ブクマつながり
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集合時間になり、ロビーにぽつぽつと人が顔を見せる。何だか皆お互いの様子を伺う様に距離を置いて気まずい空気だった。沈黙に耐えられず辺りを見回すと、カチッと目が合った。真っ赤な長い髪が凄く目立つ。
「あ、昨日のうるさい人。」
「メオです、失礼ね…何か用?拳銃君。」
「別に?なーんか空気重かったからさ。」...DollsGame-22.菜の花-
安酉鵺
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嫌味な程に良い天気!と言うかぶっちゃけ炎天下?うーん、まぁ夏だから良いか。
「バタフライさん!写真撮って良いですか?!」
「はいはーい♪」
「あ、私達もお願いします~!」
えへへへへへ~ちょっと芸能人みたいな気分♪それにしても、プレート何に使うんだろう?宝物って言うからにはどこかに隠したりとかするの...DollsGame-115.ルリジサ-
安酉鵺
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目の前のカードに段々とイライラして来た。飄々と笑ってるトカゲにはうっすらと殺意すら浮かんでいた。
「あんた…絶対何かしてるだろ?」
「とんでもない。」
「ババヌキでもボロ勝ちって有り得ないだろ!」
「それは君の頭が悪いからだよ。」
「あぁ?!ガキは黙ってろ!」
「ちょっと黙ってて!」
「お?やっと火...DollsGame-57.ルドベキア-
安酉鵺
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案内された衣装室で思わず声を上げてしまった。色取り取りのドレスや着物が森みたいに並んでいた。
「凄ーい!こんなに?!」
「た、確かに迷うわねぇ…。」
「かくれんぼ出来そうだな。」
「ここから向こうは着物で、こっちからドレスになってます。」
服に興味がある方では無いけど、こんなにドレスがあると流石にわ...DollsGame-95.ピナス-
安酉鵺
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流石にマントが熱く、重くなって来た。あの二人一体何時まで逃げるつもりなんだろう…?走り疲れてベンチで休んでいると、数人の子供がこちらを遠巻きに見つつ何やらコソコソ話してる。
「せーの…!それー!」
「飛んでけー!」
子供が持っていた風船を手放し空へ放った。蓄光塗料で絵が描かれた風船は暗闇にぼんやりと...DollsGame-130.シュロ-
安酉鵺
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もうもうもーう!走りっ放しで疲れた疲れた疲れた―――!!汗は掻くし髪だってグシャグシャだし、プレートは勝手に奪われてるし…!ナス君お間抜け過ぎ!期待してた昼ドラも見れないし…。
「もーう!」
「はいはい、イライラは良くないよ。」
「ジャックさんは花壇ちゃんに預けてるんでしょ?なら自分は安全圏じゃない...DollsGame-125.野萱草-
安酉鵺
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人に見られるのも、暑苦しい喧嘩も、何かに執着するのも、実はそんなに好きじゃない。かわそうと思えば幾らだってかわせるし、回避出来る物は出来るだけ回避したい。だけど…。
「お前が倒れるか、俺が膝を付いたら終了だ。」
「な…?!」
「お前は俺に勝てない。今迄も勝った事無いだろう?」
「…なめるな!」
心の...DollsGame-128.夕霧草-
安酉鵺
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ブレイクのコールが響いた。辺りは大分暗くなって来た。皆とはぐれてしまったし何より疲れたな。体力勝負では敵わないだろうし、ゲルニカや皆も怪我をしたら大変だな。
「ゲルニカ、どうしようか?」
「ラビット!」
「わぁっ?!…クラム…それにハレルヤ?」
「丁度良かった、貴女にこのプレートを預けようと思ってた...DollsGame-126.グミ-
安酉鵺
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暫く鬼ごっこ状態だったけどバタフライと一緒にハレルヤと花壇の二人を追い詰めた。
「あれぇ?ナス君とクラムさんはぁ?」
「その内来るんじゃない?それより…。」
目が合うとハレルヤは背中に花壇を庇って私とバタフライを交互に見遣っていた。見た感じでもこの二人は戦った事なんて無さそうだし、楽勝所かただのイジ...DollsGame-118.花韮-
安酉鵺
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足元も覚束ないまま、浬音は涙を零していた。彼が消えたドアから目を逸らす事無く、声を上げずただ止め処なくポロポロと涙が流れていた。
「…どうして泣くんですか…?!あんな目に遭ったのにどうして…?!あの人と居たって
傷付くだけじゃないですか!」
「…るさい…。」
「え?…うわっ?!」
急に胸を強く押さ...DollsGame-86.カラー-
安酉鵺
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響き渡った『ブレイク』のコールに『リトルフラワー』ががっくりと肩を落とした。
「ええええええ?!あいつ何やってんのよぉ~~!!まだ死なせてないのに!!」
「シャルロットも?一体誰だ?帽子屋か?」
「私のプレート鳳仙花お姉様に取られてるし…訳判んない!」
興が削がれたな、ここで俺達が戦った所で得られる...DollsGame-121.アキノキリンソウ-
安酉鵺
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うっかり口を滑らせたのは認める、いきなり驚かせたのも認める、だけど…。
「普通蹴るかよ…。」
