ブクマつながり
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――Q.今までに死に掛けた事はありますか?
――A.多分今がそうだと思います。
「見――た――わ――よ――!!」
「な…何かめっちゃ怒ってるっぽいよ?」
「覚悟なさいチャラ男!女の敵には『リトルフラワー』が制裁よ!」
「ちょ…!制裁って…!あっぶねぇ?!」
「うわぁあああああっ?!やったのはクラムだ...DollsGame-27.鳥兜-
安酉鵺
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嫌味な程に良い天気!と言うかぶっちゃけ炎天下?うーん、まぁ夏だから良いか。
「バタフライさん!写真撮って良いですか?!」
「はいはーい♪」
「あ、私達もお願いします~!」
えへへへへへ~ちょっと芸能人みたいな気分♪それにしても、プレート何に使うんだろう?宝物って言うからにはどこかに隠したりとかするの...DollsGame-115.ルリジサ-
安酉鵺
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目の前のカードに段々とイライラして来た。飄々と笑ってるトカゲにはうっすらと殺意すら浮かんでいた。
「あんた…絶対何かしてるだろ?」
「とんでもない。」
「ババヌキでもボロ勝ちって有り得ないだろ!」
「それは君の頭が悪いからだよ。」
「あぁ?!ガキは黙ってろ!」
「ちょっと黙ってて!」
「お?やっと火...DollsGame-57.ルドベキア-
安酉鵺
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俺達は暗号が解けないまま歩いていた。『もしかしたら偶然宝物を見つけられるかも知れない』と言う鳳仙花の言葉に同意した結果なんだけど…。
「う~~ん…やっぱり無いね。」
「闇雲に探しても疲れるだけっぽいね。暗号解くしか無いよ。」
植え込みにへたる様に座り込んだ。
「何か飲み物買って来るわね。」
「あ、良...DollsGame-58.花魁草-
安酉鵺
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案内された衣装室で思わず声を上げてしまった。色取り取りのドレスや着物が森みたいに並んでいた。
「凄ーい!こんなに?!」
「た、確かに迷うわねぇ…。」
「かくれんぼ出来そうだな。」
「ここから向こうは着物で、こっちからドレスになってます。」
服に興味がある方では無いけど、こんなにドレスがあると流石にわ...DollsGame-95.ピナス-
安酉鵺
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流石にマントが熱く、重くなって来た。あの二人一体何時まで逃げるつもりなんだろう…?走り疲れてベンチで休んでいると、数人の子供がこちらを遠巻きに見つつ何やらコソコソ話してる。
「せーの…!それー!」
「飛んでけー!」
子供が持っていた風船を手放し空へ放った。蓄光塗料で絵が描かれた風船は暗闇にぼんやりと...DollsGame-130.シュロ-
安酉鵺
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子供を捜せと言われても…ちっちゃい子って結構大変だよね…うろちょろしちゃうし体力あるし…。何処捜せば良いんだろう?アトラクションは動いて無いからぬいぐるみとかモニュメントとか目立つ所かなぁ?
「花壇さん。」
「ひゃっ?!…は…ハレルヤさん…。ど、どうも…。」
うぅ、この人何か掴み所無くて苦手…。悪い...DollsGame-53.姫百合-
安酉鵺
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走り疲れて考え疲れてその上暑くてバテて来た。いっそシャルロットみたいにさっさと捕まるのもアリかも知れないな。またあの鳥に囲まれたり帽子屋に見付かったりしても面倒だし…。溜息を吐いて顔を上げると目の前を銀色の髪が歩いていた。一般客がさわさわと遠巻きに写メ撮ったりしてる。
「あれ?ハレルヤ?何してんだ?...DollsGame-123.カポック-
安酉鵺
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「おぉっ!なかなかやるぞ!あの黄色!」
「ブチ切れたヲタって恐いのねぇ…。」
「アリエッタの技を完璧にトレースしてる…すごーい。」
「そうじゃなくって!ウサギどうやって捕まえるのよ?!あんなの出て来たら私達も
動けないわよ!」
「女ってこええな…。」
「「「「あんたのせいでしょ!!」」」」
うーん...DollsGame-28.デンファレ-
安酉鵺
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『親指姫は地下深く、もぐらの旦那待たされて
助けに来るのは渡り鳥、お花畑に連れ出そう』
取り敢えずあらすじを覚えていた親指姫を選んだんだけど…モグラなんて出て来たっけなぁ?でも『地下深く』って書いてあるから絞り込むのは簡単だった。この施設の中で一般人が入れる地下はホテルの地下にあるテナントと…。
...DollsGame-79.風露草-
安酉鵺
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ラビットの言葉を信じて教会へ急いだ。途中無線で連絡をしたらしく、他の皆や数名のNPCも集まっていた。教会の入り口にはしっかりと鍵が掛かっていた。
「ここの施錠は何時しました?」
「えっと、掃除が終わってからなので昼前です。」
