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春の花が咲く季節。
新しい恋の物語が花を咲かせようとしていました。
ルーナルチカ恋愛学園。
ここは恋を学ぶための学園です。
校庭や校内は、教材にするための様々な学名の花が咲き乱れ、今日もその花を見ながら先生と生徒達が、その花にまつわる恋の物語を勉強しながら花の庭園をゆっくりと見て回っています。
「こ...制服のドレスを着て
sari
山紫水明 小さな村
それはそれはたいそう美しい娘が居た
幼き頃、八卦見から
「この娘は恋をすると、きっと災いをもたらす」
そう言われた
親からは 「恋を決してするな」
そう固く教えられた
十七になる頃、娘は一人の若者に恋をした。
やがて、互いに惹かれ合い
二人は恋に落ちる...短い冬の恋 (短編昔話)
rai。
短編小説『モブの葛藤』
はじめまして、私はとある小説のモブです。
私たちモブは、何かあったときの野次馬だったり
その場の喧騒を表すような時に使われますが
やっぱりモブだって目立ちたいです。
ですが目立っちゃうとモブじゃ無くなってしまうし、
だからと言って味気ない生活を送るのも如何なものかと思われ.....短編小説『モブの葛藤』
愛羅
――ルビー国 路地裏
がつ、と響く鈍い感覚。
それと同時に、錐もみしながら飛んでいく目の前の男。
拳を振り抜いた勢いで、そのまま視線は左後方へ移す。
すでにそこには、鉄パイプを振りかぶった奴が一人。
だが、振りかぶっただけだ。
そこから振り下ろすのに、ざっくりコンマ5秒。それくらいの時間...短編 クフェア編その二~握った拳に宿ったもの~
結野舞弥@一般社会人系Vtuber
大窓から覗く星明かり。
脆木で囲まれ、白布がかけられただけの簡易ベッド。その他には何もなく、背後には闇の中にぼぅっと私の影が映し出される。
民にとっては、「巫女の社(やしろ)」と崇められる聖域。国の内情を知る者からは、「囚われ姫の牢獄」と揶揄されるこの場所。
そんな居場所で、
膝を抱え、外の世界を見...イリーナ短編「巫女の名のもとに」
咲良ましろ
カチカチと歯車がかみ合う音が響いていた。
その音に合わせるように、一つ一つネジを巻いていく。
穴にゆっくりビスを当て、精密ドライバーで一つ一つ捻じ込んでいく。
キリキリという音が鳴って、また一つパーツが組み込まれる。
正直、この音は苦手だ。なんだか、背中がぞわぞわっというするというか、そんな...【短編小説】アウルム編~丑三つ時の夜想曲~
結野舞弥@一般社会人系Vtuber
あの日から数日が過ぎ、文化祭も無事終了した。
生徒会劇の脚本も無事書きあがり、劇の方も無事終了し、元の日常に戻った。
いや、戻ったように見えただけだった。
「……はぁ」
またか、と言わんばかりに作之助のげた箱からあふれ出る手紙の数々。そのほとんどが、嫌がらせのたぐいのものだった。
その原因...「A sunny day after tears」3
結野舞弥@一般社会人系Vtuber
窓の向こう側から、いつも通りのさんさんとした太陽が注ぎ込んでくる。
カーテン越しとはいえ、相変わらずの強い日差しだ。慣れていなければあっという間に参ってしまうくらいの、強い日差し。
でも、僕はこの太陽の日差しが好きだ。
どことなく、生きているって感じがするから。
ふと、本当に何となく、立て...短編 クフェア編~駆け抜けてどこまでも~
結野舞弥@一般社会人系Vtuber
「くりすーたるに、う・つ・る、私(わたし)の、はぁと~♪」
ふふーんと、歌を歌いながら足元を覗く。
校舎屋上、地上100メートル。
うんうん、この高さからだとさすがに地面は見えないかぁ。氷の結晶とかキラキラしてて綺麗だと思ったんだけど見えないや、残念。
今度は空を仰ぐ。
目に映るは青空で、広げた両手...【レウリィ短編小説】「日常と非日常の始まり」
咲良ましろ
朝を迎え、いつも通り身支度をし、いつも通り朝食を済ませ、いつも通り学校へ向かう。
学校へ行けば、普段通りに授業を受け、友人と駄弁り、生徒会室で生徒会の業務を行い、たまにサボっては叱られては、気にせずバカ騒ぎをする。
いつも通りのルーティーン。いつも通りの日常。
そのはずだった。
「名取が来て...「A sunny day after tears」2
結野舞弥@一般社会人系Vtuber
ふわっと窓の向こうから香った風が、ぼうっとしていた頬を撫でた。ほんの少し、眠りにつきかけていた思考回路が、その一瞬だけはっきりと目覚める。
