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mike: えー、今年も大晦日がやってまいりました
2014.12.31.
mike家 リビング こたつ
「で?」
こたつに入っていたレンがみかんをむく手を止めて言う。
mike: いや、今年の締めくくりをね?(以下:mikeはmとします
「締めくくりもなにも無いだろう!」
季節外れの浴衣を着た...大晦日こたつ会議
みけねこ。
―――――それは、拙者がヴォカロ町を去って半年ほどした時の事でござった。
「……む?」
町はずれに、見覚えのある女を見かけた。
金色の長髪、歌手風衣装、そして背負った大鉾。
「……リリィ殿?」
「ん? ……ん!? がくぽ? がくぽか!?」
「おお!! こんなところで会うとは、久しいでござるなリリィ殿...漢の正義、少女の勇気【蒼紅の卑怯戦士~ボーカロイド達の慰安旅行間の物語】
Turndog~ターンドッグ~
その女子高生三人は、リリィちゃんが亡くなった事をその時は知らなかったんだろうね。彼女の死については、会話の中には全く出てこなかった。
私はその女子たちの会話を、バカみたいだなって思ってた。
女子高生三人が、冗談を交わして雑談だけに思った。でも今思えば、そんなバカらしい事も信じてしまうかもしれない。
...セルフ・インタレスト ―あとがき― 3/3 (おわり)
†B†
なに、男にも事情があったかもしれないって?
は、どんなに事情にしたってそんな男――……、あ、でも、そういえば変な噂あったなぁ。
リリィちゃんが亡くなってから、まだそんなに経たない頃のことなんだけどさ。
確か、七月の末だったと思う。その日たまたまうちの店に来た女子高生が三人いてさ、偶然、こんな話を耳に...セルフ・インタレスト ―あとがき― 2/3
†B†
まぁ、こんなとこかね。私の知る限りじゃ、これがこの話の全てだよ。
リリィちゃんとその彼氏は、最初は上手くやってたみたいだけど段々波長が合わなくなっていったのか、最後にはフラレちまったみたいだ。
いくら明るさが取り柄のリリィちゃんでも、これには堪えたんだろう。
その日私の店に来たリリィちゃんは、覇気が...セルフ・インタレスト ―あとがき― 1/3
†B†
『「何があっても、私の事をずっと愛してくれる人だって、そう信じてるんだ」
一週間程前、浅草のデートで彼に言った言葉を、私は何度も思い返しました。
私は確かに彼の前でそう言いました。けれど実際は、彼の事を信じきれていなかったのです。
だから勝手に一人で不安になり、勝手に動揺し、現実逃避し、苦悶すること...セルフ・インタレスト 18 (♯3)
†B†
「お嬢、聞こえますか、お嬢」
黒いミニバンの中から、携帯を片手に話す30代の男が一人。
鷹取会幹部の一人、佐藤だ。
「聞こえるわ、佐藤。どうしたの?」
「奴が家から出てきましたぜ。どこかに向かうようだ」
「夕飯の買い出しとかそんなんじゃない?大したことないと思うわ。彼はバッグか何か持ってる?」
「い...セルフ・インタレスト 17 (♯3)
†B†
その日だけで一万と五千円という大金が簡単に飛んでいった。全てがお土産代やらなんやらに消えていった。あのミクという女は一体どういう金銭感覚を持っているのだ。
毎回毎回こんなに金を使われたら破産どころでは済まない。そのうち闇金融から金を借りさせられて、法外な利子を取り立てられるのではないかとさえ思ってし...セルフ・インタレスト 16 (♯3)
†B†
「お土産は何にしようか」
そう言いながら左右の屋台を交互に眺めるミクを、神威は悔恨の想いで睨みつけた。
幸い、神威のその態度は気付かれなかった。
彼女は今頃どうしているだろう。不意に、涙を流して泣いている彼女の姿が浮かぶ。
静かに、声を殺して泣いている。しかし次第に声が漏れて、苦しそうに嗚咽を漏らす...セルフ・インタレスト 15 (♯3)
†B†
七月二十三日。
「そうそう、浅草って言えば雷門だよね」
祭りの中、神威の隣を無邪気そうに歩くミクが笑う。それは自分の目にはふてぶてしい笑みとしてしか映らなかった。それに彼女からすればこれはデートをしているように思うのだろうが、断じてそれは違う。