「昼前…掃除中に入り込んだとしたら。」
「ええ、開けてみましょう。」
鍵を...DollsGame-61.デージー-
安酉鵺
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ブレイクのコールが響いた。辺りは大分暗くなって来た。皆とはぐれてしまったし何より疲れたな。体力勝負では敵わないだろうし、ゲルニカや皆も怪我をしたら大変だな。
「ゲルニカ、どうしようか?」
「ラビット!」
「わぁっ?!…クラム…それにハレルヤ?」
「丁度良かった、貴女にこのプレートを預けようと思ってた...DollsGame-126.グミ-
安酉鵺
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暫く鬼ごっこ状態だったけどバタフライと一緒にハレルヤと花壇の二人を追い詰めた。
「あれぇ?ナス君とクラムさんはぁ?」
「その内来るんじゃない?それより…。」
目が合うとハレルヤは背中に花壇を庇って私とバタフライを交互に見遣っていた。見た感じでもこの二人は戦った事なんて無さそうだし、楽勝所かただのイジ...DollsGame-118.花韮-
安酉鵺
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箱と格闘してどの位時間が経っただろうか、一向に事態は動かなかった。
「少し休憩しては?」
「う~~…もうちょっとな気が…あいたっ!痛~…爪欠けたぁ…。」
「…っ大丈夫ですか?!」
嫌な予感はしていたが案の定だ。
「見せて下さい。」
「えっ?あの…そんな大した事じゃ…。」
「良いから手を出しなさい。」...DollsGame-56.銭葵-
安酉鵺
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マントを着たまま歩いていたせいか、人がすっごく遠巻き。歩き易いったらありゃしない!
「さてさて、グリフォンに化けると言う反則技を披露したシャルロット様、文句と
メッセージがガンガン届いております。」
『ガンガレヲタの星☆<( ̄^ ̄)』
『グリフォンびっくりしました!』
『貴様さては意外とやるな?!...DollsGame-133.ハナトラノオ-
安酉鵺
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足元も覚束ないまま、浬音は涙を零していた。彼が消えたドアから目を逸らす事無く、声を上げずただ止め処なくポロポロと涙が流れていた。
「…どうして泣くんですか…?!あんな目に遭ったのにどうして…?!あの人と居たって
傷付くだけじゃないですか!」
「…るさい…。」
「え?…うわっ?!」
急に胸を強く押さ...DollsGame-86.カラー-
安酉鵺
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『好きなんだろ?』
クラムにそう言われて正直驚いてた。他人に自分の気持ちを察される事等これまで無かった。どうも私は感情と言う物がよく解らない、本や映画を見て涙を流したり、悲惨な事件のニュースを見て怒ったりしている友人と見ても理解出来なかった。頭ではどう言う物か判るが感覚としてそれが何なのか思いも寄ら...DollsGame-124.ハシバミ-
安酉鵺
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うっかり口を滑らせたのは認める、いきなり驚かせたのも認める、だけど…。
「普通蹴るかよ…。」
時間が経ったら腹も立って来た。しかしあの髪、あの顔、小柄で細身な体…どっかで見た事ある気がするんだよな。気になって目が冴えて寝付けなかった。
「何処で見たんだっけな…?」
気でも紛らわせようと少し船内を散歩...DollsGame-19.柊-
安酉鵺
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普段あまり体を動かさないせいか、それとも向こうの体力が桁違いなのかは判らないが…。
「つ…疲れた…。」
「何だよあの2人…特にウサギ野郎!IH級なんじゃね?」
「ちょぉーっと休憩!」
闇雲に追い駆けても得策では無さそうだ、こちらがイタズラに体力を削るだけ。
「少し策を立てる事を提案します。」
「…喋...DollsGame-24.フリージア-
安酉鵺
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放送にあたし達四人は固まっていた。冗談じゃないわ、帽子屋さん相手に戦うとか絶対無事じゃ済まなさそう。
「これ私達に不利過ぎじゃない?!花壇ちゃんとかどうなのよ?!」
「この際花壇と手を組めば安全ではないのか?」
「でもそれだと勝負にならないし…ゲームとして成立しなくなっちゃうんじゃない?」
「うーん...DollsGame-122.エレムルス-
安酉鵺
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怒りと勢いに任せて引っ叩いた事を今更少しだけ後悔してた。話を聞いた方が良かったのかも知れないけど、それが出来るなら後悔なんてしてないだろうし、溜息も出ない。
「随分浮かない顔だね『リトルフラワー』さん。」
「誰?!」
「憐梨さんの代理で派遣されました風名揚羽、コードネーム『ハートのジャック』
です...DollsGame-92.百日紅-
安酉鵺
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冗談じゃないわよ!何なのよこの課題!前回のでそっち系に走るつもりって訳?!