時間が経ったら腹も立って来た。しかしあの髪、あの顔、小柄で細身な体…どっかで見た事ある気がするんだよな。気になって目が冴えて寝付けなかった。
「何処で見たんだっけな…?」
気でも紛らわせようと少し船内を散歩...DollsGame-19.柊-
安酉鵺
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普段あまり体を動かさないせいか、それとも向こうの体力が桁違いなのかは判らないが…。
「つ…疲れた…。」
「何だよあの2人…特にウサギ野郎!IH級なんじゃね?」
「ちょぉーっと休憩!」
闇雲に追い駆けても得策では無さそうだ、こちらがイタズラに体力を削るだけ。
「少し策を立てる事を提案します。」
「…喋...DollsGame-24.フリージア-
安酉鵺
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――Q,この世で一番大切な物は何だと思いますか?
――A,お金だと思います。
「お先に失礼しまーす。」
「はい、お疲れー。」
間延びした挨拶をして店を出た。辺りはすっかり暗くなっていた。時間を見ると20時を過ぎている。軽く何か食って帰るか…。
「居たぁ―――!!ちょっと!!そこのチャラ男!!」
クラ...DollsGame-12.猿取茨-
安酉鵺
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放送にあたし達四人は固まっていた。冗談じゃないわ、帽子屋さん相手に戦うとか絶対無事じゃ済まなさそう。
「これ私達に不利過ぎじゃない?!花壇ちゃんとかどうなのよ?!」
「この際花壇と手を組めば安全ではないのか?」
「でもそれだと勝負にならないし…ゲームとして成立しなくなっちゃうんじゃない?」
「うーん...DollsGame-122.エレムルス-
安酉鵺
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怒りと勢いに任せて引っ叩いた事を今更少しだけ後悔してた。話を聞いた方が良かったのかも知れないけど、それが出来るなら後悔なんてしてないだろうし、溜息も出ない。
「随分浮かない顔だね『リトルフラワー』さん。」
「誰?!」
「憐梨さんの代理で派遣されました風名揚羽、コードネーム『ハートのジャック』
です...DollsGame-92.百日紅-
安酉鵺
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箱と格闘してどの位時間が経っただろうか、一向に事態は動かなかった。
「少し休憩しては?」
「う~~…もうちょっとな気が…あいたっ!痛~…爪欠けたぁ…。」
「…っ大丈夫ですか?!」
嫌な予感はしていたが案の定だ。
「見せて下さい。」
「えっ?あの…そんな大した事じゃ…。」
「良いから手を出しなさい。」...DollsGame-56.銭葵-
安酉鵺
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冗談じゃないわよ!何なのよこの課題!前回のでそっち系に走るつもりって訳?!
「鳳仙花さぁん…。」
「あれ?花壇も逃げて来たの?」
「だってぇ…。」
「判る、うん判るよ!あのまま居たらケダモノの餌食よね!」
「凄い勢いで探してるみたいです…。」
「ああ~んもう!2人はさっさとクリアしちゃうし…!」
建...DollsGame-37.エピデンドルム-
安酉鵺
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一般客に紛れてても全く気付かれない。流石にあのジャージは印象が強かったんだろうか。楽が出来て良いけどこれでは課題にならないな…。そろそろアリエッタと合流でもしようかと携帯を出した所へさわさわと人の声が聞こえた。
「うぉ!あれ動画の花壇じゃね?!」
「お!マジだ!ちっちゃ!」
「ちょっと待って待って、...DollsGame-119.ジャーマンダー-
安酉鵺
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中断してしまった夕食は再開した物の、やはり皆食が進まない様だった。会話は無く溜息混じりだ。
「大丈夫かなぁ?浬音ちゃん、凄く辛そうだったけど…。」
「うん…ずっとあんな事言われて来たのかな?」
「何処の世界にもどうしようもない奴は居るもんだよね。見てよ、これ。」
ナチ君はそう言って置きっ放しになって...DollsGame-32.カンガルーポー-
安酉鵺
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停電から一夜明けて、いつもの様にロビーに人が集まって来ていた。だけど居るのは男だけで女性陣の姿は無い。人もいつもより少ない、ハレルが少し遅れて降りて4人が揃った時、近くに居たチェシャ猫にそれと無しに聞いてみる。
「何で女達居ないの?」
「あ、課題で移動して貰ってます。」
「課題?今居ない奴もそっちな...DollsGame-75.ランタナ-
安酉鵺
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病院の廊下を早足で歩く、本当は走りたい思いだけどそこは流石に我慢して。
「あれ?啓輔、もう着いたのか?昼過ぎになると思ってたんだけど。」
「朝一で飛ばして貰った…憐梨は?倒れたって大丈夫なのか?ほら、あいつ体力
そんな無いからさ…。」
「大丈夫だって。まぁ、入って入って、話は中でするからさ。」
含...DollsGame-76.花菖蒲-
安酉鵺
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照明や空調が復帰した。そう長い時間では無かったがやはりホッとする。
「あ、良かった~戻ったみたい。」
「この雷のせいかな?」
「台風来てるのか?」
「他の皆大丈夫だったのかな?ドア閉まっちゃったみたいだし。」
――ピンポーン…ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!
