タグ:がくルカ
151件
悪い男(3)~鏡音レンの反乱(下)~そしてがくぽ編
「義兄者(あにじゃ)?」
二階を通り過ぎようとするカイトの背に、がくぽは声を掛けた。
「なに?がっくん」
「打ち合わせは義兄者の部屋ではないのか?」
「うん、今日はバナナイスだし、レンの部屋でやろうと思って」
「ああ、そうですか」
...悪い男(3)~鏡音レンの反乱(下)~そしてがくぽ編
聖 京
『あなたはそちらで元気にしていますか?』
穏やかな午後、便箋にペンを走らせる音が静かに響く。
机の上には、筆記用具と開かれたノートがある。
そして、すぐ近くに置かれた封筒に、宛先は書かれていない。
『あなたと別れて数年経ちますが、私の気持ちはまだ変わりません』
私は知らなかった。
誰かを好きになるこ...【がくルカ】Painful Letter
ゆるりー
悪い男(2)-がくぽの華-
コーヒーの載ったトレイを手に、スタジオに戻ってきた神威がくぽは、目当ての人をすぐに見つけた。
色鮮やかな長い髪、綺麗と可愛いがいい感じで合わさった、魅力的な顔立ち。ほっそりとした姿態に似合わぬ、豊かで形のよい胸。網タイツに包まれた、すっきりと伸びた長い足。黒いミニの...【がくルカ】悪い男(2)-がくぽの華-
聖 京
たった少しのことだけで
----------
「じゃあ、次はここね」
初音先生の言葉で、今日も劇の練習は進んでいく。なんでもないような光景に見えるが、本当はそうでもなくて。放課後の講堂での練習は、私にとって少し特別になっていた。
今日は九月十三日。学園長が失踪してから、一週間が経とうとしていた...【がくルカ】memory【17】
ゆるりー
今年も、この季節がやってきた。
お菓子か悪戯かを選ぶ、甘い甘いイベント。
それが、ハロウィン。
「trick or treat」
それは、魔法の言葉だろう。
その言葉を口にすれば、相手は必ず選択を迫られる。
仮に「treat」を選べば、相手は菓子を与えなければならない。
それが無理ならば「trick...【がくルカ】Jack-o'-lantern【ハロウィン】
ゆるりー
チャイムが鳴る。確か、今のチャイムは授業の始まりを告げるものだったはず。そして、はっとする。昼休みは終わった。やばい。授業、遅刻だ。
そして、先ほどのチャイムと同時に、目の前の彼……神威先生は私を離した。
「授業、始まっちまったなぁ……」
白衣の彼は、静かに笑いながら呟いた。そんな彼とは対照的...【がくルカ】Plus memory【1】
ゆるりー
全ては、唐突に
----------
「はい、できた」
宣言通り三日で台本を完成させたリンさんは、笑顔で台本を手渡した。ちなみに、ここは放課後の講堂です。
「リン……お前、これを三日で……しかも一人で……?」
「先生、リンの執筆速度をなめたら駄目だよ。凄いときは、一日で書き上げて推敲を終えること...【がくルカ】memory【16】
ゆるりー
「ただいまー」
「帰ったでござる」
ぐみとがくぽの声にリリィとカル、リュウトが顔を出す。
「お帰りなさい!」
「リュウト、まだ起きておったのか」
「だってー、おやすみなさいって言いたかったの」
パジャマでモジモジしている。ぐみがそんなリュウトの頭を撫でてにっこり笑う。
「そっかー。そーだよねー家族な...交換日記・最終話
さばいぬ
こうして二人の交換日記が始まった。
その日起きたこと、読んだ本、考えたこと。仕事での失敗や、それについての策を講じたり。
はたから見ればおままごとのような行為だったが、がくぽもルカも楽しげに日々のことを綴った。
直接話すことは難しい。けれど言葉が足りなくて誤解されたままなのも辛い。そんな感情を冷静に...交換日記・二話目
さばいぬ
「がくぽさん、ちょっとよろしいですか」
撮影後の楽屋で着替えていると、扉の向こうから声がした。半裸状態だったがくぽは着流しを軽く引っ掛けてドアノブをまわす。
既に着替えを終えた巡音ルカが立っていた。
「これはルカ殿。お疲れ様でござった」
「はい。がくぽさんにお願いがあるのですが」
楽屋に招き入れて椅...交換日記・一話目
さばいぬ
大丈夫かな……
----------
「えぇ!? 私が……主役!?」
放課後の図書室で、私は驚いていた。そうして自分が今いる場所を思い出して慌てて口を押さえるけど、既に出て行った大声が引っ込められるわけがない。
帰ろうと思って荷物をまとめていたら、リンさんが「ちょっと大事な話があるんだけど……...【がくルカ】memory【15】
ゆるりー
どうしてあなたが?