思わず腕時計と、黒板の上にかけられている古めかしい時計を交互に確認。
時刻は午後4時を回ったくらい。
窓の向こうでは、新チームとなった野球部が監督の張り上...「A sunny day after tears」1
結野舞弥@一般社会人系Vtuber
ピンク色の雨、ピンク色の絨毯、あの人の髪に媚びる一欠片ですら煩わしい淡い色
嫌い嫌い嫌い
花見の時期ですねなんて、朗らかな声で流れるテレビなんて切ってしまえ
こんな時期来なくてよかった
こんな季節来なくてよかった
あの人が卒業する日なんて、来なくてよかった
「また会おうな」
お世辞をどうもありがとう...ピンク色の
琳堂
街灯が減り、辺りが暗くなった。
私が生まれた時から決まっている。
自分は歩み続けなくてはならない、手がかりになるのは先に見える街灯の光だけである。
歩み続ける理由はわからない、ただ、なすがままに足を踏み出し、次の街灯へ向かう。
楽だった、何も考える必要が無かったのだ。
何も考えずに、次、次、次…
あ...未来は私の手を引いた
ソラトクモ
泣くな。
和葉、泣くんじゃない。
お前は強い子だ。
俺がいなくても、生きていける。
だから、みんなの事を頼んだ。
お前なら、みんなをまとめれるはずだ。
俺はわかる。
お前が初めてここに来た時から、感づいていた。
お前は、俺より強くなれる。
だから、お前に、後は、任せた。...月光とともに散る
takahiko189
「母の日か……」
俺はふとそう呟いた。
懐かしい言葉だ。
母がいなくなってもう何年経ったのだろう。
……。
思い出せない。
いや、正確に言えば思い出したくない。
思い出そうとすると頭が痛くなる。
痛いのは嫌い。
だから、結局思い出すのをやめる。...記憶の霞
takahiko189
初めてあの花を見たとき僕は、その花に心を惹かれた。
その花は気弱そうで、いつ自然消滅してもおかしくないように思えた。
その花言葉は地域によって様々だ。
「幻」「恋心」「自滅」「孤独」「病」「一途」「絶望」「後悔」など。
他にも花言葉は沢山ある。
しかし、地域が変わっても変わらない花言葉があ...高嶺の花
takahiko189
『裕也さんへ。
私も裕也さんの事が好きでした。
初めての恋の終わりも、裕也さんでした。
お姉ちゃんはこの事は知りません。
お姉ちゃんは知らないほうが幸せだと思います
私からのお願いです。
渡したチョコレートは全て裕也さんへの私の思いです。
だから全て捨ててください。
お姉ちゃんが大好...ほろ苦くも甘い終わり方
takahiko189
クーラーが発売され、暫くした頃エアコンが発売された。
貧乏な俺の家は、そんな高価な物買うお金なんてない。家族3人で生活をするのがやっとだ。
でも、ある日、遅い時間に帰って来て朗報だ、と呟く。
「くじ引きでエアコンが当たった」
俺は、本当かよ、と父を疑った。
しかし、数日後ゴツイ業者の2人が、狭い家に...古びたエアコンと母【短編小説(暇つぶしにどうぞ)】
SaToShi
玩具店の店主、カイくんとその周りで起こる日々の出来事を書いている、このお話。
何となく日常系というか、ゆるふわっぽい感じで書かせていただいてます。
読んでくださっている方、どうも有難うございます。
タイトルにあります様に、主人公はカイくんのはずなのですが、あまり登場頻度は高くないのも特徴です(笑)
...玩具屋カイくんの販売日誌(200) 登場人物の紹介です。
tamaonion
ザーザーと音を立てて雨が降り続いている。
空は灰色で、太陽はどこにも見当たらない…
永遠に続くコンクリートの大地、降り続ける雨
少し寒くて、冷たい世界。
「今日モ世界各地デ、ドシャ降リノ雨ガ降ッテイマス」
雨でびしょ濡れのテレビから、いつものようにそんな声がながれる。
そして少年もいつものように応え...晴れと雨のハザマ 【小説】
ねこじた
僕は棺桶に横たわる親友に花を供えた。たくさんの花に包まれた親友は病気で苦しんでいたとは思えないほど、穏やかな顔をして横たわっている。
不思議と涙は出ないでいた。悲しいはずなのに。
思えば、こいつからは励ましてもらってばかりいた気がする。元来女運がない僕が騙されていたことが発覚した時、こいつは病室...遺された想い
紅孔雀
ニコビレの作業室で、あいかわらず、長電話を続けているデフォ子さん。
その横で、3人が人形を囲んで座っている。
「この、しゃべる不思議な人形の、“謎”が解けるの?」
