ブクマつながり
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「生きていてごめんなさい」
いつからだっただろう。こんな気持ちが湧いてきたのは。
いつからだっただろう。こんな弱音ばかり吐く自分が大嫌いだと思い始めたのは。つまらない人生だと思い始めたのは。
ああ……こんな私が生きていて、ごめんなさい。
「あの子、魔女なんじゃないの?」
「顔は若いのに白い髪なんて…...白ノ娘 ―1―
haruna
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人の縁や出会いと言うものは、本当に不思議だと思う事がたまにある。
初めて会ったきっかけは偶然であったのにも関わらず、その相手との交流が長く続いたり、逆に運命だと信じていた出会いが実はそこまで大した事じゃ無かったり。
……運命の出会いなんてものは経験した事が無くて、本で読んだ事があるだけだけど。...むかしむかしの物語 外伝その2 思い出の祭り 前編
matatab1
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-制御-
鼻に悪そうな薬の臭いで、レンは目を覚ました。
気分は最悪といっていいだろう。真っ白な天井と真っ白な壁に包まれた、白い部屋の中の、白いベッドの上でレンは目を覚ましたのだ。
狭苦しい場所は嫌いだ。一刻も早くここを出て、思い切り走ってみたい。―――けれど、それはい...鏡の悪魔Ⅲ 25
リオン
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-謎-
「嘘…だよな…?」
もう一度、そう繰り返した。けれど、カイトは頷かなかった。
その場にいた全員の視線を浴び、どうしたらいいのかわからず呆然とするレンから、カイトはそっと目をそらした。その行動は、嘘ではないことを表していた。
その空気に耐えかねたようにルカ...鏡の悪魔Ⅲ 21
リオン
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-桃-
その後、特によい案も挙がらず、月は沈んで太陽が地平線から顔を出し始める時刻となっていた。
ゆっくりと朝の支度を始めたメイコはまだ、カイトのことを考えていた。どうしたらレンを渡さずにすむかということもそうだが、何故カイトがそこまで変わってしまったのか、それ...鏡の悪魔 7
リオン
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-炎上-
リングノートを閉じた。
日は既に暮れかけ、電気をつけていない部屋の中はキレイな茜色の太陽と同じ色に染まっていた。
気分もだいぶよくなってきて、部屋の中を動き回るくらいなら造作も無いことになり、その辺をとことこ歩き回っては何か無いかと探しているのだが、何...鏡の悪魔Ⅲ 20
リオン
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-不満-
――何も。
可笑しい、何もおきない。
ただレオンの住んでいるという館に入って、客間に通されるとすぐにリンやレンと同じくらいの年齢であろう、長いストレートの髪の少女が紅茶を入れたポットと四つのティーカップを持ってきた。
怪しいくらいに何も起こらず、初...鏡の悪魔Ⅲ 7
リオン
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-AWAKING-
仕方がない。
気づかれてしまったからには、どうにか始末するか仲間に引き入れるしか方法はないのだ。しかし、彼が仲間を作ることを黙認するとは思えないし、彼女自身も仲間を作ることにまだ意義を見出せないで居るのだから、どうしたものだろう。
今のうちは...鏡の悪魔Ⅱ 4
リオン
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鏡の悪魔Ⅳ
-紅いもの同士-
「ちょっと疲れた…。少しゆっくり帰っても大丈夫よね」
そう独り言をいい、メイコは公園のベンチに座って買い物帰りのエコバッグから『鮭とば』と缶ビールを取り出し、まっていましたと言うように嬉しそうに鮭とばの袋を開き、缶...鏡の悪魔Ⅳ 1
リオン
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-微笑-
少しの間があった。
誰も声を発しない。いや、場の威圧感や空気感に声を発するほどの余裕を持ちきれていないのだ。重苦しい雰囲気がそこ煙のように立ち込め、全員の周りをこれでもか、というほど包み込んでいた。
「リン(ランのこと)やリンちゃん(主のほう)なら、身長差...鏡の悪魔Ⅲ 22
リオン
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-ESCAPE-
二人が目覚めた部屋は最初にリンが通された部屋を同じような造りになっていた。所々違うが、その辺はいちいち上げていられない。まあ、一つくらいはあげておこうか、窓の横辺りにこげ茶の木目が美しい、大きな本棚が置かれていた。
二人――リンとランはまず、部屋の中...鏡の悪魔Ⅱ 5
リオン
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-行動-