「わわわ?!誰?!誰?!はいはー...DollsGame-69.金魚草-
安酉鵺
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ここでこうしていても始まらない、と言う事であたし達は近くのベンチに座り帽子屋さんに渡された封筒を開けてみた。
『白い小石で救われた 二度目は小鳥に迷わされ 甘い香りに一時眠れ 最後は焼いて宝物』
「何これ?暗号文?」
「さっぱり判んない…こう言うの苦手だなぁ。」
「うーん…『最後は焼いて宝物』って書...DollsGame-54.カモミール-
安酉鵺
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毎度毎度課題を考えてる人の顔が見てみたいったら無いわ…。しかもあんな説明だけなんて!!
『人魚姫?それとこの足枷と何の関係があるのよ?』
『私も詳しくは…あ、最後にこのマスクはめて下さい。』
『こう?…ん?むぐぐぐぐ~~~???』
どう言う構造なのかマスクが取れなくなった。息苦しくは無いけど話せない...DollsGame-78.カポック-
安酉鵺
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時々こんな話を聞く。『鍵を置き忘れてオートロックの扉閉めちゃったんだよね』正直言って冗談だと思っていた…が!
「暑い…。」
鍵は持っていたが上着のポケット、ついでに携帯も。暑いからと言って上着を脱いだのが間違いだった。もうサウナ状態の倉庫に閉じ込められてどの位経つだろうか、暑さで眩暈がして喉もカラカ...DollsGame-40.カタクリ-
安酉鵺
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翌日、プレイヤー8名はいつものロビーでは無く、ホテル内のパーティーホールに集められた。目に見えて判る程、一人に敵意にも似た視線が注がれている。事情を知らない彼等にしてみれば当然だろう。その中に敵意とは違う、複雑そうに孤立した彼を見ている目が在った。泣き腫らして、まだ少し赤い目…貴女が眠ってない事は俺...
DollsGame-88.シクラメン-
安酉鵺
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花壇を無事見付けたのは良いが何故三月ウサギが此処に居るんだろう?と言うか話し掛けてはまずかったのだろうか?まぁ悔やんでも後の祭な訳だが。
「痛たたた…頭ぶつけた…。」
「大丈夫ですか?花壇。女性に乱暴は感心しませんね。」
「してねぇよ…。」
「泣いてるじゃないですか。」
「それは…!その…。」
「あ...DollsGame-42.パフィオペディルム-
安酉鵺
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課題がクリアして、皆はそれぞれ愚痴ったり笑い合ったりしていた。だけどあたしは、目の前でまだ手を繋いだまま話してる2人から目を放す事が出来なかった。
「疲れたー…誰か水持ってないか?」
「あ、持ってますよ、どうぞ。」
「悪ぃ悪ぃ…。」
どうして手を放さないの?いつからそんなに仲が良くなったの?判ってる...DollsGame-81.アカネ-
安酉鵺
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夕食も取る気になれず部屋でぼんやりしていると、ノックと共にスタッフが呼びに来た。何処へ行くかは教えてくれなかった。俺は失格にでもなるんだろうか?