ミクちゃんが、レイムさんに聞く。
「そうですね。あくまでも想像ですけどね」
レイムさんはそう言って、部屋の中を見回した。
「この部屋。前...玩具屋カイくんの販売日誌(166) “はっちゅーね”の不思議 (その3)
tamaonion
「ぷっ。あ、あっはっはあ」
「こいつ、いい加減にしろよ」
「ご、ごめん…。でもさ、あっはっはっは」
顔をまっ赤にして、怒っているレン君のそばで、リンちゃんは指をさして、おなかを抱えて笑っている。
レン君の頭の上に、針金でとり付けた天使の輪が、プルプルと震えている。
ここは、ゆくりさんのお店、雑貨店「...玩具屋カイくんの販売日誌(162) “はっちゅーね”との、ひととき (その2)
tamaonion
デフォ子さんが入居する施設、「ニコニコ・デザイナーズ・ビレッジ」、通称・ニコビレ。
ミクさんは、彼女と2人で作っている人形の“はっちゅーね”の打ち合わせに、ここに来た。
ティールームでお茶を飲んだあと、2人はニコビレの「作業室」に向かった。
デフォ子さんが部屋の引き戸を開けると、室内には先客がいた。...玩具屋カイくんの販売日誌(161) “はっちゅーね”との、ひととき
tamaonion
雑貨店「ゆっくり」の店の前にやってきた、リンちゃんとモモちゃん。
2人は、店のドアを開けて、中に入ってみた。
雑貨に古書マンガ、アニメのDVD、キャラクター雑貨などが、いろいろと置いてある。
「いらっしゃいませ~」
店の奥から、のんびりした声が聞こえた。でも誰も出てこない。
「ゴメン、ちょっと手が離...玩具屋カイくんの販売日誌(160) デビちゃん、売り出し作戦開始 ~その5。
tamaonion
猫は奇跡を信じた。
生物のほとんどが死んで自分だけが生きているこの状況の中でも、きっと美味しいキャットフードがあることを。
だから猫は歩いた。
倒れた電柱を飛び越え、干からびた人間だったものを乗り越え、電車は来ないとわかっている踏み切りを、でもそわそわと辺りを見渡して耳を澄ませてから早足で渡...猫の奇跡
逢河奏
○中学校の教室
語り「私は、昔から彼が好きだった…。
幼馴染で同じクラス。
幼い頃から真っ直ぐでどこか堂々としてた。
なのに、私にだけは「こいつに近づいたら、たたられるぞ~」なんて意地悪を言う。
私の家は町外れに建つお寺で、墓地がすぐ隣に在るから、彼には格好のネタになってた」
○砂利道
...[シナリオ]菩薩参り[怪談系]
迷夢
「ワタシ、ちょっと“オカルト”っぽいことが好きで、いろいろ想像しちゃうんだけど」
レイムさんは、作っていた粘土の小物を置いて、言った。
「この部屋で、デフォ子さんが“爆発”事故を起こしたときに、不思議な作用が起きたのかもしれない」
「不思議な?」
マコさんが聞いた。
「どんな、不思議なことです?」
...玩具屋カイくんの販売日誌(155) レイムさんの推理
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「なんか、よくわからないけど…」
デフォ子さんは、お茶のカップを机に置いて言った。
「ウワサでは、たまに、人の話にあいづちを打つんだってサ」
話を聞いていたマコさんは、目を丸くした。
「はぁ。でも、それって、中にはいっとるマイクロ・コンピュータで、反応するだけとちがうの?」
アーチスト支援施設の「ニ...玩具屋カイくんの販売日誌(153) はっちゅーねと、不思議な穴
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「ど、どうも…」
こころなしか、そうっと開けられたような扉の陰から、おずおずとのぞき込む顔は、レン君だった。
「おや、いらっしゃい」
吉さんが声をかける。
「へっへぇ、来ちゃいました」
頭をかいて、そっと入ってくるレン君。
夜の時間、「カフェ・つんでれ」は、バーのスタイルで営業している。
いまは、夜...玩具屋カイくんの販売日誌(152) レン君、夜のつんでれに行く
tamaonion
「こんにちは」
「ギャラリー・ゆうひ」のドアを開けて、入ってきたのは、トーイパークのメグさんだ。
「いらっしゃいませ」
にこやかに応対する、ギャラリーの観月さんは「あら」という表情になった。
このギャラリーでは、いま「ハンドメイド展」の真っ最中だ。
いろんなアーティストによる、手作りの作品を展示して...玩具屋カイくんの販売日誌(151) それって“はっちゅーね”でしょう?