「鳳仙花さぁん…。」
「あれ?花壇も逃げて来たの?」
「だってぇ…。」
「判る、うん判るよ!あのまま居たらケダモノの餌食よね!」
「凄い勢いで探してるみたいです…。」
「ああ~んもう!2人はさっさとクリアしちゃうし…!」
建...DollsGame-37.エピデンドルム-
安酉鵺
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一般客に紛れてても全く気付かれない。流石にあのジャージは印象が強かったんだろうか。楽が出来て良いけどこれでは課題にならないな…。そろそろアリエッタと合流でもしようかと携帯を出した所へさわさわと人の声が聞こえた。
「うぉ!あれ動画の花壇じゃね?!」
「お!マジだ!ちっちゃ!」
「ちょっと待って待って、...DollsGame-119.ジャーマンダー-
安酉鵺
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中断してしまった夕食は再開した物の、やはり皆食が進まない様だった。会話は無く溜息混じりだ。
「大丈夫かなぁ?浬音ちゃん、凄く辛そうだったけど…。」
「うん…ずっとあんな事言われて来たのかな?」
「何処の世界にもどうしようもない奴は居るもんだよね。見てよ、これ。」
ナチ君はそう言って置きっ放しになって...DollsGame-32.カンガルーポー-
安酉鵺
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停電から一夜明けて、いつもの様にロビーに人が集まって来ていた。だけど居るのは男だけで女性陣の姿は無い。人もいつもより少ない、ハレルが少し遅れて降りて4人が揃った時、近くに居たチェシャ猫にそれと無しに聞いてみる。
「何で女達居ないの?」
「あ、課題で移動して貰ってます。」
「課題?今居ない奴もそっちな...DollsGame-75.ランタナ-
安酉鵺
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翌朝、朝食の後に再びロビーに集められた。楽しみな様な、不安な様な…何とも言えない緊張感。
「はぁ~…いっそ誰か撃てとかの方がよっぽど楽。」
「それが楽なのは君だけだと思うよ。スナイパー。」
実際問題昨日みたいな恐い目には遭いたくない、そして出来れば得意分野が良い!そんな祈りを捧げてみた時鐘の音が鳴り...DollsGame-36.猫柳-
安酉鵺
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DNを決めたあたし達は2人を捕まえる方法を8人で相談してみる事にしたんだけど…。
「取り敢えず追い着けないのが問題だよな…。」
「足撃っちゃうとかは?ほら、モデルガンって結構痛いし。」
「却下に決まってるでしょ!」
全然纏まらない、そもそも知り合って間も無いので誰が何を出来るかも不明、協力するにした...DollsGame-25.フロックス-
安酉鵺
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花壇を無事見付けたのは良いが何故三月ウサギが此処に居るんだろう?と言うか話し掛けてはまずかったのだろうか?まぁ悔やんでも後の祭な訳だが。
「痛たたた…頭ぶつけた…。」
「大丈夫ですか?花壇。女性に乱暴は感心しませんね。」
「してねぇよ…。」
「泣いてるじゃないですか。」
「それは…!その…。」
「あ...DollsGame-42.パフィオペディルム-
安酉鵺
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夕食も取る気になれず部屋でぼんやりしていると、ノックと共にスタッフが呼びに来た。何処へ行くかは教えてくれなかった。俺は失格にでもなるんだろうか?
