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「私たち、別れようか」
散歩にでも行こうと誘われて、夜の公園のベンチにたどり着いた時に彼女は唐突にそう告げた。
「何がいけなかったんですかね」
「んー、特別嫌なことがあったわけではないけど、そろそろ限界かなって思ったんだよね」
「これ以上はいられないと、そういうことですか」
「まあ平たく言えばそう...【キヨリリ】まちがいさがし【キヨテル誕】
ゆるりー
それはただの思いつきだった。
保育園からの長い付き合いだけど、ずっと同じ関係性のままではつまらないから、何かの真似事をしようと言ったのは高校二年の夏だった。何かって何を、と彼が笑うので、私は真っ先に思いついたことをそのまま口にした。
「コイビトとか?」
「恋……いやいや、ちょっと待ってください」...【キヨリリ】影を踏むばかり【Lily誕】
ゆるりー
「…大好きだよ、また来世」
そうして、この宇宙は救われた。
中心にいるのは、ある惑星の救世主であり、結果的に宇宙をも救った勇敢な少女。その青い目から涙を流す姿は、まるで絵画のように綺麗だった。
一一一これはとある少女の話。
世界を救った勇敢な少女の話。
恋を知ったばかりの少女の話。
人は...プロローグ
すぅ
その日、私は初めて一人になった。
きっかけは些細なことだった。唯一の家族である兄と口喧嘩になり、頭にきた私は部屋に戻り、リュックに荷物を詰め込んで家を飛び出した。
リュックの中身は一日分の着替えと財布くらいのもの。せめて今日一日くらいは、兄の顔を見たくないと思った。
勢いで飛び出してきたもの...【キヨリリ】わたしの居場所【Lily誕】
ゆるりー
『キヨテルおめでとう~』
「せめて直で言ってくれませんかね?」
今日は師走4日目。つまり僕の誕生日。
氷山キヨテルとしては発売から10周年らしく、ネット上ではそこそこ賑わっているらしい。かく言う僕らのマスターもそのお祝いに参加するらしいけど、それより家にいる僕を祝ってくれ。
日が変わって本当に...特別ではないけれど【キヨリリ】
すぅ
俺と彼女は付き合っていない。
成人式後、高校時代のクラスメイトとの同窓会で再会した彼女は、偶々目が合った俺に話しかけた。
彼女は俺に問うた。恋人はいるのか、仕事は楽しいのか。よくあるやり取りだ。
別に隠すこともないから、「一人で繰り返す無色の日常は退屈だ」と返した。
特に親しい仲でもなかったか...【キヨリリ 】歪む光の射す先に【キヨテル誕】
ゆるりー
高校で出会ったその人は、不思議な女性だった。
息の詰まる授業を終えて、賑やかなクラスメイトに混じらずに、ひとりで本を読む僕は、クラスでも一際地味だったと思う。
だけど本を読みだすと、必ず声をかけてくる女性がいた。
「ねえ、さっきの授業、難しくなかった?」
最初は自分に話しかけられているとは思わず読書...【キヨリリ】夕暮れに染まる恋歌
ゆるりー
私には、幼なじみがいる。
教師を目指している彼とは長い付き合いになるが、お互いに浮いた話もなく今まで過ごしてきた。
その原因が、異性の幼なじみとずっと一緒に遊んでるから、という自分なりの分析はできているのだけど。
恋人とか、深いカンケイというものがよく理解できないまま、結局彼の隣に居続けている。
「...【キヨリリ】甘い誘惑は君だけに【ハロウィン】
ゆるりー
偶然すれ違ったその人に、懐かしい面影を感じて振り返る。
腰まで伸びた輝く金髪、鮮やかな青色の瞳が、ゆっくりとした動きで僕を捉える。
一介の通行人に過ぎない彼女が、同じくただの通行人である僕を見つめたまま動かない。
午前十時、駅前の大きな交差点の信号待ちで、キャリーバッグを引いたその人は声を発した。
...【キヨリリ】瑠璃色の氷上【キヨテル誕】
ゆるりー
まとまらない思考で階段を降りきって、彼女の元へと辿り着いた。
予想していた光景と違うものが視界に飛び込んできて、俺は言葉を失った。
彼女の体は、まるでその場に眠っていると錯覚するほど、状態が綺麗だった。
その場に広がっているはずの、赤色が全くなかった。
血液が流れていない人間などいるはずがない。
現...【キヨリリ】Lost days --下--
ゆるりー
十月三十一日、ハロウィン。
それはかつて古代ケルト人による秋の収穫祭として考えられたお祭りの日。
秋の終わりと冬の始まりを告げるこの夜は、死者が家を訪ねてくるらしい。