tamaonion
「ね、マスター。あそこにある人形、“はっちゅーね”でしょ」
りりィさんは、カクテルを飲みながら、話しかけた。
「そうですね」
グラスを拭きながら、吉さんはうなずいた。
「かわいいわねー」
ゆくりさんも、目を細めて人形を見る。
夜には、バーのスタイルになる、「カフェ・つんでれ」。
ゆくりさんとりりィさ...玩具屋カイくんの販売日誌(150) 「つんでれ」で、はっちゅーねとの夜
tamaonion
「あら、ちょっと素敵なお店ね」
店のドアを開けて、りりィさんは、連れの、ゆくりさんを振りかえる。
「いらっしゃいませ」
にこやかに言うのは、バーテン姿がキマッた吉さんだ。
「まあ…失礼ですけど、イメージ変わりますね」
目をしばたかせる、りりィさんだった。
昼はカフェ、夜はバー。
新しい「カフェ・つん...玩具屋カイくんの販売日誌(149) 夜のカフェ・つんでれ
tamaonion
「これも、わりとカワイイ」ですよね、どう思います?ガクポ先輩」
メグさんは、向かいに座っているカムイさんに聞いた。
雑貨店「トーイパーク」のスタッフルーム。
机の上に、新製品の人形「はっちゅーね new version」 が、ちょこんと置いてある。
この少女のすがたの人形は、言葉をかけてやると、内蔵...玩具屋カイくんの販売日誌(148) ミクさんの「はっちゅーね」
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「いらっしゃいませ」
メイド服を着た、すらりとした女性が、はずむ声で出迎えてくれた。
「あ!」とレン君は声を上げた。
「あら」と女性もまばたきをする。
新しくオープンした「カフェ・つんでれ」。
レンくんは、お得意さまをまわる道すがら、ちょっとこの店に寄ってみた。
店にいたウエイトレス…というか、メイ...玩具屋カイくんの販売日誌(147) 「カフェ・つんでれ」のお兄さん
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「んで、吉さんがウェイターになるの?」
ネルちゃんは、椅子をゆっくり回しながら聞いた。
「うん、まぁ、そういうこと」
「へぇ、吉さんにウェイターの資格があったとはね」
ひやかし半分に、白目をむいて彼女は言う。
ジー出版の、イベント室。
ネルちゃんの同僚の吉さんが、この部署をやめることになった。
新し...玩具屋カイくんの販売日誌(146) オトナの事情
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「よろしくおねがいします!」
「こちらこそ、どうぞよろしく」
「ふふ、いい先輩そうで良かった。ヨロシクお願いします!」
なんだか、昔からの友達のようになじんでしまった、一同だった。
ここは、新進のデザイナーや、創業して間もない、将来有望な企業を支援する施設の「ニコニコ・デザイナーズ・ビレッジ」。
1...玩具屋カイくんの販売日誌(144) ニコビレの新たな仲間!
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「あれ?これ、宝マガジンの新製品?」
レンくんは、かわいい猫の柄のバッグを手にとった。
「この間まで、天使の柄のバッグだったけどね」
「そうね」
りりィさんは、うなずく。
彼女のお店「上海屋」に、きょうは、レンくんとゆくりさんが訪れている。
ちょっとうす暗い空間に、いろんなフシギな雑貨が並んでいる。...玩具屋カイくんの販売日誌(142) オマケ・バッグの新製品
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「失礼します」
そう言って、ドアを開けて入ってきたのは、おしとやかそうな、背の高い女性だ。
「綾奈さんですね」
「はい。よろしくお願いします」
彼女は、椅子に座った。
ここは、絵本作家の重音テッドさんの事務所、「重音舎」。
女性の前に座るのは、テッドさんと、ちょっと年上の男の人の2人。
彼女は、こん...玩具屋カイくんの販売日誌(141) 新しい「カフェ・つんでれ」は!
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「え、新しいカフェ? オープンされたら、ぜひお伺いしたいわ」
りりィさんはそう言って、微笑んだ。
移動カフェ「ドナドナ号」の近くのベンチで、両わきに、妙齢の女性が腰かけている。
心なしか、ちぢこまるように座る、吉育三さんだった。
言葉が、少なくなった彼を見て、料理をしているたこるかちゃんは、笑いな...玩具屋カイくんの販売日誌(139) パクリじゃなくて (サンストリートの広場・Part3)
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