「こちらです、どうぞ。」
重々しい扉が開かれた。ソファに座っている浬音がこちらを少し見遣る。しまったな…こいつが証言すれば嘘がバレるか…?動きあぐねている...DollsGame-87.アヤメ-
安酉鵺
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何処から尾けて来たのか、ルイを気付かれない様に温室の外へと引き摺り出した。
「ぷはっ…!はぁ…ちょっと殺す気?!」
「静かに、気付かれるだろ。」
ここで騒がれるのは正直非常にまずい。気付かれたらどうなる事やら。だけど何処まで知ってるんだ?場合によっては誤魔化せるかな…。
「さっきの事なら別に言わない...DollsGame-99.キンリュウカ-
安酉鵺
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一週間があっという間に過ぎてとうとう課題当日になった。それぞれ別室でドレスに着替えて、今はメイクやアクセサリを整えている。
「ラビット様?どうしました?」
「や…やっぱり私…こんな可愛いの似合わなくないか?!」
「またそう言う後ろ向きな事を…。」
「わ、私は魔女って呼ばれてたんだぞ?!魔女がこんな可...DollsGame-101.山茶花-
安酉鵺
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「…理解不能…。あっつ…。」
自分の汗が顔を伝うのが判った。手紙の示す塔には直ぐ着いたが、入り口には内側から鍵が掛かっていて、かなりあからさまに非常階段の扉が開けられていた。嫌味な程照り付ける太陽の元、塔の外側を伝う様に設置された非常階段を昇っていた。昨日の嵐も鬱陶しかったがこんな時に快晴になるのも...DollsGame-80.群雀-
安酉鵺
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雨の中走った次は廊下走って、弾丸かよ?全く…。
「浬音!」
「…っ!放して!」
「走るな!落ち着けって!」
「鳴兎のせいだ!全部鳴兎のせいなんだから!変な事言うし、変な話するし、
よく解んない事いっぱいするから!熱でも出たらどうしてくれんの?!」
真っ赤になって涙目で文句を言い連ねて居たが、ヤバイ...DollsGame-71.クフェア-
安酉鵺
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早々と課題をクリアしてしまったのでチコリと2人でラウンジでお茶をする事にした。自分達がクリアになった後皆が飛び出して行ってしまったので心配していたが、甲高い声が時々他のプレイヤーのクリアを告げて居たので2人でホッとしていた。
「意外と順調みたいね、一時はどうなる事かと思ったけど。」
「まさか女同士で...DollsGame-43.アロエ-
安酉鵺
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機材倉庫のドアを開けると、夕方だと言うのにまだ蒸し暑い空気が吹いた。倉庫の中を見ると、隅の方で蹲っている姿があった。三月ウサギは慌てて駆け寄ると、ぐったりとした浬音を抱き起こした。
「…浬音!!」
「おい!居たぞ!」
「脱水症状起こしてるわ!誰かお水!早く!」
「医務室連絡して、タオルと氷嚢、それに...DollsGame-84.ハイドランジア-
安酉鵺
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突然現れた三月ウサギは泣いていた浬音をぎゅうっと抱き締めた。
「ふぐ…!ん~~~~っ!!んんんん~~~~っ!…ぷはっ…!」
「お、泣き止んだ。」
「…っの変態!!」
「痛っ…!」
手を解いた三月ウサギの脛にローキック…また地味に痛そうな。
「鳴…『三月ウサギ』さん、何してるんですか?こんな所で…。」...DollsGame-45.竜胆-
安酉鵺
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モニターと機材の山の中、キーを叩く音がカタカタ響いている。
「あ、お疲れー。」
「お疲れ様でーす。」
「昼間の反応どう?停電で規模縮小したから地味になっちゃったけど。」
「そうね、少し反応が薄い感じかな。コメントもちょっと少ないし。」
「ま、この辺は予想内だな。」
「あ、そうそう、報告入ってたんだ!...DollsGame-82.ルバーブ-
安酉鵺
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時々こんな話を聞く。『鍵を置き忘れてオートロックの扉閉めちゃったんだよね』正直言って冗談だと思っていた…が!