魔除けの火を焚いたり宗教的な意味合いが強かったこの海外の祭も、現代のこの国ではお祭り騒ぎの口実として使用されている。
十月に入ればハ...【キヨリリ】迷い子の祈り【ハロウィン】
ゆるりー
「それで、課題は進んでるんですか?」
その声は、私一人に向けられた先生としての言葉。
心の内では何を思っているのか。彼がそれを口に出すことはない。
「手厳しい誰かさんがしっかり勉強教えてくれたおかげで、大体は終わってまーす」
「それは良かった。去年聞いた話では、最後の週にまとめて終わらせたということ...【キヨリリ】モノクローム【Lily誕】
ゆるりー
彼女の瞼が二、三度瞬いた。
数秒遅れて傾げられた首と、いっぱいにクエスチョンマークを浮かべたようなその表情さえ愛おしい。
「いやいや、人にものを教える仕事をしているキヨテルさん?今が何月か言ってみようか?」
「ええと、六月も終盤に差し掛かる頃ですね」
「良かった。時間の感覚が急激にズレたのかと思った...【キヨリリ】砂上のネリネ
ゆるりー
いつまでもずっと、昔からの関係が続くと思っていた。
ただの幼なじみとして過ごした期間が、彼が大人になり始めていることを認めたくなかったのだ。
高校最後の年を迎えた私と、教育実習を明日に控えた彼。
四つも年が離れた私たちがどうして仲良くなったのか。
親同士の仲が良いのは間違いないだろうけど、肝心の本人...【キヨリリ】夜空を紐解く
ゆるりー
「ねえ、明日は出張なんでしょ。準備しなくていいの?」
呼び出された数学科準備室で、未だデスクの書類から目を離さない彼に問いかける。
私が入室して十分程経つが、彼は入室の許可以外に全く言葉を発していない。
人を呼び出しておいて待たせるなんて、という在り来たりな不満はとっくの前に投げ捨てている。
「春休...【キヨリリ】ジェニュイン
ゆるりー
「珍しいね、キヨ先生が先に来てるなんて」
後ろから投げられたその声に、俺は手を振って返した。
柵越しに覗き込んだ世界は相変わらず、独りよがりで自分勝手だ。
「今日の授業、いつもより熱心にノートを書いているなと思ってたんですけど。あの理由が気になって仕方がないから、こうして先に待っていたんですよ」
「...【キヨリリ】Lost days --中--
ゆるりー
この世界はニセモノで満ちている。
恋人たちが眺める夜景はビルの照明が集まっているだけだし、好きだとささやく言葉は他の誰かにも向けられている。
テレビで流れるお涙頂戴な話も一から作った『やらせ』の話だし、今だけ限定と売りつける商品は何の価値もないコピー品。
意識すれば、あちらこちらに嘘の仮面を被った人...【キヨリリ】イミテーション
ゆるりー
「今から言うことは、全部がホントのことだから」
寂れたビルの屋上で、親友は私の隣で呟いた。私は彼女の顔を見つめたが、彼女は空の雲を数えるように、遠くを眺めている。
それから言うことは出鱈目ばかり。確かに彼女はひねくれ者だけど、いくら何でも砂糖はしょっぱくて塩が甘いなんて、冗談も甚だしいんじゃない...【自己解釈】eight hundred【キヨリリ】
すぅ
放課後の屋上は静かだ。
穏やかな時間を邪魔するものは何もなく、ただ二人だけで他愛ない会話をする。
「また、今日も来たの?」
「そちらこそ、毎日毎日飽きないんですか?」
「飽きないね。何も変わらないシンプルな景色はいい。水の味と一緒さ」
「それはいい。退屈な日常を埋めるのにピッタリです」
何度も繰り返...【キヨリリ】Lost days --上--
ゆるりー
リリィは悩んでいた。
それは先月のバレンタインデーのこと。
一応普段から世話になっているという礼としてキヨテルにチョコを渡したのだ。
「おや、リリィさんからチョコをもらえるとは・・・」
「なんだよ、ガサツなアタシのチョコなんかいやなのかよ」
「そんなことないですよ。とても嬉しいです。ついこの間レン君...ホワイトデーのリリィちゃん1
みけねこ。
「失礼しますよーっと」
私は今、掃除のおばちゃんとしてキヨさんの部屋に入っている。
もちろん嘘だけど。
この話の発端は、遡ると昨日の事になる。
「掃除をしましょう!」
食事中、そう切り出したのはゆかりんだった。
「・・・いきなりどうしたの?」
「そうよゆかりん、年末ではないですわよ?」
「いあうざい...日記に隠されて【すぅ家】
すぅ
1 あなたの名前を教えてください
「氷山キヨテルです」
「・・・Lilyです、昔はカタカナだったけどね」
2 年齢は?
