タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(51)
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そんなことを考えながら、レンは料理をするジェットを見ていた。リンと同じ容姿だが、しぐさがまったく違う。何かをすればするほど、違いが際立つように、レンには感じられた。
「……レン、大丈夫ですか?」
ひととおり使い方を説明し終わったルカが、そう訊いてきた。ジェットはこちらを見ることすらせず、野菜を刻...リトルコンピュータワールド 第六話【君がいない】後編
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カイトに連れられてアイスを食べたあと、レンはカイトと帰宅した。帰ったら、ミクとリンに謝らなくてはならない。
「……リン、戻っているかな?」
自宅が近づくにつれて、レンは不安になってきてしまった。ミクはカイトに自分を探してくれるように頼んだぐらいだから、落ち着いているだろう。だが、リンの方はわから...リトルコンピュータワールド 第三話【家に帰って】
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注意書き
このお話は、「マスターのパソコンの中」が舞台のお話です。
ボーカロイドたちはパソコンの中で、人間のような生活を送っていますが、マスターとやりとりすることはできません。
第一話【パソコンの中】
パソコンの中には、不思議な世界が広がっている。
パソコンのユーザーはその世界を知ること...リトルコンピュータワールド 第一話【パソコンの中】
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「ねえ……このペンダントトップ、もしかして、靴の形をしていなかった?」
巡音さんが遠慮がちに割り込んだ。靴? どうだったかな……。
「壊れる前のは見てないから、わからない」
俺の答えを聞いた巡音さんは、黙ってしまった。
「リン、思い当たるところがあるんなら言ってやれよ」
「う、うん……あのね、こ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十五【君に捧げるガラスの靴】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
クオ視点で、本編七十八話【クオの想い】アナザー七十話【ミクの願い】より、数ヵ月後のクオとミクを書いたものです。
よって、本編とアナザーをそこまで読んでから、読むことを推奨します。
【君に捧げるガラスの靴】
レンと巡音さんがアメリカ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十五【君に捧げるガラスの靴】前編
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リンちゃんの様子がおかしくなったのは、大学二年の終わり頃だった。「体調を崩したからしばらく休む」とのメールが届いて、それきり。わたしはお見舞いに行くとメールしたのだけれど、リンちゃんから「ごめんなさい、今、人に会える状態じゃないの」と断られてしまった。
何が起きたの? また閉じ込められてるとか?...アナザー:ロミオとシンデレラ 第七十話【ミクの願い】
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大学二年の春休み。レンから、突然連絡が来た。いや、連絡自体はもともと取っている。連絡というか、いきなり電話がかかってきたんだ。しかも、今日本にいるという。
「お前、いつ日本に戻ってきたんだ?」
「……二、三日前」
電話の向こうで、レンが答える。何があったんだ。巡音さんを迎えに来れるようになるまで...ロミオとシンデレラ 第七十八話【クオの想い】
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「うわ……俺だったら撃てねえ」
ああ、クオは射撃、やってるもんね。クオが進学を決めた大学は射撃部があるので、大学に入ったら部活はそれにするって言っている。もっとも、まだ動かない的しか撃ったことがないから、あの状況じゃ撃てないだろう。
トラヴィスが銃を撃つと、二匹は倒れた。まさか……と思ったけど、...ロミオとシンデレラ 外伝その三十一【愛すべきわめき屋へ】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
ミク視点で、ミクとクオが大学に入る直前の話です。
それが頭に入っていれば、読めると思います。
【愛すべきわめき屋へ】
高校を卒業した、春休みのある日。特に予定も入っていなかったので、わたしは自宅でのんびりと過ごしていた。クオも今日...ロミオとシンデレラ 外伝その三十一【愛すべきわめき屋へ】前編
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日曜日、わたしはクオと居間でゲームをしていた。例によって、音楽ゲームで対戦中。受験生だけど、たまには息抜きも必要だもんね。
「くそっ、また負けた」
クオがそう叫んで、コントローラーを投げた。……ふふん、連勝記録更新っと。
「そろそろ音ゲーやめて別のゲームにしようぜ」
「じゃあ、ダンスゲームを……...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十話【ミクの涙】
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日曜の午前、俺はミクとゲームをしていた。受験生のくせに悠長なって? 普段はちゃんと勉強しているよ。これは、勉強の合間のささやかな息抜きって奴だ。
「くそっ、また負けた」
俺はコントローラーを放り投げた。ゲームとはいえ、負けるのは悔しい。
「そろそろ音ゲーやめて別のゲームにしようぜ」
「じゃあ、ダ...ロミオとシンデレラ 第六十五話【クオの苛立ち】
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
クオの視点で、三年に進級した春頃の話です。