----------
「見つかんないじゃん……」
帰りのバスに揺られながら、リンさんはブツブツ呟いていた。
「まぁうちの学校にいるといっても、かなりの人数だからね。そう簡単には見つからないでしょ」
メイコは、静かに本を読んでいた。グミちゃんに至っては、ずっと何かを考えている...【がくルカ】memory【14】
ゆるりー
意味わかんない。
----------
「どういうことなんだろ?」
グミちゃんの呟きは、この部屋にいる全員に聞こえていた。
この合宿は二泊三日で、一日目(今日)に大きなイベントはない。それなりにいろいろあったけど、めんどくさいのでカットする。何かハプニングとかがあったかもしれないけど、省略。で...【がくルカ】memory【13】
ゆるりー
あなたが傍にいてくれるなら
もうちょっとながく生きていたいと思った。
【ぽルカ小説】そんな感じで。
胸に違和感を感じながらもずっと放っておいた。
だけどだんだん片方の胸だけが
異様に膨らんでいって母さんと病院に来た。
いろんな検査をした。
一度体験してみたかった
CTスキャンなんかもした。
医者がぽ...【ぽルカ小説】そんな感じで。
ジェニファー酒井さん
知らなかったです、ほんとです。今日が7月31日だとか、その日がどうだとかこうだとか、ほんとに知らなかったです意識もしてなかったです。
たまたまです、ほんとです。今日はたまたま仕事もなく、たまたま特にすることもなく、たまたまちょっと出掛けてみようかと思っただけです。
知らなかったです。ほんとですよ。ほ...【ぽルカ】 いつか桃色に染まるまで 【がくぽ生誕祭】
ねこかん
「5人で泊まりがけのレコーディング?」
言われた言葉を鸚鵡返しにすると、お姉様の形の良い眉が申し訳なさそうに下がった。
お風呂から上がって、お姉様と二人で紅茶を飲んでいた時のことだ。
「ルカが来る前に5人で歌ってたシリーズなのよ。ユーザーの人気が根強くて、続編を作ることになったんだって」
へぇ、と相...【ぽルカ】thinking about you
キョン子
叶わないけれど、せめて最後だけは。
僕の未来が、色づいていればいい。
僕も気づけば高校生だ。
学生は基本勉強と戦っているが、僕はもう一つの戦いがある。
僕は生まれた時から、他の人より心臓が弱かった。
小さいころから心臓の病気と闘って、最近ようやく落ち着いてきた。
そんな僕の唯一の楽しみは、漫画でも...【がくぽ誕生祭】サヨナラの前に一つだけ【がくルカ】
ゆるりー
鈴のように美しい声が好きだ。
桃色の滝のようなその髪も。
時折揺らめく神秘的な瞳も。
その全部。全部全部全部。
大切すぎて…近づくことすらできないほどに。
「…で、まーた僕のところに来たの?」
呆れたようなカイトの声に、窓の外を眺めていた青年…神威がくぽはギクッと肩を揺らした。
放課後の教室。外では...【小説】飛べない鳥が羽ばたくとき
とうの。
どういうこと?
----------
「……で、どうしてこうなった」
バスから降りて最初に見たのは、初音先生が転んでいる光景だった。別に初音先生がよく転ぶのはいつものことなのだが、右足の靴が無くなっている。どういう転び方をしたんだろう。
「どうしたんですか、初音先生」
神威先生が呆れながら問い...【がくルカ】memory【12】
ゆるりー
ここで何が起こる?