「こちらです、どうぞ。」
重々しい扉が開かれた。ソファに座っている浬音がこちらを少し見遣る。しまったな…こいつが証言すれば嘘がバレるか…?動きあぐねている...DollsGame-87.アヤメ-
安酉鵺
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何処から尾けて来たのか、ルイを気付かれない様に温室の外へと引き摺り出した。
「ぷはっ…!はぁ…ちょっと殺す気?!」
「静かに、気付かれるだろ。」
ここで騒がれるのは正直非常にまずい。気付かれたらどうなる事やら。だけど何処まで知ってるんだ?場合によっては誤魔化せるかな…。
「さっきの事なら別に言わない...DollsGame-99.キンリュウカ-
安酉鵺
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一週間があっという間に過ぎてとうとう課題当日になった。それぞれ別室でドレスに着替えて、今はメイクやアクセサリを整えている。
「ラビット様?どうしました?」
「や…やっぱり私…こんな可愛いの似合わなくないか?!」
「またそう言う後ろ向きな事を…。」
「わ、私は魔女って呼ばれてたんだぞ?!魔女がこんな可...DollsGame-101.山茶花-
安酉鵺
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「…理解不能…。あっつ…。」
自分の汗が顔を伝うのが判った。手紙の示す塔には直ぐ着いたが、入り口には内側から鍵が掛かっていて、かなりあからさまに非常階段の扉が開けられていた。嫌味な程照り付ける太陽の元、塔の外側を伝う様に設置された非常階段を昇っていた。昨日の嵐も鬱陶しかったがこんな時に快晴になるのも...DollsGame-80.群雀-
安酉鵺
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雨の中走った次は廊下走って、弾丸かよ?全く…。
「浬音!」
「…っ!放して!」
「走るな!落ち着けって!」
「鳴兎のせいだ!全部鳴兎のせいなんだから!変な事言うし、変な話するし、
よく解んない事いっぱいするから!熱でも出たらどうしてくれんの?!」
真っ赤になって涙目で文句を言い連ねて居たが、ヤバイ...DollsGame-71.クフェア-
安酉鵺
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小さな時から他人を羨むなと教えられて来た。誰かの物を欲しがったり、羨んだりしてはいつか必ず誰かが、自分が傷付くから。もう癒えた筈の背中がじわじわと痛む。
『何で判らないんだ!貴女を幸せに出来るのは俺だ!俺だけだ!』
『やめて!鳴兎を放して!』
『どうして俺の愛が判らないんだ…!!』
『きゃあああああ...DollsGame-94.カミツレ-
安酉鵺
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機材倉庫のドアを開けると、夕方だと言うのにまだ蒸し暑い空気が吹いた。倉庫の中を見ると、隅の方で蹲っている姿があった。三月ウサギは慌てて駆け寄ると、ぐったりとした浬音を抱き起こした。
「…浬音!!」
「おい!居たぞ!」
「脱水症状起こしてるわ!誰かお水!早く!」
「医務室連絡して、タオルと氷嚢、それに...DollsGame-84.ハイドランジア-
安酉鵺
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突然現れた三月ウサギは泣いていた浬音をぎゅうっと抱き締めた。
「ふぐ…!ん~~~~っ!!んんんん~~~~っ!…ぷはっ…!」
「お、泣き止んだ。」
「…っの変態!!」
「痛っ…!」
手を解いた三月ウサギの脛にローキック…また地味に痛そうな。
「鳴…『三月ウサギ』さん、何してるんですか?こんな所で…。」...DollsGame-45.竜胆-
安酉鵺
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モニターと機材の山の中、キーを叩く音がカタカタ響いている。
「あ、お疲れー。」
「お疲れ様でーす。」
「昼間の反応どう?停電で規模縮小したから地味になっちゃったけど。」
「そうね、少し反応が薄い感じかな。コメントもちょっと少ないし。」
「ま、この辺は予想内だな。」
「あ、そうそう、報告入ってたんだ!...DollsGame-82.ルバーブ-
安酉鵺
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パーティーは随分遅くまで続いてて、半分位の人は酔っていた。未成年だしお酒は飲んだ事が無いので料理を突きながらひたすらソフトドリンクだったけど、色んな人と話してみて楽しかった。少し疲れて壁際の椅子で休んでいるとメールが来た。
『少し抜け出せる?衣装部屋で待ってる。 鳴兎』
衣装部屋?頭に『???』がい...DollsGame-103.花海棠-
安酉鵺
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密さんの名前を出されて次の言葉が出なかった。何て言えば良いのかとか、何が言いたいのかとか、頭が真っ白になった。助けてくれて、側に居てくれて、我が侭まで聞いてくれて、凄く迷惑掛けてるのに一緒に居てくれるのが嬉しくて、安心するけどドキドキして…密さんなら私多分何されたって嫌じゃないと思う位…。
