早瀬道博の投稿作品一覧
-
「ミク」
「マスター、どうされたんですか?」
「この前ミクがいっていた話だけど、ワンオフのミクさんが話をしたいって」
「本当ですか?」
その神波の言葉に、喜ぶ量産型のミク。
「マスター、ワンオフのミクさんは私の思いを受け止めてくれたんです」
自慢げにいう量産型のミク。
(そこまで単純...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章21節
-
『ねえ』
話をしている雅彦とワンオフのミクに、声をかけるワンオフのリンとレン。
「二人とも、どうしたんだい?」
「二人は神波さんと神波さんのミクさんと話すんでしょ?」
「その方向だけど…、どうしたんだい?」
「何を話すか聞きたいの。二人とも、私たちにあんまり話してくれないから気になって」...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章20節
-
「おう、おまたせ」
それからも、色々話を一通りした神波と木下でした後、話が一段落したので、高野を呼んだ二人。
「…話してみてどうだった?」
「木下さん、凄く優しい方ですね」
「…だろ?俺の前だとこんなもんじゃねえぜ。そうだな…」
「…ちょ、ちょっと、何話すつもりよ!」
「…俺たちが二人...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章19節
-
数日後、
「…おまたせ」
「…大して待ってないわよ」
個室になっている喫茶店で先に来ていた木下の元に高野と神波がやってきた。
「…それじゃ、俺は席を外すわ。終わったら連絡くれ」
「分かりました」
高野が注文せずに席を外す。
「…喉が渇いてるんでしょ?何か頼んだら?」
「はい」
「...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章18節
-
「…なあ、リン、マサ兄、どう思う?」
ここはワンオフのレンの部屋。そこにはワンオフのレンとワンオフのリンがいた。
「…いつも通りね」
「…だな、マサ兄、いろんなものに縛られすぎだよな」
「そうね。…マサ兄を縛っているのは私たちだと思うけど」
「…だな。特にミク姉。ただ、マサ兄は自分の意志...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章17節
-
そうしてキッチンで雅彦に紅茶を淹れるワンオフのルカ。カップは先ほどまで雅彦が使っていたカップではなく、ワンオフのルカが手に入れた紅茶用のカップである。カップはもちろん、紅茶用の茶器は一通りワンオフのルカが選んでそろえていた。雅彦はその手の知識はあまり有していなかったが、その審美眼はなかなかものだと...
初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章16節
-
ミクの意志を聞いた雅彦は、早速高野に連絡を取ることにした。
「高野君。ミクの件だけど」
「どうでした?」
「ミクは会いたいっていっていたよ」
その回答は予想していなかったらしく、高野が驚いた表情をしている。
「…分かりました、二人に伝えます。ただ、あいつは先約が入ってるんですよ」
「誰...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章15節
-
「ただいま。…あれ、三人でどうしたの?」
そうして三人で話をしていると、ワンオフのミクが帰って来た。
「…ミクにちょっと相談したいことがあってね」
雅彦がこたえる。
「私にですか?」
「ああ。ミクに会いたいって人がいるんだって」
「何か特別な理由があるんですか?」
ワンオフのミクも、...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章14節
-
「MEIKOさん、KAITOさん、少し相談が…」
「雅彦君、どうしたの?」
「少し、相談に乗ってもらいたいことがあるんです」
「どんな相談だい?」
「ミクに会いたいって話が来てるんです。神波君が悩んでいて、彼のミクさんがそういっているらしいと高野君から聞きました。高野君もこの手の話がどうな...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章13節
-
数日後。
「安田教授。少しお話が…」
「神波君のことかい?」
「半分正解です、正確にはシンのミクちゃんに関する相談なんですが…」
「彼女がどうかしたんだい?」
「彼女がミクさんと話をしたいっている話です」
その高野の話を聞いて、うなる雅彦。
「…すいません、もうこんな提案は数限りなく...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章12節