いきなり、ズボンのポケットの中にはいったままの携帯電話から甲高い着信音と、バイブレーションをはじめ、レオンはポケットに手を押し込んだ。
白い壁にもたれたまま、携帯電話を片手で開いて通話ボタンを押して、携帯電話を耳元へと持っていった。青い携帯電話はに付けら...鏡の悪魔Ⅲ 24
リオン
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-狂気-
手にかけられていく強い力と、自分の手で愛した人を殺そうとしている恐怖、ただその二つが、レンの理性を奪っていく。この間のようにリンが声を出しているなら、まだ安心感を持てるかもしれないが、リンは苦しそうに顔をゆがめるだけで声を上げることすらできないらしい。
...鏡の悪魔Ⅲ 13
リオン
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-FOX OF FLAME-
ゆっくりと近づいてくるレンは立ちすくみ、自分を凍りついたように見ていた主にそっと手を伸ばした。その手は、リンの細く白い喉へ――。
「きゃあっ」
軽いリンを押し倒し、レンが上に乗るような格好になってレンはその喉へかけた手に、力を入れていく...鏡の悪魔Ⅱ 6
リオン
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-失踪-
結局、殆ど眠れないまま、レンは登校しなければならなくなった。
朝見た限りではランも特に可笑しな様子もなし、レンを意識しているようにも見えず、いたって普通だ。少しばかりの不安を感じながらも、レンはリンに連れられて学校へと向かっていた。
途中、見覚えのある...鏡の悪魔Ⅲ 3
リオン
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-混血児-
体に力が入らない。
手も足も、頬も額も全てが熱を持って、まるでそこに心臓があるかのようにドクドクと血が強く流れていた。息も苦しいし、のども渇いてしまってカラカラだ。
「…。…?」
ふと目を覚ました場所はまるで見覚えのない、豪華な天蓋月のベッドの中で、周り...鏡の悪魔Ⅲ 9
リオン
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-招待-
全速力で、全神経を集中させて逃げても、逃げても追ってくる悪夢は獲物を追う狐のように素早く、狙われた黒兎はそれから逃れるすべを持たない。怯えた黒兎は追ってくる狐を避けるために別の狐に付け入って、狐同士が戦っている間にその場から逃げ去ってしまう。そうして黒兎は囚わ...鏡の悪魔Ⅲ 6
リオン
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私の名前はイヴ
え,苗字?
えーっとねぇ,確か,むーんりっと?
だったかなぁ?
あんまり、覚えてないの
必要ないことだから
私はね
この森の奥の方にあるお家に二人で住んでるの
とっても優しい私のおっとさん
私がお家に帰るといっつも...moonlit bear ……っぽいもの。夢見る女の子が出てきますw……
アリサ
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あのとき少年は、まばたいて問い返した。
『リンは?』
『リンはクマのぬいぐるみ。胸に抱えて寝られるほど大きいもので。いつも寝るときレンを下敷きにしちゃうから、代わりにするものが必要だって』
『……。』
いつか、"リンは寝癖が悪すぎ。おかげでオレがいつも下敷きになってちゃんと寝られないんじゃん"と流し...アドレサンス1.Au revoir(下)
ファンタ
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-DOOR-
ゆっくりと進み出た前に、巨大な扉があった。
三人は結局、あの手紙の通り地図に書かれた住所の場所までやってきて、今その門をノックしようとしていた。
「…いいですか?リンさん、レン」
「…うん」
「ああ」
リン――髪が長いほうといわれていたが、ややこし...鏡の悪魔Ⅱ 3
リオン
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-日記-
ふと目を覚ますと、そこはカイト邸の部屋の一つ、寝室だった。
酷い頭痛がして、頭を押さえてみた。天井は真っ白で掃除がいきわたっているのだろうことがわかる。そこから首を動かして辺りを見回してみたが、殺風景な部屋でどうやらあるのはこのベッドと小さな本棚だけらし...鏡の悪魔Ⅲ 19
リオン
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-終焉-
空は青く広がり、まるで何事もなかったかのように、涼しい風が地をすべるように駆け抜けていく。その風のひとつが、リンの髪を揺らして頬をなでて流れていった。
その表情は決して清々しいとはいえず、険しい表情をしていた。
先ほど、ルカから連絡が入ったのだ。内容は明...鏡の悪魔Ⅲ 26
リオン
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るかに肩を叩かれた男は振り向きました。
そして――――
『 』
次の日の朝、
るかはいつもの様にお店を開ける準備をしていました。
今日は町中が酷く大騒ぎしています。
「今日は随分騒がしいわね。何かあったの?」
るかが近所の人に聞きました。
「あれ?!るかちゃん知らないの!?