ミクがあまりにこちらに身体を寄せるが故に、周りの人々も...セルフ・インタレスト 14 (♯3)
†B†
どうすればいいんだ。リリィに別れ話を切り出したとして、彼女にはなんて説明すればいい。
別れる理由なんて全くないのだから、説明のしようがない。
他に好きな人が出来たから、とか嘘をついて別れるのか?付き合ってまだ二ヶ月もたっていないのに?そんな理由、俺が女たらしに思われるに決まってる。
じゃあ、リリィの...セルフ・インタレスト 13 (♯3)
†B†
♯3「秘密」
その日は猛暑日だった。まだ六月の上旬だというのに、だ。季節的にはまだ初夏のあたりだと思うのだが、その熱は容赦なく身体に襲いかかる。
じりじりとコンクリートを照らす太陽を恨めしく思いながら、神威は天を仰いだ。
爽やかすぎるほどの空。日の光をさえぎる雲は一つとしてなく、太陽はその直射日光を...セルフ・インタレスト 12 (♯3)
†B†
『彼が別れの言葉を私に告げた時、私は一瞬、時が止まったのかと思いました。
実際私の中の時は止まっていたのでしょう。何秒、いや、何分止まっていたのかはわかりません。
けれど決して長くない時間だったのでしょう。すぐに私はまた人間らしい気分を取り戻しました。
その時が再び動き出した瞬間と同時に、悲しみの感...セルフ・インタレスト 11 (♯2)
†B†
どうやら、倒れてしまったようだった。あまりのショックに心も体も耐えきれなくなったらしい。
目が覚めた時には、保健室のベッドの上で天井を仰いでいた。
偶然駐輪場を通りかかった保健室の先生が、自分の姿を見つけたらしい。それで倒れている自分を、ここまで運んできたみたいだ。先生はそう言っていた。
一方リンは...セルフ・インタレスト 10 (♯2)
†B†
駐輪場と一口に言われるだけでは分からなかったが、ここから一番近いのは学校の駐輪場だ。
階段を駆け下り、校舎の入り口で靴を履き変える。
靴を履いている途中でチャイムが鳴った。もう戻れない。戻った所で遅刻は確定している。
あぁ、一時間目も遅刻したのに、二時間目も遅刻してしまうのか。一体、自分は何をしてい...セルフ・インタレスト 9 (♯2)
†B†
「ね、リリィ」
休み時間に入った。
一時間目が終わっても、リンの熱は冷めることなく、リリィにしつこく質問を投げかけた。
恋人とのいざこざとかスキャンダルとか、リンも気になって仕方ないのだ。
おかげで全く席を離れられない状態で、リリィはそのまま縛られていた。
「だから、何もないってば」
「嘘。じゃあな...セルフ・インタレスト 8 (♯2)
†B†
二人の姿を見つける事が出来なかったので、リリィは仕方なく家に帰った。
帰宅してからもリリィは先程見た光景の事ばかりを考えていた。というか、それしか思い浮かばない。
あの女子は誰だろう。どうして並んで歩いていたんだろう。あの女子と神威の関係は?と次々に疑問が頭の中をループしているのである。
家に帰って...セルフ・インタレスト 7 (♯2)
†B†
♯2「突然の言葉」
『彼とは、大した喧嘩をする事もなく、今まで順調に過ごしてきました。
日曜日には一日一緒に過ごしたり、学校が終わると手をつないで帰ったりして、徐々に彼との距離を縮めていきました。
ところがです。
六月の中旬の頃の事でした。ディズニーランドの件から、ほぼ一ヶ月が経った頃でした。
私は...セルフ・インタレスト 6 (♯2)
†B†
リリィが地元の駅に着いた頃には、もう時計は10時を回っていて、所々人通りも少なくなってきた。
神威の地元駅はリリィの住む場所より二つ先なのだが、「家まで送っていくよ」という神威の提案で、神威もリリィと同じ駅で降りる。
「あのさ、神威」
二人は駅のホームに立っていた。電車がすっかり行ってしまうと、そこ...セルフ・インタレスト 5 (♯1)
†B†
「わぁ……綺麗」
夜七時。パレードの時間帯だった。
一台目のフロートは通り過ぎてしまったが、道の向こうからゆっくりと二台目のフロートが走ってきていた。フロートというのは、祭りなんかに出てくる山車のようなものだ。
全体に散りばめられた青や赤や黄色の電飾が光って、芸術的で幻想的な輝きを醸しだしていた。
...セルフ・インタレスト 4 (♯1)
†B†
「なぁ、メイ」
「なに」