-
「先輩」
「どうした?」
「少し頼みがあるんですが…」
「何だ?」
「ミクが、ワンオフのミクさんに会いたいっていってるんです」
「…マジか?」
「僕が先輩に嘘をつかないといけない理由なんてないですよね?」
「まあ、そうだが…。ミクちゃんだってなんか理由があっての提案だろ?」
「僕と...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章11節
-
一方神波と量産型のミク。相変わらず神波は悩んでいるのか、言動に元気がない。
「マスター、どうしたんですか?」
神波が作っている曲を歌った量産型のミクが尋ねる。
「何でもないよ…」
「マスター、どうしてそんな嘘をつくんですか?」
その量産型のミクの言葉に、黙ってしまう神波。そうして二人を沈...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章10節
-
「…お疲れさま」
帰りの車中。ワンオフのミクをねぎらう雅彦。
「ありがとうございます」
雅彦のねぎらいの言葉に笑顔になるワンオフのミク。
「疲れたかい?」
「…疲れましたけど、それ以上に園児のみなさんに元気をもらったから。私は大丈夫です。雅彦さんこそ調整が大変だったんじゃないですか?」
...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章9節
-
そうして、ライブの時間になった、ライブの会場になる大きな部屋に集まる園児たち。雅彦は一番前の中央でしゃがんでいた。一本のペンライトを持っている。園児たちも、ペンライトを持ったり、事前に頼んでいたグッズを持っていたり、ワンオフのミクのバースデーライブのシャツを着ている園児もいた。時間になると演奏が始...
初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章8節
-
「いただきます」
『いただきます』
ワンオフのミクの唱和に他の全員がこたえる。そして昼食を食べ始める一行。園児はおいしそうにカレーを食べている。
「…お疲れさま。午後、時間通りライブはできそう?」
雅彦は飲み物を一口飲んだ後、坂井の所に行く。
「はい、トラブルはなかったですし、リハーサル...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章7節
-
そしてしばらくして、児童養護施設の調理室に雅彦とワンオフのミクと園児たちがいた。全員で分担して調理をしている。作っているのはカレーとサラダで、カレーに関してはほぼ終了しており、今はサラダを作っていた。手慣れた様子でサラダの具材を切る雅彦。
「安田教授」
雅彦の隣でサラダの具材を切っている園児の...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章6節
-
そして、児童養護施設でのミクのライブ当日。施設の駐車場に数台の車が止まっていた。その中の一台から雅彦とワンオフのミクが出てくる。
「それじゃ、設営はお願いするね。僕は園長に挨拶してくる」
「分かりました」
別の車から出てきた坂井に声をかけた後、施設の中に入る雅彦。一方坂井は他の人間の声をかけ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章5節
-
しばらくして、泣き止む木下。
「…なんでこんな面倒くさいのとつきあってるのよ」
顔をぐしゃぐしゃにしながら木下がいう。木下自身は、自分が泣いている時に周囲に顔を見られないように高野が対処してくれたことは分かっていたが、どうしても素直に感謝の気持ちを言葉にできない。
「…そんな面倒くさい奴とつ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章4節
-
そのころ。高野と木下は会っていた。人目を忍ぶように人があまり来ない所を選んでいる。
「…で、三人で何を話したの?」
「人間関係の話を色々とな。俺たちの関係もちょっとだけ話に出した」
「あなたは大切な後輩をよっぽど困らせたいみたいね。そんな話、万能な解決策なんてないわ」
突き放すようにいう木...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章3節
-
一方の雅彦は、午後は児童養護施設のライブの練習に参加していた。ライブに関しては、施設側からライブを行う部屋のデータを送ってもらい、そのデータを元に仮想的に部屋を再現した上で機器の配置やワンオフのミクの動きを決めている。練習するミクを真剣な表情で見る雅彦。雅彦自身に課された役割は、基本的にはバースデ...