ま...円尾坂の仕立屋 第六幕 -青い襟巻の男 弐-
Miyux2
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店に戻ったるかは裁縫箱を取り出しました。
「それにしても貴方も酷い人ね
私を見た途端『初めまして。こんにちは』だなんて
まるで私達他人みたいじゃないの。嫌な人」
るかは笑いながら言うと
最後にあの裁縫鋏を取り出しまして――…
「『だけど仕事は頑張らなきゃ』」
あの口癖を言いました。
「あら貴方、『こ...円尾坂の仕立屋 終幕
Miyux2
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「…さぁ、ようやく仕事も一段落したわ……
私が忙しくてあの人が会いに来てくれないのなら
私の方から会いに行きましょう…」
るかは笑いながら裁縫箱を片付けると
仕度に取り掛かりました。
「あの人驚くかしら…今の私を見たら何て言うかしら…
『もう浮気なんかしないよ』って言うかもね…フフフ」
るかは尚も笑...円尾坂の仕立屋 第五幕 -青い襟巻の男-
Miyux2
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-WELCOME-
「ようこそいらっしゃいました」
門の前で赤黒い可笑しな色の兎が頭を下げた。
「…地獄の入り口へ」
そういった途端、兎の皮がはがれて中にいた“何か”がうごめいてきぐるみを破くと、襲い掛かってくるのだ。恐ろしく歪な何かが。黒くうねうねと動くそれはもは...鏡の悪魔Ⅱ 2
リオン
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A 太い木に首を絞めるように
縄を巻いて 祈りを捧げる
天に昇るのは 若いアナタの
魂の欠片でした
B 割れたお皿を数えましょ
1~9って 1枚足りないじゃない
井戸の中から「ウラメシヤ」って
これはどんな夢?
☆怖い…なんてウソっぽい
もっともっともっと本気出して!...【作曲者様決まりました!】黄泉の国
絵璃七@inが難しくなりました・・・
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-緑-
手紙を持って保健室に戻ったレンは、早速封筒をリンに渡して自分はベッドの横のパイプ椅子に腰掛けた。
「なぁに?これ」
「靴箱に入ってた」
「ふぅん、だれから?」
「そんなこと、俺が知るかよ」
「だれだろう?」
淡い赤の封筒をとても雑に開けて中の便箋を取り出...鏡の悪魔 4
リオン
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-傀儡-
部屋の片隅でレンを包み込んだ光は次第に緩やかになってきて、その光もふっと消えてしまった。ふわりと柔らかい光に包まれていたレンは、無意識に目を瞑っていたらしく、そっと目を開いた。何が起こったのかわからず、恐る恐る目を開いたのだ。
(…?)
「…あれっ…あは、失敗...鏡の悪魔Ⅲ 12
リオン
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[A] 自由になりたいと願いながら
籠に戻った1羽の鳥
古い約束守るために
夢を追うこと見ることやめて
記憶も無くして帰ってきたの
[サビ] 喜び 怒り 哀しみ 楽しむ
全てを忘れた鳥の瞳(メ)から
雫が 一粒 頬を 伝う
泪の意味は―……
― ワカラナイ ―...籠ノ鳥
ありぃ
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-蒼-
甘いハチミツと爽やかなレモンティーの香りで、レンは目を覚ました。
天井に目を向け、何か違和感のようなものを覚えた。天井は灰色の低い天井などではなく、明るい白く整えられたキレイな天井であった。
傍らで二人のリンがお菓子をつまみながら、レモンティーを楽しん...鏡の悪魔 11
リオン
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-悪魔-
ずるずると遅いながらもゆっくりでも、少しずつその場から離れようと、ランはレンを引きずりながら移動していた。ある程度離れた場所に用具箱を見つけると、その陰に隠れて少しだけ魔法を使ってみた。と、いっても、眠っている相手を起こす魔法など無いから、そこは、対象物の重...鏡の悪魔Ⅲ 16
リオン
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-終戦-
手が、震えてしまってどうすることもできない。
自分がしたことを理解するのに、しばらく時間を要した。
嫌な汗が背中を伝い、落ちていく感覚があった。それから何があったのかを考えていたが、自分の立っている場所から下をのぞき見て、やっと何があったのかを理解した。...鏡の悪魔Ⅲ 17
リオン
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-闇と光-
緑のショートへアーと黄色い服装から想像されるものは唯一つ。
「…パイン?」
「初対面でそれ、よく言えるね」
「いや、ごめんなさい。ただもう…そうとしか見えなくなってしまって…」
