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どうして僕は君と同じじゃないんだ
愛しているのに でもずっと傍にいることは許されない でも でも…嗚呼
僕はイタズラ好きな狐の妖怪
町外れにある暗い森に住んでいた
時々森を出て 人間たちにイタズラする 楽しいな
ある日 森に人間の女の子がやってきた
イタズラしようか迷っていたら 女の子が近くに寄って...狐妖怪と女の子【レンリン】
雨音マキ
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
主役の二人が家を出て、一緒に暮らしている時の話です。
従って、本編、及びここまでの外伝を読んでから読むことを推奨します。
【夜更けの出来事】
構造が入り組んでいる文章は、読み解くのにどうしても時間がかかってしまう。それに、そのまま...ロミオとシンデレラ 外伝その四十【夜更けの出来事】
目白皐月
仄暗い水槽に、鈍い銀の円盤がぼんやりと揺れていた。直径二メートルはある体躯は、自律的に動く気配は微塵もない。長い背鰭も、円形の瞳も、ぴくりともしない。
「……これ、生きてるよな?」
思わず呟いたレンの言葉が聞き取れなかったのか、隣で水槽を眺めていたリンがこちらに向き直る。
「どしたの?」
白い...あまくてにがくてあまいもの
穂波
向こうに行く準備が整うまでの間、俺とリンは、俺の家で過ごすことになった。すぐにでも発ちたかったけど、やらなければならないことがある。姉貴も交えてどうしたらいいかを話し合い、次の日から行動を開始した。
俺と一緒に向こうで生活するとなると、当然、今の学校は辞めなくてはならない。相談の結果、リンは向こ...アナザー:ロミオとシンデレラ 最終話【この瞬間よ永遠なれ】
目白皐月
レン君と一緒に家を出たわたしは、しばらくレン君の家に泊めてもらうことになった。その日の夜、レン君やお姉さんを交えて今後のことを相談した結果、わたしはレン君と一緒にニューヨークに行くことにした。レン君は最初からそのつもりだったし、わたしも異論はなかった。ただ、すぐにとは行かない。大学のことがあるし。...
ロミオとシンデレラ 最終話【笑顔と涙とわたしの人生】
目白皐月
リンちゃんの様子がおかしくなったのは、大学二年の終わり頃だった。「体調を崩したからしばらく休む」とのメールが届いて、それきり。わたしはお見舞いに行くとメールしたのだけれど、リンちゃんから「ごめんなさい、今、人に会える状態じゃないの」と断られてしまった。
何が起きたの? また閉じ込められてるとか?...アナザー:ロミオとシンデレラ 第七十話【ミクの願い】
目白皐月
大学二年の春休み。レンから、突然連絡が来た。いや、連絡自体はもともと取っている。連絡というか、いきなり電話がかかってきたんだ。しかも、今日本にいるという。
「お前、いつ日本に戻ってきたんだ?」
「……二、三日前」
電話の向こうで、レンが答える。何があったんだ。巡音さんを迎えに来れるようになるまで...ロミオとシンデレラ 第七十八話【クオの想い】
目白皐月
リンとレンが風呂でハチアワセ。
「リンー?」
「あ、メイ姉、どしたの?」
「風呂沸かしてきてくれないかしら?」
こにゃにゃちわ!鏡音リンちゃんです!