よって、本編を第六十話【わたしは夢に生きたい】まで読んでから、読むことを推奨します。
【クオの憂鬱】
基本、高校では昼休みに昼食を取る。無味乾燥な授業の合間の、憩いの一時。多分、大抵の奴...ロミオとシンデレラ 外伝その十七【クオの憂鬱】
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期末が終わると、わたしは家中をクリスマス仕様にする仕事に取り掛かった。もちろん全部の部屋じゃないけれど、お客様が入る可能性のあるところはできるだけ飾り付ける。当然、クオにも手伝ってもらった。努力の甲斐あって、とても素敵な出来栄え。お父さんとお母さんも「ミク、今年はすごいわね」と褒めてくれた。
そ...アナザー・ロミオとシンデレラ 第五十一話【ミクとミスルトゥ】
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クリスマスに巡音さんが家に来ると言ったところ、レンは俺の誘いをあっさり承諾しやがった。……何から何までミクの考えどおりってのが、実に面白くない。
……クリスマスか。奇跡でも起きて、あの二人とっととくっついてくれないものだろうか。
ミクはクリスマス準備に大わらわで、家の部屋を――さすがに全部じゃ...ロミオとシンデレラ 第五十六話【クオとサプライズ】
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月曜日、リンちゃんの席はまた空だった。またお休みかあ……心配になったので、メールを送っておく。ついでにクオにも、お昼のお誘いをかけておいた。
昼休み、わたしが携帯をチェックすると、リンちゃんからメールが入っていた。「ごめんね、ミクちゃん。実は階段から落ちて入院することになったの。でも大したことな...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十四話【ミクとお見舞い】
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月曜の昼休み、俺はミクから、巡音さんが階段から落ちて、入院する羽目になったと聞かされた。
階段から落ちただけならドジだなあ、で、済むが、入院となると大事だ。何だってまた、と思ったが、ミクも細かい話は聞いていないらしい。
「そういうわけだから、わたし、放課後はリンちゃんのお見舞いに行ってくるわ」
...ロミオとシンデレラ 第四十九話【クオ、部活にて】
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それから一週間ほどして、マリィはまたあたしの店にやってきた。
「こんにちは」
「いらっしゃい。例の薬はどう?」
「おかげさまで、とてもよく効きましたわ」
そう言って、マリィはにっこりと笑った。ふーん、よく効いたのか。……つまんないな。もっと面白いことにでもなってるかと思ったのに。
「カスパルった...眠らせ姫からの贈り物 後編
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注意書き
これは、『眠らせ姫からの贈り物』を題材にした作品です。
ですがろくな話じゃありません。
書き手が趣味に走った結果、原曲とは大分設定や内容が変わった上に、
ジュリア:死ぬほど性格の悪いねーちゃん
マルガリータ:度を越したバカ
と化してしまいました。しかも悪趣味な内容……。
と...眠らせ姫からの贈り物 前編
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昨日リンちゃんはわたしに電話をかけてきて、今日、鏡音君と作業の続きをしたいので部活を休んでもいいかと訊いてきた。もちろんOKに決まっている。無理して出なくてもいい部活だしね。わたしとリンちゃんは、どっちも英会話部に所属していて、わたしが部長、リンちゃんが副部長を務めている。他の部員のうち、半分ぐら...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十八話【ミクの見解】
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ミクとの胃に穴が開きそうなお茶会の後、俺は思い立ってレンに電話をかけた。部活が無しになったから、今日は昇降口で別れてからはレンに会っていない。後になってみると、俺のやったことは色々と不味かったわけだし、一言詫びを入れるのが筋だと思ったからだ。
コウをけしかけたことを謝ると、レンは「自分も言い過ぎ...ロミオとシンデレラ 第四十一話【クオの意見】
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わたしはその日、授業を受けながらクオのことを考えていた。クオがあの男の子に「ミクにちょっかい出すな」と言ったのは、わたしのことを心配してのことだろう。それは間違いない。それ意外に、クオがそんなことをする理由、ないもの。
でもじゃあ、クオはどうしてあの男の子をけしかけるような真似をしたのかしら? ...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十五話【ミクのお茶会】後編
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月曜の朝、いつものようにクオと一緒に登校したわたしの目には、とんでもない光景が飛び込んできた。
いつもと同じ学校の昇降口。そこにリンちゃんと鏡音君と、もう一人髪の長い女の子がいて、更にもう一人男の子――上履きの色からすると一年――がひっくり返っている。鏡音君と女の子はひどく怒っていたけれど、それ...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十五話【ミクのお茶会】前編
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俺の計画は、あっさり破綻した。昼休みにミクからメールが届いたのだ。「鏡音君がリンちゃんに話してるのを聞いたんだけど、演劇部お休みなんだって? 一緒に帰れるね」と書かれている。レンの奴、巡音さんに部活が休みになったこと喋ったのかよ! あいつ、何てことしてくれたんだ! 意趣返しのつもりなのかっ!? き...
