TUCCAの投稿作品一覧
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A
遠くで喇叭が鳴っている
降り注ぐ光が 鍵盤を奏でる
るららるら
わたしは君を待っている
君が旅立てば 後には もう
何も残らない
B
大きな後悔と 木漏れ日の囁き
ひとり 眠るだけ...resurrection
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A
嗄らしあった夏は いつか消え
果てのない冬の 空を飛んでいる
明るい夜に 一人 灯りを掲げる蛍
A
白い枝先から 飛び立てば
雪が散った 窓から漏れている 光を映した
遠く 笑顔を交わす声
B
真っ白な 憧憬に 立った時には...冬の蛍
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A
たとえば夜
後部座席に居るきみの
寝息を飾るように
たとえば朝
ベットに横たわるきみを
そっと揺り起こすように
B
柔らかく、そして暖かく
ラジオから流れ出すうたになりたい...ぼくはラジオ
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A
「まだ明日は来ないみたい」
いくつもの 君が言う
したたる感情を 項垂れた言葉たちが
エピソードで飾れば 暗い 暗い
A
ただ仄かに甘いみたい
いくつもの 夢が行く
すっかり満たされた 砂漠にひとひらの蝶
喜びを探しに 行こうよ...Opal
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(You don't love me.
You don't leave me...)
A
喉が凍えて 割れるまで息を吸った
僕の言葉に 太陽が翳らないよう
B
ねぇ エライザ
この部屋はもう冬の中
S
「昨日の夜半から 話すこともないのに...Eliza
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世界がみな海へ還るとき
それはわたしたちのからだが
みな 朽ち果てて
わたしたちのこころが
みな 大きな時の胸に抱きかかえられ
同じ歌声となるときだ
"わたしたち"を担ってきたいつかの誰かが
少しずつ複雑に造り上げてきたこのからだが
その折り重なる部屋の一つ一つに宿る
"わたしたち"の記憶全てが...古代へ
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A
離れたことはなかったんだよ、と
言い聞かせて、転がした言葉
滴る水の音が満たす部屋の
月明かりに二人だけの影
B
語ろう、語ろうとした
この夜が少しでも長く続くよう
S
今夜、...それは、昨日越えたはずの夢。
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A
ああ 東京が雨に溶ける匂いと
傘を裂く音 緑青 私は
ああ 黒い土 雨を湛えた器
歩き回る 予感が 割れた
空になって 響いた声 今
S
こんなにもあった互いの言葉を枯らして
喉を詰まらせて 笑った
止むことのなかった君の追憶が尽きたら...loam
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A
夜の食卓には枯れた花瓶と
なんだか黙った心がふたつ
君はずっと何かを言いたげで
ぼくはそれが何かを知っている
きっとぼくらは次の日曜を
二人で心待ちにしないのに
でもさ どうして悲しくはないんだ
大昔からこれを知っていたから
B...明日には
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A
なーんか、眠れないな。今日は。
明日の足音が耳の裏を打つたび、
うと、うと、してくるの、だけど。
なーんか、死んじゃいたいな。なんて、
何も考えていないまま言うよ。
しとしと降る雨を、聞いた?
B
風に揺れる木々は、水溜まりの波紋は、
見えないけれど、夜の街を空想した。...まどろみながら
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A
吸い込んだ日々が あまりに綺麗すぎて
満たされた胸が 虚しくなっちゃうな
吐き出した言葉 そこら中に散らばって
渡り征く僕は まるで星間旅行
B
詰め込んだ荷物は
いつしかサヨナラばかりで
融けだした空が 行く手を阻む
旅立ちを待った部屋の隅から...午前三時、未だ眠る君に寄す
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今覚えていることは みんな
夢で見たことでしょう
目を横切っていくことは みんな
青くなってしまうから
色褪せた退屈を抱き寄せては眠る
大丈夫 みんな みんな 幸せだよ
夜を泳いでばかりの僕らは
見えないことを知らないで
もしくは? 見えないふりをしていた
のだろうか...およいでばっか
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A
大きな川の流れに
魚が泣いた
手を濯ぐ少女
B
洗って 洗っても
後から後から溢れるもの
黒いそれを川下へ流した
S
罪の記憶を背負って歩く...沙ぐ少女
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安寧、確かめたって
一息もつけないくらい 何かに怯え生きていた
平行線どこまでも
そんな今日をいつまでも
繰り返している最中(さなか)
憧れた地に行こうって
蜃気楼で惑わして 醜い僕を切り取った
ああ、そうさ逃げ出そうぜ
悲しみは掬い取って
どこか遠くの声も...ライラ
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突然、泣き出した空が
黒く死んでしまう頃には
僕は見れなくなってしまう、
君の火照ったような赤を!
