舞踏会 素敵な背徳の社交場
罪の意識さえ着飾り微笑んでみせるわ
目隠しは取らないで 眩しすぎて眩暈がするの
正しい生き方は...溺愛主義
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塞ぐ春の憂欝
揺れる宵の満月
陽が目醒めるまで
どうか このままで
散るは桜 夢は生まれ
育てることも叶わぬままに
涙 一つ
面影を辿るように
添わせた指の先から
私は貴方を知る...春告げ鳥の詩(うた)
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†
僕がマスターのパソコンにインストールされたのは、桜が丁度満開になった頃でした。後から教えてもらった話だと、繰り返しの日々に嫌気が差したマスターは、自分への最後の挑戦にと一縷の望みを託して僕を買ってくれたんですよね。
僕の“心”は、マスターが僕をイ...おはようからおやすみまで暮らしを見つめるのは 完