ロミオとシンデレラ 第三十八話【クオの後悔】後編
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……コウが巡音さんに一目惚れした時、俺は正直、コウのことも巡音さんのこともどうでも良かった。いや、嘘は良くないな。
はっきり言おう。俺は巡音さんのことを不快に思っていた。巡音さんはミクの幼馴染で親友なのは知っているが、だからといって俺が好意を抱くわけじゃない。本人が俺を前にするといつもおどおどと...ロミオとシンデレラ 第三十八話【クオの後悔】前編
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リンちゃんと鏡音君は順調に仲良くなっているようで、わたしは今日、リンちゃんに「放課後に鏡音君の相談に乗りたいから、またミクちゃんと一緒にいたことにしてもらえる?」と頼まれてしまった。わたしの返事は「もちろんいいわよ」に決まっている。
ついでに何を相談するのかも訊いてみたんだけど、鏡音君の相談とい...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十八話【ミクの要望】
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ミクが「レンと巡音さんをくっつけよう」と言い出したのは、十月の頭のことだった。それから一ヶ月ちょっとが経過した現在、事態は妙なことになってきている。
もともと俺は、この作戦に乗り気じゃなかった。レンとは確かに仲がいいが、他人の色恋沙汰になんか興味は無い。それに、どう見てもレンは巡音さんに興味は無...ロミオとシンデレラ 第三十一話【クオの不満】
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の設定を使った、ハロウィンのショートエピソードです。
おまけ的なものなので、外伝としてのナンバリングはしておりません。
ただし、『ロミオとシンデレラ』を、第三話ぐらいまでは読んでないと、話の背景がよくわからないと思います。
クオ視点で、クオとミク...ハロウィンなんか大嫌い
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わたしの立てた作戦は、概ね成功したと言えるわ。リンちゃんも鏡音君も、遊園地に行くことをOKしてくれたし。クオは相変わらず「上手くいくわけないだろ」って態度だけど、それは教室の二人を見てないからよ。ちゃんと仲良くなってきてるんだから、後もうちょっとで、いい感じになれるわ。間違いない。
リンちゃんの...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十二話【遊園地でのミク】
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とまあ、そういうわけで、俺たちは四人で遊園地に行くことになった。巡音さんは四人で行くという話を全然聞いていなかったらしく――ミクの奴、絶対わざと伏せてたな――呆然としていた。更に俺の方はレンに妙なことを言われたが、真面目に相手をすると俺が精神的に疲れそうだったので、適当な返事だけしておく。
遊園...ロミオとシンデレラ 第二十五話【遊園地でのクオ】
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月曜の朝、わたしが教室に入ると、リンちゃんが鏡音君と話をしていた。見た感じだと、前よりもリンちゃんは打ち解けてきているみたい。……やったわ! クオにはお前の作戦全然効果なかったじゃないかとか言われたけど、なんだかんだで距離は縮まっていたのね。
わたしがリンちゃんにおはようと声をかけると、鏡音君は...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十八話【ミクの奔走】
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「作戦はうまく行ったわっ!」
その日の夕方頃――ちなみに、中間テスト一週間前なので部活は休みである――俺の部屋にノックも無く駆け込んできたミクは、いきなりそんなことを言いやがった。……あのなあ、俺は勉強中だぞ。
「作戦って、なんの」
訊き返す義理はないような気がするのだが――何せ俺は勉強中なわけ...ロミオとシンデレラ 第二十一話【クオと電話】
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注意書き
これは、拙作「ロミオとシンデレラ」の外伝です。
オープニングはミクが高一の時で、そこから子供のころを回想するストーリーとなっています。
【ミクの思い出】
日曜日。わたしは、ふと思い立って、部屋の片づけをすることにした。わたしの家では定期的にお手伝いさんが掃除をしてくれるのだけれど...ロミオとシンデレラ 外伝その五【ミクの思い出】
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
クオとミクが中学三年の時のエピソードで、クオがミクの家に預けられたばかりの頃を書いています。
【クオの決意】
「クオはどこを受験するんだ?」
俺が伯父さんの家に預けられて数日後、伯父さんは俺にそんなことを訊いてきた。
「実はちょっと...ロミオとシンデレラ 外伝その四【クオの決意】
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月曜日、登校してきたわたしは、リンちゃんの席が空なのに気がついた。……いつも、わたしより早く来るのになあ。お手洗いにでも行っているのかな。
自分の席に座って、わたしはぼんやりしていた。普段はリンちゃんとお喋りしている時間。ちょっと手もちぶさた。
結局、始業のベルが鳴る時間になっても、リンちゃん...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十話【ミクの苛立ち】
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その日の昼、ミクからメールの着信があった。見ると、「今日のお昼、一緒に食べない?」と書かれている。ミクからお昼のお誘いか……。
ミクは大体いつも、昼飯は巡音さんと一緒に自分の教室で食べている。故に、俺に声がかかったということは、向こうに何か用事が入ったんだろう。……俺っていざという時のためのキー...ロミオとシンデレラ 第十二話【クオの当惑】
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