「19」
「意外とサラッといいましたね」
「いやー、隠しても意味ないじゃん?・・・そういえばキヨテルって幾つなの?」
「27・・・だと思いますよ?」
「年齢に思いますよつけんなよ」...CPなりきり50の質問!【すぅ家キヨリリ】
すぅ
時刻は、ちょうど10時を回った所だろうか。
シングルのベッドでごろんと、Lilyは何もせずにいた。
寝る気など一切ない。だが、他にすることもない。
最近はマスターであるすぅがかなりあ荘にいることが多い上、親友のるかもこの時間になるとうとうとし始めてしまう。
他の女の子は年下ばかりで、成長に悪影響を及...上書きのキス【すぅ家キヨリリ】
すぅ
「ただいまーっ」
「お帰り。新聞の異動のとことってあるから」
そういう母にお礼をいい、机の上の新聞を取った。
これ見るの好きなんだよなー。
でも、あまり関わりのない先生だと「誰?」ってなるけど・・・。
一通り見ても、今年はそんな異動はないみたい。
つまんないなー、と思いながら退職者のページを開いた。...ありがとう【キヨリリ】
すぅ
「それでね・・・またメリーさんから電話が掛かってきて、そしてメリーさんは言うの・・・『こんばんわ、私メリー。今ね、貴方の後ろにいーるーのー・・・』って」
「ぎゃあああああああああ!!!!!」
外では、ここではかなり珍しい量の雪が降っている。
そんな中、アタシらは真冬の怪談大会をやってるんだけど・・・...涙の味のちょこれいと【すぅ家キヨリリ】
すぅ
「かぁーーーーーーーーーーーーーーーっこいいーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「リリィ、落ち着いてココ教室だから」
後ろの席に座っているミキに諌められ、腰を下ろす。
でも私の目は未だに爛々としてるらしく、ミキは不審者を見るような目つきをしていた。
「はぁ・・・いくらなんでも今...氷山に咲くは百合の花【キヨリリ】
すぅ
はーいこんにちわ!みんなのLilyお姐さんだよっ☆
今日は、初々しいこちらの百合っプルに突撃!
・・・え、なんでこんなキャラなんなのかって?しょうがないじゃん、てかアタシメインの仕事初めてなんだから楽しませてよ。
と言うことで、まずはこちらの僕っ子にインタビュー!
「ん・・・どうしたのLilyさん。...百合かと思いきやまさかのキヨリリ【すぅ家キヨリリ】
すぅ
あーあ・・・。
なーんでアタシだけクラス違うんだろなー。
訳分かんないよ。
しかも担任最悪だし。
よりによって、担任キヨテルかよ・・・はぁ。
「おや、リリィさん・・・校則では髪を染めるのは禁止ですよ」
「うっせぇよキヨテル。しかもこれ地毛だし」
アタシの新クラスの担任、氷山キヨテルは、何かと理由をつ...マジで意味が分からない【キヨリリ】
すぅ