「暑い…。」
鍵は持っていたが上着のポケット、ついでに携帯も。暑いからと言って上着を脱いだのが間違いだった。もうサウナ状態の倉庫に閉じ込められてどの位経つだろうか、暑さで眩暈がして喉もカラカ...DollsGame-40.カタクリ-
安酉鵺
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パーティーは随分遅くまで続いてて、半分位の人は酔っていた。未成年だしお酒は飲んだ事が無いので料理を突きながらひたすらソフトドリンクだったけど、色んな人と話してみて楽しかった。少し疲れて壁際の椅子で休んでいるとメールが来た。
『少し抜け出せる?衣装部屋で待ってる。 鳴兎』
衣装部屋?頭に『???』がい...DollsGame-103.花海棠-
安酉鵺
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課題発表から3日、ラウンジで『人形』の5名が自然と集まった。昼食を取った後に皆でお茶でも、と言う鳳仙花の言葉に乗ったのだが…。
「はぁ~~~~~~~。疲れた…。」
「あたしも…。」
「4人共暗いよぉ?エステもあって可愛いドレス着れるんだからもっと気楽にすれば
良いのに。」
「気楽じゃ済まないわよ…...DollsGame-97.日々草-
安酉鵺
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すっかり日が落ちて辺りは暗がりになって来た。ブレイクコールが何人も出て、今残っているのは数人…。一般客を掻き分けながら浬音を探していた。
「花壇…良かった、無事で…。」
「鳴…ウサギさん…。」
「あれ?ウサギ?何で?花壇って帽子屋じゃねぇの?」
「え?二股?」
まずいな…しかし客に説明するのも面倒だ...DollsGame-127.紅花-
安酉鵺
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気が付けば呼び出した鳴兎を皆が囲んでいた。
「ちょーっとお話良いかしら?ウサギさん。」
「ご愁傷様。」
「よく判んないけど面白い事になってるみたいだね。」
「女性に傷を付けるのは感心しませんね。」
「紳士だと思ってたけど変態だったのね!」
「お前が浬音に噛み付いたのか?」
皆に迫られて流石にうろたえ...DollsGame-70.ピンクカーネーション-
安酉鵺
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機材と掃除用具をワゴンに乗せて運んでいる途中、ついつい愚痴が零れた。
「それにしてもこのゲーム案って誰が考えてるんだろうね?社長じゃないんでしょ?」
「みたいだねぇ。」
「面倒って言うか、馬鹿って言うか、まぁ、偉い人の考える事はよく判んない。」
「でも結構楽しく…。」
「アリエッタ―――――――――...DollsGame-91.枝垂桜-
安酉鵺
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人に見られるのも、暑苦しい喧嘩も、何かに執着するのも、実はそんなに好きじゃない。かわそうと思えば幾らだってかわせるし、回避出来る物は出来るだけ回避したい。だけど…。
「お前が倒れるか、俺が膝を付いたら終了だ。」
「な…?!」
「お前は俺に勝てない。今迄も勝った事無いだろう?」
「…なめるな!」
心の...DollsGame-128.夕霧草-
安酉鵺
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パーティーホールは綺麗に飾り付けられて、プレイヤーだけじゃなくてスタッフも集まって凄く賑やかになっていた。プレイヤーが入って来ると煩い位のアナウンスが響いた。
「カカカカカカ!さーて、一週間お待たせ致しました!待ってない奴は10秒で一週間分
待て!そんじゃ!課題『愛される人形を作り上げろ』の投票開...DollsGame-102.アイリス-
安酉鵺
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鳳仙花がクラムを追い駆けて出て行ってしまい、微妙な空気が流れた。脅されたって聞いたけど、助けるつもりなのかしら?と、小声でシャルロットが話し掛けて来た。
「…たまには欲張ったら?」
「え?」
「強そうな人ペア指名すればいけるんじゃない?折角ドレス着れるんだし。」
「私こんな背だから可愛いのとか似合わ...DollsGame-89.紫紺野牡丹-
安酉鵺
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自分に新しい家族が出来ると知って、改めて思った。一人になるのはとても寂しくて、恐ろしいと言う事、居るのが当たり前になって、突然消えるなんて考えもしないで毎日過ごして、だから失った時泣き叫ぶ。悲しくて、寂しくて、恐ろしくて…。夜になり、人気の無いラウンジは水を打った様に静まり返っている。微かな足音も聞...
DollsGame-93.君子蘭-
安酉鵺
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気のせいか、外が忙しない空気に包まれていた。足音や人の声が何度か聞こえる。明らかに面倒事っぽいんだよな…。嫌な予感がしつつドアを開けると、丁度ルイと出くわした。
「あ、フノオ君。ねぇ、浬音ちゃん知らない?」
「は?」
「居ないみたいなのよ、ハレルさんや皆で探してるんだけど全然…。帽子屋さんも
見な...DollsGame-83.著莪-
安酉鵺
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弾丸の様に逃げて出した子供達はあっという間にどこかに行ってしまった。何か家に居る時思い出すなぁ。
「あ、拳銃君、ねぇねぇ子供達居た?」
「見て無い…子供って変な所に居たりするしね。」
「お菓子に釣られて出て来ないかな?」
「持って無いよ。」
「じゃーんキャラメルクッキー!美味しいから猫君に作って貰っ...DollsGame-52.パセリ-
安酉鵺
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――Q,この世で一番大切な物は何だと思いますか?
――A,お金だと思います。
「お先に失礼しまーす。」
「はい、お疲れー。」
間延びした挨拶をして店を出た。辺りはすっかり暗くなっていた。時間を見ると20時を過ぎている。軽く何か食って帰るか…。
「居たぁ―――!!ちょっと!!そこのチャラ男!!」
クラ...DollsGame-12.猿取茨-
安酉鵺