----------
「うおー、すげえ!」
クラスメイトである鏡音君――鏡音はこのクラスに二人いるので、レン君でいいだろう――が、窓を開けて叫んでいた。はっきり言うと、うるさい。でも、このバスの窓から見る景色は、本当に素晴らしいのだ。
山の新鮮な空気はとてもおいしい。景色に...【がくルカ】memory【11】
ゆるりー
彼女は、変わらない
----------
放課後、俺は巡音を補習に呼んだ。
「半年ぶりの補習……」
「また体調崩したのか?」
「はい。しかも、よりによって苦手分野の古文だなんて……」
「……国語、得意って言ってなかったか?」
「現代国語だけで、古文とか日本史は苦手なんです……」
話していると...【がくルカ】memory【10】
ゆるりー
その理由を教えて
----------
見てしまった。
彼女が彼に何かを叫び、彼は逃げ出した。その際、彼の表情は恐怖を宿していたことを。彼が苦しそうに、左胸を押さえていたことを。
その瞬間、自分は悟ってしまった。彼は、何かを思い出した。
そして、『起きてほしくないこと』が起きている、と――...【がくルカ】memory【9】
ゆるりー
あなたに聞けばいい?
----------
「信じらんない!」
今は昼休み。お弁当を食べていたらメイコが思い出したように突然キレた。いきなりどうしたんだろう。
「なんかよくわかんないけど、とりあえず落ち着きなよ」
「なんでルカは落ち着いていられるのよ!」
なぜか私に言い返された。私が何かした?...【がくルカ】memory【8】
ゆるりー
君の、その思いに。
当たり前の日常。
「というわけで、神威君の知恵を借りたい」
「人の家に来て第一声がそれって…あと、どういうわけだよ」
ごめんと言いつつも、ルカの顔は完全に笑っている。
どうやら反省する気はないらしい。
「長くなる?」
「うん。上がってもいい?」
「っていうか、もう靴脱いでるじゃ...【がくルカ】気づかない
ゆるりー
あなたにとって、彼女はどんな存在?
----------
「―――といって、ここは……」
二-Bの教室に響くのは、神威先生の声、チョーク、シャーペンを動かす音。いたって普通の光景だ。
私のノートは、言葉で埋め尽くされて真っ黒だ。他の教科とかもそうだけど、日本史とこの古文だけは、ノートを解読する...【がくルカ】memory【7】
ゆるりー
この気持ちの正体は?
----------
「ルッカーーー!」
メイコが私めがけて走ってくる。私は危険を察知し、陸上選手の日本記録ぐらいはあろうメイコの突進(体感)を回避するために、真横にずれる。
そしてスピードを落としたメイコの手が、空を切る瞬間。
「え」
メイコの制服の襟を掴んで、私から...【がくルカ】memory【6】
ゆるりー
あの日、この場所で、私はあの人に出会ったんだ。
----------
昼休み、私はそっと階段を降りる。
旧校舎の一階に、その部屋はある。私は静かに廊下を歩き、その部屋の扉をゆっくり開けた。その瞬間、インクと紙の匂いが私を包む。
そう、ここは図書室。数多の本が集う場所。
この学校の図書室は、...【がくルカ】memory【5】
ゆるりー
薄暗いスタジオの片隅。今日の撮影の主役である2人の美男美女が、見つめあい小さな声を交わし合っている。
スタッフたちは一様に気を利かせ、決して傍には近寄らないようにしていた。
ただはたから見ればどこかぎくしゃくしたその様子は、仲睦まじいご両人の邪魔をしないための心配りというより、触らぬ神に祟りなし、と...【ぽルカ】 ひどいあなたに捕まった
ねこかん
桜。
それは四月に開花する、美しい花。
桜が舞い散る中、花見やスケッチをするのは最高だ。
そんな桜にも、いろんな噂はあるわけで。
それはいいものもあれば、悪いものもあるわけで。
その桜の噂に関係した、ある話もあるわけで。
「ふあぁ…」
ついついあくびが出てしまう。
最近暖かくなってきたからか、とて...【がくルカ】桜舞い散るあの頃へ
ゆるりー
宴から一夜が明けた。
すっかり疲れ果てた私は、この屋敷に泊めてもらった。
そして、異変に気づいた。
いつのまにか眠っていたらしいのだが、目を開けても夜のままだった。
かなり眠っていたはずだが、一向に朝がこないのだ。
「あれぇ…?」
階段を降りる。
「…て、あんたは…」
「っちこそ…まえは…」
階段を...Bad ∞ End ∞ Night 2【自己解釈】
ゆるりー