玩具屋カイくんの販売日誌(183) リンちゃん ボディーガード発動!? > ブクマでつながった作品

玩具屋カイくんの販売日誌(183) リンちゃん ボディーガード発動!?

「だんだん、お客さんが増えてきたかしら」

ブースの前に出て、テトさんはコヨミ君に言う。

「そうですね。午後になって、出足が良くなったんでしょう」
コヨミ君はうなずいた。

東京ビックサイトで開かれている「雑貨&コミック・フェア」。

会場のホール1とホール2を使って、いろんな出展者が販売用の机やブースを出している。

コヨミ君は、自分が店長を勤める会社の、リサイクルショップ「鑑定団」として、出展した。
ブースには、彼やテトさんが協力して作った人形の「テト・ドール」のグッズが並んでいる。

ドールのデザイナーであり、デザインのモデルでもあるテトさんも、出展者スタッフとして来ていた。

「テト・ドール」の他にも、コヨミ君が「丸谷プロ」とコラボして作った怪獣のフィギュア、「快獣ウルトラ・ぶースカ」も並んでいる。


コヨミくんは言う。
「この会場なら、いろんな出会いがありますよ。テト・ドールの“メジャー・デビュー”のチャンスも、きっとネ!」

このところ、徐々に人気が上昇中の「テト・ドール」の人形。
いまは、コヨミ君たちのショップのチェーン店をはじめ、雑貨店などで扱われている。

このコミックフェアの会場で、新しい取引の出会いがあればいいと、彼らは考えて出展したのだった。


「そういえば、霧雨さんたちも、となりのホールで出展してるんだよね。どうだろう、彼女たちの調子は…」

コヨミ君はつぶやいた。


●個人コーナーで、売れ行き上々…

コヨミ君とテトさんのいるホール1の奥には、いろんな食品や飲み物を売るコーナーがある。

たこるかちゃんたちの移動カフェ「ドナドナ号」も、そこにいた。

その向こうに、ホール2が続く。
ホール2には、デザイナーや同人誌、フィギュア作家などの「個人出展コーナー」が設けられていた。

そこに、霧雨さんと駿河ちゃんの出展しているブースがある。


「ありがとうございますっ」
商品と、お釣りを渡して、元気よく、駿河ちゃんが言った。

「売れ行き、結構イイねえ」
霧雨さんが、椅子に座って嬉しそうにうなずく。

2人の目の前には、デザイナーの霧雨さんが描いた“ちょっと不思議な”感じのイラスト原画が並んでいる。
メルヘン調のものから、魔術っぽいマジカルなタッチのものまで、いろいろだ。

男女、年齢を問わず、結構、来場者に好評のようだ。


「あ、リンちゃん!」
机の前に立って、会場を眺めていた駿河ちゃんは、声を上げた。

向こうから、2人のブースを目指して、リンちゃんがやってきた。


●心シテ、ヤロウゼ!

「こんにちは。お疲れ様です~」
「いらっしゃいませ!」
笑顔で2人は迎える。

この間、ライブハウスで演奏したリンちゃんにつきまとった男の子たちを、霧雨さんと駿河ちゃんがうまくやっつけた。
それから、彼女たちは仲良くなったのだ。


「わあ、素敵なイラスト!」
「どうもありがとう」

リンちゃんは、魔女が描かれたイラストを、楽しそうに眺める。
「このポストカード下さい!」
「有難うございまーす」

駿河ちゃんが、いそいそと袋に詰める。すると…

「アリガトウゴザイマース!」
ブースの机に置かれていた、「はっちゅーね」人形が、あいさつした。

「あれれ、はっちゅーねだ」
リンちゃんは、思わず吹き出した。

「うん。今日、リンちゃんがここに遊びに来てくれるって言ってたでしょ?」
 にこやかに、霧雨さんが言う。
「でも、この前みたいなことがあったら、私たちと、この“はっちゅーね”で、ボディガードしてあげるからね!」