私は今メイ姉ことMEIKOにある頼みごとをされました。
私の大嫌いな風呂掃除。
濡れるのと腰が痛くなるのとあと掃除は全般的に嫌い。
それが全部重なり合...リンとレンが風呂でハチアワセ。
落雷天嫁
もうリンをあっちに置いておけない。そう考えた俺は、姉貴にそう伝え、リンには、「心配している」という内容の手紙を書いて送った。ことは簡単に運ばないのはわかっていたが、何もせずにはいられなかったんだ。けど、リンからの返事は来なかった。手紙を書くこともできないほど、辛いらしい。
じりじりするうちに時間...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十九話【最悪の日々は終わりを告げて】
目白皐月
わたしはどうして、生きているんだろう。
たまに、そう思ってしまう時がある。そういう風に考えるのはよくないのだろうけど、自分が生きているのが不思議に思えることがあるのだ。
部屋に閉じこもって、ミミを膝に抱いて撫でながら、ぼんやりとする。ソウイチさんに殴られてからというもの、わたしはそんな風にして...ロミオとシンデレラ 第七十七話【水晶の心が砕ける時】
目白皐月
大学で何を勉強するのかはかなり悩んだけど、ここニューヨークは舞台の本場だけあって、演劇に関しては教える方も一流だったりする。舞台への強い興味を捨てきれず、俺は演劇を専攻することにした。つぶしがきかないわよ、と、母さんには散々言われたりもした。でも、やりたいことに思い切りぶつかるのもいいかもね、と、...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十八話【君がくれた手紙】
目白皐月
ひどい目にあった次の日、わたしは、お父さんの罵声で目を覚ました。
「リン! お前、どこへ隠れた!?」
わたしは、文字通り飛び起きた。隣では、やっぱりこの声で起こされてしまったらしいハク姉さんが、驚いて目を見開いている。
「出て来い! この、ろくでなしめ!」
思わずベッドから出ようとしたわたしを...ロミオとシンデレラ 第七十六話【泣かせてください】
目白皐月
ずいぶんと時間が経過したように思えたけど、実際はそうでもなかったんだろう。とにかく警察がやってきて、ソウイチさんは連行された。もう大丈夫と言われたので、わたしとハク姉さんも部屋の外に出る。わたしの姿を見たお母さんは、蒼白になって駆け寄ってきた。
「リン!」
わたし、きっと、ひどい姿なんだろう。鏡...ロミオとシンデレラ 第七十五話【生と死の狭間で】後編
目白皐月
その日の夕食、わたしが一階に降りて行くと、ソウイチさんとやらはまだ居た。……帰ったと思ったのに。どうしてまだいるんだろう。
わたしは不快な気分で、食卓についた。お客さんがいるからか、食事の内容が普段より凝っているし、食器も上等なものだ。……きっと、お父さんがそうしろって言ったんだろうな。そうまで...ロミオとシンデレラ 第七十五話【生と死の狭間で】前編
目白皐月
お父さんがわたしに縁談を持ち込んで来てから数日、お父さんはわたしに何も言って来なかった。もっとも、何も言って来なかった、というより、ほとんど顔をあわせなかった、の方が正しいのかもしれない。例によって帰宅が遅いし……。わたしの方も、家にいても仕方がないので、一限から講義がない日でも、その時間には学校...
ロミオとシンデレラ 第七十四話【目は独りでに物を見る】
目白皐月
「巡音さん、大変よくできていますよ」
大学の先生はそう言って、わたしが渡した原稿を置いた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、これ、次の分ね」
どさっとプリントが渡される。わたしはそれを、自分の鞄に仕舞った。
「できたら来新学期が始まるまでには仕上げてもらえる?」
わたしはかかる時間を計算し...ロミオとシンデレラ 第七十三話【わたしの望みは大きすぎるの?】
目白皐月
わたしが大学に入学した年の六月、ルカ姉さんはガクトさんと結婚した。こっちの家に入る形になるので、ガクトさんの方が巡音の姓を名乗ることになる。
こういう家だから仕方がないけれど、大きな式場で、かなり派手な式になった。そしてお母さんに訊いてみたのだけれど、ルカ姉さんは結局、式に対して自分の希望は全く...ロミオとシンデレラ 第七十二話【滅びにいたる門は大きく】
目白皐月
ニューヨークでの新生活は、想像していたのより大変だった。幸いなのは、新学期が九月からとのことで、それまではちょっとだけ、こっちに慣れる余裕があったということ。もっとも、それでもやることは山積みだったが。
転入試験も無事合格し、九月からはこっちでの高校生活が始まった。日本とこっちでは学校のシステム...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十七話【どこにいても君の姿が】
目白皐月
次の週から、わたしは学校に戻った。当然、レン君は登校して来なくて、わたしは淋しさを感じずにはいられなかった。いつもなら、わたしが登校してしばらくすると、レン君が登校してきて「おはよう」って声をかけてくれるの。
「リンちゃん、大丈夫?」
必死で我慢しているわたしに声をかけてくれたのは、やっぱりミク...ロミオとシンデレラ 第七十一話【別れて会えないのは辛いこと】