「真っ赤...DollsGame-41.八重撫子-
安酉鵺
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翌朝、朝食の後に再びロビーに集められた。楽しみな様な、不安な様な…何とも言えない緊張感。
「はぁ~…いっそ誰か撃てとかの方がよっぽど楽。」
「それが楽なのは君だけだと思うよ。スナイパー。」
実際問題昨日みたいな恐い目には遭いたくない、そして出来れば得意分野が良い!そんな祈りを捧げてみた時鐘の音が鳴り...DollsGame-36.猫柳-
安酉鵺
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課題発表から3日、ラウンジで『人形』の5名が自然と集まった。昼食を取った後に皆でお茶でも、と言う鳳仙花の言葉に乗ったのだが…。
「はぁ~~~~~~~。疲れた…。」
「あたしも…。」
「4人共暗いよぉ?エステもあって可愛いドレス着れるんだからもっと気楽にすれば
良いのに。」
「気楽じゃ済まないわよ…...DollsGame-97.日々草-
安酉鵺
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すっかり日が落ちて辺りは暗がりになって来た。ブレイクコールが何人も出て、今残っているのは数人…。一般客を掻き分けながら浬音を探していた。
「花壇…良かった、無事で…。」
「鳴…ウサギさん…。」
「あれ?ウサギ?何で?花壇って帽子屋じゃねぇの?」
「え?二股?」
まずいな…しかし客に説明するのも面倒だ...DollsGame-127.紅花-
安酉鵺
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気が付けば呼び出した鳴兎を皆が囲んでいた。
「ちょーっとお話良いかしら?ウサギさん。」
「ご愁傷様。」
「よく判んないけど面白い事になってるみたいだね。」
「女性に傷を付けるのは感心しませんね。」
「紳士だと思ってたけど変態だったのね!」
「お前が浬音に噛み付いたのか?」
皆に迫られて流石にうろたえ...DollsGame-70.ピンクカーネーション-
安酉鵺
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機材と掃除用具をワゴンに乗せて運んでいる途中、ついつい愚痴が零れた。
「それにしてもこのゲーム案って誰が考えてるんだろうね?社長じゃないんでしょ?」
「みたいだねぇ。」
「面倒って言うか、馬鹿って言うか、まぁ、偉い人の考える事はよく判んない。」
「でも結構楽しく…。」
「アリエッタ―――――――――...DollsGame-91.枝垂桜-
安酉鵺
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早々と課題をクリアしてしまったのでチコリと2人でラウンジでお茶をする事にした。自分達がクリアになった後皆が飛び出して行ってしまったので心配していたが、甲高い声が時々他のプレイヤーのクリアを告げて居たので2人でホッとしていた。
「意外と順調みたいね、一時はどうなる事かと思ったけど。」
「まさか女同士で...DollsGame-43.アロエ-
安酉鵺
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一般客を避ける様に私達は最上階に呼ばれた。スペシャルスイートらしく広々として静かだった。部屋に入るとプレイヤー以外にNPCの人達も集められていた。
「全員揃ったみたいだね。」
「社長、今回の課題私達も内容聞いてないんですけど。」
「それを今から説明する所。はい、じゃあ皆さんに先ずこのプレートを持って...DollsGame-114.山桑-
安酉鵺
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自分に新しい家族が出来ると知って、改めて思った。一人になるのはとても寂しくて、恐ろしいと言う事、居るのが当たり前になって、突然消えるなんて考えもしないで毎日過ごして、だから失った時泣き叫ぶ。悲しくて、寂しくて、恐ろしくて…。夜になり、人気の無いラウンジは水を打った様に静まり返っている。微かな足音も聞...
DollsGame-93.君子蘭-
安酉鵺
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気のせいか、外が忙しない空気に包まれていた。足音や人の声が何度か聞こえる。明らかに面倒事っぽいんだよな…。嫌な予感がしつつドアを開けると、丁度ルイと出くわした。
「あ、フノオ君。ねぇ、浬音ちゃん知らない?」
「は?」
「居ないみたいなのよ、ハレルさんや皆で探してるんだけど全然…。帽子屋さんも
見な...DollsGame-83.著莪-
安酉鵺
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弾丸の様に逃げて出した子供達はあっという間にどこかに行ってしまった。何か家に居る時思い出すなぁ。
「あ、拳銃君、ねぇねぇ子供達居た?」
「見て無い…子供って変な所に居たりするしね。」
「お菓子に釣られて出て来ないかな?」
「持って無いよ。」
「じゃーんキャラメルクッキー!美味しいから猫君に作って貰っ...DollsGame-52.パセリ-
安酉鵺