お釣りを渡しながら、駿河ちゃんがみんなに目配せして教える。

リンちゃんと霧雨さんは、視線の先を見た。
何人かの男の子がこちらを見ている。

「リンちゃんだ」という声も聞こえた。


「また、リンちゃんのブログのファンかな。この間の“追っかけ君”じゃ、ないみたいだけどね」
霧雨さんは腕を組む。

「リンちゃん、人気があるからなあ」
駿河ちゃんもニヤっと笑った。

「大丈夫よ。何かあっても、私たちがいるからサ」

霧雨さんの言葉に続いて、「はっちゅーね」が大声で言った。
「オウ!心シテ、ヤロウゼ!」


リンちゃんは思った。

「ありがたいけど、なんか、自分のイラストの商売より、男の子対策に、もえちゃってるなあ」`s(・'・;)

霧雨さん、ミッションに燃えすぎて、お客さんの邪魔にならないといいですね

投稿日時 : 2013/01/27 17:19    投稿者 :tamaonion

ヘルプブクマでつながった作品とは?

「VOCALOID HEARTS」~第22話・狙われた少女~

「連続暗殺事件…物騒な世の中」
 唄音ウタことデフォ子。MARTで支援を受けて社会復帰を果たしたウタは、小さな広告店でうだつの上がらない毎日を送っていた。基本的にやることといえば、街中で昼前から夕方まで延々とティッシュ配り。彼女は正直、そんな仕事に満足はしていなかった。クールで無気力、それでいて人前に晒すことのないサディエストさを持った彼女にとっては、余計に。
 しかしここまできて、ようやくまともな職を掴んだウタは、再びカイトの世話になるわけにはいかないと思い、贅沢は言えなかった。そうして今日も変わらず長く感じる昼休憩の合間に、自分のデスクに弁当を広げて新聞を読んでいた。15歳にはあまり見られない光景だが、カイトに「日頃から新聞を読め」と言われていたので、その習慣が身についているようだ。テレビ番組覧の裏には、連日この¨暗殺事件¨について大きく報道されていた。
 ¨立て続けに起こる暗殺事件。そして昨日未明、30代と見られる男性が都内のマンションで倒れているのを近隣住人が発見した。警察によると男性は腹部に銃撃を受けており、現在懸命な治療が行われている。男性の身元は現在確認中であるが、アンドロイド平和統括理事会の重役であるとみられ、理事会も独自に調査を開始している。警察は殺人未遂の容疑で、以前の事件と同一犯である可能性もあるとみて捜査を進める方針だ。¨
「…寝よ」

オレアリアさん

オレアリアさん

2015/11/06 18:09

「VOCALOID HEARTS」~第29話・電撃無双~

 もしも亞北ネルという女が、世界のモデル界を魅了するプロポーション抜群の超絶金髪美少女アンドロイドアイドル、なんて存在だったら、どれだけ良かったか…想像していたら、アホらしくなってくる。
 そんな妄想じみたことを考える私は、毎日のように街の警備や要人警護とかの仕事をしている。でも、それは普通の警察活動を行う組織とは少し違って、一都市の軍事防衛を兼ねた「軍警察」とでも言えるか。この軍警察は、通称「AMP」と呼ばれているんだけど、東京の湾内にある大きなアンドロイドの居住区っていうか、特別行政地区っていうか…ああ、も~ややこしい! とにかく、そーいうところを汗水流して守ってるワケ。
 私はAMPの第1師団長・リリィさん直属の部下になるまで、必死になりながら、のしあがっていった。訓練学校を出て下っ端から始まった負けず嫌いな性格の私は、とことん仕事に力を注ぎ、片手間に肉体を鍛え続けた。でも私はそれに物足りず、自分の体を痛めつけてでも、更に体を強化するために研究機関に依頼して自らモルモットになった。その盲目に追い求めた力の代償は、とても大きかったけどね。
 私は戦闘アンドロイドとして、諸々の武器をぶら下げ、時とあれば戦いもやる。すべては、私が愛するAMPが守る街のために。そんな信念があるから、毎日が大変でもこの仕事はイヤじゃない。けど、もっと女らしい仕事がやりたかったなって、今更だけど思ってしまう時がある。心境の変化、ってヤツかな。
「はいは~い、AMPで~す。下がって下がって」

オレアリアさん

オレアリアさん

2013/12/24 20:03

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