「ちょっとそこに目ぇ瞑って立っていてください。首をスパッとやっちゃいますから...鏡の悪魔Ⅲ 14
リオン
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-進入-
館へと戻り、レンはリンとランの飛びつき攻撃によって出迎えられることとなった。
「お帰り!遅かったね、レン!」
「もう、リンさんとずっと待ってたんだよ?お姉ちゃんを困らせないで」
楽しそうに言うリンとランを適当に振り払うと、レンは思い切り悪態をついて見せ...鏡の悪魔Ⅲ 2
リオン
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-紅-
二人が夕食を済ませ、随分と疲れも取れたころ、メイコが真剣な面持ちで二人からテーブルを挟んで向かいに座った。
「さあ、本題に入りましょうか。どうしたらいいかしらね、まず、私のほうから話そうかしら。いい?」
「うん」
「はい」
「ここにいるルカは、私の中では二人...鏡の悪魔 6
リオン
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-記憶-
まただ。
また、真夜中に目を覚ましてしまう。
昨日もそうだった。けれど、ベッドから動こうという気持ちになるほどではなかったし、疲れていたからそのまま眠れるだろうと思って、ずっとベッドの中にいたからあんなふうになったのだろうが、まあそれとこれとは別の話だ。起き...鏡の悪魔Ⅲ 5
リオン
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-紺-
暗い青の空を見上げ、レンはため息をついた。
今は午後二十三時五十分。あと十分で、こちらの世界から魔界へと連れ戻されて、もうリンたちには会えなくなってしまう。
窓を大きく開け放し、夜風を胸いっぱいに吸い込んで一気に吐き出し、顔を窓の外にぐっとつきだしたら頬や...鏡の悪魔 8
リオン
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-RISK-
鋭い刃が舞うように宙を切る。
何度か美しい黄金色の背中をかすって、数本のやわらかい毛が床に落ちていくのも気にせず、毛を踏んで刀をかわす。
「避けてばかりではいつまで経っても私は倒せぬぞ!」
『…黙れ。そっちこそ、息切れしているだろ?』
「その言葉、...鏡の悪魔Ⅱ 7
リオン
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-過去-
その声の震えは次第に大きくなり、最後には泣き出してしまうのではないかと思わせるほどになって行った。けれど、ルカは話すのをやめようとはしなかった。
「次の日、私の靴箱に彼からの手紙が入っていました。答えは、ふられました。でも、その文面からは、彼の誠意が垣間...鏡の悪魔Ⅲ 23
リオン
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-声-
声が――。
何故、誰かがこうなるように仕向けたのか、ショックによる一時的なものなのか、一生戻らないものなのかもわからない。ただ、レンはその闇の中で目を覚ますことはできなかった。いや、目を覚ましたくなかった。目を開いた瞬間にこの生活が音を立てて壊れてしまいそう...鏡の悪魔Ⅲ 8
リオン
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-LETTER-
ある日届いたのは緑色の封筒に入った、一枚の地図と走り書きの便箋だった。宛名もなければ差出人すらも書いておらず、切手も貼っていなかったのだから、自分でわざわざ郵便受けに入れて行ったのだろう。
「何だよ、これ。メイコさん?変な手紙来てますけど」
「えー...鏡の悪魔Ⅱ 1
リオン
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-橙-
勢いだけで発した言葉。
苦し紛れでも、誰かを励ますことはできないだろうか?いや、そんなことはない。たとえ目に見えた変化がなくとも、その言葉に何かを感じ取ることは出来るのだと、わかったのだ。少しだけ微かに微笑み、レンは目を閉じた。
「…君もこんな風になりた...鏡の悪魔 10
リオン
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-青-
響いた銃声は、屋上から聞こえたもので、月で逆光となってリンにはそれが誰なのか分からなかったが、少なくともミクとレンには分かったらしく、酷く怯えたような顔をしていた。
「レン、大丈夫?」
「あ、ああ…」
魔法でどうにか動けるまで回復したレンは上半身を起こして...鏡の悪魔 5
リオン
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-接触-
少なくとも、レオンはアンについて何か知っているらしい。あえて追求はしない。レオンは何かを隠し、レンに、そしてランに接触してきているのだ
「嫌な感じがするな」
夕方の六時、鈴は仕方なくアンを探すのをあきらめ、帰路につこうとしていた。隣には今、用を済ませて...鏡の悪魔Ⅲ 4
リオン