目白皐月
ずっとリンと抱き合っていたかったけれど、そういうわけにも行かない。明るくなったら、誰かに見つかりやすくなってしまう。だから、俺は暗いうちにリンの家を出ることにした。
脱いだ服を身に着ける俺を、リンは泣きそうな表情で眺めていた。そんな顔しないでくれ。
「リン、俺はもう行くよ」
引き伸ばすと、余計...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十六話【分かれた道】
目白皐月
夜が明ける前に、レン君は帰り支度を始めた。それは仕方がない。明るくなったら、見つかりやすくなってしまうもの。でも……やっぱり淋しい。
身支度をするレン君を眺めながら、わたしは必死で涙を堪えた。こんなところで泣いたりしたら駄目だ。そう思うものの、気持ちは治まってくれない。これから、長い間会えないん...ロミオとシンデレラ 第七十話【朝を告げるヒバリ】
目白皐月
5月1日、天気良好―――俺は自室のベッドに寝転がってアイスココアを飲みながら漫画を読んでいた。
ああ、暇だなあ…とかのんきに考えてるところへ、俺の彼女のリンがやってきた。
白いリボンを頭の上でぴょこぴょこと弾ませながら俺に抱きついてくるリンは世界一かわいい…じゃなくて。
「びっ...【れいあ(元れっちぃ)へ】 鏡音君と鏡音さんとキスマーク 【誕プレでござるよ←】
紅華116@たまに活動。
安心させたところにこんな話をして、大丈夫だろうか……。でも仕方がない。もともと、この話をするために来たんだ。
「……家族と話し合って決めたんだけど、俺、しばらく母さんとニューヨークに行くことにした」
俺の言葉を聞いたリンは、驚いた様子で顔を上げ、こっちを見つめた。
「そんなのおかしいわ。レン君は...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十五話【夜は恋人たちのものだから】後編
目白皐月
二日後の水曜日、俺はハクさんに教えられたとおり、リンの家にやってきた。初めて見るリンの家は、初音さんの家に負けず劣らずの豪邸だった。
すごい家だけど……リンを閉じ込めている茨の城でもあるわけか。ここから、リンを出してやれないのが歯がゆい。
俺は息を大きく吐くと、家の裏手へと回った。ハクさんの言...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十五話【夜は恋人たちのものだから】前編
目白皐月
あ、レン君の話はまだ途中だったんだ。わたしったら、自分のことにかまけてばっかり。
「ええ……ごめんなさい、遮ってしまって」
わたしがそう答えた後、レン君はまたしばらく黙っていた。言いにくい話みたい。安心したのに、また心の中に不安が広がっていく。
「……家族と話し合って決めたんだけど、俺、しばらく...ロミオとシンデレラ 第六十九話【まだ諦めてはいけない】後編
目白皐月
閉じ込められてから、何日が過ぎたんだろう。毎日がほとんど同じ様子で過ぎて行ったので、わたしはだんだん、時間の感覚がわからなくなりつつあった。この部屋には、時計はあってもカレンダーは無いし。
わかったところで、意味はないのかな……。わたし、もしかしたら、もうここから出られないかもしれないんだ。こん...ロミオとシンデレラ 第六十九話【まだ諦めてはいけない】前編
目白皐月
ニューヨーク行きの話が出た翌日、俺が学校から帰ってくると、意外な人がいた。
「初めまして」
「え?」
相手の顔を見て、俺はびっくりして声をあげた。……写真で見ただけだけど、この人は知っている。リンのお姉さんだ。
「ハクさん、ですよね? 引きこもっているって、聞きましたけど」
「あ、うん。今も表向...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十四話【君に続く道】
目白皐月
ああついに来てしまった…。
9時過ぎ。俺達いい子はもう寝る時間。
だが俺には、地獄としか思えない時間…。
「レーンっ!!」
……ああ、来た。地獄の時間が。
「…何? リン」
いつもの事なので分かり切っているが一応、俺は双子の姉、リンに尋ねる。
リンは、可愛くて天然で無防備で…思春期の俺には破壊力があ...9時過ぎの至難
ゆゆほ。
数日が経過した。俺が巻き込まれた――この場合、これでいいんだろうか――トラブルを聞いた母さんは、即座に有休を取り、日本に戻ってきた。
「何も戻って来なくても」
「息子の一大事に引っ込んでられますか。ちょうど有休も溜まっていたし。それに、向こうは『姉じゃ話にならん。母親を出せ』の一点張りだって言うし...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十三話【真実が充分ではない時がある】
目白皐月
閉じ込められてから、数日が過ぎた。外に出してもらえないことを除けば、生活に不自由はない。食事や着替えはお母さんが運んできてくれるし、頼めば本やCDも持ってきてくれる。でも、外に出してもらいのは辛い。外に出て、レン君に会いたかった。
わたしはほとんどの時間を、例の手紙を読んで過ごしていた。
「リン...ロミオとシンデレラ 第六十八話【穢れを知らぬ心】
目白皐月