夜七時。たった今お客さんが帰ったのでテーブルを拭いていたら、昨日と同じように、カイトに声をかけられた。れいによって彼はカウンターに座っていて、メイコはそれにめんどくさそうに答えるのだった。
ただ昨日と一つ違ったのは、カイトが絵本を読んでいない事だ。
「今頃リリィちゃん達、幸...セルフ・インタレスト 3 (♯1)
†B†
デート当日の朝、リリィは時計のアラームで目覚めた。携帯が示す時間は6時5分。太陽の眩しい光が窓から差し込んでいた。
昨日は10時に就寝したので寝ざめはいい。天気も運よく快晴で、空には雲一つだって見当たらない。
朝からスッキリ起きられるという事は、なんて気持ちのいい事なんだろう。
早起きは三文の得、と...セルフ・インタレスト 2 (♯1)
†B†
♯1「幸せな一日」
『私がその人と出会ったのは、私が高校三年生の時でした。
まだ冷たい風が肌を撫でる春の頃、私とその人は「クラスメート」という形でお互いの存在を知りました。
見慣れないその人は、どうやらその年になってから、転校してきたようです。
その人を一目見た時の印象は「物静かで堅実そうで賢く頭も...セルフ・インタレスト 1 (♯1)
†B†
はい、お待ちどうさま。お客さん、コーヒーですよ。あとこれ、ガムシロップね。
え、甘いのはいらない?これは失礼。お客さん、大人なんだねぇ。
私は砂糖が入ってなきゃ飲めないんだ。現実の苦さには慣れても、コーヒーの苦さに慣れることは出来ないんだよ。
だけど珍しいね。お客さんくらいの年齢だったらね、ガムシロ...セルフ・インタレスト ―はしがき―
†B†
煌びやかなドレスに身を包んだ女性たち。眩しいシャンデリア。手の中で揺れるワイングラス。私、リンは自分の誕生日会であるというのに酷く退屈していた。美しい殿方に宝石やらネックレスやら送られても私はちっとも嬉しくなかった。ご婦人方や、同い年の女共は上辺だけの言葉で私に言い寄り、皮肉を吐き捨てる。パーティー...
中世パロ
なのこ
その部屋は、暗かった。
光の射さない暗い部屋。湿った石床。壁には深く鉄の輪が打ち込まれ、何本もの鎖がそこから伸びている。
一様に無骨な鎖は、部屋の中央の「それ」に繋がっていた。否、繋がっているなどと生易しい状況ではすでにない。
軽く10本を超える鎖は、部屋の真ん中にある「それ」を…1人の少女を、縛り...【小説】Guild!!! 1-8
とうの。
「ほらよ、約束の『マスターノート』だ。」
リリィの手から差し出された、古ぼけたノート。それを少し緊張した面持ちで、ルカが受け取った。
「ありがと…リリィ!」
「気にすんなって。…そいつにはあんたらのマスターの想いとやらがみっちりと書き込まれてる。特に後ろのほうにあるお前らに向けたメッセージは...蒼紅の卑怯戦士 11~マスターノート~
Turndog~ターンドッグ~
「特殊音波で筋肉を弛緩させたか…!だがそんな小手先の技にやられるようなあたしじゃないぜ!!」
鬼百合を支えに、震える足で立ち上がるリリィ。そしてカイトをキッと見据えると、直前まで足が弛緩していたとは思えぬような踏込で突っ込んだ。
そんなリリィを一瞬だけ鋭い眼で睨みつけ、カイトは漆黒に染まった手...蒼紅の卑怯戦士 Ⅹ~決戦!!VSリリィ②卑怯戦士の猛攻
Turndog~ターンドッグ~
『あれ?』
二つの声が重なった昼過ぎのこと。
一つはリリィを探しに、一家総出で物々しく先頭を歩いていたルカ。もう一つは―――ネルを引き連れて歩いてきたリリィ。
「あら、奇遇ねリリィ。ちょうど私たち、あなたを探してたところよ。」
「そいつぁ奇遇だな。あたしもあんたらを探してたとこさ。」
先...蒼紅の卑怯戦士 Ⅸ~決戦!!VSリリィ①カイト、覚醒…!!~
Turndog~ターンドッグ~
「ふああぁ~あ~…ネルぅ~…ど~だぁ?」
のんびりとしたリリィの声が響くそこは、『改造専門店 ネルネル・ネルネ』のカウンター。カウンターにはリリィの愛刀・鬼百合が横たわっており、その前にはネルが座っていた。
起き出した未だ気怠そうなリリィに気付いたネルは、明るく笑った。
「リリィさん!起きる...蒼紅の卑怯戦士 Ⅷ~決戦の朝~
Turndog~ターンドッグ~
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