夏花 割れていく
イヤホンを外せば 体を劈く蝉時雨が
空に消えていくようで悲しくなったよ
午後二時の陽炎 手を引くような熱気と
僕ら 砂漠の中 歩いてきたんだよ
振り切れた湿度計...解熱・改稿ver.
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一、
林檎の中の
きみの顔
熟れながら、赤らみながら
きみは色褪せていく
ランプの中の
きみの瞼
明滅と、混濁のたび
きみは薄れていく
二、...七篇の詩による「秋雨」
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intro
「きっと明日も 明後日も同じことをしよう」
「夢を話したり、泣いたりしてどうしようもなく笑おう」
泣き疲れた雲を 思い出している
A
ああ、気づけば
僕は夏の空の下にいた
鼻を刺す草いきれとか 肌を焦がす光とか
忘れていたんだ
遠い日に押し込めて隠した...スカートと入道雲
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A
「大人にも分からないものを探しにいこう」
「二人だけで そう僕らで見つけ出した
宝物、甘い夢 二人の秘密にしよう」
あの森の向こうには
誰も知らない景色が待っているはずと
そう信じて 走り出した
暮れなずむ空の下 そっと小さな手を取って
B
ラララ、どこまで来たのか どこまで行くのか...(題名未定)
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A
鮮明な走馬灯みたいな
明日が僕の前を流れている
校庭を探し歩くように
消えた映画の先を求めていたの
『あの子は、昨晩神隠しに遭ったよ』
B
溺れていく声を聞いた
掠れていく色に添って
誰かが零しつづけているようだ...健忘症
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intro
朝焼けが迫る空の青が
逃げ込んで映す夜の色
灼けるような太陽の元へも
どこにも飛んでゆけると
僕らそう思ったのさ
A
遠くなる地平が赤く染まれば
堪えたもの 蹴飛ばしていった
逸る心が求めたのは...青い地平を潜る
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わたしはわたしのなかへ とけてゆく
わたしは わたしを吸って 息をする
わたしは わたしを生かす 理由(わけ)もなく
わたしは わたしだと言う
なぜかは言えないけど
わたしは決して きみを泳がない
ただ きみにとけたいと
思うだけ
水の中の水みたいに
けれど きみはいつまでも...water under water
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A
雨音が僕の心を連れ去って
仕舞う場所はどこでしょう
悲しみが僕の穴を埋めていって
溢れた青に 君がさした傘
A
足元に咲いた花の褪せた色を
「穢らわしい」と蹴ってしまった
訪れる長い夜の遠い空に
誰も彼もが 怯えていた...永遠を弔う
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A
イヤホンを外せば 身体を劈く蝉時雨が
空に消えていくようで 悲しくなったよ
午後二時の陽炎 手を引くような熱気と
僕ら砂漠の中を歩いてきたんだよ
B
針の動かない湿度計
歩けない僕と同じだ この季節は
ずっと ずっとここにいた
サビ...解熱
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A1
明日を願った僕の祈り
その可笑しさに名を付けよう
塞ぐみたいな闇の後で
溶かす温度に名を付けよう
A2
透明な春 遠い場所で
名前も捨てた君を見たの
「残る足跡 心も全て
忘れないよ(う)に言葉にさせて」...Pilgrimages
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A
見渡す限り海ばかりあって
波一つだってないような
陽が刺す音だけが聞こえていて
僕は凪を飛ぶ
B
何日 何週間
いや何百年と飛んでいるような
深い孤独感も いつか消えてしまった
S...名も無き鳥
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A
天井も 入口もない部屋で息をする
ぱらぱらとほどけた声
迎えは来ないだろう
S
よく晴れた日 虹色に雨が降る
窓に真っ白なクジラ 遠くを見ていた
A
幻想と感情が渦巻いて胸を刺す
はらはらと剥がれる意味...想像力のクジラ
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A
空の冷蔵庫
燻ったストーブ
止まった時間
動けない二人
きっと僕ら ここで生まれ
ここで朽ちて行く 淡い光
B
追憶に急かされて きっと僕ら夢を見る
冬が積もっていく音だけがしている...Toumin
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A
浴室の鏡の前に座って
汚れた白いワンピース 裸足の君
暖かな日差し 春の空気
B
鋏を入れる 君の前髪
心の中に嵐の去った朝
S
切りそろえた前髪がさ 悲しく見えたんだ
コメディみたいな...bangs
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A
今日も語り合った話を数えて
幾つの夜を越えただろうか
夜の帳の下 笑うあなたを
畏れてしまう
B
何処にもいけずに 何にも見えないまま
語る 語る 語る
S
そして 枯らしあった愛を投げたら...シェヘル
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A
あまりに静かに 世界は終わった
その朝には 白い光が 目を刺す
B
息を潜めて 光の向こう
懐かしい香り
S
二人 何もない先を 歩いている
何もない所に 立ち尽くすまま
「これからもそうだ」と笑うのだ...A White Morning