初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章2節
-
「マスター、お帰りなさい」
帰って来た神波を出迎える量産型のミク。
「安田教授とのお話、どうでした?」
量産型のミクの問いかけに、難しそうな顔をする神波。
「…色々と参考になる話は聞けたけど、同時に考えなきゃいけないことも増えちゃったね」
苦笑しながらいう神波。
「そうなんですか?」
...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章1節
-
「話は終わりましたか?」
「とりあえず、僕が話したい内容は伝えたよ。カフェテリアはどうだったかな?」
「…大学であそこまで良いカフェテリアはそうないですね」
神波の席の隣に座った高野にもコーヒーを出す雅彦。
「何を話したか聞いても良いですか?」
「人間関係に関してと、木下さんと君の話を知...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章30節
-
「…安田教授。話は変わるんですが…」
「どうしたんだい?」
話を一区切りさせて、話題を変える神波。
「先輩と木下さんの関係は、安田教授はご存じだったんですか?」
「…ああ。高野君が話してくれたよ。ただ、高野君曰く、木下さんは僕に話すのはあまり乗り気ではなかったらしいけど。高野君が説得したら...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章29節
-
そして、土曜日の朝9時ころ。
『おはようございます』
「二人とも、おはよう」
大山北大学の正門で雅彦が高野と神波を迎えた。
「それじゃ、僕の部屋に行こう。二人の建物や部屋の出入りの権限はこちらで申請しておいたから」
「…ここが安田教授のお部屋ですか」
部屋を見ながら高野が言う。
「あ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章28節
-
そして、翌日。
「シン。この前の安田教授の件だが」
「どうなりました?」
「受けていただけるそうだ。今週土曜の午前だ」
「…良かった」
「今回の件は、安田教授も気にされていたらしくてな。…まあ、あの方らしいが」
「…実は、ミクにも今回の件で僕が悩んでいることに勘づいているみたいなんです...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章27節
-
一方、神波と量産型のミク。二人は雅彦が見ていたアルベルトの記事を読んでいた。
(…やっぱり、安田教授は凄い方だな)
雅彦のインタビュー部分を見ながらそう思う神波。記事を見る側が知りたいであろう情報には端的かつしっかりとこたえている。慣れもあるだろうが、雅彦が分かりやすいようにうまく言葉を選んで...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章26節
-
「…あら、お帰りなさい」
家に戻ってきた雅彦をワンオフのMEIKOとKAITOが迎える。
「用件はすんだかい?」
「…ちょうど良い相談相手がいたので助かりました」
微笑む雅彦。
『…そう』
対照的に二人は神妙な表情である。
「…雅彦君」
「どうされました?」
「…その、何でも自分...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章25節
-
「…良かった、いるね」
「…安田教授、どうされたんですか?」
数日後、安田研究室に姿を現した雅彦。研究室には成田と脇屋がいた。
「…二人とも、ちょっと相談に乗って欲しいんだ」
「安田教授がですか?」
意外そうに脇屋が聞き返す。
「うん、時間はあるかな?」
「…大丈夫だよな?」
「そ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章24節
-
「…あら、ミク、どうしたの?」
雅彦の部屋から出てきたワンオフのミクに声をかけるワンオフのルカ。
「…雅彦さんがこの前のオフ会で会ったPさんと話をするって言う話を聞いて…」
「…雅彦君がPと会うのは珍しいね」
「…そうね、研究室を含めたお仕事や、オフ会以外でPと会うのは珍しいかもしれないわ...初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章23節
-
その後、雅彦は記事を読んでいた。記事はアルベルトの記事で、今回のワンオフのミクのバースデーライブに関する記事で、複数回に分けて書かれた記事の締めくくりの記事で、今までの記事の総括的な内容である。記事にはバースデーライブの千秋楽後のオフ会についても触れられており、雅彦が参加していた話や、後日受けたイ...
初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章22節